「オンボーディング後のアダプションで、顧客を成功体験に導くポイント」

こんにちは、アディッシュのカスタマーサクセス担当・大城です。
オンボーディングで信頼関係を築いた後、アダプションフェーズにhsその関係を継続・深化させる役割があります。
オンボーディングに限らず、顧客にとって「困ったときに頼れる存在」になることは、チャーンの防止や長期的なサービス活用の促進につながります。
本記事では、アダプションフェーズにおいて信頼関係を維持・発展させ成功へと導くための考え方や実践ポイントについてお伝えします。
はじめに
オンボーディングだけが全てじゃない
アダプションとは、顧客がサービスの使い方を習得し業務に定着させていく重要なフェーズです。この段階では、顧客からのヒアリングやデータ収集を通じてより高い満足度を実現するためのきめ細やかなサポートが求められます。
カスタマーサクセスにおいて、オンボーディングだけが全てではないです。「継続的に発生する課題感を解消し続けること」ひいては「課題が発生した時に相談をしてもらえるような信頼関係を継続させること」も重要です。
オンボーディングが順調に進んだとしても、アダプションフェーズでのフォローが不十分だと信頼関係が崩れてしまい、チャーンのリスクやLTV向上の機会を失う可能性があります。
また、同じアダプションフェーズでもSaaSの特性によって、違いがあります。
例えば勤怠管理ツールなど比較的簡単ですぐに効果が出るもの。一方で、マーケティングオートメーションツールなど簡単ではなくすぐに効果が出てこないものがあります。
この2つの場合、前者はオンボーディングの質がより重要ですが、後者の場合オンボーディングはもちろんのこと、その後のアダプションにおける継続的なサポートが極めて重要となります。
これらを踏まえて、アダプションとして具体的に注意すべきポイントなどをご紹介いたします。
アダプションにおける前提認識
オンボーディングを完了された顧客が、「現在どの程度サービスを活用できているのか」「どのような点に課題を感じ、躓いているのか」を推測することがアダプション活動の第一歩です。
そのため、打ち合わせ時には顧客の状況を詳細に把握するための丁寧なヒアリングを実施する必要があります。
顧客の状況を深く理解するためには、表面的な情報だけでなく、業務における具体的な利用状況や目標、潜在的な課題まで丁寧にヒアリングすることが重要です。
また、私たちがこれまでの経験から培ってきた運用のベストプラクティスを事前に準備し、顧客の状況に合わせて分かりやすく共有することも重要です。
中途半端なアダプションでは、顧客が課題を抱えたままになり、結果としてチャーンに至る可能性もあります。
「使ってみたけど期待したような結果が得られなかった」──そうした状況を避けるために、顧客の状況を的確に把握し、適切なタイミングで必要なサポートを提供することが何よりも重要です。
アダプション実施時に注意すべきこと
顧客の現状を把握する
前述の通り、アダプションフェーズにおいて最も重要なことの一つは、顧客の現状を徹底的に把握することです。アダプションを実施する際は、顧客がサービスをどの程度操作し、どのような機能を利用しているのか、現時点で何に困っているのかを丁寧にヒアリングします。
私たちが想定していなかったポイントで課題を抱えている可能性もあるため、押し付けにならないように注意しながら、顧客の声に真摯に耳を傾け、対話を進めていくことが大切です。
オンボーディングとの違い
オンボーディングでは、サービスの基本的な機能や使い方について、どちらかというと一方通行での説明が中心となることが多いですが、アダプションでは顧客との双方向の会話が非常に重要です。顧客の疑問や不明点にその都度丁寧に対応し、深い理解を促すことが求められます。
複数の改善案がある場合は、顧客のスキルレベルやリソース、そして目標達成への緊急度などを考慮し、最も取り組みやすいステップから提案することで成功体験につなげやすくなります。
難しい施策から提案すると、顧客が実行に移すことへのハードルが高くなり、結果として中途半端に終わってしまう可能性があります。
小さな成功体験を積み重ねることで、顧客のモチベーションを高め、より積極的にサービスを活用していただけるように促すことが、アダプション成功の鍵となります。
アダプション実施後にやるといいこと
VOC(Voice of Customer)の収集と分析
アダプション後に顧客の声を集めることで、顧客にとってオンボーディングからアダプションへの流れが適切だったかを検証できます。
顧客からのフィードバックの内容によっては、今後のチャーンを防止するための貴重なヒントを得られることもあります。
満足度の高い顧客は、サービスのどの点に価値を感じていただけたのか、低い顧客はどの点に不満を感じられたのか。単に声を集めるだけではなく、これらの情報を詳細に分析することでサービスの質の向上・維持に繋げることができます。
顧客の成功に最後まで寄り添い、共に歩む
アダプションは一度実施したら終わりではなく、顧客のビジネスにおける課題や目標は常に変化するため、その変化に合わせて何度でも実施することが望ましいと言えます。
現状の運用状況の確認 → 課題の明確化 → 改善策の提案と実行支援 → 効果測定と振り返り というサイクルを継続的に回すことで、顧客を真の成功に導くことができます。
まとめ
オンボーディングで築き上げた顧客との信頼関係は、その後のアダプションを通じて維持・強化していく必要があります。顧客が抱える課題を丁寧にヒアリングし、何が原因となっているのか深く掘り下げ、解決に向けた具体的な道筋を一緒に考える。
このプロセスこそが、アダプションの核心と言えるでしょう。
オンボーディングの成功はもちろん重要ですが、アダプションフェーズにおいても成功に導くことができて初めて、顧客から以下のようなポジティブな声をいただける可能性が高まります。
「やはり○○さんに相談すると、いつも的確なアドバイスをいただけるので安心できます」
「○○さんの手厚いサポートがあったからこそ、我々も具体的な成功に向けて自信を持って取り組めています」
オンボーディング以上に、アダプションでは高度なコミュニケーション能力や顧客の状況を正確に把握する深い洞察力が求められますが、その分、顧客の揺るぎない信頼を勝ち取ることができるはずです。
今後も顧客一人ひとりの成長と成功に長期的に寄り添いながら、その実現を支援していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。少しでもご参考になれば幸いです。