VOC分析とは何か わかりやすく徹底解説
山田理絵
2023.02.03
VOCとは、" Voice of Customer " の略称のことです。
その名の通り「お客さまの声」という意味で、VOC分析とは顧客の声を分析することを指します。
VOCを分析し企業活動に活かすこと
VOC分析ではさまざまな方法で収集した顧客の声を分析して、企業経営に活用します。
顧客の声をダイレクトに把握することによって、市場における自社の立ち位置や強み弱みなどを客観的に知ることが可能です。
社会がグローバル化し、ものやサービスが溢れ市場が飽和しつつある現代において、企業は商品やサービスを販売するだけでは安定的な収益を確保することはできません。他社との差別化が非常に重要なポイントになります。
他社との差別化を図るうえで、VOC分析は非常に役立つ分析手法になります。
VOCの収集方法
VOCはさまざまなチャネルで顧客の声を収集していますが、主な方法としては次の3つです。
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コールセンター
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アンケート
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SNS
電話で顧客からのフィードバックを得るコールセンターや顧客に郵送物やメールなどを送付してフィードバックを得るアンケート、またSNSなどの書き込みを参照し顧客の生の声を拾う方法があります。
コールセンターやアンケートはまとまった人手やお金が必要ですが、SNSであれば必要となるコストが比較的少なくて済みます。つまりVOC分析は規模の小さな企業も行うことが可能です。
VOC分析が企業にもたらす効果
VOC分析は、企業にとって次の3つの効果をもたらすことができます。
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顧客の生の声を聞くことができる
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新たな商品、サービスの開発に活用
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社員の満足度向上が期待できる
VOC分析は顧客に対して効果があるだけでなく、社員のモチベーションアップにも寄与するのが大きな特徴です。
VOC分析の3つの効果について詳しく解説していきます。
顧客の生の声を聞くことができる
VOC分析は顧客の生の声を収集できます。
市場のリアルな声には、良い評価もあれば悪い評価や改善要望などもあります。
このようなリアルな市場の声を聞くことで、商品・サービスの改善や改良を図ることが可能です。
新たな商品・サービスの開発に活用
VOC分析では顧客の「こんな商品がほしい」「こんなニーズがある」などの生の声を知り、顧客の最新のニーズに合わせた新たな商品・サービスを開発することができます。
また、顧客に発売前の商品やサービスを利用してもらいVOC分析を行うことで、発売前の新商品の改良を行うことも可能です。
社員の満足度向上が期待できる
VOC分析は商品やサービスの改良だけでなく、社員の満足度向上にも寄与します。
社員が顧客の声を直接聞くことによって、モチベーション向上につながることがあるのです。
例えば商品開発の担当者に、新商品に対するVOCを聞かせることによって「新商品を開発してよかった」「次はこの点を改良しよう」など、満足度や仕事のやりがいの向上につなげられるでしょう。
VOC分析を実施する流れ
では、実際にVOC分析はどのような流れで行っていくべきでしょうか?
基本的には次の流れでVOC分析を進めていきます。
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目的とターゲットを明確にする
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分析可能なシステムを導入する
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システムを一定期間運用する
VOC分析を進める流れについて詳しく解説していきます。
目的とターゲットを明確にする
まず何を目的にVOC分析を行うのかを明確にします。
目的が定まっていないとただデータを集めるだけが目的になってしまうため、効率的に分析を進めて行くことが難しくなります。
例えば「無償プランから有償プランへ移行する顧客を増やしたい」という目的があるのであれば、どのような機能やサービスがあれば有償プランの利用を検討したいと思うのかについての意見を収集することで「有償プランに移行させるためには何が必要なのか」を知ることができます。
目的や目標を設定したあとは、どんなターゲットを分析すべきなのかを決定しましょう。
ターゲットが決まったら、ターゲットのVOCを集めるためのチャネルも決めます。
なお、チャネルは前述した電話やアンケート、SNSなどの手法が一般的です。
分析可能なシステムを導入する
次にデータを分析するためのツールを導入しましょう。
もちろん、サンプル数が少ない場合はツールを導入せず手作業で集計することも可能です。
しかし企業規模が大きくなり、ある程度のVOCが集まるのであれば自動的に管理や分析を行ってくれるツールを導入しましょう。
AIを活用して精緻な分析や管理を行ってくれるシステムも存在しているため、効率的に分析できるシステムを導入するとよいでしょう。
システムを一定期間運用する
VOCを管理・収集・分析するシステムを導入したら、一定期間継続的に運用を行うことが重要です。
質の高いVOC分析を行うためには、一定期間継続してVOCを蓄積することが欠かせません。
期間を決めて継続的に運用していきましょう。
VOC分析はこんな企業に向いている
VOC分析は、どのような企業でも事業活動に役立たせることができます。
次のような企業には特に向いている分析手法です。
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顧客の声を企業経営に反映させたい
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商品・サービスの差別化を図りたい
VOC分析が向いている企業の2つの特徴について、詳しく解説していきます。
顧客の声を企業経営に反映させたい
顧客の声を企業経営に反映させたい企業は、VOC分析が向いています。
VOC分析はエンドユーザーの声を聞くことができるため商品の開発、社員のモチベーションアップに大きく寄与するのが特徴です。
また、商品のリピート率が低い企業にとってもVOC分析の導入は大きなメリットをもたらします。顧客満足でやリピート率が上がらない場合は商品やサービスあるいはその提供方法などに原因が潜んでいます。自社だけではなかなか気付かない改善点をVOC分析を通して発見できれば、問題の解決に大きく寄与するでしょう。
商品・サービスの差別化を図りたい
すでに市場に投入している商品やサービスをさらに改善し、他社との差別化を図りたい場合にもVOC分析は役立ちます。
既存の商品・サービスを使用しているユーザーのVOCを集めることで、改良点を見つけやすくなるでしょう。
他社の商品・サービスよりもダイレクトに顧客の声を反映させることができるため、VOC分析は他社との差別化にも最適です。
まとめ
VOC分析について詳しく解説してきました。
顧客の声を商品・サービスに反映させることで顧客の満足度をあげることの重要性をお伝えできたかと思います。
ぜひこの機会にVOC分析やツールの導入をご検討してはいかがでしょうか。
この記事を書いたライター
山田理絵
不動産営業を経験後、アディッシュにて、カスタマーサクセス関連商材のインサイドセールスを担当し、初期接点から課題の顕在化をし機会創出を行う。 趣味はポールダンスと料理。