カスタマーサクセスの成功事例6選!基本的な手順とポイントを解説
カスタマーサクセスを成功させるには、先行企業の事例を参考にするのが効果的です。
BtoBとBtoCではユーザーに提供する施策が異なるため、企業の目標に合わせて参考にする事例を選定しましょう。
本記事では、カスタマーサクセスの成功事例とポイント、導入する際の注意点について解説します。
カスタマーサクセスの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
【BtoB向け】カスタマーサクセスの成功事例を3つ紹介
カスタマーサクセスを成功させるためには、すでに成果を出している企業を参考にするのが効果的です。
ここでは、BtoBで成功したカスタマーサクセスの成功事例を3つ紹介します。
- Slack
- ベルフェイス
- SmartHR
それぞれ特徴を解説します。
Slack
Slackは多くの企業で導入されているビジネスコミュニケーションツールです。
業務に必要なツールやサービスと連携ができるため、ユーザーの利用満足度が高く継続しやすいサービスといえます。
サービスのログイン回数や利用している機能などの観点からユーザーをスコアリングし、ユーザーに必要なプログラムを提供するという工夫をしています。
またSlackはチャット内にbotがあり、機能のチュートリアルを示す案内役 = キャラクターがいます。これにより、利用画面上で必要な時に先回りしたサポートが可能になっています。
また、キャラクター化したことで、ユーザーは親近感が湧き、コミュニケーションが活性化することで、結果的にサービス利用促進に繋がっています。
ベルフェイス
ベルフェイスは、国内No.1のシェアを誇るオンライン営業システムを提供しています。
簡単に資料や画面の共有ができますが、他ツールと異なり事前にURLを発行する必要がありません。
ベルフェイスは、ツールの利用方法の説明だけではなく、効果的な営業方法のレクチャーを行う等、高いコストをかけて、ユーザー対応しています。
サービスのログイン状況やセミナーの参加有無などをヘルススコアとして可視化し、潜在ニーズを把握しやすいようにしている様です。
SmartHR
SmartHRは契約継続率99.5%を誇り、カスタマーサクセスの先進企業として有名です。
チャットによるサポートを中心に、ユーザーの満足度を上げるさまざまな施策を行っています。
サービス導入初期から導入後など、顧客のフェーズに合わせたサポートができるよう工夫を凝らしています。
サポートは、「キックオフ」「トレーニング」「状況確認」など複数のステップに分かれており、ユーザーの悩みを細分化することで、高い契約継続率を実現しています。
【BtoC向け】カスタマーサクセスの成功事例を3つ紹介
ここまではBtoBカスタマーサクセスの事例を紹介しました。
ここでは、BtoCで成功したカスタマーサクセスの成功事例を3つ紹介します。
- Apple Music
- Amazonプライム
- メルカリ
それぞれ特徴を紹介します。
Apple Music
Apple Musicは世界的にも有名な音楽配信サービスの1つです。
サブスクリプションモデルのため、ユーザーが継続使用しやすいようカスタマーサクセスの施策が取り入れられています。
Apple Musicでは曲を配信するだけでなく、レコメンド機能を採用しており、サービスの利便性を高める工夫が凝らされています。
Amazonプライム
Amazonプライムは、ネット通販Amazonが提供しているサービスです。
Amazonプライムに加入すると、ネット通販のお急ぎ便が無料になったり、映画や書籍を楽しめたりできます。
Amazonプライムは、レコメンド機能や会員限定のセール、ポイント還元などがあり、ユーザーが利用したいと思う工夫を行っています。
1つのサービスに登録することで、他のサービスを売る仕組みをAmazonプライムは作っているので、クロスセル施策の参考になるのではないでしょうか。
メルカリ
メルカリは、個人間の取引ができる国内で人気のプラットフォームです。
メルカリは匿名で商品を販売できるなど、ユーザーが抵抗なく利用しやすい仕組みを構築しています。
素早い発送が可能なメルカリ便やユーザーの声を活かした仕様変更、アプリ改善や問題発生を事前に発見するツールなどを活用しています。
メルカリを使いやすいように改善を繰り返すことで、ユーザーは継続的に利用するようになるため、参考になるところはたくさんあります。
カスタマーサクセスの基本手順4ステップ
カスタマーサクセスの成功事例を確認しました。
しかし、カスタマーサクセスの一般的な進め方を知らなければ、実行過程で手戻りが発生したり、思うような成果が得られなかったりするでしょう。
ここでは、4つのステップに分けてカスタマーサクセスの基本手順を紹介します。
- サービスの導入支援・オンボーディング
- サービスの継続利用をサポート
- アップセルとクロスセルを提案する
- 結果を分析し次回の施策に活かす
各ステップの要点を解説するので、カスタマーサクセスを行う際の参考にしてください。
ステップ1.サービスの導入支援・オンボーディング
カスタマーサクセスでは、ステップ1が最も重要と言われています。
サービス導入直後は使い方がわからず、不安を感じるユーザーが多く見られます。
スムーズに利用してもらうために、導入支援やレクチャーなどのオンボーディングをすることで、サービスの継続的な利用に繋がるでしょう。
まずは、カスタマーサクセスで達成したい目標や理想像を設定するところから始めるのがポイントです。
サービスの購入や導入をサポートして、ユーザーの負担を軽減しましょう。
オンボーディングについての詳細は下記記事でも紹介しています。
ステップ2.サービスの継続利用をサポート
ユーザーがサービスを使い始めたら、継続利用してもらえるようにサポートしましょう。
具体的には、下記のサポートが挙げられます。
- 活用度チェック
- 活用事例の共有
- ミーティングの実施
- コミュニティ運営
- テクニカルサポート
中でも、活用度チェックはとても重要です。
ユーザーがサービスを使いこなしているかどうか判断し、使いこなしていないユーザーから支援していきます。
ユーザーの悩みに合った、解決策を提案することが求められています。
ステップ3.アップセルとクロスセルを提案する
ユーザーが継続利用してくれるようになってきたら、アップセルとクロスセルの提案をしましょう。
アップセルやクロスセルを提案することで、顧客単価の向上、ひいては売上の最大化につながります。
提案は、下記の方法で行うのが効果的です。
- ユーザー向けのイベント内で提案する
- ログイン画面やサービス画面にポップアップとして表示する
- 契約更新の面談のときに提案する
アップセルやクロスセルの提案を通すには、ユーザーがサービスに満足している必要があります。
急に提案しても通らないので、注意しましょう。
ステップ4.結果を分析し次回の施策に活かす
カスタマーサクセスでは、結果を分析し次回の施策に活かすよう行動しなければなりません。
ユーザーのニーズや悩みは変わっていくので、定期的にユーザーの声を聞かないと、サービスから離れる可能性があります。
ユーザーのニーズや悩みを解決できると、利用満足度が高くなりサービスを使い続けてくれます。
ユーザーが抱えている問題を集め、課題に優先順位をつけて順番に解決していきましょう。
カスタマーサクセスを成功させるための3つのポイント
カスタマーサクセスの基本手順を紹介しました。
ここでは、カスタマーサクセスを成功させるポイントを3つ紹介します。
- 組織全体で取り組む
- 顧客の利益を考える
- 顧客がサービスを活用できているか確認する
それぞれポイントの特徴を紹介するので、参考にしてください。
ポイント1.組織全体で取り組む
カスタマーサクセスを成功させるには、組織全体で取り組むことが大切です。
カスタマーサクセスは、顧客の成功を常に考え行動することで、サービスを継続利用してもらうことを目的としています。
組織全体にユーザーの成功を考える意識が浸透していないと、ユーザーに対していい提案や対応はできません。
ユーザーにも会社にも成功をもたらすためには、組織全体でカスタマーサクセスに取り組むことが大切です。
ポイント2.顧客の成功を考える
カスタマーサクセスは、顧客の成功を考える必要があります。
利益が出ないとサービスを再度利用しようと思わないので、サービスを使ってもらうためにも、ユーザーが成功することを最優先しなけれなりません。
成功の道筋を考える前にしっかりと実現したい目標を設定することも大切です。
他にも、問題点を探す等、サービスの品質向上など改善するところはたくさんあるので、
1つずつ問題点を洗い出しましょう。
ポイント3.顧客がサービスを活用できているかを確認する
サービス内容がよくても、機能を使いこなせていない場合は意味がありません。
機能を使いこなすことで、はじめてユーザーの目的は達成されます。
ユーザーがサービスを使いこなせていないと、成功には繋がらないため、定期的にユーザーの声を聞く機会を設けましょう。
使いづらいとユーザーが感じている場合、サービスを継続利用したいと思わないので、機能を使いこなせる環境が必要です。
そのためには、ユーザーがサービスを利用できているかどうか確認しましょう。
カスタマーサクセスを導入する際の2つの注意点
カスタマーサクセスで成功させるポイントを紹介しました。
次にカスタマーサクセスを導入する際の注意点を2つ紹介します。
- 部門の立ち上げに時間がかかる
- 成果が出るかわからない
成功のポイントだけではなく、注意点を知ることで導入するときに困らなくなります。
カスタマーサクセスを導入する際の参考にしてください。
部門の立ち上げに時間がかかる
カスタマーサクセスを導入するには、社内で複数の部門を立ち上げる必要があるため、時間がかかります。
一般的に必要とされる部門は、下記のとおりです。
- カスタマーサクセスの業務を行う部門
- サービスを改善する部門
- 問い合わせや質問に答える部門
上記以外にも会社によって必要な部門が異なります。
また部門の立ち上げに加え、ユーザーの希望を反映する仕組みも必要になるため、中長期的な視点で取り組むことが重要です。
成果が出るかわからない
カスタマーサクセスを実施しても、必ず成果が出るとは限りません。
成功の定義が間違っている場合や導入方法が間違っている場合は、成功する可能性は限りなく低いので、いくらコストをかけても意味がありません。
カスタマーサクセスで成功するためには、正しい方法でユーザーの満足度を上げ、利用を促す必要があります。
企業の事例を参考にカスタマーサクセスを成功させよう!
カスタマーサクセスを成功させるポイントは下記の3つです。
- 組織全体で取り組む
- 顧客の利益を考える
- 顧客がサービスを活用できているか確認する
カスタマーサクセスを成功させるためには、組織全体でユーザーの利益を考える必要があります。
ユーザーの利益を求めるためには、サービスを使いこなせているか調べなければなりません。
いいサービスだったとしても機能が使いこなせていないと、機会損失になるからです。
ユーザーの現状を理解して、カスタマーサクセスを成功させる方法を考えていきましょう。