顧客対応において、メールは重要なコミュニケーション手段。ひと昔前は電話での問い合わせが主流でしたが、時間や場所を選ばないWebフォームやメールでの問い合わせが増えてきました。そのため、メール対応を効率的に行うことが業務の生産性向上と顧客満足度の向上につながります。
そこで注目されるのが「メール共有」です。
本記事では、メール共有・問い合わせ管理システムの「メールディーラー」を提供する株式会社ラクスが、メール共有とはなにか、メリットデメリットやメール共有の始め方についてご紹介します。
2024年6月にカスタマーサポート部門の管理職を対象に「カスタマーサポート部門における課題」調査を実施したところ、8割以上の管理職が「メールでの問い合わせ対応に課題がある」と答えました。では、どのような課題を抱えているのでしょうか。
管理職の方々が抱えている課題や悩みの上位は、「問い合わせの量が多い」 「問い合わせ対応スピードを向上させたい」「見落としや漏れが発生している」でした。
「問い合わせの量が多い」ことは嬉しい悲鳴の場合もあるかもしれませんが、「問い合わせ対応スピードを向上」「見落としや漏れ」はビジネスに悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
引用元:カスタマーサポート部門における課題を調査/メールディーラー
こうしたお悩み課題のうち「対応スピード向上」「見落としや漏れの発生」には「メール共有」を行うことで解決できます。
メール共有とは、複数名またはチームで1つのメールアドレス(共有アドレス)を使ってメールの送受信を行うことです。共有メールアドレス宛てに届いたメールは、受信設定をしたすべての人・メーラーで受信され、返信時には返信元のメールアドレスを共有メールアドレスにすることも可能です。
担当者がひとりでメールを管理するのではなく、複数名で共有して管理することはとても重要で、これにより「誰がどのメールに対応しているか」が明確になり見落としや重複対応を防ぐことができます。
例えば、担当者の不在時にお客様から急ぎの問い合わせが来た場合、代理対応したくても過去のやり取りがわからず対応できないというケースはよくあるのではないでしょうか。
メールを共有していれば、過去のやり取りを参照できるため、担当者以外でも顧客の対応が可能になります。
またメールを共有することで、対応に困った際には他の担当者が送ったメールを参考にすることができ、対応スキル向上のための能動的な行動を取ることが可能です。自動的にナレッジを共有している状況が作り出されます。
メールの見落としや対応漏れがなくなる以外にも以下のようなメリットがあります。
個人アドレスでの運用から共有アドレスに切り替える場合は、以下のステップで切り替えを行うとスムーズに切り替えができます。
▼個人アドレスから共有アドレスへの移行ステップ
とはいえ、いきなり共有アドレスの利用に切り替えるというのが難しいケースもあるかと思います。そのような場合は以下の方法でメールを共有することも可能です。
メール共有は、個人アドレスでccやメーリングリストを活用して運用することもできますが、受信者が差出人アドレスにのみ返信をしてしまうこともあります。その場合、チームに情報が共有されず、再度ccにアドレスを追加するといった手間がかかります。そのため、できれば共有アドレスを利用するのがおすすめです。
また、共有アドレスを利用していても、GmailやOutlookといったメーラーでの運用では、メールごとに対応者を振り分けるために、個別のフォルダを作成して自動振り分け設定を行うなど、運用を行う上での設定や準備が必要となり、手間がかかります。
手間なく確実に見落としや漏れを防止したいという場合は、メール共有に特化した「メール共有システム」の利用がおすすめです。複数名でメールを共有する際に起こりがちなメールの見落としや重複対応を防ぐため、以下のような機能が備わっています。
実際に個人アドレスから共有アドレスに切り替えた結果、機会損失を防げた事例をご紹介します。
クラウド型テレフォニーサービス「BIZTEL」の営業・サポートフロントを行っている株式会社リンクでは、フィールドセールスとインサイドセールスチームで共有アドレスを活用して顧客とのコミュニケーションを行っています。
元々は各営業担当が個人アドレスで顧客とやりとりをしていたのですが案件が増えるにつれメールの見落としによる返信漏れが発生。さらにメールの見落としもお客様からの指摘がなければ気づけない状態だったため、共有アドレスの運用を開始しました。
共有アドレスの運用に切り替えたことによりメールの対応状況がわかるようになり、課題としてあった「メールの対応漏れ」は完全になくなったとのことです。
また共有アドレスへの切り替えと同時にメール共有管理システムの導入を行い、タスク状況の可視化やテンプレート共有が可能になり、返信対応や教育稼働の削減にもつながったそうです。
引用元:メールの見落としによる機会損失を防ぐ!営業チームでのメール共有/メールディーラー
メール共有を行うことで、カスタマーサポ―ト部門が抱える「問い合わせ対応スピードの向上」「見落としや対応漏れの防止」といった課題解決だけでなく、属人化の防止など業務効率も同時に実現します。
カスタマーサポート対応でお悩みや課題を感じている管理職の方は、ぜひメール共有の実践を検討してみてはいかがでしょうか。