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サボタージュマニュアルとは?組織の内部崩壊に関するバイブル

第二次世界大戦中、敵国の組織を壊滅させるために作られたサボタージュマニュアル。

組織を内部崩壊させるための戦略ですが、内部崩壊する日本企業の状態に似ていると話題を集めました。

今回はサボタージュマニュアルについて解説します。この記事では、サボタージュマニュアルの内容と内部崩壊する日本企業を照らし合わせて解説しています。内部崩壊を防ぐ方法まで解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

サボタージュマニュアルとは

サボタージュマニュアル
引用:『SIMPLE SABOTAGE FIELD MANUAL

サボタージュマニュアルとは、敵の組織に潜入したスパイが、組織力を低下させるための戦術が記載されている文書です。

第二次世界大戦中にアメリカの中央情報局(CIA)の前身である戦略事務局(OSS)が作成しました。サボタージュマニュアルの原文は中央情報局(CIA)のサイトで公開されています。

サボタージュマニュアルの内容

サボタージュマニュアルには、特別な道具や訓練を必要とせず、すぐに実行できる戦術が記載されています。

例えば、誤判断をしたり非協力的な態度を取ったりすることも戦術に含まれており、このような行為で敵の組織力を低下させていきます。

[組織をダメにする11のルール]

  • 物事を注意深く考えることを促して意思決定を遅らせる
  • 意思決定は5人以上で行わせて意思決定を遅らせる
  • マニュアルを厳格に守り、業務スピードを遅らせる
  • 上層部の意思決定を仰ぎ、業務スピードを遅らせる
  • 前回の会議で決定したことを蒸し返す
  • 社内文章を丁寧に書いて時間を稼ぐ
  • 重要ではない業務に対して、完璧な仕上がりを求めて時間を稼ぐ
  • どのようなことも文書・用紙に残す
  • 業務の申請・承認を複雑にして、業務を停滞させる
  • 全てのルールを厳格に守り業務スピードを遅らせる

サボタージュマニュアルでわかる組織内部崩壊をする企業の特徴

サボタージュマニュアルでわかる組織内部崩壊をする企業の特徴
サボタージュマニュアルは組織力を低下させるための戦術ですが、内部崩壊する日本企業の状態(大企業病)ではないかと話題を集めました。

つまり、6つの特徴に該当する場合は組織力が低下しており、内部崩壊する恐れがあります。ここでは、組織内部崩壊する企業の特徴をご紹介します。

業務上の手続きが複雑である

業務上の手続きが複雑化すると、組織の意志決定が遅延して顧客からの信頼を失ってしまいます。

内部崩壊する組織は不測の事態を恐れて、過剰な手続きを設けてしまい柔軟性を失ってしまうのです。

上司と部下の信頼関係を築けていないため、部下に権限を委譲できず現場の判断に委ねることができなければ従業員のモチベーションが低下してしまいます。

情報共有が不足している

情報共有が不足すると、部門間連携で失敗して顧客からの信頼を喪失してしまいます。縦割りを意識した組織を形成すると部門間の壁が厚くなり、メンバー間の信頼関係が薄れて、お互いの情報共有を避けるようになります。

また、操作が難しい情報共有システムを導入して、情報共有が阻害されているケースも珍しくありません。

担当者による対応が異なると、顧客からの信頼を喪失してしまいます。

仕事の責任の所在が曖昧である

仕事の責任の所在が曖昧だと、問題が発生した際に誰も責任を取ろうとせず問題解決が遅延します。

顧客からのお問い合わせやクレームに対して、迅速に対応ができなければ、顧客からの信頼を失ってしまうでしょう。

また、自分の仕事に対する責任感が薄れて、従業員のモチベーションが低下して生産性が低下してしまいます。

会議を頻繁に開催している

重要な決定事項でも、何度も会議を開催するとビジネスチャンスを逃す可能性があります。また、業務が集中しているメンバーが会議に頻繁に出席せざる得ない状況に陥ると不満が蓄積されてしまいます。

日本企業の会議では全員が発言するとは限りません。一部の人が発言して結論を出されることが多く、参加者の不満が溜まります。

非効率な業務が繰り返される

非効率な業務が繰り返されると、生産性が低下して目標達成が難しくなります。

非効率な業務が繰り返される原因は、過去の成功体験に基づいたやり方に固執してしまうためです。

新しいやり方を拒むため、非効率な業務が繰り返されてしまいます。ITシステムを有効活用できていないため、手作業による業務が多く、非効率が発生していることが多いです。

社員同士の関係が悪い

社員同士の関係が悪化すると、コミュニケーションが断絶されて業務が停滞してしまいます。例えば、組織内で競争意識を煽り過ぎると協力関係が希薄になり、仲間意識が薄れてしまいます。

また、人事評価プロセスが不透明で、不公平な場合は従業員が不満を抱くようになり対立を招いてしまうのです。

社員同士の関係が悪く、業務が停滞してしまうと顧客からの信頼も失います。

サボタージュマニュアルからわかる組織崩壊を防ぐ方法

サボタージュマニュアルからわかる組織崩壊を防ぐ方法

内部崩壊する組織の特徴に該当した場合、どのように内部崩壊を防げばよいか確認しておきましょう。

権限委譲を行う

組織の内部崩壊を防ぎ、組織の活性化を促すためには権限委譲が効果的です。

権限委譲とは、上司が部下に決裁権を委ねることを指します。これにより、部下が自ら考えて行動し、責任感を持って仕事に取り組むようになるのです。

権限委譲することで、上司が全ての業務を抱え込む必要がなくなるため、戦略的な業務に集中できるようになり、部門全体の業績向上について考えられるようになります。

組織全体の生産性の向上に繋がるためにも権限委譲を検討しましょう。

RACIチャートを導入する

RACIチャートは、組織における役割と責任を明確にするためのチャート図です。

各タスクに対して「責任者」「承認者」「情提供者」「情報収集者」を可視化することで、責任の所在を明確にできます。

各タスクの責任者を明確にしておけば、責任の所在が曖昧になり問題発生時の対応が遅れるという事態を防げます。

また、タスクの担当者が明確になることで、業務の重複や抜け落ちを防止することも可能です。組織の状況に合わせてRACIチャートを導入して活用することで、より健全な組織へと成長させることができます。

会議を効率的に行う

会議は重要な意思決定の場です。しかし、非効率な会議は時間の無駄となり、従業員のモチベーション低下や生産性低下に繋がります。そのため、会議を効率的に行うことが大切です。

会議を効率的に行うためには、会議の目的を明確にして、参加者にアジェンダを事前に共有することで時間を有効活用できます。

また、会議の意思決定に必要なメンバーのみを参加させることで、会議の時間を短縮することが可能です。

開始時間と終了時間を厳守して、会議が長引かないように注意しましょう。

情報共有を行う

組織運営を円滑にするためには、情報共有が不可欠です。情報共有が滞ると、意思決定の遅延、顧客対応の遅延などさまざまな問題が生じてしまい、組織の内部崩壊を招く可能性があります。

そのため、CRM/SFAやチャットツール、社内ポータルサイトを活用して、情報を共有しましょう。

共有する情報は、正確で最新のものであるかを確認し、必要に応じて情報を更新する必要があります。

社内のコミュニケーションを活発にする

組織運営を円滑に行うために、社内のコミュニケーションを活発化させましょう。

社員同士が意見交換できれば、問題が発生した場合でも情報共有を行い、早期に問題を解決していけるようになります。

また、社内のコミュニケーションを取れば、1人1人の従業員に所属意識が芽生えてエンゲージメントが向上します。

会社に貢献したい意欲により、新しいアイデアを生み出し、イノベーションが創出しやすくなるのです。そのため、雑談やランチ会、イベントを開催してコミュニケーション文化を醸成しましょう。

ITシステムで業務効率化を図る

自社に合うシステムを活用することで、業務効率化が図れます。

例えば、ITシステムで繰り返し行う作業を自動化することで、人為的なミスを減らせます。ITシステムに社内データを蓄積し、分析することで、より客観的な視点から意思決定を行うことも可能です。

ITシステムで業務効率化を図るためには、業務内容に合ったシステムを慎重に選定すしたり、従業員にシステムの操作方法を教育したりする必要もあります。

(※情報漏洩などのリスクを最小限にするために、セキュリティ対策がされているシステムを選定するようにしましょう。)

チームビルディングを行う

チームビルディングで、チームメンバー間の信頼関係を築き、共通の目標に向かって協力し合える関係を構築すれば内部崩壊を防げます。

チームビルディングとは、組織の構成単位であるチーム間の連携を強化して、組織全体の活性化を図るための取り組みです。

チームビルディングでは、メンバー1人1人の意見を尊重して、オープンなコミュニケーションを心がけます。

多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、多角的な視点から問題を解決できるようになります。

人事評価基準を明確にする

組織の内部崩壊を防ぐためにも、人事評価基準を明確にしましょう。人事評価基準を明確にすることで、社員は人事評価に対して納得できるようになり、公平性を感じられるようになります。

また、人事評価を組織全体の目標に連動させることで、従業員1人1人が組織の目標達成に貢献してくれるようになります。

人事評価基準を定める場合は、評価項目を数値化できるものや、具体的な行動観察に基づいたものなどにしましょう。

組織の変化に合わせて、人事評価基準を定期的に見直すことが大切です。

組織マネジメントを見直す

組織の内部崩壊を防ぎ、持続的に成長していくためにも組織マネジメントを見直しましょう。

従来のやり方に囚われず、新しい視点から組織運営を見直すことで、組織全体の活性化を図ることができます。

市場環境や顧客ニーズの変化に迅速に対応するためにも見直しは欠かせません。

現在の組織の課題を客観的に分析し、目標を設定した上で最適な組織構造を設計します。

新たな組織構造にする際には、組織変革の目的や意義を社員にしっかりと伝え、理解を得るようにしましょう。

従業員が働きやすい環境を整える

従業員が働きやすい環境を整えることで、従業員のモチベーションが上がり、生産性向上、組織の活性化に繋げられます。

働きやすい環境は、社員の定着率向上につながり優秀な人材の流出防止にも繋がります。

従業員が働きやすい環境を作るためのポイントは5つです。

  • オフィス環境の家具や照明などを整備する
  • 従業員が安心して意見が言える心理的安全性の高い職場をつくる
  • ワークライフバランスを推進する
  • キャリアアップのための研修や教育プログラムを提供する
  • 性別・年齢・国籍などさまざまな背景を持つ従業員が働きやすくする

まとめ

サボタージュマニュアルとは、敵の組織に潜入したスパイが組織力を低下させるための戦術が記載されている文書です。しかし、内部崩壊する組織の特徴を把握でき対策するときにも役立ちます。

この記事では内部崩壊する組織の特徴から対策方法まで紹介しました。

組織の内部崩壊を防ぐためには、SaaSツールを導入して業務効率化することが大切です。

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