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カスタマーサクセスとは?仕事内容や成功事例や導入メリットをわかりやすく解説!

既存顧客に積極的に関わり、良好な関係を築く役割を担う「カスタマーサクセス部門」を立ち上げる企業が増えています。

しかし、カスタマーサクセスの仕事内容や立ち上げ方、KPIを理解しておかなければ運営は上手くいきません。そのため、カスタマーサクセスへの理解を深めておきましょう。

今回はカスタマーサクセスについて解説します。この記事では、カスタマーサクセス部門の立ち上げや見直す際に必要な情報をまとめたので、ぜひお役立てください!

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カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは?

 

カスタマーサクセス(Customer Success)は、既存顧客に能動的に関わり、顧客の成功(課題の解決や要望の実現)を支援する仕事をいいます。

顧客は商品・サービスを購入した後に「上手く使いこなせるか不安」「もっと成果を出したい」などの不安を抱くことがあります。

このような顧客に対してサービスの使い方を教えるなど能動的に関わっていき、顧客満足度を向上させていくのがカスタマーサクセスの役割です。

 

カスタマーサポートとの違い

カスタマーサクセスはカスタマーサポートと混同されやすいですが、3つの違いがあります。

 

カスタマーサクセス

カスタマーサポート

取り組む姿勢

能動的

受動的

KPI

解約率

アップセル率/クロスセル率

顧客満足度など

対応率

返信時間

解決率など

対象者

BtoBビジネス

サブスクリプションモデル

すべての企業

カスタマーサクセスが注目される背景

カスタマーサクセスが注目される背景は3つあります。 

サブスクリプション型ビジネスの台頭

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近年、みなさまご存じの通りサブスクリプションサービスが台頭してきました。

矢野経済研究所『サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2023)』によると、2023年度の市場規模は9,430億円でした。2025年には1兆1185億円まで市場は拡大すると予測されています。


サブスクリプションサービスは解約されず、継続して利用してもらうことで売上が伸びるビジネスモデルです。そのため、既存顧客に能動的に関わり、サービスに対する愛着や信用を深めていくカスタマーサクセスが注目されているのです。

 

営業スタイルの変化

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サブスクリプションサービスが台頭し、顧客の購買行動も変わりました。顧客が求めているサービスを買い切るのではなく、必要なときに必要なだけ使うスタイルに変化してきたのです。


初期費用を抑えてサービスが気軽に利用できるようになったのと同時に、不要になれば解約できるようになりました。


そのため、既存顧客と継続的に接点を持ち満足度を上げる必要性が出てきました。

ビジネス競争の激化

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市場が成熟し、似たようなサービスが乱立して他社と差別化しなければ売れない時代となっています。

 

激化するビジネス競争を勝ためには、他社との差別化が重要です。カスタマーサクセスを立ち上げて、顧客に手厚いサポートをすれば「手厚いサポートが魅力的なサービス」だと強みをつくることができます。


実際に約7割の人がカスタマーサポートの手厚さを「重視する」「やや重視する」と回答しているため、顧客を満足させるためには、カスタマーサクセスを立ち上げる企業が増えてきています。

 

カスタマーサクセスを導入するメリット・効果

カスタマーサクセスを導入するメリット・効果は5つあります。

 

顧客満足度の向上

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お客様の課題を一緒に解決すれば「とても手厚いフォローが魅力的だ」と顧客満足度を向上させることができます。

顧客満足度が向上すればサービスを使い続けてもらえます。また、良い口コミを自発的に拡散してもらえるなど二次効果も期待できるでしょう。

また、顧客離れを改善できれば大幅に利益率を改善できるため、既存顧客の満足度を追求することをおすすめします。

参考:顧客満足度を上げる具体例10選!成功企業の事例とともに解説

 

解約率の抑制

顧客がサービスを解約する理由はさまざまですが「サービスを上手く使いこなせなかった」「投資対効果が得られなかった」などが挙げられます。このような顧客の不満は、カスタマーサクセスが支援することで解決できます。

 

例えば、サービス購入後に使用方法を教えたり、サービス利用者の成功事例を共有したりすることで、解約を防ぐことが可能です。

製品・サービスを継続的に使用してもらえれば、LTVを最大化できます。

 

他社との差別化

カスタマーサクセスが顧客の成功を支援すればCX(顧客体験)を向上させることができます。「サービスを購入したら、手厚いサポートがついていた」と顧客に満足してもらえれば、サービスを継続して利用してもらえるようになります。


また、SNSやブログなどで良い口コミ・評判を流してもらえるでしょう。モノが溢れる時代で製品・サービスの差別化は難しくなりました。しかし、手厚いサポートを提供することで他社との差別化が図れます。

 

アップセルとクロスセルの促進

カスタマーサクセスが支援を通じて顧客と良好な関係を築くことができれば「他部門にもサービスを導入したい」「プランをアップグレードしたい」などの相談をされるようになります。


今よりも上位モデルを提案したり、他のサービスを併用を提案すれば契約してもらえるでしょう。このように、既存顧客にアップセルやクロスセルを促進して売上が伸ばせることもメリットです。

 

プロダクト品質の改善

カスタマーサクセスと既存顧客が信頼関係を結ぶと、製品やサービスに関する要望を聞く機会が増えます。

 

例えば「ITツールを導入したけれど操作方法が難しい」「ITツールに、このような機能があれば便利だと思う」などの率直な意見をもらえるでしょう。このような意見を参考に、製品、プロダクトを改善すれば品質を上げられます。

 

カスタマーサクセスの主な仕事内容

カスタマーサクセスの主な仕事内容は4つに分けられます。


オンボーディング

オンボーディングは、顧客が製品やサービスを購入後に、使いこなせるまでを支援するフェーズです。


「製品の操作方法がわかりにくい」「一部の機能しか使えない」などの悩みを抱えないように、カスタマーサクセスが支援します。例えば、製品の操作方法の指導をしたり、マニュアルやFAQを用意してあげたりすることが主な仕事内容です。


1人1人の顧客が、どうすれば製品・サービスを使いこなせるようになるかを考えて支援していきます。


関連記事:オンボーディングとは?SaaSのカスタマーサクセスにおける重要性・ポイントをご紹介!


アダプション

アダプションとは、製品・サービスを利用してから定着するまでのフェーズをいいます。つまり、カスタマーサクセスは、顧客が製品・サービスに満足できるようにアプローチしていきます。顧客の活用状況などデータ収集やヒアリングを随時行い、伴走して成果を出すことが主な仕事内容です。

 

製品・サービスを利用している方が、どのように成果を出しているのかノウハウなどを提供してあげます。 
関連記事:アダプションとは?顧客満足度を高めるための重要なプロセス


エクスパンション

エクスパンションとは、製品・サービスに満足している顧客にアップセルやクロスセルを提案するフェーズです。

 

提案は売る側の都合ではなく、顧客視点に立った内容で行うことが大切です。常に顧客視点を大切にすることで、顧客の紹介なども期待できます。


プロダクトフィードバック

プロダクトフィードバックとは、顧客の声を収集して製品・サービスに反映するフェーズです。顧客の要望を製品・サービスに反映させることで、継続して利用してもらえるようになります。

 

また、顧客の要望を製品・サービスに反映することでプロダクトマーケットフィットでき、新規顧客も獲得しやすくなります。

 

カスタマーサクセスの主要なKPI

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ここからはカスタマーサクセスのKPIを解説いたします。
上記図ではアディッシュが思うカスタマーサクセスにおけるKPIになりますが、種類が多く複雑なため、代表的な5つのKPIをご紹介いたします。

 

LTV

LTVとはLife Time Valueの略称で顧客生涯価値を意味します。顧客が取引を開始してから終了するまで、どれだけ自社に利益をもたらしてくれるかを表す指標です。LTVの計算式は以下の通りです。


LTV = 顧客の平均購入単価 × 購入頻度(年) × 平均契約期間(年)
LTVが高ければ、良い製品・サービス、サポートを提供できていると判断できます。

 

NPS

NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略です。

顧客ロイヤリティを測る指標として活用することができます。

これまでは顧客がどの程度自社の商品やサービスについて愛着を持っているのかを客観的かつ数値的に知ることは不可能でしたが、NPSを活用すれば簡単な計算式で、数値的に顧客ロイヤリティを知ることが可能です。 

顧客ロイヤリティとは、非常に簡単にいえば「自社や商品・サービスに対する愛着」という意味で、顧客ロイヤリティが高い人は、より多く自社の商品を購入してくれたり、新規顧客を紹介してくれたりします。

下記はNPSの詳細について記載しておりますのでご参照ください。

 

アップセル・クロスセル

いま利用しているプランより上のグレードを契約してもらう「アップセル」。関連商品やオプションなども購入してもらう「クロスセル」も、カスタマーサクセスの重要な仕事です。

 

顧客のニーズや状況を把握しているカスタマーサクセスだからこそ、最適なタイミングでアップセル・クロスセルの提案を行うことができます。

アップセル率やクロスセル率が高ければ、カスタマーサクセスが適切に提案できており、顧客と良好な関係性を築けていると言えるでしょう。

 

参考:アップセル・クロスセルとは?違いや事例、顧客単価・LTVの上げ方を解説

 

チャーンレート(Churn Rate/解約率)

チャーンレートとは解約率のことです。

 

一定期間のうちに会社と取引を中止した顧客の割合を指します。解約率の計算式は以下の通りです。

解約率 = 解約者数 ÷ 顧客数 × 100


一定期間のうちに会社と取引を中止した顧客の割合を指します。
チャーンレートを測定する頻度は非常に多岐にわたり、1年、半年、四半期、1カ月などビジネスやサービスによって最適な測定期間が異なります。業種によっては毎日測定している企業も存在しています。

カスタマーサクセス部門にとってまず一番重要視される指標がこのチャーンレートです。

 

リテンションレート

リテンションレートとは、サービスの継続利用率を数値化したもので、リテンションレートの計算式は以下の通りです。

 

リテンションレート(%) = 継続顧客数 ÷ 新規顧客数 × 100

 

リテンションレートが低い場合は、ユーザーがサービスから離れていることが考えられます。そのため、顧客対応をして、どのような改善をして欲しいかを聞き出しましょう。

 

カスタマーサクセスチームの立ち上げ方

カスタマーサクセスは5STEPで立ち上げます。

カスタマージャーニーマップを作成して顧客を理解する

まずは、カスタマージャーニーマップを作成して、顧客が製品・サービスを購入して成果を出すまでの道筋を整理します。カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客に対する理解が深まり、どのような支援を行えばよいのか考えられるようになります。

 

顧客層に合ったリソース配分を行う

すべての顧客にきめ細かな対応を行うのは現実的ではありません。そのため、顧客を「ハイタッチ」「ロータッチ」「テックタッチ」に分類してフォロー方法を変えましょう。

ハイタッチ

高額契約の顧客向けに専任担当者が手厚くサポート

·        訪問による支援

·        1対1の定期ミーティング

·        個別勉強会

ロータッチ

ハイタッチの次に優先度が高い顧客をサポート

·        セミナー

·        ワークショップ

·        トレーニングプログラムの提供

·         一斉配信メール

テックタッチ

契約規模の小さい顧客に向けて行うサポート

·        チャットボット

·        メールマガジン

·        チュートリアル動画

·        FAQ

 

カスタマーサクセスの組織モデルを決める

次に顧客の成功を支援するためのカスタマーサクセスの組織モデルを決めます。

オールラウンダー型

オンボーディングからエクスパンションまで1人で対応する

スペシャリスト型

「オンボーディング」「アダプション」「エクスパンション」を分担して対応する

セールス指向型

営業部門とカスタマーサポートが連携して対応する

パートナーシップ型

顧客の要望や課題に合わせて柔軟に対応する

 

目標(KPI)を設定する

カスタマーサクセス組織のKPIを設定します。
さまざまなKPIがありますが、ヘルススコアは必ず設定するようにしましょう。

ヘルススコアとはITツールの場合はログイン回数やアクティブ率です。ヘルススコアが高ければ解約される心配がありません。そのため、ヘルススコアが高くなるようにサポートしましょう。

 

カスタマーサポートの支援方法を見直す

カスタマーサポートの目標と実績の差分を把握して課題が発生したら、支援方法を見直します。

例えば、複数名の顧客の支援を行うと業務が煩雑することもあるでしょう。このような課題が出てきたら、カスタマーサポートツールを導入して、支援しやすい環境を整えてあげます。 

 

カスタマーサクセス成功のポイント

カスタマーサクセスで顧客を成功に導くには5つのコツがあります。

 

顧客データを最大限に活用する

顧客の抱えている課題を解決したり、要望を叶えるためには相手をよく知ることが大切です。

 

そのため、CRMやSFAなどを活用して顧客データを最大限に活用しましょう。そして、顧客について理解を深めた上で支援していきます。


カスタマーサクセス導入前後の成果をデータ分析して提示してあげると喜ばれるでしょう。

 

部門を超えて組織全体で取り組む

カスタマーサクセスは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスから続く営業プロセスの一つです。そのため、部門間が連携し、組織全体で顧客の成功支援に取り組まなければ効果は半減します。
  
 部門の垣根を超えて取り組む組織は顧客の情報がよく入ってくるため、かゆい所に手が届くサービスをつくりやすく、市場での優位性確保につながります。

 部門間の協働体制を構築するためには、顧客情報を共有できるCRM・SFAの導入が有効です。


関連記事:『【2024年最新版】CRMツールとは?おすすめのCRMツール12選
関連記事:『SFA(営業支援システム)とは?主な機能や効果的な使い方を解説

 

カスタマーサクセススキルを教育する

カスタマーサクセススキルを教育することで対応力を上げることができます。カスタマーサクセスの必要な7つのスキルを磨きましょう。 

  • コンサルティングスキル
  • 専門分野に関する深い理解力
  • コミュニケーションスキル
  • 忍耐力
  • 課題発見スキル・問題解決スキル
  • 分析力
  • ファシリテーション能力

 

また、部門内で成功事例や失敗事例を共有する場を設けることも大切です。 

カスタマーサクセススキルについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

関連記事:『カスタマーサクセスに必要な7つのスキル!スキルマップの活用と将来性を解説』 

 

カスタマーサクセスの成功事例

最後に、カスタマーサクセスが成功している企業事例を紹介します。

 

マツダ株式会社

マツダ株式会社は、2022年に「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」というオンラインコミュニティを開設しました。マツダの車を愛用している顧客同士がつながることができる場のため、新たな顧客体験の価値を提供しています。さらにオフラインでのリアルイベントも併用し、より一層、顧客への付加価値を創造しています。

 

事例はコチラ!

デジタルを活用したコミュニティー運営に共に挑む。|マツダ株式会社

株式会社NearMe(ニアミー)

株式会社NearMeは、24時間365日体制の顧客対応体制を構築し、幅広い層の顧客のニーズを満たしています。事業が急成長している中で、母数は少なくても特定の時間帯や曜日に不便を感じている顧客層まで網羅できる体制を整えられたことで、安心して全国へと拠点を拡大していくことができています。

 

事例はコチラ!

社会の「もったいない」問題解決に挑むNearMe|株式会社NearMe(ニアミー)

まとめ

カスタマーサクセスは、自社の商品・サービスを活用して「顧客を成功」へと導き、顧客満足度の向上・LTVの向上(売上向上)に重要な役割を担っています。

 

そのため、目的や仕事内容を充分に理解したうえで、自社にとってどのような立ち位置なら効果を発揮できるか熟考してから導入を決めると良いでしょう。

 

また、提供するサービスによってやり方、考え方、取り組み方は大きく異なってきます。エンタープライズ企業に提供する場合と、地方の中小企業向けに提供するのではやり方もまったく別物です。

 

アディッシュではユニコーン企業やスタートアップ企業など様々な企業のカスタマーサクセス代行・コンサルティング実績があります。

 

カスタマーサクセスでお悩みを抱えている方がいらっしゃいましたら、何でも!ご相談ください!


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