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カスタマーサクセスの組織を立ち上げる際の手順/ポイントとは?

「カスタマーサクセスの組織には一体何が必要なのか」

「どのような手順で立ち上げればいいのか」

本記事では、カスタマーサクセスの組織を立ち上げる際の手順について解説します。

カスタマーサクセスの組織を立ち上げるからには、顧客の成功と収益アップを達成しましょう。

 

カスタマーサクセスの組織に必要な7つの機能

カスタマーサクセスの組織には、次の7つの機能が欠かせません。

リーダー CCOや各部署の責任者のように、組織を主導する。
経営陣とのやり取りも行う。
アカウントマネジメント 顧客の現状に最適な戦略を立てる。
目標達成に向けたプロセスや売上を管理する。
カスタマーコミュニケーション 顧客とやり取りする。
関連サービスや契約更新を提案する。
カスタマーサポート 顧客が抱える疑問を解消する。
カスタマートレーニング サービスを活用してもらえる様に、主に導入時に顧客支援を行い、自社の商品やサービスに関する理解を深めてもらう。
プロダクトフィードバック データ分析で明らかとなった顧客情報や業界のトレンドをもとに商品を改善する。
カスタマーサクセスオペレーション 顧客ではなくカスタマーサクセスマネージャーや各部門の責任者を支える。

上記のとおり、カスタマーサクセスの組織には様々な機能が求められます。

しかし、サービスの内容や顧客の属性、ビジネス規模などによっても、組織に求められる機能は異なります。

現状、自社サービスに何が必要なのかを十分に精査し、小規模なプロジェクトチームを立ち上げることから始めると良いでしょう。

 

カスタマーサクセスの組織は4つの型に分けられる

カスタマーサクセスの組織は次の4つの型に分けられます。

オールラウンダー型

オールラウンダー型とは、営業やカスタマーサポート、カスタマートレーニングといったすべての業務を、カスタマーサクセスマネージャーが一手に担当する組織形態のことです。スタートアップ企業や事業規模が小さい会社などでよく見られるモデルです。

営業がノルマ達成のために顧客のニーズに合わない商品やサービスを契約に繋げてしまうと解約が多くなりがちです。

しかし、カスタマーサクセスマネージャーが営業も同時に担うオールラウンダー型では、無理な契約を最低限に留められます。そのため、比較的解約率の低下は期待できます。しかし、こうした良い側面ばかりでなく、業務の上でカスタマーサクセスマネージャーの抱える負担が大きくスケールしずらいという懸念もあります。

 

プリセールス型

プリーセルス型では、カスタマーサクセスマネージャーが営業活動の一部を担当します。取り扱う商品や顧客数が少ない企業でよく見られます。

カスタマーサクセスマネージャーが営業と密接に関わっているため、顧客に最適なアップセル・クロスセルを提案できます。

 

コンシェルジュ型

コンシェルジュ型とは、カスタマーサクセスマネージャーが契約後の顧客一人ひとりに伴走支援する組織形態です。

単価の高い顧客層を相手とする企業に適しており、顧客の状況に合った提案がでます。さらに、抱える問題を先回りして解決するための、顧客情報を得やすいのも特徴です。

しかし、担当顧客数が多いと、結果として顧客一人ひとりとじっくり向き合って支援できなくなってしまう点には注意が必要です。

 

スペシャリスト型

スペシャリスト型は担当する役割によって組織が分けられるモデルです。

カスタマーサクセス担当者の業務負担を軽減できます。

ただし、組織が全体的に成熟していないと、スペシャリスト型のカスタマ―サクセスは顧客に違和感を感じさせてしまいます。解約率の増加に繋がってしまわないためにも、部門間でしっかりと連携を取り、人材を集める必要があります。

 

カスタマーサクセスの組織を立ち上げる手順

カスタマ―サクセスにどういった組織モデルがあるかがわかったところで、続いてカスタマ―サクセスの組織を立ち上げる流れを見ていきます。

カスタマーサクセスの組織は、次の3つの手順を踏んで立ち上げます。

 

カスタマージャーニーマップを作ることで顧客理解を深める

 一般的なカスタマージャーニーマップとは「顧客が製品・サービスを認知し、そこから購入・契約に至るまでの道筋を整理したもの」です。カスタマーサクセスでは、そこに契約後の、アップセル・クロスセルもしくは解約に至るまでのフェーズも追加します。

カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客に対する理解が深まり、その時の状況に合った最適なアプローチができます。

 

顧客層の特徴に合ったリソースを適切に配置する

ここで言うリソースとは人員やツール等を指します。

リソースを適切に配置するためには、顧客との関わり方を整理することが大切です。

顧客層の特徴に合った最適なリソース配置を検討する際に有用なタッチモデルは、次の3つに分けられます。

 

  • ハイタッチ・・・サポートの優先度が高い顧客
  • ロータッチ・・・収益の維持に欠かせない顧客
  • テックタッチ・・・サポートの優先度が低い顧客 

 

なお、優先度が高い・低いの判断は、以下4つの観点を中心に各社に合わせて総合的に判断します。

 

・契約金額

・社外向けの事例になり得る

・プロダクト改善のための事例になり得る

・業界や商習慣的に、利用するための前提があまりない

 

カスタマ―サクセスを立ち上げて間もない時期は、一人ひとりの顧客としっかり向き合い、顧客の意見を商品やサービスに反映させる必要があるため、ハイタッチでの対応を取る企業が多いです。

対応すべき顧客の数が増えてきたら、顧客分類をしたうえで顧客フォローに強弱をつけましょう。

 

ヘルススコアを活用して顧客のサービス利用状況を測る

顧客理解が進み、対応方針が決まったら、次はその施策の効果があるのか、改善が必要なのか等を見極めるために、指標を設ける必要があります。

その指標の1つにヘルススコアがあります。

ヘルススコアとは「顧客が自社の商品やサービスを継続して利用してくれるかどうかを数値で表した指標のこと」です。

例えばツールの定常利用を測るものでは、ログインの回数や機能の使用頻度等をもとに算出されます。

ヘルススコアは高ければ解約される可能性が低いはずなので、そうなる様に設計していきます。

ヘルススコアが低ければ解約される可能性が高いので、企業は顧客の満足度を向上させることで自社離れを防ぐことが求められます。

 

カスタマーサクセスの組織を立ち上げる際のポイント

ここまでカスタマ―サクセスの組織を立ち上げる手順を記載してきました。ここからはその中でも特に重要な4つのポイントをご紹介します。

 

「顧客が何をもって成功したと感じるか」を把握する

カスタマーサクセスの組織を立ち上げる際には、まず「何をどこまで達成することが、顧客にとっての成功と言えるのか」を知る必要があります。

顧客の最終的な目標を把握することで、一人ひとりのニーズに合った提案ができます。

LTV(顧客生涯価値)を最大化させるためにも、上述の通りまず顧客を理解することから始めましょう。

 

カスタマーサクセスの成果が測れるようにKPIを設定する

顧客の成功を把握したら、カスタマ―サクセスの成果がどれだけ出ているかチェックする ためにKPIを設定しましょう。代表的なKPIとして次の3つの指標が挙げられます。

 

  • 解約率
  • オンボーディング完了率
  • アップセル・クロスセル率

 

特に、アップセル・クロスセル率は、サブスクリプションビジネスやSaaSのような長期的な取引で売上を伸ばすビジネスモデルの場合で重要です。

なぜなら、アップセル・クロスセル率が高ければ、顧客単価が上がり、収益の増加に直結させられるからです。

 

会社を挙げて取り組む

成果を測る指標としてKPIを設定したら、全社的にカスタマ―サクセスに取り組みましょう。

その際、経営陣がリードすることで、カスタマーサクセス組織の意義をチームに根付かせられます。

「顧客の成功体験が自社の利益に転換される」という構造を浸透させ、チームの必要性を共有するためには、全社的に取り組むことが理想的です。

組織の認識が従来の売り切り型・縦割り型では、SaaSビジネス・サブスクビジネスにおいてカスタマーサクセスの達成が困難です。組織が一丸となってカスタマーサクセスの実現を目指すためには、経営層の働きかけが必要不可欠といえます。

 

部署ごとに役割分担する

カスタマ―サクセスを実施する際には、部署ごとに役割を分担しましょう。

誰がどの業務を担当するかを前もって決めておくことで、混乱が生じにくくなります。

そのため、カスタマ―サクセスを実施する時は営業部門やカスタマーサポート部門といった他の部門についても検討する必要があります。

営業部門は、既存顧客や見込み顧客に商品やサービスを販売することで売上を伸ばします。

具体的には、売上や受注件数が成果の指標です。一方、カスタマーサポート部門では顧客の抱える悩みや不安を相談窓口などを通じて解消し、顧客からの問い合わせに迅速に対応します。成果の指標は時間内の対応件数です。

このように、カスタマ―サクセスを実施する際には、各部門が果たす役割についても明確化させる必要があります。

 

まとめ:顧客の成功と収益増を達成したい企業こそカスタマーサクセスの組織を立ち上げましょう

今回はカスタマーサクセスの組織の立ち上げについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

カスタマーサクセスの組織には、リーダー・アカウントマネジメント・カスタマーコミュニケーション・カスタマーサポート・カスタマートレーニングサポート・プロダクトフィードバック・カスタマ―サクセスオペレーションといった7つの機能が必要です。

カスタマーサクセスの組織は次の4つの型に分けられます。

 

  • オールラウンダー型
  • プリセールス型
  • コンシェルジュ型
  • スペシャリスト型

 

上記のように、カスタマ―サクセスには色々なモデルがありますが、自社の性質に合った組織を立ち上げることが大切です。

カスタマーサクセスの組織を立ち上げる際は、次の3つの手順を踏みましょう。

 

  • カスタマージャーニーマップを作ることで顧客理解を深める
  • 顧客層の特徴に合ったリソースを適切に配置する
  • ヘルススコアを活用して顧客のサービス利用状況を測る

 

そんなカスタマ―サクセスは、ただ立ち上げるだけでは顧客を成功に導くことはできません。組織を立ち上げる際には次の4つのポイントを実践しましょう。

 

  • 「顧客が何をもって成功したと感じるか」を把握する
  • カスタマーサクセスの成果が測れるようにKPIを設定する
  • 会社を挙げて取り組む
  • 部署ごとに役割分担する

 

顧客の成功と収益増を達成したい企業は、カスタマーサクセスの組織を立ち上げてみてはいかがでしょうか。

 

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