法務AIプラットフォーム『LegalOn』成長の裏側ーCS標準化を加速するアディッシュのBPO支援
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大西花絵
2025.11.10
はじめに
株式会社LegalOn Technologiesが開発し、グローバルに展開する『LegalOn』は、あらゆる法務業務を最先端のAIテクノロジーで支援する法務AIプラットフォームです。
アディッシュは2024年11月以降、同社の中小企業(SMB)・弁護士事務所向けのカスタマーサクセス業務に携わっています。今回は、SMB領域立ち上げをリードされた大河内様、アカウントセールスグループ マネージャーの大瀧様にアディッシュのサービス導入の背景とその成果についてお話を伺いました。

株式会社LegalOn Technologies
中部・西日本グループ グループ長
大河内様

株式会社LegalOn Technologies
アカウントセールスグループ マネージャー
大瀧様
あらゆる法務業務を最先端のAIテクノロジーで支援する『LegalOn』
──本日はよろしくお願いいたします。まず『LegalOn』について、ご紹介いただけますか。
大瀧様:当社は「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」をパーパスに掲げ、法務業務を支援するグローバル共通のテクノロジープラットフォーム『LegalOn』を提供しています。弁護士資格を持つ社員も多く在籍しており、法律実務とAI技術を組み合わせたプロダクト開発を強みとしています。
『LegalOn』は、2つの既存サービスを大幅に刷新し、AIを軸に再構築した新しいプロダクトです。契約審査から締結後の契約管理、法務相談案件の管理、法令リサーチ、法改正対応まで、幅広い法務業務をAIエージェントがサポートします。さらに、日本の四大法律事務所の一つである「森・濱田松本法律事務所」との業務提携により、法務実行に有用なコンテンツを提供している点も大きな特長です。.png?width=700&height=394&name=image%20(12).png)
──サービスメニューがとても豊富ですね。お客様の事業規模も幅広いのでしょうか。
大河内様:はい。実務に合わせて利用できる拡張機能が豊富に用意されており、大手企業から中小企業、弁護士事務所まで幅広い企業に導入されています。
もともと当社のお客様は、法務の効率化にツール導入の予算をさける大企業がほとんどでしたが、ここ数年はコンプライアンスや法務の重要性に対する社会全体の意識の高まりもあり、徐々に顧客層は広がっていきました。そして『LegalOn』のリリースを機に、中小企業での導入が一気に加速しました。
私は現在、中部・関西エリアへの事業展開推進に携わっていますが、昨年まではカスタマーサクセス(以下CS)部門を統括しており、顧客層に合わせた形での組織再編を推進していました。その過程で、アディッシュさんとの契約を締結した経緯があります。
顧客に最適な「CS水準の再設計」と「オペレーションの効率化」が課題に
──ご依頼の背景にはどのような課題があったのでしょうか。
大河内様:中小企業や小規模な弁護士事務所にも『LegalOn』の導入が進むにつれ、それまで大企業向けに整備してきたCS業務のあり方を見直す必要がありました。お客様の規模によって利用頻度や求められる機能が異なるため、サービス水準を明確にしなければ、適切な顧客体験が提供できないと感じたからです。
そこで昨年、まず顧客層ごとにCS組織を分け、業務の内容やフローを整理しました。大企業向けのCSチームは、経験を積んだ熟練メンバーが担当し、これまでの知見や経験を活かした深い関わりが可能な体制を目指しました。一方で、契約件数が増加の一途を辿るSMB領域のお客様向けには、幅広く標準化された支援体制の構築が急務となったのです。
しかし、提供するサービス水準の設定やオペレーションの標準化をどう進めるか、考えるべき課題は数多く残っていました。加えて、新製品発表で提供可能なサービスの幅が広がったこともあり、社内のリソースをその提案活動に集中させる必要もありました。社内のメンバーだけでこうした企画と日々の業務を両立するのは困難と判断し、外部の力を借りることにしたのです。
求めたのは「派遣」ではなく「伴走できるパートナー」
──複数の選択肢の中でアディッシュに委託していただいた決め手はなんでしょうか。
大瀧様:外部の力を借りる手段として、最初は派遣社員に依頼しましたが、業務整備やナレッジ継承に大きな負荷がかかり、本来解決したかった課題にリソースを割くことすら困難な状態でした。単なる人員補充ではなく、オペレーションを理解しパートナーとして伴走してくれる存在が必要だと思い知りました。そこで、CS業務に知見のある方にBPOをお願いしようと決めたのです。
アディッシュさんのサービス自体は聞いたことがありましたが、過去に取引はありませんでした。そのため、依頼するにあたっては複数社にお声がけをして、比較検討しました。
大河内様:アディッシュさんに決めた最大の理由は、ご紹介いただいた担当の方が当社の業務にフィットすると強く感じたからです。さらに、提案に関わった皆さんが経験豊富だという点も大きな魅力でした。短期的に現場の混乱を整理するだけでなく、長期的にCS組織運営のパートナーとしてお付き合いしていきたいと考えました。
──サポートさせていただいている業務についてお聞かせください。
大瀧様:現在3名体制で、それぞれ異なる業務をご担当いただいています。一人目は、弁護士事務所向けのCS業務を当時の担当者から引き継いでいただきました。新規のお客様のオンボーディングから契約更新の交渉、利用状況に即した活用のご提案まで、数百社に及ぶ弁護士事務所のお客様の対応を一手に担っていただいています。二人目は小規模企業向けのオンボーディング業務、三人目は中規模企業向けのCS業務を担当しており、アディッシュメンバーにお願いする領域は着実に広がっています。
大河内様:すっかり社内のメンバーの一員として、現場に溶け込んでいる感覚です。外部委託だと意識することはあまりないですね。他部署と連携が必要な業務整理や仕組み作りの場面でも、オーナーシップを持って業務を遂行していただいています。
製品リニューアルによる難局でも更新率・売上は前年水準を達成
──サービスやメンバーに対するご評価をお聞かせください。
大河内様:依頼の背景でチームの組み替えや業務整理について触れましたが、これはマネジメントの立場として、人材の適切な配置が可能な組織作りも見据えての判断でした。その点、アディッシュさんのご協力によりお任せできるところが明確になり、社内のメンバーが次のキャリアへ進む足掛かりを作ることができました。さらに、CS組織全体で適切な業務分担を考える余裕も生まれました。
メンバーの皆さんにはとても感謝しています。弁護士事務所向けを担当いただいてる方は、とにかく前向きで丁寧な対応を徹底されています。タスクを抜け漏れなく徹底的にやり切る力があり、ビジネスパーソンとしてとても信頼できます。お会いした時の柔らかい印象とは裏腹に、仕事ぶりはさながら「武士」のようです。
大瀧様:直近でもアップセルに向けた改善提案をしてくださったり、いつも積極的な姿勢です。同様に、小規模企業のオンボーディングを担当されている方も、対応に安定感があります。
『LegalOn』は、AI製品という点に期待されるお客様から厳しいご意見をいただくことがありますが、どんな場面でも柔和な雰囲気で落ち着いて対応されています。そればかりか対話を通じて、自然とお客様が活用に前向きになることが多く、信頼関係構築に欠かせないメンバーだと感じています。先月から稼働中の中規模企業向けに担当してくださっている方も、早々にキャッチアップして順調に業務が進められているようで安心しています。
──定量的な面での成果はいかがでしょうか。
大瀧様:弁護士事務所向けの領域では、更新率・売上ともに前年比横ばいを維持する結果となりました。ただ、これは製品切替期という難しい局面で達成された成果です。「横ばいといっても、昨年以上に厳しい状況で、前年と同様の結果を維持できたことは素晴らしい」と社内からも高く評価されています。
一方、オンボーディングや中規模企業向けのCS領域は、前年からKPIの変更やチーム自体が新しいこともあり、定量成果をお伝えしづらい状況です。ただ、先ほどもお伝えしたように、十分に役割を果たしていただいており、満足しています。
信頼できる現場の戦力。ともに今後のCS業務の品質向上を目指したい
──今後の展望やアディッシュへ期待することについてお聞かせください。
大河内様:今後も『LegalOn』の導入はさらに拡大を予想しており、企業規模ごとにお客様のサポート体制構築をより強固にしていく必要があります。一方で、立ち上がったばかりのSMB領域においては、まだまだ完全な体制構築はできておらず、加えて時間的猶予や社内リソースにも限りがあります。そのため、SMB領域のサービスのオペレーションをより良くしていくには、業務の効率化と外部パートナーの支援は欠かせないと考えています。
大瀧様:アディッシュさんにお任せする業務範囲が広がっているのは、信頼の証です。皆さんのパフォーマンスが素晴らしく、現場をしっかり支えていただいていると感じています。
LegalOn Technologiesでは、今後も中小規模顧客の拡大が見込まれています。アディッシュの皆さんを貴重な戦力として、社内のメンバーと区分けすることなく体制を整え、標準化と品質向上を進めていきたいと考えています。
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この記事を書いたライター
大西花絵
IT業界にて営業・マーケティングの経験を積み、2016年からはフリーランスとして活動。イベント企画・運営や各種ウェブコンテンツ作成などで企業のマーケティング支援に従事。北海道へUターン移住し、日々双子の子育てにも奔走中。
