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【SaaS向け】9つの事例から見るオンボーディング成功の秘訣|目的・用途別に解説

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、サービス導入直後の顧客の悩みや疑問を解消し、定着化する方法です。

顧客の継続利用が重要なSaaS・サブスクリプションサービスにおいて、オンボーディングは重要な役割を果たします。

 

ただ、オンボーディングの重要性は理解しているものの、「どのような施策を実行して良いかわからない」と悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか。

 

自社に合う適切なアクションプランを策定するためには、ベンチマークとなる事例を見つけることが大切です。

 

本記事では、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの種類別に、9社の成功事例をご紹介します。

 

そもそもオンボーディングの基礎から学びたいという方はこちらの資料にてオンボーディングの基礎に関して解説をしておりますので、ダウンロードしてみてください!

【ハイタッチ】オンボーディングの成功事例

【ハイタッチ】オンボーディングの成功事例

まずは、ハイタッチのオンボーディング成功事例をご紹介します。

ハイタッチとは、1対1で、顧客に伴走し、カスタマーサクセスを実現する手法です。

 

オンボーディングは、カスタマーサクセスを実現する顧客接点の初期段階に位置します。

顧客が悩みや疑問を抱えやすいフェーズだからこそ、操作が難しい、または顧客にとってわかりづらい場合はハイタッチによる手厚いサポートが必要なケースが多いです。

ハイタッチによる顧客支援は、他タッチモデルと比較して時間的・金銭的コストがかかるので、後述するロータッチやテックタッチを組み合わせることが多いです。

以下の具体例を参考に、顧客のニーズに合わせた適切な施策を検討しましょう。

 

パーソルプロセス&テクノロジー|1社ごとに導入後のサポートを提供

パーソルプロセス&テクノロジーは、RPA(ロボットによる業務自動化)サービスを提供している企業です。

他のSaaSサービスに比べて、RPAには多種多様で高度な機能が搭載されており、使いこなすためには長い時間がかかります。

 

複雑なサービスだからこそ、パーソルプロセス&テクノロジーは導入した1社1社の企業に専属の担当者を配置し、手厚いサポートを提供しています。

実際に顧客と接する際は、導入目的や背景、最終的なゴールをヒアリングします。

 

サービスの導入前後に定期的な勉強会を開催し、顧客と伴走しながら支援しているのが特徴です。また、頻繁に顧客と顔を合わせ、フィードバックや要望といったVOC(顧客の声)を収集し、サービス開発や改善へとつなげています。徹底したハイタッチの施策を実行し続けた結果、サービス全体のアクティブユーザー率が、施策を行う以前よりも11%向上しました。

参考:カスタマーサクセス サービス資料|パーソルプロセス&テクノロジー

 

Yappli|部門横断的にハイタッチ施策を実施

Yappli(ヤプリ)は、クラウド型のアプリ開発・運営プラットフォームを提供しています。「社内アプリを開発して会議コストを1,000万円削減」「アプリ経由による売上増加」など、顧客の成功につながるカスタマーサクセスチームを、わずか1年で構築しました。Yappliが実践しているのは、部門横断的なハイタッチ施策です。

 

例えば、カスタマーサクセス部門では、業務改善や機能活用の相談窓口を設け、顧客一人ひとりの質問に対してきめ細かくフォローしています。

カスタマーサポートでもサービスの操作方法を説明するほか、技術部門では有償で導入支援を実施しています。各部門や役職の役割を明確に設定しているため、顧客サポートの内容がかぶることはありません。上記のような手厚いサポートを実施し続け、いまでは1%前後のチャーンレート(解約率)を実現しました。

参考:ヤプリのカスタマーサクセス事例

 

イタンジ|オンボーディングの状態を可視化

イタンジは、不動産仲介業向けの賃貸管理システムを提供している企業です。イタンジがオンボーディングに取り組み始めたのは2017年頃です。当時はヘルプサイトやマニュアルの提供のみを行っていた同社ですが、発行しているマニュアルが顧客から見向きもされないという課題を抱えていました。課題を解決するために導入したのが、電話によるフォローやミーティングなどの手厚いサポートです。また、フォローが必要な顧客を特定するために、サービス利用状況を可視化することにも取り組みました。

顧客にアプローチする前には、設定で洩れている項目がないか、スムーズにサービスを利用できているかを確認し、提案内容や指摘事項をまとめる等、顧客データを有効活用できる様に蓄積していきました。こうした施策を推進した結果、月次解約率を1.18%から0.38%へ抑えることに成功しました

参考:イタンジの事例

 

Adobe|成功を実感できるプレミアサポート

クリエイティブツールで有名なAdobe(アドビ)は、「Adobe Experience Cloud(以下AEC)」というマーケティング支援ツールを提供しています。バナー等のクリエイティブ制作をする際には、AdobeのPhotoshopやIllustratorなどを活用するケースも珍しくありません。

 

しかし、ツールを使って何らかのコンテンツを作り上げたとしても、的確に顧客へと発信・提供できなければクリエイティブ制作の意義を失ってしまうでしょう。AECは上記のような問題を解決するためのツールです。Adobeで作成したファイルを一元管理できるほか、プラットフォームでの配信自動化やテスト検証などの機能を備えており、クリエイティブ制作と顧客コミュニケーションを両立できます。

とはいえAECには10種類以上のツールが含まれているため、導入してすぐに使いこなすのは困難です。そこでAdobeでは、「プレミアサポート」と呼ばれる徹底したオンボーディングを実施しています。KPI策定のアドバイスや他社の成功事例の紹介など、質の高いサポートで顧客の成功体験を支援しているのが特徴です。

参考:お客様に寄り添う。アドビがめざすカスタマーサクセス。|Adobe Blog

 

【ロータッチ】オンボーディングの成功事例

【ロータッチ】オンボーディングの成功事例

続いては、ロータッチのオンボーディング成功事例をご紹介します。ロータッチとは、個社ごとではなく、複数の顧客を一度にサポートする手法で、セミナーや勉強会いった施策が代表的です。ここでは、ロータッチの施策を展開する2社の具体例を詳しく解説します。

 

SmartHR|サポート内容をパッケージング化

クラウド人事労務ソフトを販売しているSmartHR(スマートHR)では、ロータッチのオンボーディング施策をパッケージとして提供しています。

具体的な内容は次の通りです。

 

  • サービス導入前のキックオフミーティング
  • サービス導入後のトレーニング(設定方法の確認や使い方説明)
  • キックオフミーティング時に設定した進捗の確認
  • 運用1ヶ月後にヒアリング(問題点や解決方法の共有)

 

SmartHRは創業当初からカスタマーサクセスに取り組み始め、約10年にわたって試行錯誤を続けてきました。いまでは上記のロータッチ施策のほか、複数のタッチモデルを組み合わせた包括的なカスタマーサクセスを推進しています。

現在、SmartHRの継続率は99%と高水準を誇るサービスへと成長しました。

参考:SmartHR事例

 

HubSpot|何度でも無料で受講できるアカデミーを開校

CRM(顧客管理システム)やSFA(商談管理システム)を提供するHubSpot(ハブスポット)は、「HubSpot Academy(ハブスポットアカデミー)」というオンライントレーニングを提供しています。HubSpot製品を活用したマーケティングや営業の実践方法が、無料で学べるのが特徴です。

 

より高度で詳しい情報を取得するためには、HubSpotの上位プランに加入しなければなりません。コンテンツによって顧客のスキルレベルが向上するとともに、上位プランへの加入を促進できるため、オンボーディングをアップセルにつなげている好事例だといえます。

他にも、社内のチームを2つに分け、契約後3ヶ月以内の顧客に対して導入支援チームが定着化を支援するハイタッチの施策を行っています。それ以降はロータッチに移行し、カスタマーサクセスチームが継続的なサポートをする仕組みです。

参考:HubSpot事例

 

【テックタッチ】SaaSオンボーディングの成功事例

【テックタッチ】SaaSオンボーディングの成功事例

次に、テックタッチのオンボーディングの成功事例をご紹介します。テックタッチとは、テクノロジーを用いて(主には自動で)大多数の顧客にアプローチする手法です。FAQやマニュアルを実装するほか、サービス内部にチュートリアルを導入する方法があります。

成功企業の具体的な取り組み内容は以下をご覧ください。

 

SmartHR|チャットボットのマルチテナント化

クラウド人事労務ソフトを展開するSmartHRは、テックタッチの対応範囲を拡大するため、「KARAKURI chatbot」を導入しました。KARAKURI chatbotは、マルチテナント機能を搭載したツールです。

BtoB向けのSaaSビジネスでは、複数のサービスに別々のチャットボットを導入するケースも珍しくありません。ただ、これではチャットボットの管理・運営に多くの手間がかかり、管理担当者に大きな負担がかかります。

 

SmartHRはこの課題を解決すべく、チャットボットの一元管理化へと動き出しまします。KARAKURI chatbotのマルチテナント機能を使えば、複数サービスに関するチャットボットを1つの管理画面だけで一元管理できます。また、KARAKURI chatbotの管理画面では、チャットボットのシナリオ設計やAIの機械学習、データ分析が可能です。新しいシステムを導入したことで、SmartHRはテックタッチの効率化を果たしました。

参考:KARAKURI chatbot事例

 

クラウドサーカス|テックタッチでセルフオンボーディングを実現

クラウドサーカスは、誰でも簡単にブラウザARを作成できる「LESSAR」を提供しています。ブラウザARとは、スマートフォンのカメラ機能だけでARを体験できるサービスです。LESSARが個別の担当者が手厚いフォローを行うのは有料会員のみに限られるため、無料会員は自ら初期設定を行わなければなりませんでした。

 

しかし、初期設定がやや複雑なこともあり、無料会員における初期設定の完了率は60%程度にとどまっていました。そこで人的フォローなく初期設定の完了率を向上できるよう、サービス内にチュートリアルを実装します。結果、無料会員は手厚いフォローを受けることなく、チュートリアルを見ながら初期設定を完了できるようになり、初期設定の完了率が14%向上。また、チュートリアルを確認した無料会員の95%が初期設定を完了でき、セルフオンボーディングの実現を果たしました。

参考:クラウドサーカス事例

 

Canva|楽しみながらできる独自のガイドツアー

Canva(キャンバ)は、Web上でグラフィックデザインツールが使えるオンラインツールです。

 

Canvaのサービスサイト内には、テックタッチを活用したセルフオンボーディングの仕組みが整っています。セルフオンボーディングとは、顧客自身の力でサービスの定着化を実現する方法です。

 

例えば、会員登録後に画面上に現れるサービス紹介動画や、ステップごとにデザイン方法を学べるガイドツアーなどが実装されています。

 

企業側が手をかけずに定着がはかれるため、施策がうまくいけば高い費用対効果をもたらします。Canvaのガイドツアーはユニーク性に優れており、楽しみながらサービスの使い方を学べるのが特徴です。

事例から読み解くオンボーディングを成功させるためのポイント

事例から読み解くオンボーディングを成功させるためのポイント

ここまでご紹介した事例を参考にすると、オンボーディング成功の秘訣は次の3つのポイントが挙げられます。

 

  • 顧客を根底から理解する
  • 顧客との継続的な関係性を意識する
  • 複数のタッチモデルを組み合わせる

 

顧客を根底から理解する

活用するタッチモデルにかかわらず、オンボーディングで成功している企業には、顧客を徹底的に理解するという共通点があります。

企業側が、顧客にとって価値のあるサポートだと考えて施策を実行したとしても、必ずしも顧客がそのサポートを求めているとは限りません。例えば、オンボーディング完了率が思うように伸びなかったとします。

企業としては、UI等が分かりにくいため使いこなせない点が原因だと思い、使い方を説明するコンテンツを増やしたとします。しかし実際には、煩雑な初期設定に頭を抱える顧客が多く、機能性には特に不満を感じていないケースでは、顧客ニーズと施策の内容に食い違いが生まれ、さらに顧客の離反を招いてしまう可能性があるでしょう。上記のような問題を避けるためにも、定期的にVOCを収集し、顧客の現状や課題を常に把握することが大切です。

 

顧客との継続的な関係性を意識する

オンボーディングを実施する際は、顧客との継続的な関係性を意識しましょう。顧客が抱える悩みや疑問は常に更新され、新たな課題が表出します。そのため、単発的なアドバイスや提案だけではなく、顧客の成功というゴールに到達できるよう、継続的にサポートする必要があります。前述したAppleのGenius Barのような、顧客と長期的な関係を結べる環境やタッチポイントを整えるのも方法のひとつです。

 

複数のタッチモデルを組み合わせる

オンボーディングの方策として、複数のタッチモデルを組み合わせるのも良いでしょう。事業の効率性を重視するなら、テックタッチの施策だけでも十分なようにも思えます。

しかし、顧客の悩みや疑問が発生しやすいオンボーディングの段階は、テックタッチだけでは的確なサポートができないケースも多いでしょう。成功企業の多くは、タッチモデルを単一的に活用するのではなく、複数を柔軟に組み合わせて顧客サポートを展開しています。

とはいえ、予算や人的リソースが少なければ、タッチモデルを拡充するのは困難です。自社の規模に合わせてタッチモデルを組み合わせるためには、VOCをもとに顧客の課題を明確化し、それぞれ優先順位を付ける必要があります。

 

ベンチマークとなる事例を見つけてオンボーディング戦略を強化しよう

ベンチマークとなる事例を見つけてオンボーディング戦略を強化しよう

オンボーディングを実践する際は、ベンチマークとなる事例を参考にすることをおすすめします。

 

オンボーディングの取り組みは、事業内容や提供するサービスによって企業ごとに大きな差があります。自社と事業内容やサービス内容が似ている成功企業の事例を参考にすると、具体的なアクションプランを想定しやすくなるでしょう。

 

今回はタッチモデル別に具体例をご紹介しましたが、複数のタッチモデルを組み合わせて活用するのも方法のひとつです。数多くの事例を参考にしつつ、自社のオンボーディング戦略を強化しましょう。

 

カスタマーサクセスの専門会社、アディッシュ株式会社ではカスタマーサクセスにおける業務代行や本記事のようなオンボーディングフェーズにおけるご相談も受け付けておりますので、以下のフォームからお問い合わせいただけたら幸いです!


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