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【CS向け】オンボーディングプログラムとは?メリットや設計方法を解説

ユーザーにサービスを利用し続けてもらうためには、利用満足度を上げて、利用しやすいと思ってもらうことが重要です。

オンボーディングプログラムとは、ユーザーにサービスの利用方法を解説したり、悩みを解決したりすることを指します。

本記事では、オンボーディングプログラムの目的や重要性、導入するメリット、成功事例について解説します。
オンボーディングプログラムは自社のサービスを理解するところから始めなければならないので、もう一度サービスの内容を理解したい方やサービスの売上向上を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

 

オンボーディングプログラムとは?ユーザーに利用を促す取り組み

オンボーディングとは「on board」から派生した用語であり、人材の定着や早期戦力化などを目的としたプログラムです。
ただ、SaaS業界では異なった意味で用いられ、「新規ユーザーに対して、利用方法や機能に慣れてもらうためにサポートすること」を指します。
ユーザーがいち早くサービスの使い方を理解し、継続的に使い続けてもらうことがオンボーディングプログラムの目的です。
ユーザーの悩みを解決することで、顧客満足度が上がる可能性が高いため、企業はオンボーディングプログラムに注力しています。

 

オンボーディングプログラムの目的

オンボーディングプログラムの目的は、ユーザーにサービスを理解してもらい、継続利用を促すことです。
サービスを継続的に利用してもらうためには、以下のような工夫が求められます。

 

  • 個別に導入サポートを実施する
  • サービスの使い方をポップアップで表示する
  • カスタマーサービスを充実させる

 

上記以外にも施策が存在しますが、すべてユーザーの不安解消、ひいては早期解約の回避につながっています。
サービスを継続的に利用したいと思わせるためにも、不安材料をできる限り取り除くことが大切です。

 

オンボーディングプログラムの重要性

オンボーディングプログラムの重要性は主に2つあります。

 

  • ユーザーにサービスを継続利用してもらう
  • 早期解約を回避すること

 

サービスを利用し始めたユーザーの中には、初回利用をしたあと離脱するユーザーも一定数存在します。
サービスを早期離脱する一番の理由は、操作方法や基本機能を理解できないことです。
オンボーディングプログラムでは、操作方法がわからないユーザーに対し、説明をすることで利用の継続を促す効果が期待できます。
操作方法を初回利用のときに理解できていれば、ユーザーの不安・ストレスが軽減され、早期解約を防止できるでしょう。

 

オンボーディングプログラムを取り入れるメリット4選

 

オンボーディングプログラムを取り入れるメリットを4つ紹介します。

 

  • 解約率を低下できる
  • アップセル・クロスセルの提案ができる
  • ユーザーに合わせた提案ができる
  • ユーザーにサービスの価値を理解してもらいやすい

 

サービスの利用継続を目的にオンボーディングプログラムを取り入れる方は、ぜひ参考にしてください。

 

解約率を低下できる

ユーザー側は、利用しているサービスに「使いづらい」「使う理由がない」などと思うと契約を解除します。
オンボーディングプログラムで、サービスの価値にいち早く気づいてもらえれば、解約率を下げることが可能です。
サービスの価値以外にも、利用方法やサービスに対する悩みや疑問を解決することも大切です。

サービスの利用が円滑にできると、ユーザーの満足度も上がるため今後利用してくれる可能性は上がるでしょう。
結果的にユーザーの解約率が下がることにつながります。

 

アップセル・クロスセルの提案がしやすくなる

オンボーディングプログラムを取り入れることで、アップセルとクロスセルの提案が通りやすくなります。

アップセルとは、ユーザーにより高いサービスを購入してもらうことです。
クロスセルとは、ユーザーに購入してもらうサービスと合わせて違うものも購入してもらうことを指します。

上記の2つはどちらとも、顧客単価を上げる施策です。
顧客単価を上げるためには、ユーザーがサービスに対して満足している必要があります。
オンボーディングプログラムを実行し、サービスの基本機能や使い方、利便性が伝われば、アップセル・クロスセルの提案が通りやすくなるでしょう。

 

ユーザーに合わせた提案ができる

ユーザーの悩みに合わせた提案をすることはオンボーディングプログラムの取り組みの1つです。
ユーザーに合わせた提案をするために、どこがわかっていないのか理解するところから始めます。
操作方法がわからないのか、機能の活用方法がわからないのか、悩みはユーザーによって異なります。
ユーザーの悩みがわかり、提案方法がわかるとユーザーの悩みに合わせた提案が可能です。

ユーザーにサービスの価値を理解してもらいやすい

オンボーディングプログラムでは、ユーザーにサービスの操作方法やオプションについて説明します。
ユーザーはサービスの使い方や機能を使いこなしていく中で、サービスの価値に気づきやすくなるので、今後も継続して使ってもらえる可能性が上がるでしょう。

オンボーディングプログラムを設計する5つの手順

 

これまで、オンボーディングプログラムの意味や重要性、メリットを解説してきました。
実際にオンボーディングプログラムを導入するときの設計方法を紹介します。

 

  1. 自社サービスの内容を理解する
  2. サービスを体験する
  3. ユーザーの行動を理解する
  4. KPIを設定する
  5. 実施・分析する

 

オンボーディングプログラムを導入する際の参考にしてください。

 

手順1. 自社サービスの内容を理解する

ユーザーにサービスの内容を説明するためには、自社のサービスについて知らなければなりません。
「サービスの価値はどこにあるのか」「ユーザーが使いやすいようにするためにはどうすればいいのか」などユーザーに使ってもらうために魅力を挙げましょう。
ユーザーにサービスの内容をすべて説明できる、サービスについて理解している状態になる必要があります。

まずは、サービスを使いこなせるようになるところから始めましょう。

 

手順2. サービスを体験する

次は、実際にサービスを体験してみましょう。
サービスの会員登録から利用までの流れを体験することで、ユーザーがどこでつまずくのかが予想できます。
1回きりで終わらせるのではなく、定期的に行わなければなりません。
サービスの機能や仕様が定期的に変わるため、変わるたびにユーザーがつまずきそうなところは変わる可能性があります。
しかし、自社のサービスを知っていることで問題に気づきにくい場合があるため、モニターを募集するのも1つの方法です。

 

手順3. ユーザーの行動を理解する

実際にサービスを利用し、会員登録から利用までの流れを体験することで、ユーザーの行動が理解できます。
ユーザーは、トップページの閲覧や情報入力、ログイン画面の閲覧を通して、サービスが使いやすいか使いにくいか判断します。
ユーザーの行動の中で、問題がないか話し合いをしましょう。
話し合いの中で出てきた問題を解決することが、ユーザーのストレス解消や定着につながります。

 

手順4. KPIを設定する

ユーザーが抱えそうな課題を洗い出したあとは、KPIを設定しましょう。
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で重要業績評価指標のことで、業務の成果を計測するための指標です。
例えば、「どのような状態になればユーザーはサービスに満足したといえるか」「ユーザーにとって価値を提供できたと判断できるのか」などが挙げられます。
KPIに設定する指標を具体的な数字にする必要があり、「利用時間」「使用頻度」などを使いましょう。
KPIを設定することで、オンボーディングプログラムが成功しているかどうか判断できます。

 

手順5. 実施・分析する

KPIを設定したあとは、実際にサービスを利用しているユーザーの声や動きのデータを取ります。
データを元に「ユーザーはどこでわからなくなっているのか」「KPIを達成できない要因は何か」など分析しなければなりません。
一度サービスをリリースしただけではいいサービスになれず、常に改善が必要です。
改善を繰り返すことで、ユーザーにとっても企業にとってもいいサービスができあがるでしょう。

オンボーディングプログラムの計測に効果的な3つのKPI

 

オンボーディングプログラムの計測で使うKPIを3つ紹介します。

 

  • アップセル・クロスセル率
  • 解約率
  • オンボーディング完了率

 

それぞれ特徴を解説します。

 

アップセル・クロスセル率

自社のサービスが複数ある場合は、アップセル・クロスセル率を上げることで売上アップにつながります。
アップセルとは、ユーザーにより高いサービスを購入してもらうことです。
クロスセルとは、ユーザーに購入してもらうサービスと合わせて違うものも購入してもらうことです。
アップセル・クロスセル率を計測することで、売上貢献度が可視化されるので。1人あたりの顧客単価がわかります。

 

解約率

解約率は、オンボーディングプログラムの中でも特に重要な指標です。
オンボーディングプログラムの目的は、サービスを継続的に利用してもらうことなので、ユーザーの解約率は必ず確認しなければなりません。
一度離れたユーザーを戻すことは難しいため、解約させない施策が求められます。
ユーザーの悩みを知るところから始めて、サービスの改善につなげましょう。

 

オンボーディング完了率

オンボーディング完了率は、自社で提供しているサービスをユーザーが自走して利用できる状態を表した指標です。
サービスを継続して利用してもらうためには、サービスを使いこなせている必要があります。
オンボーディング完了率が低いと、ユーザーはサービスに満足できないため解約率が上がる可能性が高いです。
オンボーディングプログラムでは、解約率とオンボーディング完了率は相関関係にあるので2つの指標は重要視しなければなりません。

 

オンボーディングプログラムの成功事例3選

 

オンボーディングプログラムのメリットやプログラムの設計方法を紹介しました。
オンボーディングプログラムが実際に成功した事例を3つ紹介します。

 

  1. Canva
  2. Slack
  3. SmartHR

 

それぞれの特徴を紹介します。

 

Canva

Canvaは無料で利用できるデザイン編集ツールです。
Canvabではユーザー登録が終わったあとに、利用目的が質問される形式です。
また質問の答えに応じて、次に案内される内容が変化します。

例えば、「大企業での利用」と回答すると、チームで作業しやすいようにチーム作成やメンバー招待ができるフォームが表示されます。
ユーザーが利用するうえで欲しい情報を先に提示することによって、利用満足度の向上を目指せるでしょう。

 

Slack

Slackは、チャットツールです。
Slackは、チャット内のbotが大きな役割を果たしています。
機能のチュートリアルを示す案内役であり、アイコンが可愛らしいキャラクターなので、親近感が湧きます。
親しみやすさはユーザーの利用促進につながるため、継続してもらいやすいでしょう。

 

SmartHR

SmartHRは、人事労務の効率化を目的としています。
SmartHRのサービス利用率は99.7%を誇り、オンボーディングプログラムが成功しているといえるでしょう。
成功の秘訣は、各段階に合わせたサポートです。
ユーザーがつまずきそうなところや抱えている悩みを一緒に解決するため、ユーザーも安心して利用できます。
ユーザーに寄り添ったオンボーディングプログラムです。

 

オンボーディングプログラムで顧客満足度を上げよう! 

 

オンボーディングプログラムを導入するメリットは下記の5つです。

 

  • 解約率を低下できる
  • アップセル・クロスセルの提案ができる
  • 継続利用を促進できる
  • ユーザーに合わせた提案ができる
  • ユーザーにサービスの価値を理解してもらいやすい

 

オンボーディングプログラムを導入することで、ユーザーのサービスの利用継続を促すことができ、企業の売上を上げられます。
オンボーディングプログラムは、ユーザーが抱えている悩みや問題を解決することを第一に考えるため、結果的にユーザーの満足度は向上するでしょう。


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