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BPaaSに取り組む注目企業一覧(2025年版)

BPaaSに取り組む上場企業


近年、業務の効率化や省人化が急務となる中で、従来のアウトソーシング(BPO)を進化させた「BPaaS(Business Process as a Service)」が注目を集めています。BPaaSは、クラウドやAI、RPAなどのテクノロジーを活用しながら、業務プロセス自体を設計・運用・改善まで一括して外部に委託できる新しい業務委託の形です。

2024年にはSaaS単体での運用限界や内製化の壁に直面する企業が増加し、“ソフトウェア+運用支援”というハイブリッド型のニーズが急速に拡大。2025年は、まさに「BPaaS元年」とも言える年となっています。

本記事では、そんなBPaaS領域で注目すべき企業を、業種・提供モデル・技術活用の切り口から分類し、最新の取り組みを一覧でご紹介します。これからBPaaS導入を検討する企業にとって、業界ごとの潮流や活用モデルを把握する手がかりとなれば幸いです。

【会計・人事・スタートアップ支援】

EY Japan

  • 企業名
    EY Japan
  • 企業のサイト
    EY Japan公式サイト
  • ビジネスの概要
    EY Japanは、世界四大会計事務所の一つであるEYグローバルの日本法人です。主に監査、税務、アドバイザリー、コンサルティングといった高度専門職サービスを提供しており、日本国内の上場企業やスタートアップ、官公庁に至るまで幅広いクライアントを抱えています。

  •  BPaaSの取り組み
    2025年3月、EY Japanはスタートアップ企業向けに特化したBPaaS型のバックオフィス支援サービスを立ち上げました。現段階では経理・会計領域にフォーカスしつつも、今後は給与計算や社会保険など、人事労務系の業務にも対応範囲を広げていく方針です。プロセスの設計から運用までを一貫して請け負うことで、創業間もない企業が本業に集中できる体制を構築しています。

freee

  • 企業名
    freee
  • 企業のサイト
    freee公式サイト
  • ビジネスの概要
    freeeは、中小企業・個人事業主向けにクラウド型会計・人事労務SaaSを提供する企業で、財務・人事のデジタル化を牽引する存在として知られています。「スモールビジネスを、世界の主役に。」というビジョンのもと、業務自動化によるバックオフィスの革新を進めています。

  •  BPaaSの取り組み
    freeeは、単なるSaaS提供にとどまらず、業務代行まで担うBPaaS型のサービスにも進出しています。特に人事・労務業務を対象としたアウトソーシングサービスでは、freeeのプロダクトを活用しながら実務を請け負う形で、業務の設計から実行、改善までを一気通貫で支援しています。導入事例も公式に公開しており、信頼性の高いモデルを確立しています。

     

マネーフォワード × キャスター【協業】

  • 企業名
    マネーフォワード × キャスター【協業】
  • 企業のサイト
    マネーフォワード公式サイト/ キャスター公式サイト
  • ビジネスの概要
    マネーフォワードは、個人および法人向けに会計・経費・請求書などのクラウドサービスを提供しているSaaS企業です。一方、キャスターはリモートアシスタント事業を中心に、人材リソースをオンラインで提供している企業です。

  •  BPaaSの取り組み
    両社は、バックオフィス業務の効率化を目指し、BPaaS領域での協業を開始。マネーフォワードの業務ソフトと、キャスターのリモート人材を組み合わせ、経理・人事・労務業務を包括的に代行する「ハイブリッド型BPaaS」を展開しています。業務設計から人材配置、定常業務の実行・改善までを一気通貫で提供する点が特長です。

BackofficeForce

  • 企業名
    BackofficeForce
  • 企業のサイト
    BackofficeForce公式サイト
  • ビジネスの概要
    BackofficeForceは、スタートアップや中小企業向けに業務効率化を支援するソリューションを提供している企業です。業務プロセスの見える化と改善に強みを持ち、ノーコード型のツールやテンプレートの開発・提供も行っています。

  •  BPaaSの取り組み
    2025年1月に、独自のプロセス管理システムを核としたBPaaSサービスを正式にリリース。顧客ごとに最適な業務設計を行い、業務フローの実行・モニタリング・改善提案までを自動化しています。また、KDDIの法人向け新サービス「デジコレ Bizサポート」へOEM提供することで、全国の中小企業への展開を強化しています。

     

kubell

  • 企業名
    kubell
  • 企業のサイト
    kubell公式サイト
  • ビジネスの概要
    Kubell株式会社(旧Chatwork株式会社)は、日本を拠点とするビジネスコミュニケーションプラットフォームを提供する企業です。特に、ビジネスチャットツール「Chatwork」の提供で知られており、企業のコミュニケーションを効率化し、従来のメールや電話に頼らない働き方を促進しています。BPaaSへの注力をすることから2024年7月に社名をChatworkからKubellへ変更し、より広範な働き方改革を目指すことを示しています。
  • BPaaSの取り組み
    Kubell株式会社は、「BPaaS」を中心に事業展開を進めており、特に中小企業向けにノンコア業務(秘書業務、事務作業など)から、専門的な業務(人事労務、士業など)まで対応する幅広いサービスを提供しています。BPaaSの導入によって、中小企業がコア業務に集中できる環境を整え、生産性向上を図ることを目指しています。
    これまでChatworkとして培ってきた圧倒的な顧客基盤と、ビジネスチャットプラットフォームの強みを活かし、非専門的業務に対してはテンプレート化された効率的なサービスを、専門領域にはプロフェッショナルな知見を提供しています。また、サービスを安価で提供することで、中小企業にも導入しやすいモデルを構築しています。

【IT・SI・クラウド】

NTTデータ

  • 企業名
    NTTデータ
  • 企業のサイト
    NTTデータ公式サイト
  • ビジネスの概要
    NTTデータは、日本を代表するシステムインテグレーター(SIer)で、官公庁・金融・製造業など多様な業界にITソリューションとアウトソーシングを提供しています。特に大規模基幹システムの構築と運用に強みがあります。

  •  BPaaSの取り組み
    従来のBPOにRPAやAIといったテクノロジーを組み合わせ、業務設計から実行・改善までを包括的に支援するBPaaSソリューションを提供。行政手続きのデジタル化や金融機関の事務改革など、大規模かつ高難易度な業務領域で実績を重ねています。業界横断的に適用できる設計思想が特長です。

富士通

  • 企業名
    富士通
  • 企業のサイト
    富士通公式サイト
  • ビジネスの概要
    富士通は国内外でITインフラから業務支援サービスまで広範囲なソリューションを提供する大手ICTベンダーです。特に基幹業務系システムとクラウド活用を組み合わせたエンタープライズ支援に定評があります。

  •  BPaaSの取り組み
    富士通では帳票処理・人事・総務・購買といった日常業務を中心に、RPA・AI・データ分析を組み合わせたBPaaSサービスを展開。SaaSを導入する余力のない企業や自治体にも、業務ごと丸ごと提供することで、ITと業務の分離・再設計を実現しています。特に公共系や大企業向けに高い信頼を誇ります。

     

SCSK

  • 企業名
    SCSK
  • 企業のサイト
    SCSK公式サイト
  • ビジネスの概要
    SCSKは住友商事グループのICT企業で、ERP導入・システム開発・運用保守から業務設計・改善提案まで幅広く手掛けています。製造業や流通業などに多数の導入実績を持ち、業務効率化のコンサルティングにも定評があります。

  • BPaaSの取り組み
    従来のITサービス提供に加え、クライアント企業の業務プロセスを再設計し、RPAやSaaS連携を通じて業務を巻き取るBPaaSソリューションを提供。特にERP導入時の業務見直しからアウトソースまでを一貫して請け負う点が他社と異なる特長です。

NEC

  • 企業名
    NEC
  • 企業のサイト
    NEC公式サイト
  • ビジネスの概要
    NECは、官公庁・インフラ事業者向けにIT・ネットワークを中心としたソリューションを提供する国内大手のICT企業です。セキュリティやAI、IoT技術の研究開発にも注力しており、社会インフラを支える技術基盤を構築しています。

  • BPaaSの取り組み
    NECでは、AI・IoTなどの先進技術を用い、サプライチェーン管理や顧客対応業務などの分野でBPaaS型ソリューションを構築。業務の見える化やリアルタイム最適化を実現し、物流や流通などの業界で省力化と高度化を同時に実現しています。

【医療・特化型】

zapath

  • 企業名
    zapath
  • 企業のサイト
    zapath公式サイト
  • ビジネスの概要:
    株式会社zapathは、美容クリニックや医療機関向けにAIを活用した業務効率化ソリューションを提供するスタートアップ企業です。医療・美容領域に特化したサービス展開により、業務の質を維持しながら省人化・高付加価値化を支援しています。

  • BPaaSの取り組み:
    zapathは、美容クリニックの受付・予約・会計・顧客管理といった一連の業務を、AIエージェントによって代替するBPaaS型BPOサービス「WeMedical」を展開。業界特有の業務設計を標準化し、サービス提供先のクリニックに合わせて柔軟にカスタマイズできるのが特長です。テクノロジーと実務運用を融合させた先進的なモデルです。

【小売・飲食・店舗支援】

USEN

  • 企業名
    USEN
  • 企業のサイト
    USEN公式サイト
  • ビジネスの概要:
    USENは、店舗向けのBGM配信からスタートし、現在ではPOSシステム・予約管理・クラウド会計など、飲食・小売業向けにITサービスを幅広く展開する企業です。

  • BPaaSの取り組み:
    店舗運営の現場で発生する各種業務(シフト管理、勤怠、売上分析など)をトータルで支援するBPaaSモデルを構築。USENが展開するハードウェア・クラウドサービス・実務支援が統合されており、オペレーションを丸ごと委託するモデルとして飲食業界を中心に拡大中です。


KDDI

  • 企業名
    KDDI
  • 企業のサイト
    KDDI公式サイト
  • ビジネスの概要
    KDDIは日本を代表する通信キャリアであり、法人向けにはクラウド・IoT・セキュリティを中心としたソリューション展開を強化中。地方企業へのDX支援やスタートアップ支援にも力を入れています。
  • BPaaSの取り組み
    中小企業向けに展開している「デジコレ Bizサポート」は、会計・労務・契約業務などの支援をパッケージ化したBPaaS型サービス。BackofficeForceとの協業により、業務テンプレートや自動化ツールを組み合わせ、非IT系企業でも導入しやすい仕組みを提供しています。

【人材・BPOサービス】

パーソルテンプスタッフ

  • 企業名
    パーソルテンプスタッフ
  • 企業のサイト
    パーソルテンプスタッフ公式サイト
  • ビジネスの概要
    パーソルテンプスタッフは、人材派遣および業務請負の分野で国内有数の実績を誇る人材サービス企業です。特に事務職・バックオフィス系業務の派遣に強みを持ち、多様な業界に人材を提供しています。

  •  BPaaSの取り組み
    人事・給与・勤怠管理・採用支援などの業務領域を中心に、従来のBPOに加えて、業務プロセスそのものを設計・運用するBPaaSサービスを展開。テクノロジーとの連携により、単なる人材供給からプロセス代行へとシフトしており、顧客の業務負荷を根本から軽減するモデルを志向しています。

     

パソナ

  • 企業名
    パソナ
  • 企業のサイト
    パソナ公式サイト
  • ビジネスの概要
    パソナは、人材紹介・派遣・業務委託サービスを主力とし、地方創生や女性の働き方支援など社会課題解決型の事業も展開しています。BPO事業でも多くの自治体・企業との取引実績があります。
  • BPaaSの取り組み
    人事・経理を中心に、BPOの枠を超えて業務プロセスを設計・実行・改善するBPaaSモデルを構築。地方自治体の窓口業務支援などでもBPaaSの概念を適用し、業務の安定性と持続可能性を両立しています。

ベルシステム24ホールディングス

  • 企業名
    ベルシステム24ホールディングス
  • 企業のサイト
    ベルシステム24ホールディングス公式サイト
  • ビジネスの概要
    ベルシステム24は、コールセンター・カスタマーサポートなどを中心としたBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)企業です。通信・金融・官公庁など、幅広い業界への導入実績があります。
  • BPaaSの取り組み
     2023年にデータマーケティング事業を手掛ける株式会社シンカーを子会社化し、AI・データ活用によるマーケティングBPaaS構築に着手。従来のオペレーションに加え、業務設計やKPI最適化、データ分析を含むトータル支援を提供することで、アウトソーシングからBPaaS型へとサービスモデルの進化を遂げています。

【IoT・施設運営支援】

Photosynth

  • 企業名
    Photosynth
  • 企業のサイト
    Photosynth公式サイト
  • ビジネスの概要
    Photosynth株式会社は、2014年に設立された日本の企業で、主にIoT関連デバイスの研究開発と提供を行っています。その代表的な製品が「Akerun(アケルン)」というクラウド型の物理アクセス管理システムです。このシステムは、スマートロックを利用してオフィスや施設の入退室管理を効率化するもので、クラウド経由で遠隔から制御できるのが特徴です。Photosynthは、スマートロック技術のパイオニアとして、企業や施設のセキュリティ向上と業務効率化を支援しています。
  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    Photosynth株式会社は、2024年にギグワーカープラットフォームを活用した施設運営BPaaS事業を展開する子会社「Migakun」を設立しました。この新サービスは、施設運営の効率化や人手不足対策を目的とし、スマートロック「Akerun」で培ったノウハウを活かして、清掃や管理、コミュニティ運営などの業務を支援します。これにより、施設の無人化・省人化を促進しています。

【クラウドアプリ開発・SaaS連携】

トヨクモ

  • 企業名
    トヨクモ
  • 企業のサイト
    トヨクモ公式サイト
  • ビジネスの概要
    トヨクモ株式会社は、2010年に設立され、クラウドベースのソリューションを提供する日本のIT企業です。主な事業として、災害時の「安否確認サービス2」や、サイボウズの「kintone」と連携した業務効率化ツールの提供に注力しています。これらのサービスは、主に企業向けに、情報管理や業務の自動化を支援するものです。
  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    トヨクモ株式会社は、BPaaSの提供に力を入れており、その取り組みの一環として、2023年に子会社「トヨクモクラウドコネクト株式会社」を設立しました。この子会社は、企業や自治体向けにさまざまな業務プロセスを効率化するサービスを提供しています。
    具体的には、SaaSを活用した業務の迅速な導入を実現しており、特に照会業務や返金業務のアウトソーシングに対応しています。例えば、自治体向けには住民の補助金や助成金の申請後のステータス照会システムを提供し、企業向けには顧客対応のスピードを上げるためのサービスを展開しています。これにより、従来のBPOよりもコストを抑え、効率的な業務遂行が可能となっています。
    今後、トヨクモクラウドコネクトはさらに多様な業務分野におけるBPaaSの提供を目指しており、類似業務が存在するなどの業務を見つければ、BPaaS化を検討していきたいと考えています。

 【不動産テック】

いい生活

  • 企業名
    いい生活
  • 企業のサイト
    いい生活公式サイト
  • ビジネスの概要
    株式会社いい生活は、2000年に設立された不動産テック企業で、不動産業界向けにクラウドおよびSaaSソリューションを提供しています。特に、不動産賃貸管理システムや売買業務支援システムなど、デジタル化を通じて不動産業務の効率化を図るサービスを展開しています。これにより、不動産会社が賃貸物件の管理や顧客対応を効率的に行える環境を提供し、業界全体のDXを推進しています。
    同社は「Vertical SaaS」として、特定の業界に特化したソリューションを提供しているのが特徴です。また、業務プロセスの改善や顧客のニーズに合わせたサービスの柔軟な提供も行っており、特に中小不動産会社にとって利便性の高いツールを提供しています
  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    株式会社いい生活は、不動産業界向けにクラウドベースのSaaSとともに、BPaaSを活用して業務プロセスの効率化を推進しています。同社のBPaaSの取り組みでは、主に不動産業務の自動化と効率化を図り、不動産市場全体のDXをサポートしています。
    特に、いい生活は「いい生活Pay」などの決済ソリューションを提供しており、口座振替の取扱い金額が3億円を突破するなど、キャッシュレス化の推進に貢献しています。これにより、賃貸契約の支払いプロセスの効率化やコスト削減が実現されています。また、自治体や教育機関に向けたサービスも展開しており、幅広い業種での活用が期待されています

【クラウドソーシング・BPO】

うるる

  • 企業名
    うるる
  • 企業のサイト
    うるる公式サイト
  • ビジネスの概要
    株式会社うるるは、2001年に設立された日本のIT企業で、主にクラウドソーシングとBPOサービスを提供しています。同社の代表的な事業として、クラウドワーカーを活用したサービスがあり、「シュフティ」などのクラウドソーシングプラットフォームや、入札情報の提供サービス「NJSS」などが含まれます。また、保育園や幼稚園向けの写真販売システム「えんフォト」や、電話代行サービス「fondesk」なども展開しています。
    うるるは、労働力不足の問題を解決することを目指しており、IT技術とクラウドワーカーを活用して、業務効率化や生産性向上をサポートしています。BPO事業においても、企業のバックオフィス業務を支援し、コスト削減や業務品質向上を実現するためのアウトソーシングサービスを提供しています
  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    株式会社うるるは、BPaaSを通じて、多様なビジネスプロセスの効率化を支援しています。特に注目されているのが、2023年に開始した「入札BPO」サービスです。これは、公共事業の入札業務全体をトータルでサポートするもので、入札前のマーケット分析から、入札業務の代行、案件履行に至るまで、幅広いプロセスを一括して請け負います。
    「入札BPO」では、うるるが蓄積した約15年分の入札データとクラウドワーカーの力を活用し、煩雑なアナログ作業を効率化することで、企業の業務負担を軽減します。これにより、入札に参加する企業は、戦略立案から実務作業までのプロセスを効率的に進めることが可能になります。また、ITやAI技術と組み合わせることで、DXの推進にも貢献しています。

 【フィンテック・決済SaaS】

ROBOT PAYMENT

  • 企業名
    ROBOT PAYMENT
  • 企業のサイト
    ROBOT PAYMENT公式サイト
  • ビジネスの概要
    株式会社Robot Payment(ロボットペイメント)は、2000年に設立された日本の企業で、主にサブスクリプション型決済サービスクラウド型の金融サービスを提供しています。事業は大きく分けて二つの柱があります。
    1. 決済サービス: 主にオンライン決済代行を手掛け、B2B(企業間取引)やB2C(消費者向け取引)のECビジネス向けに、統合された決済ゲートウェイを提供しています。これにより、企業は複数の決済手段を一元管理し、効率的に運用することが可能です()。
    2. 金融クラウドサービス: この分野では、請求書発行や支払い管理、督促業務を自動化するクラウドサービスを提供しています。代表的なサービスに「サブスクペイ」や「請求管理ロボ」などがあり、企業の経理業務を効率化することで、バックオフィス業務の負担を大幅に軽減しています。

 Robot Paymentは、特にサブスクリプションビジネスや電子商取引分野に強みを持ち、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援することで、業績を拡大しています。


  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    株式会社Robot Paymentは、2023年にBPaaS事業を開始し、業務フローの自動化を支援するサービスを提供しています。その一環として、同社は「ロボデブ」という自動化支援サービスを展開しており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を包括的にサポートしています。
    ロボデブは、決済関連のSaaSサービス(例: サブスクペイ、請求管理ロボ)を中心に、エンジニアリングサポートを提供し、企業の業務プロセスを自動化・効率化します。特に、IT技術を活用して間接業務の自動化やシステム統合によるデータの一元化を図り、企業がコア業務に集中できる環境を提供しています。また、プロジェクトに応じた柔軟な人員配置とコスト削減も特徴です。

【マーケティングテック】

シャノン

  • 企業名
    シャノン
  • 企業のサイト
    シャノン公式サイト
  • ビジネスの概要
    株式会社シャノンは、マーケティングオートメーションおよびイベント管理に特化したクラウドサービスを提供する企業です。2000年に設立され、2017年に東証グロース市場に上場しました。主力製品には、BtoBマーケティング活動を支援する「シャノンマーケティングプラットフォーム」があり、見込み客の管理や顧客との関係構築、セミナー・イベントの効率的な運営を行える統合型ソリューションを提供しています。また、リアルおよびバーチャルイベントの運営を支援する「シャノンイベントプラットフォーム」も展開しています。
    同社は、サブスクリプションモデルでの収益を基盤としており、特にマーケティング関連の自動化とデータ管理を一元化するソリューションに力を入れています
  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    株式会社シャノンは、2024年に「マーケティング運用代行パッケージ」という新たなBPaaSサービスを発表しました。このサービスは、生成AIを活用して、企業のマーケティング業務全体をサポートすることを目的としています。従来のマーケティング関連のBPOではコストが高額になりがちでしたが、この新サービスではパッケージ化とAIの活用により、コストを大幅に削減し、より多くの企業が手軽に利用できる仕組みを提供しています。
    この「マーケティング運用代行パッケージ」では、リードの獲得からインサイドセールスの実施まで、マーケティングプロセス全体の支援が行われます。特に、中小企業などが抱えるマーケティングリソースの不足を補うことができるのが特徴です。

【越境EC・統合マーケ支援】

Anymind

  • 企業名
    Anymind
  • 企業のサイト
    Anymind公式サイト
  • ビジネスの概要
    AnyMind Groupは、2016年にシンガポールと東京を拠点に設立されたテクノロジー企業です。主に2つの事業領域を展開しています。
    1. ブランドコマース(Brand Commerce): この領域では、企業に対してeコマース、マーケティング、物流を含む統合的なソリューションを提供しています。AnyMindは、製品の製造から消費者へのエンゲージメントまで、ビジネスのオンライン展開や越境ECをサポートします。

    2. パートナーグロース(Partner Growth): メディア運営者、モバイルアプリ開発者、インフルエンサーなどを対象に、収益化や成長支援を行っています。AnyMindは、デジタルコンテンツの収益化やタレントマネジメントを支援し、クリエイターやパブリッシャーが企業ブランドと連携して成長できるようにサポートしています。

  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    AnyMind Groupは、BPaaSを活用し、企業の業務プロセス全体を効率化し、特にクロスボーダーコマースに特化したソリューションを提供しています。2024年には、アジア太平洋地域の企業が国際的な市場に展開するための「クロスボーダーコマース向けBPaaSソリューション」を発表しました。このサービスは、AnyMindが持つeコマース、マーケティング、物流、カスタマーサポートの技術プラットフォームを活用し、現地のパートナーやクリエイターと連携して企業のグローバル展開を支援します。
    具体的なBPaaSモデルには、ディストリビューターモデル(デジタルコマース運営やマーケティングの全てをAnyMindが担う)や委託モデル(オンラインストアの管理、輸入、倉庫管理を含む)があり、企業のニーズに応じて柔軟に対応しています。また、AnyMindの主要な製品には、eコマースデータを統合管理する「AnyX」や、物流の「AnyLogi」、カスタマーサービスの「AnyChat」、インフルエンサーマーケティングの「AnyTag」が含まれています。
    これにより、企業は地域の規制や文化的なニーズに合わせたサービスを受けつつ、迅速かつ効率的に国際展開を進めることが可能です。

【カスタマーサクセス支援】

アディッシュ

  • 企業名
    アディッシュ
  • 企業のサイト
    アディッシュ公式サイト
  • ビジネスの概要
    アディッシュ株式会社は、主にカスタマーサクセスおよびカスタマーリレーションを提供する企業で、企業の成長を支援するために、サポート業務の最適化を行っています。特に、インターネット上のコミュニティやSNSで発生する問題を解決するモニタリングや、いじめ対策などを強化しており、顧客企業とそのユーザーとの健全な関係を築くことを目的としています。
    アディッシュは、「Delight in Every Connection」というミッションのもと、人々がインターネットを安全かつ快適に利用できる環境を作り上げることに注力しています。また、スタートアップ企業向けに、顧客の成功体験を最大化するためのカスタマーサクセス支援を行い、Fintech、MaaS、メタバースといった成長分野でも存在感を発揮しています。
    ビジネスモデルとしては、ストック型サービスを展開しており、安定した収益基盤を確保しながら、アップセルやクロスセルを通じた成長を目指しています。特にスタートアップ企業との連携に注力し、彼らの成長に伴うニーズに対応することを重視しています。
  • BPaaSの具体的な取り組み内容
    アディッシュ株式会社は、2024年に「BPaaS」の提供を開始しました。カスタマーサクセス業務に特化し、企業のカスタマーサクセス業務やプロセス全体の効率化を支援するものです。
    また合わせてSaaS企業向けに、そのSaaSに紐づく業務プロセスのBPOやプロフェッショナルサービスを提供することで、SaaS企業がBPaaSとして提供できるサービスを開始しています。
    https://cs-studio.adish.co.jp/service/bpaas

    具体的には、クラウドサーカスやユニリタ、パートナープロップといった企業と提携し、SaaS企業が自身のサービスをBPaaSとして提供できるよう支援しています。これにより、SaaSの導入企業が直面するリソース不足や導入効果の最大化といった課題を解決し、より多くの企業がSaaSを効果的に活用できるようにしています。

BPaaS市場の動向と今後の展望


市場調査によれば、日本国内のBPaaS市場は2024年の31.9億ドルから、2033年には856億ドルに達すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は14.8%と、非常に高い伸びが見込まれています。
出典:Panorama Data Insights, “Japan Business Process as a Service Market Forecast 2024–2033”, DreamNews プレスリリース(2024年3月28日)https://www.dreamnews.jp/press/0000318127/

この急成長の背景には、慢性的な人材不足、業務の複雑化、そして企業のデジタル化ニーズの高まりが挙げられます。従来のBPOでは対応しきれなかったこれらの課題に対し、テクノロジーとプロセス運用を一体化したBPaaSが有効な解決手段として注目を集めています。
特に、リソースやIT知見に制限のある中小企業においては、SaaS単体では運用が難しいケースも多く、BPaaSはそのギャップを埋める“使える形”のDX手段として導入が進んでいます。​

 

まとめ


2025年は、「BPaaS元年」と言っても過言ではありません。
人材不足や業務の属人化、DX推進の加速といった課題が深刻化する中で、BPaaSは“業務のアウトソース”を超えた“プロセスのサービス化”として台頭しています。

上場・未上場を問わず、多くの企業がこの領域への参入を進めており、業界特化型、AI連携型、SaaS連携型など、多様なアプローチによるBPaaSサービスが次々と登場しています。

業務効率化だけでなく、戦略的人材活用・本業への集中・柔軟な組織運営といった経営メリットも大きく、今後の企業戦略における中核的な手段となる可能性を秘めています。

これからの時代SaaSを“使う”だけではなく、業務ごと“任せる”という選択肢が、競争力を左右する鍵となるでしょう。


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