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カスタマーサポート代行を成功させる「情報共有」の仕組みとは?

近年、カスタマーサポート業務(CS業務)を外部に委託する企業が増えています。


主な理由は、業務効率化によって自社のコア業務に集中できるようになることや、スピードと品質を両立したサポートによって顧客満足度の向上が期待できることなどが挙げられます。


しかし、その効果を最大限に引き出すには、必要なツールを整備するだけでなく、「情報共有の仕組み」をしっかりと構築することが欠かせません。


なぜなら、自社と代行会社の間には「情報の壁」が生まれやすく、それが様々なトラブルやミスを引き起こす原因になるからです。


本記事では、「情報の壁」が生まれる理由やその問題点、そしてそれを解消するための“5W1H”を意識した情報共有の仕組み作りについてご紹介します。

 

なぜ「情報の壁」が生まれるのか

自社と代行会社の間に「情報の壁」が生まれる主な原因は、情報共有の仕組みが十分に整備されていないことにあります。
この壁が原因となり、次のような問題が発生します。
・確認やエスカレーションが増え、対応が遅れる
・古い情報のまま誤った対応をしてしまう
・顧客対応で得られた貴重な知見が社内に還元されず、成長や改善につながらない
こうした課題を未然に防ぐためには、計画的で的確な情報共有が不可欠です。

 

「情報の壁」をなくすための“5W1H”の視点

情報共有の精度を高めるには、”5W1H”の視点を取り入れた仕組みづくりが効果的です。
5W1Hとは、「誰が・誰に(Who)」「何を(What)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」という情報共有の基本を構成する6つの要素です。
それぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。

 

① Who(誰が・誰に情報を共有するのか)

役職や担当によって、必要な情報は異なります。
例えば、管理者は運用に関する全体情報が必要ですが、現場の担当者には顧客対応に関する情報を優先して伝える必要があります。


そのため、「誰が、誰に情報を伝えるのか」を明確しておくことが重要です。
伝える相手に迷ったときは、関わる可能性のある人全員に共有しましょう。そうすることで後々「伝えておけばよかった」とならないようになります。

 

② What(どの情報を共有するのか)

どの情報をどこまで共有すべきかを明確にしておくことが重要です。
以下のように情報を大きく分類し、必要な範囲を明確にしましょう。

・業務マニュアルや対応フロー
・定型文やテンプレート
・製品仕様やサービスのアップデート情報
・顧客情報
・トラブルや障害に関する情報


さらに、必要に応じて中分類・小分類と細かく分けて、情報の範囲を明確にすることも重要です。
「必要な情報」と「共有の必要がない情報」を切り分けることで、共有漏れや誤った対応を防ぐことができます。

 

③ When(いつ情報を共有するのか)

情報の鮮度は正確性と同じくらい非常に重要です。


特に、仕様変更やトラブル・障害など、顧客対応に関する情報は、更新があったタイミングでリアルタイムに通知することが理想です。


ただし、将来的な予定や準備段階の情報は状況に応じてタイミングを見極める必要があります。
例えば、以下のような情報は確定前に変更が起こりやすいため注意が必要です。
・業務マニュアルや対応フローの改定予定
・新サービスや機能のリリース予定
・キャンペーンやプロモーションの計画


こうした情報は、確度や重要度に応じて最適なタイミングで共有することが大切です。
また、「いつまでに共有するのか」といった具体的なルールをあらかじめ決めておくことも大切です。


「仕様変更が決定した場合は24時間以内に共有する」
「トラブル・障害を検知した場合は30分以内に共有する」
といったルールを設けることで、関係者全員が同じ認識を持つことができ、共有漏れや対応の遅れを防ぐことができます。

 

④ Where(どこで情報を共有・管理するのか)

情報が複数の場所に分散すると、必要な情報を見つけるのに時間がかかり、ミスの原因にもなります。


そのため、情報の管理場所は一元化しておきましょう。
「Googleドライブ」や「Notion」といったドキュメント共有ツールを活用すると、誰でも必要な情報にすぐアクセスできる環境を整えられます。


また、これらのツールでは閲覧・編集権限を設定できるため、セキュリティ面でも安心して情報を管理できます。

 

⑤ Why(なぜ情報を共有するのか)

情報共有の目的を明確に伝えることも大切です。
目的が伝わらないと、受け手は「ルールだから従う」といった消極的な対応になりがちです。

例えば、
「ヘルプページを更新したので確認してください」
と伝えるよりも、
「ヘルプページを更新しました。最近、○○に関する問い合わせが増えており、その対策です。現場で気づいたことがあれば教えてください」
と伝えた方が、受け手側からの積極的なフィードバックや改善提案を引き出しやすくなります。

 

⑥ How(どのように情報を共有するのか)

情報の種類や緊急度、重要度に応じた連絡手段を選ぶこともポイントです。

・緊急度が高い情報(トラブル・障害):チャット(Slack、Teams)、電話、メール
・業務マニュアルやフローの更新:GoogleドライブやNotionなどのドキュメント共有
・内容が複雑な情報:オンライン会議や動画説明

文章だけでなく、フローチャートや動画を活用することで、理解度を高めることができます。
また、文章で伝えるときは「先に結論、次に理由や補足」を意識すると、相手にとってよりわかりやすい情報になります。
情報の伝え方一つで、業務をより円滑に進められるようになります。

 

まとめ

カスタマーサポート業務(CS業務)の代行を成功させるには、「情報の壁」を取り除き、代行会社と自社の間でスムーズな連携を実現することが不可欠です。

 そのためには、“5W1H”の視点で情報共有の仕組みを見直し、相手の立場やタイミングに配慮した伝達を行うことが重要です。


適切な情報共有が実現できれば、代行業務の品質が向上するだけでなく、顧客満足度の向上や自社の成長にもつながっていきます。


カスタマーサポート代行を検討する際は、ぜひ情報共有の仕組みもあわせて見直してみてください。


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