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【翻訳】カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

この記事は著作権を有する Custifyの許可を得て翻訳したものです。
Original article:https://www.custify.com/blog/the-difference-between-customer-success-and-customer-support/

現代のB2B製品やSaaS業界において、「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」という言葉は、頻繁に使われるようになっています。

どちらも、あらゆる企業やブランドの成功に不可欠です。カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは、その性質にあります。カスタマーサクセスは「能動的、積極的」であり、カスタマーサポートは「受動的、受け身」であるということです。

この2つの用語を混同して使うと、組織内外ともに混乱を招く可能性があります。だからこそ、それらの違いを明確に定義し、その違いを理解しましょう。両者をうまく組み合わせることで、どのようにビジネスを新たなレベルに引き上げることができるかを検討する必要があります。

ビジネスの成否は「顧客とのエンゲージメント(繋がり)」にかかっていると言われており、「潜在顧客・および既存の顧客があなたの会社をどのように見ているか」は極めて重要です。顧客重視という点において、「カスタマーサクセスとカスタマーサービスは同じ意味なのでは?」という声をよく耳にします。確かに両者は密接に絡み合っており、完璧な調和を実現するために互いに大きく依存していますが、実際には同じではありません。

この記事では「カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い」を理解してから双方の連携を行い、競合他社より大きくリードするためのガイドです。

カスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスの定義とは何でしょうか?簡単に定義できそうですが、実際にはかなり複雑です。カスタマーサクセスチームは、企業のプロダクト(製品・商品)やサービスを顧客(クライアント)が導入する上で、導入過程(ジャーニー)の中で達成すべき成果やゴールに基づき、サクセスチームの目標は定義されていきます。
参照:Custify カスタマーサクセスとは?包括的な定義、分析、概要


一般的には、カスタマーサクセスとは次のような能動的・自発的なアプローチを指します。

  • 顧客とのエンゲージメントを確立、発展、構築する。
  • 顧客やそれぞれの組織のKPI、ボトルネックなどを理解する。
  • 顧客が目標を達成し、それを上回ることを支援します。
  • 顧客の自社プロダクトやサービスの導入・定着を円滑に行う。


したがって、カスタマーサクセス戦略は次のように定義できます。

 「顧客のヘルススコア(利用状況)や可視化された指標、テクノロジーを活用して顧客の成功率を高めていき、自社製品のヒアリングを通じて提供している価値の改善を続けていく、包括的かつ積極的な取り組み」

カスタマーサクセスvs 顧客満足度

カスタマーサクセスについて定義しましたが、ここで重要なことは、カスタマーサクセスは顧客満足度とは別の定義であるということです。

顧客が求めているものを提供することと、顧客が望むものを提供することの間には、常にギャップがありました。お客様にご満足いただくことは私たちにとっても嬉しいことですが、優れた体験を提供しても、それがカスタマーサクセスにつながらなければ意味がありません。

同時に、自社が「顧客にとってこれは必要!」と判断してプロダクトを提供・改善しても、顧客自身が気づいていないニーズに応えては、カスタマーサクセスに結びつく可能性は低いでしょう。

 

サービスプロバイダーとして、顧客の注文通りにサービスを提供し、常に顧客が正しいと信頼することで、一時的には顧客満足を達成できます。しかし、それ以上の成果には繋げられません。プロダクトやサービスの提供を基本的なレベルに引き下げてしまえば、顧客はあなたの専門的な手腕を評価せず、チャーン(解約)を遅らせる時間稼ぎにしかなりません。

一方で、顧客に対して「顧客が潜在的に、本当に必要としているニーズ」をきちんと説明して提供すれば、単に顧客を満足させるだけでなく、長期的には真のカスタマーサクセス(顧客成功)を実現できます。

万能なアプローチは無い

顧客は、それぞれ異なる価値観とニーズを持ち、サービスや製品の活用方法も異なります。そのため、CSM(カスタマーサクセスのマネージャー)は、顧客ごとのニーズを深く理解し、組織との関わりを通してそれらのニーズを満たすよう尽力する責任を負います。

カスタマーサービスとサポートの違いとは?

カスタマーサポートとは、多くの場合、  お客様が貴社や製品とのやり取り中に遭遇した問題や課題の解決を支援することです。また、サービスに直接関係のないトラブル(例:SaaS製品を使用した組織連携の問題)に対しても、解決に導く場合があります。
参照:Custify コールセンターの顧客サポートを最適化して収益を向上


このような場合は、「カスタマーサポート」だけが対応していると、サポートの専門分野とは言えない(例:組織連携の問題に関しては、その組織の情報をある程度知る必要があるが、サポートの把握範囲外であり解決は難しい)為、顧客との関係性にリスクが生じる場合があります。

つまり、企業が「ユーザーの問題発生時にのみ支援を提供する」スタイルをとっている限り、その対応には限界があります。これに対して「カスタマーサクセス」は、顧客との関係をさらに「一歩前進させる」アプローチです。サクセスの考え方は、製品を使用した顧客が長期的に成功し、継続的にエンゲージメントしてくれるよう、成功の要因を特定し、最大限に活用できるよう、能動的に支援します。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの5つの違い

理想的には、カスタマーサクセスチームとサポートチームの施策はお互いに連携し、補助し合う形で顧客対応を行うのが望ましいです。

ただし、いくつか異なる点があります。

1. 能動的なサクセス vs 受動的なサポート 

カスタマーサポートは、基本的に受動的なアプローチで、顧客が何か必要としたり、問題や質問で連絡してきたりした時に対応します。一方、カスタマーサクセスは能動的なアプローチで、顧客が目標を達成できるように、事前に課題を予見し、課題解決や目標達成できるように伴走します。

2. 関係重視なサクセス vs 取引重視なサポート

カスタマーサポートやサービスにおけるやり取りは、顧客からの問い合わせを受け、問題の解決をもって関係を終了します。それに対し、カスタマーサクセスは契約が続く限り、エンドレスな関係構築を行うので、継続して顧客との信頼関係を深めます。

例えば、オンボーディングを完了していない顧客は収益につながらないため、Custifyを含むカスタマーサクセスは進捗やジャーニーを追跡し、必要なタイミングで能動的にアプローチします。

これにより、顧客がサポートを必要とするときに、迅速なタイミングで並走します。

3.  KPIと指標の違い

KPIや指標の面でも違いがあります。

多くの組織において、カスタマーサポートは応対のスピードやクオリティを重視しますが、サクセスはその先にある顧客、及びサービスの成功指標の要素を重視します。

・製品におけるチャーン(解約)率の改善、定着率の向上

・LTV(顧客の生涯における価値)の向上

・リピート購入の増加

・アップセル・クロスセルの向上

 

そのため、CSMは製品内でのカスタマージャーニーやヘルススコアを追跡し、顧客が望む成果や価値を確実に提供できるよう支援します。

4.  雇用について

カスタマーサポートは20年以上の歴史があり、採用や育成のベストプラクティスが確立されていますが、カスタマーサクセスはまだ10年程度の比較的新しい領域であり、カスタマーサクセスの取り組みにおける「正しい」採用、トレーニング、そして実装方法について、明確かつ統一的な見解を示すだけの知識の深さや幅はまだ十分にありません。

5.  測定可能なROI(投資利益率)

多くの組織は、顧客サービスとサポートを通常の事業運営に必要な標準化されたコストと見なしています。顧客サービスチャネルが機能不全に陥ると、それは明らかに悪夢であり、サービスチームへの適切なサポート、人員配置、トレーニングが不十分だと、次のようなコストが著しく低下することがよく知られています。

・顧客満足度やLTV(顧客の生涯価値)

・チャーン(解約)率や定着率

・他者への紹介


質の低い顧客サポートに関連するコストは簡単に測定でき、ほとんどの組織の経営陣と財務部門の両方で理解できます。

一方でカスタマーサクセスはあまり理解されていない取り組みであり、経営層や財務部門は、成功に向けた取り組みに対する努力と投資に対して目に見える成果が得られるように関係者に強く求めることがよくあります。カスタマーサクセスは次のように測定できます。

・製品の利用度や紹介数の増減

・評判とブランド言及のモニタリング(言及の感情分析)

・特定のマーケティング活動に結びつかない自然な収益の増加

・チャーンの低下、アップグレード、クロスセルの増加



カスタマーサポートとカスタマーサクセスの業務を連携しよう

前述のように、カスタマーサポートとカスタマーサクセスは企業の成長を促進し、顧客関係を維持・改善するための大事なプロセスです。業務のすべてが、自社の収益拡大と成功へと繋がります。

それぞれの役割・使命・目標を明確に定義するためには、部門を別々にしておくのが最適ですが、各部門が連携して調和して業務を遂行できる自律性も必要です。

両部門が互いの活動内容や優先事項について、常に情報を同期・共有しておくことで、顧客データをより有効に活用し、加入した顧客のベースに最も大きな影響を与える事項に関して、より確かな判断を行うこともできます。

連携の改善を目指すチームにとって、 Salesforce Service Cloud、Talkdesk、Aircall などのコンタクト センター ソフトウェアツールは、顧客とのコミュニケーションを統合し、効率を高め、サポート チームとサクセス チーム間のシームレスなコラボレーションをサポートすることができます。

 

たとえば、サポートチームが同じ問題や苦情を繰り返し対応している場合は、その情報をカスタマーサクセスチームへ伝達します。カスタマーサクセスチームは UI/UX 部門と連携し、問題を完全に解消するために必要な変更を行うことができます。

次に何をすべきか?

カスタマーサポートに対して、カスタマーサクセスは能動的な施策であり、解約が発生する理由が表面化する前に、先回りして顧客の目標を達成することを支援し、目標の実現と潜在的なチャーン率の削減に焦点を当てています。

まだ話し合っていない場合は、サポートとサクセス双方の戦略をどのように組み込み、活用するかについて議論を行ってみてください。自社の成長を促進するために、全体を俯瞰する包括的なアプローチを取り入れましょう。様々な部門のリーダーを巻き込み、適切な意思決定に必要な洞察を提供しましょう。


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