ヘルススコアツールとは?メリットや活用イメージ、導入方法を解説!
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武田龍哉
2025.09.10

自社サービスを継続的に利用してもらえるか、安定した売上が見込めるか気になっていませんか?
ヘルススコアを測定すれば、顧客が自社サービスを利用し続けてくれるか予想ができます。そのため、ヘルススコアツールを活用してヘルススコアを測定しましょう。
今回はヘルススコアツールについて詳しく解説します。この記事を読めば、自社に最適なツールがどれか理解できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
【はじめに】ヘルススコアとは
ヘルススコア(Health Score)とは、顧客が自社サービスをどれくらい活用し、満足しているかを把握するための指標です。
主にサブスクリプション型ビジネス(SaaS)で用いられ、顧客の「健康状態」を数値で可視化するイメージです。具体的には、次のような観点からスコアを算出します。
- サービスの利用頻度(ログイン回数、利用時間、滞在時間など)
- 各機能の利用状況
- 過去の問い合わせ内容やサポート履歴
ヘルススコアを活用することで、スコアが低い顧客には解約防止のフォローを行い、スコアが高い顧客にはアップセルやクロスセルを提案して売上を伸ばします。
関連記事:「ヘルススコアとは?重要性やメリット、指標と設計方法まで解説」
ヘルススコアの代表的な指標
ヘルススコアの代表的な指標には、次のようなものがあります。
利用状況に関する指標 | ログイン頻度 利用時間 機能の利用回数 アクティブユーザー数 継続率 |
顧客満足度に関する指標 | NPS CSAT アンケート結果 |
サポートに関する指標 | 問い合わせ件数 問題解決率 サポート満足度 |
契約に関する指標 | 契約更新率/契約解約率 利用プラン 契約期間の長さ MRR/ARR |
エンゲージメントに関する指標 | メール開封率/クリック率 イベント参加率 コミュニティ活動状況 |
ヘルススコアツールとは
ヘルススコアツールは、顧客が自社サービスをどの程度活用し、どれだけ満足しているかをスコア化して管理・分析するためのツールです。一般的には、カスタマーサクセスツールにヘルススコア機能が含まれています。
ヘルススコアツールの機能
ヘルススコアツールには、以下のような機能が搭載されています。
機能 | 説明 |
データ収集・分析 | ユーザーのログイン頻度、滞在時間、機能利用回数などを収集し、スコアを算出する |
ダッシュボード | 顧客の健康状態を「グリーン」「イエロー」「レッド」で把握できる |
アラート・通知機能 | 健康状態が低下している顧客にアラートを出し、解約兆候を早期に発見できる |
顧客セグメント化 | 業界や企業規模ごとの解約傾向を分析できる |
他システムとの連携 | CRM、SFA、MAなどの外部システムと連携できる |
ヘルススコアツール導入のメリット
ヘルススコアツール導入すると、次のようなメリットが得られます。
- 解約兆候を早期に検知できる
- アップセルやクロスセルの機会を発見できる
- 経営層向けのレポート作成を効率化できる
- カスタマーサクセス支援の属人化を防げる
- カスタマーサクセスの成果を把握しやすくなる
ヘルススコアツールの活用イメージ
ヘルススコアツールの活用イメージは以下の通りです。
- 顧客の健康状態(スコア)を確認して、どこからサポートすべきか判断する
- 健康状態が悪化している顧客をフォローして解約を防ぐ
- 顧客の利用状況を把握して、適切なタイミングでアップセルやクロスセルを提案する
- 経営者に状況を説明するためのレポートを作成する
ヘルススコアツールの導入方法
ヘルススコアツールは3STEPで導入します。
1.顧客の健康状態を定義する
まずは、顧客の健康状態を定義します。自社サービスをどれだけ活用し、どの程度満足していれば良しとするかを決めます。また、どのような健康状態を解約リスクが高いとみなすのかを決めていきましょう。
顧客の健康状態を定義しておくと、解約リスクのある顧客を早期に発見できるようになります。
また「グリーン=良好」「イエロー=注意」「レッド=要対応」といったように色分けすることで、チーム内での情報共有がスムーズになり、効率的なフォローが行えるようになります。
2.ヘルススコアの指標を決める
次に、ヘルススコアの指標を決めます。代表的な指標には、ログイン頻度や機能の利用回数、契約更新履歴、サポート問い合わせ件数などがあります。
1つの指標だけでは健康状態を正しく把握できません。そのため、複数の指標を組み合わせるのが一般的です。どの指標を計測するのかを決めたら、「グリーン=良好」「イエロー=注意」「レッド=要対応」の数値を決めましょう。
3.ヘルススコアの運用方法を決める
最後にヘルススコアの運用方法を決めます。具体的に健康状態に応じたアクションを決めていきましょう。
例えば、スコアがレッドの顧客には優先的にフォローアップを行い解約を防ぎます。
イエローの顧客には利用状況を確認して、より利用してもらえるようなサポートを行えるようにします。
またフォローをするためには、情報共有が欠かせません。そのため、ヘルススコアツールのダッシュボードやアラートの機能を使用して、ヘルススコアを把握できる状態にしておきましょう。
ヘルススコアツールの選び方
ヘルススコアツールは3つのポイントを押さえて選ぶことが大切です。
目的に合ったものを選ぶ
ヘルススコアツールは自社に最適なものを選ぶことが大切です。
例えば、カスタマーサクセス組織を立ち上げたばかりの際は、伴走支援型サポートが付いているものを選ぶと満足できます。
一方で、顧客の利用状況からインサイトを発見して開発、マーケティングに役立てたい場合は、分析できるものを選ぶとよいです。
また運用負荷が過剰にならないように欲しい機能が含まれたものを選ぶと利用しやすくなります。最適なものを選ぶことで利用してもらえるようになります。
費用対効果が得られるプランを選ぶ
ヘルススコアツールを選ぶ際には、料金と性能のバランスを考慮することも大切です。
必要以上に高機能なツールを選ぶとコストばかりがかかり、活用されないケースがあります。
一方で、安価なプランでは自社が求める分析や運用が十分に行えなくなることもあります。このような失敗をしないためにも「目的」「利用人数」「データ量」にあったものを選びましょう。
また、将来的に拡張できるかどうかも確認しておくと、費用対効果が得られやすくなります。
既存システムと連携できるものを選ぶ
ヘルススコアツールを導入する際には、既存のシステムと連携できるかどうかを確認しておきましょう。
多くの企業では、CRMやSFA、MAなどの顧客管理・営業支援システムをすでに利用しているため、これらと連携できるツールを選ぶことで、データ管理の手間を減らせます。
連携できれば、顧客の利用状況やスコアを自動で取り込み、カスタマーサクセスや営業活動に活かすことができます。
逆に連携できないツールを選ぶと、データの手作業入力や更新ミスが発生しやすく、運用負荷がかかってしまうでしょう。そのため、自社システムとの互換性やAPI連携の可否を確認しておくことをおすすめします。
【目的別】おすすめのヘルススコアツール
ヘルススコアツールにも、さまざまなツールがあるため、自社に最適なツールを選びましょう。ここでは、目的別におすすめのヘルススコアツールをご紹介します。
カスタマーサクセス運用支援が魅力「Growwwing」
Growwwingは、株式会社ユニリタが提供するカスタマーサクセスツールです。
ユニリタはヘルプデスク業務支援ツールLMIS(エルミス)を販売していますが、そのカスタマーサクセス運用を最適化するためにGrowwwingを開発。月次解約率0.2%を実現することができました。
Growwwingはデータ加工などドラッグ&ドロップで完結できるなど、ユニリタのノウハウがふんだんに盛り込まれています。
また希望すれば、カスタマーサクセスの立ち上げやスタッフ教育などもお任せできることが魅力です。このような特徴があるため、カスタマーサクセスの立ち上げ、運用の支援もお任せしたい方におすすめのツールです。
顧客のインサイトを発見できる「Gainsight」
Gainsightは、Gainsight株式会社が提供するカスタマーサクセスツールです。
大きな特徴は、AI顧客エンゲージメント分析ツール「Staircase AI」を活用すれば、メール・Web会議・チャットのデータも統合できて、コミュニケーションから顧客のインサイトを発見できることです。
また、学習プラットフォーム「skilljar」でオンボーディングを強化することもできます。
SkilljarはUI/UXが優れており、顧客自身の自己トレーニングを促せます。このような独自のサービスを提供しているため、顧客のインサイトを特定したい方やオンボーディングを強化したいとお考えの方におすすめのツールです。
リーズナブルな料金体系が魅力「SuccessHub」
SuccessHubは、コミューン株式会社が提供しているカスタマーサクセスツールです。大きな特徴はリーズナブルな価格で導入できることです。
公式ホームページに料金体系は記載されていませんが、SuccessHubを導入した企業は「他社ツールは使用を想定されていないオーバースペックなツールが多かった」「予算が合った」といった声を上げています。
さまざまな企業の中でも、スタートアップ企業(アーリー期)に選ばれています。そのため、カスタマーサクセスを立ち上げる際に、なるべくコストを抑えたいとお考えの方におすすめです。
社内情報を最短2週間でまとめられる「Magicsuccess」
Magicsuccessは、株式会社UPDATAが提供している顧客管理DXプラットフォームです。
ヘルススコアツールも含まれています。大きな特徴は、ノーコードとプロフェッショナル支援で、社内に散らばったデータをまとめ最短2週間で運用できることです。
また、顧客情報管理からアクションまでオールインワンのため、1つのプラットフォームで全てが完結できます。そのため、エクセルやスプレッドシートで顧客情報を管理することに限界を感じていたり、データが散見していることに悩みを抱えている方におすすめです。
コミュニティ運営におすすめ「Commune」
出典:『Commune』
Communeは、コミューン株式会社が運営するコミュニティツールです。コミュニティサイトの制作、運用、分析をオールインワンで行えます。大きな特徴は、ヘルススコアを計測した上でコメントを自動生成できることです。
ユーザーの過去の投稿、相手との関係性、コメントの傾向からパーソナライズ化したコメントを生成できます。コメントの自動生成を活用すれば、ユーザーの定着、運用効率化が図れます。このような特徴があるため、コミュニティ運営を検討している方におすすめです。
機能が充実している海外ツール「Freshsuccess」
FreshsuccessはインドのFreshworks社が提供しているカスタマーサクセスツールです。大きな特徴は、AI(機械学習)を活用して解約リスクが高い顧客を見つけ出し、アラートを通知してくれること。
また、メールテンプレートなどが用意されているため、このような状態の顧客には、このメールを送るなどして業務属人化を防げます。顧客のセグメント別にスコアを変更するなど、高度な分析も可能です。日本のサポート窓口は代理店以外ありませんが、外資系企業で高度なツールを探している場合は満足できます。
生成AIが原因まで追究してくれる「KIZUKAI」
KIZUKAIは株式会社KiZUKAIが提供するカスタマーサクセスツールです。大きな特徴は生成AI技術を活用し、データの加工・分析ができることです。
オプション機能の生成AIレポートソリューションを活用すれば、ダッシュボードの可視化で終わらず、原因を追究することもできます。そのため、ユーザーのサービス利用状況が低下していることを検知できても、何が原因かわからずサポートができないと悩んでいる方におすすめです。
まとめ
ヘルススコアツールを選ぶ際は「目的に合致しているか」「費用対効果が得られるか」「既存システムと連携できるか」という3つの観点を押さえることがポイントです。
必要以上に機能が多すぎてもコストや運用負荷が増える一方で、機能不足では期待する効果が得られません。
自社の体制や成長ステージを踏まえて最適なツールを選ぶことで、カスタマーサクセス活動が効率化され、顧客満足度や収益向上に直結します。
長期的な視点で運用しやすいものを選ぶことが成功の鍵となります。
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この記事を書いたライター
武田龍哉
Web制作会社、広告代理店を経験後、アディッシュに入社。 マーケティング担当としてリード獲得やナーチャリングの施策立案、実行を担当した後、インサイドセールスチームへ参画。 インサイドセールスチームでは、主にカスタマーサクセスの関連商材を担当し、商談機会創出とチーム体制構築に携わる。