チャーンレート(Chun Rate)とは?意味と計算方法、改善ポイントを解説!

ビジネスを継続させていく上では「顧客がどれだけ離れていったか」を正しく把握して対策を講じなければなりません。そのため、チャーンレートを測定しましょう。
そこで今回は、チャーンレートについて解説します。この記事では、チャーンレートの計算方法から解約を防ぐための改善ポイントまでご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
チャーンレートとは?
チャーンレートとは解約率で、一定期間に会社と取引を中止した顧客の割合を指します。「一定期間中に失った顧客数÷当初の顧客数」の計算式で求められます。
一般的にはサブスクリプションサービスを提供している会社で用いられている指標です。顧客が離れていることを素早くキャッチして、原因を追究し対策するために測定します。
チャーンレートを測定する頻度は業種やサービスにより、一年、半年、四半期、一か月と変わります。SaaSを提供している会社では毎日測定されています。
チャーンレートを左右する要因
要因 | 内容 |
サービス品質 | 機能不足、操作性の悪さ、安定性の低さなどが原因で、期待とのギャップが生じると解約につながる。定期的な改善とアップデートが必要。 |
料金 | 価格に対する納得感が得られない場合、コストパフォーマンスの低さを理由に離脱されやすい。プランの柔軟性と適正価格の見直しが重要。 |
カスタマーサポート | 対応の遅さや不親切さは顧客の不満を引き起こしやすい。複数チャネルの整備とサポート品質の教育が求められる。 |
オンボーディング | 初期導入時のサポートが不足していると、サービスの価値を感じる前に解約されるリスクが高まる。導入初期の伴走が効果的。 |
顧客のライフスタイル変化 | 転職・経営方針の転換など、外的要因による解約も存在。完全な防止は難しいが、兆候を把握し早めに対応する体制が望ましい。 |
関連記事:『オンボーディングとは?SaaSのカスタマーサクセスにおける重要性・ポイントをご紹介!』
チャーンレートの計算方法
チャーンレートには4種類あります。
- カスタマーチャーンレート
- アカウントチャーンレート
- グロスレベニューチャーンレート
- ネットレベニューチャーンレート
ここでは4つのチェーンレートの計算方法をご紹介します。
カスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートとは、一定期間内に失った顧客の割合です。一定期間内にどれだけの顧客がサービスを離脱・解約したかを示します。この指標を測定することで、顧客維持が行えているかどうかを把握できます。
カスタマーチャーンレート = 今月失った顧客数 ÷ 前月の顧客数
前月の顧客数が10,000人で、今月失った顧客数が500人だった場合のカスタマーチャーンレートは500 ÷ 10,000 × 100 = 5%になります。
業界別・モデル別の平均カスタマーチャーンレート
業界別・モデル別 | 平均カスタマーチャーンレート |
エンタープライズ向けSaaS | 0.5〜1.5% |
中小企業向けSaaS | 2〜5% |
一般顧客向けSaaS | 5〜10% |
モバイルアプリ・ゲーム | 10~20% |
アカウントチャーンレート
アカウントチャーンレートとは企業アカウント(法人顧客)を単位として算出する解約率です。BtoBのサブスクリプションビジネスにおいては、法人契約が多いため、この指標が用いられます。
アカウントチャーンレート = 今月失った企業アカウント数 ÷ 前月の企業アカウント数 × 100(%)
前月に契約していた企業アカウントが1,000社あり、今月そのうち30社が解約した場合のアカウントチャーンレートは30 ÷ 1,000 × 100 = 3%になります。
グロスレベニューチャーンレート
グロスレベニューチャーンレートとは、解約やダウングレードなどによって失われた収益の割合を示すものです。顧客数ではなく「売上」に着目しており、サブスクリプションモデルを採用しているSaaS企業などで重要な指標とされています。
この指標を追うことで、単に何人が解約したかではなく、どれだけの収益が失われたのかというビジネス上のインパクトを正確に把握することができます。
グロスレベニューチャーンレート = 今月失ったMRR ÷ 月初のMRR × 100(%)
たとえば、今月失ったMRRが200万円、月初時点のMRRが5,000万円だった場合のグロスレベニューチャーンレートは200万円 ÷ 5,000万円 × 100 = 4%になります。
ネットレベニューチャーンレート
ネットレベニューチャーンレートとは、解約やダウングレードによって失われた収益(MRR)から、アップセルやクロスセルなどによって増加した収益を差し引いた上で算出されるものです。
この指標は、減収と増収の両方を加味して、収益全体が実質的にどの程度変動したかを示します。
そのため、グロスレベニューチャーンレートよりもより実態に近い収益動向を把握できる指標として、SaaSやサブスクリプションモデルを採用する企業で多く活用されています。
ネットレベニューチャーンレート =(今月失ったMRR − 今月増加したMRR)÷ 月初のMRR × 100(%)
たとえば、
- 月初のMRR:5,000万円
- 今月失ったMRR:200万円
- 今月増加したMRR(アップセル・クロスセル等):100万円
の場合のネットレベニューチャーンレートは(200万円 − 100万円)÷ 5,000万円 × 100 = 2%となります。
チャーンレートを下げる重要性
チャーンレートは、企業の収益に直結する極めて重要な指標です。なぜなら、顧客の流出は収益の減少を意味し、大量の解約が発生すれば、事業全体に深刻な影響を及ぼしかねないからです。ある研究ではチャーンレートが5%改善するだけで、収益が25〜95%も向上する可能性があることが公表されています。
また、既存顧客の維持が新規顧客の獲得よりも圧倒的にコスト効率が良いことも忘れてはなりません。新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客の維持コストの約5倍に上るとされています。
つまり、顧客を失うことは、単なる収益の減少にとどまらず、新たな顧客を獲得するためのコスト増加も招くという二重の損失を生むのです。そのため、チャーンレートを定期的に把握し、解約の原因を分析し、顧客のロイヤルティを高める取り組みを進めることが重要なのです。
チャーンレートを下げる方法
チャーンレートを引き下げるための方法は6つあります。
解約の原因を把握する
チャーンレートを改善するためには、なぜ顧客が離脱したのかという原因を明確に把握することが欠かせません。
原因が分からなければ、どのような対策を講じればよいのか判断できず、場当たり的な施策に終始してしまう恐れがあります。そのため、解約した顧客の属性や行動を分析して「自社のサービスが適したものだったのか」「導入時点でミスマッチがあったのではないか」を考えましょう。
また、既存の機能やサービス内容が顧客に十分に伝わっていないことが解約につながっているケースも少なくありません。解約する原因は多岐に及ぶものですが、どのような原因で解約されたのか突き止めるとチャーンレートを下げることができます。
料金の見直し
解約の原因として料金体系が期待値と合っていないというケースも少なくありません。そのため、料金を見直しましょう。
しかし、安易に価格を引き下げると利益率を圧迫し、ブランド価値の低下につながる恐れもあります。そのため、現在の料金体系がハードルになっているのかを把握するようにしましょう。
解約理由、競合他社の動向を踏まえつつ、収益性と顧客の納得感を両立させる方法を模索していくことが大切です。
カスタマーサクセスを強化する
チャーンレートを抑えるために、カスタマーサクセスを強化するのもおすすめです。
カスタマーサクセスとは、顧客がサービスを活用し、期待した成果を得られるように、能動的に支援する取り組みです。導入直後のオンボーディングサポートや、メールや電話による定期フォローを行い、顧客満足度を上げていきます。
とくに、サービス利用が停滞しているタイミング、利用頻度が下がったタイミングでフォローすれば、解約を防ぐことができます。
関連記事:『カスタマーサクセスとは?仕事内容や成功事例や導入メリットをわかりやすく解説!』
顧客とのコミュニケーションを強化する
チャーンレートを下げるためには、顧客とのコミュニケーションを強化することが大切です。顧客の声に耳を傾け即座に対応することで良好な関係を築くことで解約を抑制できます。「声を届ければ変わる」という実感は、顧客の愛着や信頼感にもつながり、顧客ロイヤルティ向上に寄与するためです。
また行動履歴を見てベストなタイミングでメッセージを送るなど、パーソナライズされたコミュニケーションは顧客の関心や信頼につながります。
関連記事:『顧客ロイヤルティとは?顧客ロイヤルティを高める施策や成功事例を紹介!』
ロイヤルカスタマーへ育成する
安定した収益基盤を築くためには、ロイヤルカスタマーを育成することが大切です。ロイヤルカスタマーとは、自社の商品やサービスに強い愛着と信頼を持ち継続利用してくれるファンを指します。家族や友人にサービスを勧めてくれるなど、売上に大きく貢献してくれる存在です。
定期的なフォロー、成功事例の共有、活用ノウハウの提供などを通じて、「このサービスを使って良かった」と実感してもらえる機会を増やしていきましょう。
まとめ
チャーンレートについて詳しく解説してきました。昨今のサブスクリプションモデルの普及によりチャーンレートは重要な指標として注目されてきました。
チャーンレート(解約率)という言葉が持つ意味だけでなく、そこから得られたデータを分析しビジネスに反映させて、しっかり活用することが大切です。
サブスクリプションビジネスを展開されている企業は、チャーンレートの考え方をしっかりと取り入れ、ビジネスを成功させましょう。