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従業員満足度(ES)とは?向上させるメリットと取り組み方法を解説!

「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう…」「現場のモチベーションが上がらない…」といった悩みを抱えていませんか?

今、多くの企業で注目されているのが従業員満足度(ES)です。働きやすさややりがい、人間関係の良し悪しは離職率や生産性に直結するため、従業員満足度を向上させましょう。

今回は従業員満足度(ES)について詳しく解説します。組織を強化したい方は参考にしてみてください。

従業員満足度(ES)とは

従業員満足度(ES)とは

従業員満足度とは、従業員が会社に対してどれだけ満足し働き続けたいと感じているかを示す指標です。

従業員満足度は7つの要素で構成されています。

  1. 企業理念や行動方針の理解度
  2. マネジメントや評価に対する納得感
  3. 仕事のやりがい
  4. 職場の人間関係の良さ
  5. 職場環境の快適さ
  6. 給与待遇の満足度
  7. 福利厚生の充実度


従業員満足度は「生産性」「定着率」「顧客対応の品質」などと因果関係があるため、向上させていく必要があります。

エンゲージメントとの違い

エンゲージメントとは、従業員がどれだけ仕事に主体的に取り組み貢献しようとしているかを示す指標です。つまり、企業への愛着や貢献度を把握するために測定します。

一方で、従業員満足度とは、従業員が会社に対してどれだけ満足していて働き続けたいと感じているかを示す指標です。人間関係が悪かったり、給与が極端に低かったりすれば仕事への意欲は湧きません。

つまり、従業員満足度は土台、エンゲージメントは成長の原動力となるものです。そのため、まずは従業員満足度を向上させて土台を整える必要があります。

従業員満足度を向上させるメリット

従業員満足度を向上させるメリット

従業員満足度を向上させるメリットは3つあります。

生産性が向上する

従業員満足度は生産性向上に直結します。なぜなら、会社に満足している従業員は自発的に業務に取り組むためです。労働生産性と従業員満足度には相関関係があることが明らかとなっています。つまり、従業員のモチベーションや主体性を引き出し、組織全体のパフォーマンスを底上げして業績を伸ばしていくためにも、従業員満足度を向上させていく必要があります。


人材が定着する

従業員満足度が高い企業では人材が定着するようになります。なぜなら、従業員が長く会社で働き続けたいと感じるためです。

厚生労働省の調査レポート「働く人の意識と就業行動」によると、若年層の離職理由には「会社の将来性」「仕事内容」「賃金」「労働条件」が多く、年齢が高まるほど「評価」「人間関係」が多くなる傾向があることが明らかにされています。これらの離職は、組織や職場を改善することで防げるものです。

離職を防げば、採用や教育コストを無駄にせずに済みます。また人材が定着すれば、会社について深く理解している従業員が働いてくれるようになり、より強い組織を作り上げることができます。このようなメリットがあるため、従業員満足度を向上させていきましょう。

顧客満足度が向上する

従業員満足度に比例して、顧客満足度は向上します。なぜなら、従業員が仕事に満足し、やりがいを感じている状態では顧客対応の質が自然と高まりサービスレベルが安定するためです。

東京海上日動コミュニケーションズに勤務する田口氏の論文「コンタクトセンタにおける社員満足度と顧客満足度の関係性について」でも、従業員満足度と顧客満足度は相関関係があることが明らかにされています。サービスレベルが上がればリピーターを増やすことができるため、従業員満足度を向上させていきましょう。

従業員満足度を測定するための指標

従業員満足度を測定するための指標

従業員満足度を測定するための指標には「ESS」「eNPS」「離職率・退職率」があります。

ESS

ESS(Employee Satisfaction Score)は、従業員満足度を把握するための指標です。従業員の現在の満足度を把握したい場合に測定します。

「職場にどれぐらい満足していますか?」という質問に対して10段階で評価してもらい、平均値や全体傾向を把握します。部門別や属性別に調査結果を見ることで、どこに課題があるかを洗い出すことが可能です。またモニタリングすれば施策の効果を調べられます。

eNPS

eNPS(Employee Net Promoter Score)は、従業員が家族や友人、知人に会社で働くことをどれぐらい薦めたいかを示す指標です。ロイヤルティやエンゲージメントを把握するために測定するものです。

「あなたはこの会社を友人や知人にどの程度すすめたいと思いますか?」という質問に対し、0〜10点で回答してもらいます。9〜10点を「推奨者(Promoters)」、7〜8点を「中立者(Passives)」、0〜6点を「批判者(Detractors)」と分類し、「eNPS=推奨者の割合 − 批判者の割合」で算出します。

たとえば、推奨者が60%、批判者が20%であれば、eNPSは+40。10以上あれば良好とみなされます。

離職率・退職率

離職率・退職率は、従業員満足度を間接的に測るための指標です。会社の満足度が下がると、従業員は離職を選びやすくなります。離職率は「一定期間内に退職した従業員数 ÷ その期間の平均在籍人数 × 100」で算出します。


たとえば、1年間で10人が退職し、平均在籍人数が100人の場合、離職率は10%。離職率が20%を超えると組織課題の兆候とされ、特にITやサービス業では高水準になりやすい傾向があります。簡単に調べられるため、組織の健康状態を把握するために定期的に確認しましょう。


従業員満足度の調査方法

従業員満足度の調査方法

従業員満足度調査は6STEPで行います。

 

  1. 調査目的を明確にする
  2. 調査対象を決める
  3. 調査のタイミングを決める
  4. アンケートを作成する
  5. アンケートを収集、分析する
  6. 調査結果を共有する

 

1.調査目的を明確にする

従業員満足度調査を始める前に、まずは目的を明確にします。なぜなら、目的が曖昧だとアンケート調査の設問が的外れなものになったり、回答をどのように活用すべきかわからなくなったりするためです。

たとえば、離職率を下げたい場合とマネジメントを見直したい場合では「設問」「対象範囲」「分析方法」が変わってきます。

また、従業員満足度調査の目的を伝えることで「なぜ回答する必要があるのか」を理解してもらえて、協力が得られるようになります。そのため、従業員満足度調査の目的を明確にしておきましょう。

2.調査対象を決める

従業員満足度の目的に応じて「誰に対して調査を行うのか」を決めましょう。全社一斉に行う調査は、企業全体の傾向を把握するのに適していますが調査範囲が広いため手間がかかります。

一方、特定の部署や年齢層、職種などに絞ったセグメント調査であれば、手間をかけずに課題を洗い出せます。

たとえば、離職率の高い部門に限定して調査を行えば、なぜ離職が発生しているか原因を特定しやすくなるでしょう。そのため、どこまでを調査対象にすべきか慎重に決めてみてください。

3.調査のタイミングを決める

従業員満足度調査は、実施するタイミングによって得られる結果が変わります。そのため、目的に合わせて適切なタイミングを見極めましょう。

一般的に多くの企業では、年度末など節目に大規模調査を行うケースが多く見られます。

しかし、早期に把握したい場合には、月次や四半期ごとの調査がおすすめです。また、人事制度改定後やリーダーの交代直後に調査すれば、従業員に受け入れられているかどうかを把握することができます。このように、タイミングによって得られる結果が変わるため、いつ実施すべきかを決めましょう。

4.アンケートを作成する

従業員満足度を把握するために、目的に応じたアンケートを作成することが重要です。回答しやすさを意識すると回答率を上げられます。以下にサンプルを載せておくので、ぜひ参考にしてみてください。

■基本項目
年齢(        )
所属部署(       )
役職(       )
勤続年数(      )

■ 設問例(5段階評価形式)
Q.会社の理念やビジョンを理解できていますか?(1.2.3.4.5)
Q.上司からの評価に納得感がありますか?(1.2.3.4.5)
Q.現在の仕事にやりがいを感じていますか?(1.2.3.4.5)
Q.職場の人間関係は良好だと感じますか?(1.2.3.4.5)
Q.職場環境(設備・働く空間)に満足していますか?(1.2.3.4.5)
Q.現在の給与や待遇に満足していますか?(1.2.3.4.5)
Q.福利厚生制度に満足していますか?(1.2.3.4.5)

■ 自由記述の例
職場環境や働き方について、改善してほしい点があれば教えてください。
(                                )
会社の良いところ・今後も続けてほしい取り組みがあれば教えてください。
(                                )

5.アンケートを収集、分析する

アンケート実施後は、速やかにデータを集計・分析します。全社平均だけでなく、部署や年代別に分けて傾向を把握することで問題点を見つけることができます。また、スコア推移を追えば、職場改善や組織改善の施策の効果を把握することも可能です。

6.調査結果を共有する

従業員満足度調査で判明したことは、社内で共有して、改善アクションにつなげることが大切です。まずは経営層や部門責任者にフィードバックし、その後、全社に向けて発信することで協力が得られやすくなります。

従業員満足度を向上させる方法

次に従業員満足度を向上させる方法を5つご紹介します。

マネジメントの質を高める

従業員満足度を向上させるには、マネジメントの質を高めることが重要です。なぜなら、上司との関係性や評価の公平性が、従業員のやる気や職場への信頼に直結するためです。


例えば、定期的に1on1ミーティングを行い、業務上の悩みやキャリアの相談にしっかり耳を傾けてくれる上司がいる職場では、従業員の離職率が低く、仕事へのモチベーションも高い傾向があります。そのような環境では、従業員は「自分が大切にされている」と感じ、前向きに働くことができます。

キャリア支援と成長機会を提供する

従業員満足度を高めるには、キャリア支援と成長機会の提供が欠かせません。なぜなら、人は成長を実感できる環境においてこそ、仕事への意欲や前向きな姿勢が育まれるためです。そのため、ローテーション配属やプロジェクト型業務などの挑戦機会を用意して、「この会社なら成長し続けられる」と感じてもらうことが大切です。


また、キャリア面談やスキルアップ研修などの支援制度も併せて整備することで、個々の成長意欲をさらに引き出すことができます。このように、一人ひとりのキャリアに寄り添うことで、従業員満足度を向上することができます。

職場環境を整える

従業員満足度を向上させるためには、働きやすい職場環境を整えることが欠かせません。なぜなら、快適な環境で働くことでストレスを軽減し、業務への集中力が高まるためです。

職場環境といっても空間の快適さだけでなく、リモートワーク制度、ITツールの整備、業務量の配分などさまざまです。働きやすさに配慮することで、従業員は最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。

報酬と福利厚生を見直す

従業員満足度を高めるためには、報酬と福利厚生の見直しも欠かせません。
なぜなら、給与や待遇への不満は、モチベーション低下や離職の原因となるためです。

ただし、報酬は「高ければ良い」というものではありません。評価の基準が明確で、納得感のあるプロセスがあるかどうかが、満足度に大きく影響します。成果に対する正当な対価が支払われていると感じられれば、従業員は自らの成長や貢献にも意義を見出しやすくなります。

また、福利厚生の面では、住宅手当・育児支援・リモートワーク環境の整備など、ライフスタイルに応じた柔軟な制度設計が求められています。こうした制度があることで、従業員は安心して働き続けることができ、生活と仕事の両立もしやすくなり満足度が上がります。

ビジョンを浸透させる

従業員満足度を向上させるためには、企業のビジョンを浸透させることが重要です。なぜなら、ビジョンに共感できる従業員は、仕事に対して誇りややりがいを持ちやすくなるためです。

ビジョンを浸透させるには、経営陣からの発信にとどまらず、評価制度、日々のコミュニケーションでも意識して伝えることが大切です。そうすることで、従業員一人ひとりが「自分の仕事はビジョンとつながっている」と実感できるようになります。

まとめ

従業員満足度(ES)は、生産性・定着率・顧客満足度を高める上で欠かせない重要な指標です。従業員満足度を向上させることで、従業員が意欲的に働くようになりサービスレベルが上がります。つまり、従業員満足度は企業成長の一歩に不可欠なものです。そのため、これを機会に従業員満足度を向上させる取り組みを始めてみてください。




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この記事は著作権を有する Custifyの許可を得て翻訳したものです。 Original article:https://www.custify.com/blog/customer-delight/...
この記事は著作権を有する Custifyの許可を得て翻訳したものです。 Original article:https://www.custify.com/blog/customer-retention-cost/...
導入『なぜカスタマーサクセスを選んだのか』 近年、SaaSを中心に注目を集めているカスタマーサクセスという仕事。
私は過去にカスタマーサクセス(CS)立ち上げ業務を経験しました。
カスタマーサクセスとは、単なる顧客対応ではありません。顧客がサービスを通じて成功するために、先回りして課題を捉え、行動し、伴走し続ける存在です。では、その“成功”とは具体的に何を指すのでしょうか? そして、どうすれば顧客にとって本質的な価値を届けられるのでしょうか?