CS担当の最初の一歩はこれで十分!Googleツールで始めるオンボーディング業務

藤岡将矢
2025.09.30

「CS担当になったものの、何から始めればよいのか分からない…」
そんな悩みを抱える方は少なくありません。
「カスタマーサクセス(CS)」と聞くと、少し専門的で難しそうな印象を持たれるかもしれません。
しかし、その本質は非常にシンプルです。お客様がサービスをスムーズに使い始め、成果を実感できるように支援する──それがCSの役割です。
とはいえ、現場では次のような課題に直面することがあります。
- 業務フローが明確でない
- 複数のお客様を担当していて対応に不安がある
- ツールを導入する体制や予算が整っていない
そのようなときでも心配はいりません。 普段から使用しているGoogleの無料ツールを少し工夫するだけで、オンボーディング業務をしっかりと支援することが可能です。
本記事では、実際の業務フローに沿って、Googleの5つのツールを活用する具体的な方法をご紹介いたします。
1. 【Google カレンダー】の予約スケジュール機能で、日程調整をスマートに
お客様との最初の接点である日程調整。「候補日をいくつかご提示いただけますか?」というやりとりが何往復も続くのは、双方にとって大きな負担となります。
そこで便利なのが、Googleカレンダーの「予約スケジュール」機能です。
活用のポイント
- 自身の空き時間をまとめた予約ページのURLを送るだけで、日程調整の手間を削減できます
- 決まった日程は自動でカレンダーに登録され、ダブルブッキングや見落としを防げます
- 予約時に質問を設定できるため、打ち合わせ前の情報収集にも活用可能です
使い方はこちら
Google カレンダーで予約スケジュールを作成する(公式)
2. 【Google フォーム】でオンボーディングに必要な情報をヒアリング
「お客様が何に困っているか、事前に把握したい…」そんな時に役立つのがGoogle フォームです。操作説明会やキックオフの前にアンケートを送ることで、お客様の状況を正確に把握し、オンボーディングをスムーズに進めることができます。
活用のポイント
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- サービスの利用目的や課題などを事前にアンケートで確認できます
- 回答内容は自動でスプレッドシートに連携されるため、顧客情報の管理も効率化されます
- ヒアリング内容を元に当日の説明を組み立てることで、顧客満足度の向上に繋がります
質問例(初回ヒアリング用)
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- 本サービスのご利用目的や、期待する効果について教えてください。
- 現状、どのような業務に課題を感じていますか?
- 初期設定や操作に関して、特に不安や疑問に思う点はありますか?
- 私たちのサポートに対して、どのようなことを期待されますか?
- その他、ご要望や事前に共有しておきたいことがあればご記入ください。
使い方はこちら
Google フォーム ヘルプ(公式)
3. 【Google スプレッドシート】でタスクと進捗を可視化
オンボーディングが始まったら、次はタスク管理です。「どのお客様に、どこまで対応したか…」そんな悩みを解決するのがスプレッドシートです。業務の全体像を「見える化」し、チームで共有する基盤を作りましょう。
活用のポイント
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- 対応ステータス(アクティブ・非アクティブ等)を設定して進捗を管理できます。
- チェックボックスや色分け(条件付き書式)で、対応の抜け漏れを防ぎます。
- 担当者や期日を設定すれば、チーム全体で状況を共有しやすくなります。
タスク管理表のテンプレート(例)
使い方はこちら
Google スプレッドシート ヘルプ(公式)
4. 【Google ドキュメント】で議事録とナレッジ共有の一元管理
「あの打ち合わせの決定事項、どこにメモしたかな?」といった情報の行き違いや紛失は、Google ドキュメントで防げます。
顧客とのやり取りやFAQを文書化し、チームの共有財産として蓄積しましょう。
活用のポイント
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- 会議の議事録を文書化し、チームで同時に編集・閲覧が可能です
- 顧客ごとのフォルダで管理すれば、過去の経緯の振り返りや引き継ぎが容易になります
- コメント機能を使えば、ドキュメント上でスピーディに指示や確認ができます
使い方はこちら
Google ドキュメント ヘルプ(公式)
5. 【Gmailテンプレート】で効率的で高品質なメール対応
オンボーディング中は、お客様への報告や連絡が頻繁に発生します。
定型文をテンプレートとして登録しておけば、対応品質を均一化しつつ、メール作成の時間を大幅に短縮できます。
活用のポイント
- よく使うメール文(例:議事録送付、進捗報告など)をテンプレート機能で登録
- 数クリックで文章を呼び出して送信できるため、対応がスピードアップします
- チーム間で同じテンプレートを使用すれば、誰が対応しても同じ品質の案内ができ、サービスの信頼性向上に繋がります
使い方はこちら
Gmail でメール テンプレートを作成する - パソコン - Gmail ヘルプ
最後に:「仕組み化」は身近なツールから始めよう
CS業務を始めたばかりの頃は、不安や戸惑いもあるかと思います。
ですが、特別なツールや知識がなくても、今ある身近なツールで業務を整えることは十分に可能です。
大がかりなツールの導入や複雑な設定は不要です。
まずは「見える化」「テンプレート化」「情報の一元管理」から少しずつ始めてみてください。
大切なのは、“属人的な業務を誰でも再現できる形に整える”ことです。
それが、CS業務の継続性やチーム全体の成長にもつながっていきます。

この記事を書いたライター
藤岡将矢
約7年間BPOでtoC向けのテクニカルサポートに従事し、ユーザー対応や課題解決の経験を蓄積。2024年よりアディッシュに入社し、カスタマーサクセスとしてtoB向けのオンボーディングを担当。