Zendesk導入支援サービスとは?運用に成功した企業の事例も解説
これからZendeskを導入しようとお考えの方の中には、どうやって導入したら良いかわからず、導入支援を受けようと思っている方も多いようです。
そこで、本記事では、Zendeskの導入支援サービスについて解説します。この記事を読めば、導入支援会社を選ぶときに重視すべきポイントや運用に成功した企業の事例もわかるようになります。
Zendeskを自社で運用する予定で、導入支援サービスの活用も検討している方はぜひご覧ください。
Zendeskとは?
Zendeskとは「カスタマーサポートや顧客管理を効率的に実施するためのクラウド型接客ツール」です。
株式会社Zendeskは2007年にデンマークで創業され、2009年にはサンフランシスコへ移転しました。その後世界各国に進出し、2013年に日本法人を設立しました。提供しているカスタマーサポートソフトウェアのサービスは、世界160カ国以上、10万社以上で使われています。活用することで、顧客情報の一元化や顧客満足度の向上、業務の効率化といった効果を実感できるため、多くの企業で導入されています。
また、提供機能が異なる複数の料金プランが設定されているため、会社規模に合わせた無駄のないツールを導入できます。
Zendeskにおける5つの主要機能
Zendeskには主要な機能が5つあります。次の通りです。
Zendesk support
Zendesk supportは多種多様なチャネルからの問い合わせを一元管理できる機能です。顧客からの問い合わせに対する応対をサポートするだけでなく、オペレーター間で行う顧客情報の共有にも役立ちます。
Zendesk talk
Zendesk talkはオペレーターの電話対応をサポートしてくれる機能です。
通話の内容を記録しているので、顧客の行動履歴を把握した状態で顧客対応できます。過去のデータをオペレーター間で共有することで、顧客が抱える悩みなどを瞬時に把握でき、別の担当者が引き継いだ場合でもスピーディーに対応できます。実際、顧客の約80%が60秒以内に疑問を解決できたという調査結果もあります。
Zendesk chat
Zendesk chatとは、ヘルプセンターやFAQで解決できなかった問題にオペレーターがチャットで応対してくれる機能です。
電話だと顧客が問題を解決するまで対応する必要があり、効率的とはいえませんが、チャットであれば、複数の顧客の相手を同時に行うことができて効率的といえます。その際、オペレーターの負担は少し増えますが、その代わり成約率がアップするといった一定の成果を見込めます。実際、顧客対応をチャットで行ったことで、CV率が3倍アップしたという調査結果もあるほどです。あるほどです
Zendesk guide
Zendesk guideを活用することで、手軽にヘルプセンターを構築できます。
よくある質問やFAQページが作成されることで、顧客自身による自己解決が進み、相談窓口(お問い合わせ窓口)の負担を軽減できるため、業務の効率アップを図りたい企業の多くが活用しています。自力で問題に対処できる顧客を増やすうえで、Zendesk guideの検索機能がカギを握っています。そのため、FAQページに掲載する記事の件名やラベル(タグのようなもの)、本文には顧客がよく使うワードや言い回しを盛り込むようにしましょう。このように、Zendesk guideは問い合わせ件数を減らし、お問い合わせ窓口の負担を軽くしたい方にぴったりです。
Zendesk explore
Zendesk exploreはカスタマーサポート業務を行う中で集計したデータを様々な角度から分析できる機能です。
顧客分析の結果をグラフや表といった視覚的にわかりやすい形で可視化して表してくれるため、ユーザーにとって使いやすい設計となっています。そんなZendesk exploreは次の3つのプランに分けられます。
- Liteプラン
- Professionalプラン
- Enterpriseプラン
プランによって受けられる導入支援のグレードが変わるので、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
Zendeskを導入するメリット
企業はZendeskを導入することで、次のメリットを実感できます。
顧客満足度を高められる
Zendeskの機能を活用すれば、顧客の課題を迅速に解消できるだけでなく、課題を先回りして取り除くことが可能です。例えば、問い合わせ件数の多い課題をFAQへ落とし込み、顧客が自ら課題を解決できる状態を作るなどです。顧客はストレスなくサービスを利用できるため、結果として満足度向上につながるでしょう。顧客満足度を向上させたい企業はZendesk導入をおすすめします。
チャネルの多様化に伴う問い合わせ件数の増加
Zendeskを活用することで、チャネルが多様化します。電話だけでなく、メールやチャット、Webフォーム、各種SNSといった多種多様なチャネルからの問い合わせに対応できるようになると、顧客との接点が増え、問い合わせ件数も自然と増えます。その際、顧客の抱える疑問を解消することができれば、成約件数の増加も見込めます。
対応の効率アップが見込める
Zendeskを導入すると、顧客情報が一元管理されます。収集した顧客データを運用改善に役立てることができれば、従来よりも効率よく対応できるようになります。対応の効率が上がると、使える時間が増え、浮いた時間を他の業務に充てられるのもZendesk導入の良いところです。
人材の育成コストを削減できる
Zendeskは時に従業員向けの相談窓口としても機能します。社内ヘルプデスクとして活用することで、教育コストの削減を期待できます。従業員の抱える疑問を解消する場があれば、上司や先輩社員が面倒を見る手間もかかりません。人材の育成コストを削減したい企業は、Zendesk導入をしてみましょう。
顧客データの蓄積と活用
Zendeskは過去の問い合わせ状況や顧客の行動履歴を残しており、顧客対応に役立てています。活用すると、顧客データがオペレーター間で共有されるため、オペレーターによる対応のばらつきをなくすことができます。
Zendesk導入支援の選定ポイント2選
Zendeskを自社で運用するにあたり、導入支援サービスの活用を検討している方もいらっしゃることでしょう。しかし、導入を支援してもらうといっても、どのような支援会社に任せたらよいか分からずお困りの方も多いようです。そこで、以下では導入支援会社を選ぶときに重視すべき点を2つ紹介します。
コンタクトセンター運用の知見がある
Zendeskの導入支援を行っている会社がコンタクトセンターを運用したことがあるかどうかは、導入支援会社を選ぶときの重要なポイントです。
なぜなら、日頃からコンタクトセンターを運用している業者であれば、これまでの経験から、問い合わせをしてくる顧客のどこにニーズが潜んでいるのかをわかっています。
導入支援を受ける企業がZendeskを導入するときに、経験に基づく支援が受けられるため、コンタクトセンターの知見がある業者へ依頼すると良いでしょう。例えば、自社でZendesk exploreの機能を使う場合、導入支援会社が普段のカスタマーサクセス業務で培った知見(CXを向上させる術など)を活かしてLiteプラン・Professionalプラン・Enterpriseプランの3つのプランの中から最適なプランの選択を支援してくれます。
これからZendeskの導入支援会社を選ぼうと思っている方は、コンタクトセンター運用の知見があるかどうかを見るようにしましょう。
BPOサービスを提供している
Zendeskの導入支援を行っている会社がBPO(業務プロセスを外部に委託するアウトソーシングの一種)を提供しているかどうかも導入支援会社を選ぶときの重要なポイントです。
なぜなら、日頃からBPOサービスを提供している業者であれば、顧客対応に関する多くのノウハウを有する可能性が高く、導入支援を受ける企業のカスタマーサポートの質を向上させられるからです。例えば、BPO企業のSCSKサービスウェア株式会社は、日頃より多種多様な業務(総務・経理・人事など)を企業から委託されてます。その中で培った顧客対応に関する質の高いノウハウは、Zendeskの導入支援に役立ちます。
これからZendeskの導入支援会社を選ぼうと思っている方は、BPOサービスを提供しているかどうかを見るようにしましょう。
【公式】Zendeskが提供する3つの導入支援サービス
ここまで代理店に導入支援してもらう際のポイントを紹介しましたが、Zendeskが公式で提供している導入支援サービスを活用するのも1つの手です。そこで、以下では株式会社Zendeskが2022年6月に提供を始めた3つの導入支援サービスについて解説します。
Zendesk プロフェッショナルサービス
Zendesk プロフェッショナルサービスは導入支援サービスです。Growth、Pro、Enterprise、Enterprise Plus、Customという5つのプランが用意されています。
- Growth
ヘルプセンターを複数作れる機能:顧客が問題を自己解決できる場が増える。
AI自動回答(100件まで):メールやフォーム、チャットなどを通じて、機械学習を活用して得た関連性の高い情報を待ち時間なしで返信する。
- Pro
コミュニティフォーラム:顧客が自社や他の顧客と交流を図れる場を作成できる。
カスタムレポート:顧客体験の管理と最適化に活用できる。
SLA管理:提供するサービスの品質を管理する。
- Enterprise
サポート規模の拡張:サポートできる規模が拡大する。
リアルタイムで共有できるレポート:新鮮な顧客データを社員間で共有できる。
- Enterprise Plus
サンドボックス環境:本番環境で混乱が起きないようにテスト環境で検証できる。
ディザスタリカバリの拡張:データ保護や復旧に役立つ。
ハイボリュームAPIアドオン:APIコール1分あたりのリクエスト件数を2500件増量できる。
- Custom
企業のニーズに合ったカスタマイズ追加オプション:自社に合ったオプションを選べる。
Zendesk プレミアファミリー
Zendesk プレミアファミリーは導入後のサポート対応サービスです。基本サービスEssentialsに加え、上位プランが2つ用意されています。
- Premier Support
APIの構築:ユーザーインターフェースで使えない機能を短時間で追加できる。月例ヘルスチェック:機器やシステム、ソフトウェアが正常に稼働するかどうかを毎月1回チェックしてくれる。上記の2つをプレミアサポートチームが支援してくれます。
- Premier Enterprise
Premier Enterpriseは、グレード最上位のパッケージで、加入するとプレミアサポートや技術戦略支援、月36時間のZendesk アシスト、エージェントによる個別トレーニング、エキスパート認定試験のサポートを受けられます。
Zendesk アシスト
Zendesk アシストは導入後の支援サービスです。次の2つのプランが用意されています。
- Lite
専任コンサルタントによる月12時間の支援。
カスタマーエクスペリエンスの目標達成をしたい企業におすすめです。
- Core
専任コンサルタントによる月28時間の支援。
短期間で成果を上げたい企業におすすめです。
Zendesk導入/運用に成功した企業の事例
Zendesk導入/運用に成功した企業の事例を3つ紹介します。
株式会社ディー・エヌ・エー
株式会社ディー・エヌ・エーは1999年の創業以来、ゲーム事業やEC事業に力を入れている企業です。社内ヘルプデスクの負担が大きいのが課題でしたが、問い合わせ管理の一元化を行うと同時に、ナレッジベースの構築も進め、ユーザーによる自己解決を促しています。また、今後はSlackとの連携を強化することで、さらなる業務の効率化を図ろうとしています。
東京電力エナジーパートナー
東京電力エナジーパートナーは、東京電力グループの小売電気事業会社です。2016年に電力自由化がされて以来、DXを推進してきましたが、次の3つの課題が長らく問題視されていました。
- 顧客が求めるチャネルの多様化
- オペレーション効率化
- コスト削減
上記の問題はZendeskを導入したことで解消され、顧客との接点を電話以外にも増やす事に成功しました。また、ZendeskはAPI連携機能が充実しているため、LINEやAmazon Connect、Slackといった他のツールとの連携が進み、多様化するチャネルにも対応できるようになりました。
株式会社佐賀銀行
株式会社佐賀銀行は点在していたFAQをZendeskの活用により集約させ、顧客との接点を見直した企業です。よくある質問やFAQを通じて自己解決を促し、それでも解決しなければコールセンターへと誘導する流れを作ったところ、相談窓口の負担を減らすことに成功しました。実際、電話件数が昨年と比べて15%ほど減少しています。
まとめ:Zendesk導入支援サービスを活用してみましょう
Zendeskとは「カスタマーサポートや顧客管理を効率的に実施するためのクラウド型接客ツール」です。
活用することで、顧客情報の一元化や業務の効率化を実現でき、最終的には顧客満足度の向上に繋がります。Zendesk導入支援サービスを選ぶときには、コンタクトセンター運用の知見がある、BPOサービスを提供している、日本語によるサポート体制が充実しているかどうか、といった点を重視しましょう。その際、Zendesk公式が提供する導入支援サービスを活用するのも1つの手です。
今回Zendesk導入/運用に成功した企業の事例を3つ紹介しましたが、どの企業も顧客による自己解決を促すことで相談窓口の負担を減らしていたのが特徴的でした。顧客体験を向上させたい企業は、Zendeskを自社で運用するときに導入支援サービスを活用してみてはいかがでしょうか。