「ログインできない」問題を減らすには? ユーザーの離脱を防ぐ実践的なアプローチ

J Y
2025.08.12

はじめに:「ログインできない」を減らすことが、ユーザー体験の出発点になる
「ログイン」はユーザーとサービスの最初の接点です。
ここでつまずくと、サービスを体験することなく離れてしまう可能性があります。「ログインできない」という問い合わせは、氷山の一角であり、実際には問い合わせをせずに離脱しているユーザーがもっといるかも知れません。
当たり前の話ではありますが、この「最初の一歩」を支えることが、サービス継続や成長の土台となります。
今回は、「ログインできない」を減らすためにシンプルで再現性の高い3つのアプローチを整理します。
ログインの導線を“迷わせない”設計に
ログイン画面や完了までの道のりがわかりづらいと、ユーザーがつまずく原因になります。
特に初めて利用されるユーザーにとって、「直感的に操作できるか」が大きなカギとなります。
改善のポイント:
- ログインボタンは視認性の高い位置に設置
- 初回ログイン時に、操作ガイドやツールチップを表示
- パスワード欄には「表示/非表示」切り替え機能(アイコン)を設置
- エラーメッセージは具体的かつ自己解決可能な内容に
×「ログインに失敗しました」
⚪︎「パスワードは半角英数字8文字以上で入力してください」
ログイン方法は“シンプルかつ確実”に
ログイン手順が複雑だったり、端末やブラウザによって動作が不安定だったりすると、ユーザーの混乱を招く要因になります。
たとえば、以下のようなケースが見られます。
- 個人/企業アカウントの選択がわかりにくい
- ID・パスワードの入力が毎回必要で手間がかかる
- 古い端末や特定のブラウザでうまく動作しない
これらの問題に対しては、
- 推奨ログイン方法を明示(例:「個人の方はこちら」など)
- Googleアカウント/Apple IDによるログインを導入し、パスワード入力の負担を軽減
- 「対応ブラウザ/端末」をヘルプページに明記し、トラブル時の切り分けをサポート
- ブラウザやアプリのアップデートを促す案内文を明記:
-
- 「最新バージョンでのご利用を推奨しています。古いバージョンでは正常に動作しない場合があります」
-
見つけやすく、わかりやすいヘルプページの整備
ログイントラブルを完全になくすことは難しいので、ユーザーが「困ったときにすぐに解決できる」ヘルプページを整備してアクセスしやすくしておくことが大前提です。ユーザーが自力で解決できるような情報提供が求められます。
検索しやすく、見つけやすいページ設計
よくあるトラブルをタイトルに含めることで、ユーザーが検索しやすくなります。
例 :「『IDまたはパスワードが正しくありません』と表示されたときの対処方法」
実際に、ログインエラーのメッセージで検索をすると、対象のページが上位に表示されるか確認しておきましょう。
よくあるミスに寄り添った案内
ログインに関するトラブルの多くは、入力ミスや見落としが原因です。
ユーザーが自力で解決できるよう、次のような内容をやさしく案内すると効果的です。
- 大文字/小文字の区別(CapsLockの確認方法)
- パスワード「表示/非表示」切り替えの機能説明
- パスワード再設定の方法
ログインをスムーズにするための工夫も紹介
毎回のログインをスムーズにするために、端末やブラウザのログイン情報保存機能を紹介するのも有効です。
例:
- ブラウザでのパスワード保存方法
- スマートフォンでの自動入力の設定方法
- セキュリティの観点での注意点(例:共用端末では利用しない など)
ログイン画面からヘルプにアクセスできる動線を設置
ログイン画面やお問い合わせフォームにて、「お困りですか?」などのリンクを設置しておくと、ユーザーが自力で問題を解決できる可能性が高まります。
おわりに:ログインは「最初のつながり」
ログインは、ユーザーとサービスとの最初の接点です。ここでのつまずきを防ぐことは、離脱の防止、顧客満足度の向上、サポート負荷の軽減にも直結します。
実際、ログイン改善はシステム的な対応だけでなく、導線設計・文言の工夫・ヘルプの整備など、多方面で取り組むことで大きな成果を生みます。
「当たり前」のように思われがちなログイン体験だからこそ、いま一度見直してみてはいかがでしょうか。

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J Y