顧客成功を意識したカスタマーサポート

山本美咲
2025.07.15

こんにちは!アディッシュにてカスタマーサポート業務の対応をしている「やみー」こと山本です。
私は元々アディッシュにてカスタマーサクセスの知識・ノウハウを習得した上で、現在の常駐先ではカスタマーサポート業務を行っています。
サクセスの知見を活かすことで、サポート対応を通じて、顧客の成功を支援でき、結果として顧客が商材のファンになってくださった事例があります。
今回はそのような経験から、カスタマーサクセスの視点を取り入れたサポート対応の工夫について、実例を交えながらご紹介したいと思います。
カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い
そもそも「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」は、どちらも略すと「CS」になり混同されがちですが、一体何が違うのでしょうか。
最も大きな違いは目的です。カスタマーサクセスが顧客の成功体験や長期的な価値実現を目的としているのに対して、カスタマーサポートは製品の不具合や操作方法など、発生した課題の解決が目的となります。
つまり語感が似ているだけで、アプローチの方向性は根本的に異なります。
一方で共通点もあり、顧客に満足してもらうという最終的なゴールは同じです。
なお、詳細についてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひチェックしてみてください!
カスタマーサクセスを意識したサポート内容とは
+α(プラスアルファ)を意識する!
サポート業務では、代替案を提案するのは一般的ですが、サクセス的な観点で最も重要になるのは+α(プラスアルファ)の価値提供です。
疑問の解消は当然の対応ですが、それ以上の価値を提供することが顧客の満足度向上には必要です。顧客が困る状況を先回りして予測し、根本的な悩みや潜在的な問題まで解消することで、受動的な業務の中にも能動的な要素を見出すことができます。
実際にいただいた質問の内容から、お客様の背景事情を踏まえて関連する課題を先回りして予測し、その解決策も併せて提案した結果、大変喜んでいただけた事例がありました。
このように、一度のやり取りで隠れた顧客の真のニーズを見つけ出し対応することで、より大きな満足感を提供することができます。
なお、内容だけでなく声のトーンや話し方、相手に寄り添った相づちも満足度に大きく影響します。まずは、明るく親しみやすい受け答えから意識してみることをおすすめします。
疑問解消だけではなく技術を支援する!
単純な疑問解消だけでは、従来型のサポートの域を出ません。一歩進んだ対応をするには、顧客に商材の知識や技術を身に着けてもらうことを意識しましょう。
お問い合わせをされる顧客は、商材活用で何らかの壁にぶつかっています。しかし今回の壁を越えても、類似した別の課題が発生する可能性があります。
そこで今回の解決方法だけでなく、類似ケースへの対応方法や応用パターンもお伝えすることで、顧客自身の成長を促し、将来的なお問い合わせ数の減少も期待できます。
技術力が向上した顧客の変化
上記のようなサクセス志向の対応を実践すると、顧客からの反応に明確な変化が現れます。
表面的な感謝を超え、心からの感謝の言葉をもらう機会が増加します。また、身近な存在であるサポート担当者への信頼が、そのままサービス継続への動機となることも多々あります。
最終的に顧客が自分でサービスを使いこなせるようになると、「サポート卒業」という理想的な状態を目指すことができ、顧客はより高度な活用や新機能への挑戦といった次のステップに進むことが可能になります。
まとめ
サポート対応で顧客成功を実現するポイントは、顧客の知識とスキル向上を支援するという意識を持つことです。
単なる問題解決を超えて、顧客の自立を促すことで真の価値提供が可能になります。最終的に顧客が「サポートを卒業」し、自走してサービスを活用できる状態こそが、カスタマーサクセスを意識したサポートの理想的なゴールです。
従来のサポート業務にカスタマーサクセスの視点を組み込むことで、顧客により深い価値を提供し、長期的で持続可能な関係を構築することができるのです。
カスタマーサポートは確かに受動的な側面が強い業務です。
だからこそ私たちは、カスタマーサクセスの視点を持つことが重要だと考えています。
課題解決にとどまらず、お客様の自立や成功を後押しする——そんな「能動的な価値」を生み出すサポートが、今後ますます求められていくでしょう。
私たちはこの意識を広げることで、「ただ問題を解決するサポート」から「顧客を成功に導くサポート」へと進化させ、業界全体の品質向上と成長につなげていきたいと考えています。

この記事を書いたライター
山本美咲
官公庁、人材派遣業界、IT業界、建設業界を経て、2024年にアディッシュに入社。 これまでの営業経験とカスタマーサポート経験を活かし、現在はtoB向けのテクニカルサポート業務に従事。 「顧客視点」をモットーに、幅広い分野での業務改善を得意とする。