外資系カスタマーサクセスの年収はどの程度?日本国内との比較から見える違い
カスタマーサクセスは顧客と直接関わるため、顧客の成功を実感しやすく、やりがいを感じられる仕事です。最近は求人数も増加傾向にあり、人気が高まっています。
年収の良さや英語を活用したいといった思いから、日系企業のカスタマーサクセスではなく、外資系に興味を持つ方も多いでしょう。
「外資系カスタマーサクセスの平均年収を知りたい」
「日系企業との年収の違いはどれくらい?」
「仕事内容は異なるの?」
本記事では、このような疑問を持つ方のために、外資系カスタマーサクセスの年収目安から日系企業との年収比較を解説します。
日系と外資系カスタマーサクセスの年収の違い
日系と外資系カスタマーサクセスの年収の目安を解説します。年収は、会社や業種、役職、スキルによって変動するのであくまで目安として参考にしてください。それでは、それぞれの年収の目安を見ていきましょう。
外資系のカスタマーサクセスの年収目安
多数の外資系企業の求人が掲載されている、「glassdoor」を参考にすると、外資系カスタマーサクセスの平均年収は、2023年4月現在で約1,000万円です。また、東京都における外資系カスタマーサクセスの年収レンジは800万円~1,400万円でした。(参考:glassdoor)
日系のカスタマーサクセスの年収目安
Indeedが掲載する給与平均を参考にすると、日系のカスタマーサクセスの年収目安は2023年4月現在で約500万円です。また、年代別の平均年収は以下のとおりです。
- 20代カスタマーサクセス:495万円
- 30代カスタマーサクセス:740万円
参考:JobPicks
40代・50代のデータはありませんでしたが、30代よりも専門的なスキルや知識を習得していたり、役職に就いていたりするでしょう。ただ、40代で年収が頭打ちしてくる傾向があるため、平均年収は900万円ほどだと考えられます。
カスタマーサクセスの年収範囲まとめ
日系と外資系カスタマーサクセスの年収レンジをまとめると、以下の通りです。
年収レンジ | |
日系カスタマーサクセス | 300万円〜900万円 |
外資系カスタマーサクセス | 500万円〜1,000万円 |
年収は外資系カスタマーサクセスの方が高い傾向にあります。
日系企業の多くは、在籍年数や役職者の評価査定によって年収が決まることが多いです。
外資系企業では、グローバル規模で、多様なビジネスを展開しているため、より多くの収益を上げられます。また、成果や業績を基に待遇を決める成果主義が多く採用されているため、優秀な人材が集まりやすく、全体的な年収が高い傾向にあるのです。
外資系カスタマーサクセスに求められるスキル
ここからは、外資系カスタマーサクセスに求められる6つのスキルを紹介します。
- ヒアリング力
- 分析力
- 論理的思考力
- 企画力、提案力
- プロジェクト推進力
- 英語力
なぜ必要なのかもあわせて解説するので、外資系カスタマーサクセスに就職・転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
1.ヒアリング力
顧客の悩みや抱えている課題を聞き出すヒアリング力(=聞く力)は、カスタマーサクセスにとって重要なスキルです。カスタマーサクセスは、顧客が抱える課題に先回りして対応していく必要があります。
しかし、ただ表面的な課題をヒアリングするだけではありません。顧客の抱える隠れた課題や悩みを漏れなく聞き出すことで、顧客に寄り添うパートナーとしてより価値のある成功体験をサポートできます。結果、顧客の信頼を勝ち取りLTVの向上につながるでしょう。
2.分析力
顧客の支援を効率的に行うために、分析力は欠かせません。顧客から提供された情報や顧客の行動履歴などを分析し、そのデータから顧客の課題や要望を把握し、顧客に最適な解決策を提供する必要があります。表計算ソフトでのデータ処理だけでなく、SQLなどの言語も理解しておくとより高度な分析を行えるようになるでしょう。
3.論理的思考力
論理的思考力も重要なスキルです。顧客から問題が報告された場合、その原因を突き止め、解決策を見つける必要があります。具体的なプロセスは、以下のようなイメージです。
- 顧客のヒアリングから何が起こっているのかを正確に理解
- 問題の原因を特定するために、問題が発生した状況やタイミング、関連するデータや情報などを調査・分析
- 原因をもとに、解決に必要な要素を見極める
論理的思考力を身に付けておくと、顧客に対しても、論理的に説明できるため、信頼感を築きやすくなるでしょう。
4.企画力、提案力
顧客の課題が理解できたら、それを実際に提案する必要があります。「なぜこの提案をしているのか」顧客に分かりやすく伝えるスキルは重要です。課題や改善策を適切に提案することで、顧客満足度を高め、長期的な顧客関係の構築が狙えるようになるでしょう。
5.プロジェクト推進力
カスタマーサクセスでは、複数の顧客を同時に抱えることが一般的です。課題の特定・要件定義・企画・提案、スケジュールを適切に管理し、納期を守り、品質を担保することが求められます。スムーズなプロジェクト進行ができると、結果として顧客満足度の向上を実現できるでしょう。
6.英語力
外資系カスタマーサクセスでは、グローバルなチームメンバーとのやり取りや、顧客とのコミュニケーションのために、英語力も求められます。メールなどのテキストベースの英語力が求められる企業から、会話ができるレベルの英語力が必要な企業まで様々です。どのくらいの英語力が必要か、求人を見る際はしっかりと確認しましょう。
年収アップにつながる外資系カスタマーサクセスのキャリアパス
外資系カスタマーサクセスは年収が比較的高い傾向にあるものの、転職後により年収を高めたいと考える人も多いでしょう。ここでは、更なる年収アップを狙うために描けるキャリアパスを4つご紹介します。
- 担当する顧客やプロジェクトの規模を大きくする
- 管理職やマネージャーへ昇進する
- 専門性を高める
- 転職する
外資系カスタマーサクセスとして活躍し、年収をさらに上げたい方は、ぜひ参考にしてください。
担当する顧客やプロジェクトの規模を大きくする
重要度が高いプロジェクトに携わることで、より大きな成果物を狙うことができ、達成したあかつきには昇給につながりやすいでしょう。また、小規模プロジェクトよりも高度なスキルや知識を習得しやすく、その後のキャリアアップにつながります。
大口顧客との関係性をより深められれば、ビジネスの拡大や売上の増加に直結するような成果を出すことが可能です。結果年収アップにもつながるでしょう。
管理職やマネージャーへ昇進する
管理職・マネージャーへの昇進も年収を上げるキャリアプランの一つです。カスタマーサクセスでは、顧客のニーズや問題点を把握し、それに応じたサービス提供や改善策の立案・実施が求められます。これらの業務を効率的かつ効果的に行うためには、チームメンバーをまとめ、指導する力が必要です。
プロジェクト全体を把握し、戦略の提言、部下のマネジメントの経験を積み、リーダーシップを磨いていくことで高いスキルが身につくでしょう。日系企業の場合は、年功序列の風潮が残っていることもあり、ある程度の年数が必要です。一方、外資系企業であれば年齢は関係なく、実績次第では若くても昇進を狙えることが多いです。
専門性を高める
カスタマーサクセスとしての専門性を高めることもキャリアプランの一つです。チーム内のキャリアアップといっても、管理職やマネージャーだけが道ではありません。顧客とのコミュニケーションスキルや課題解決能力など、カスタマーサクセスに必要な専門性を高めると、それらを最大限に生かせるプロジェクトに参加できることが多くなります。結果年収もアップし、転職の際に市場価値も高まります。
転職する
転職も年収アップの手段の一つです。専門性を高め、市場価値を上げることでより給与の良い他企業への転職が狙えます。顧客の売上や利益の増加、顧客満足度の向上、顧客ロイヤルティの向上など、数値で示せる実績を積んでいると、評価されやすいでしょう。また、外資系カスタマーサクセスである程度実績を積んだ後、日系カスタマーサクセスへの転職も一つの選択肢です。
外資系企業で働くメリットデメリット
ここからは外資系企業で働くメリットとデメリットを解説します。外資系企業への就職・転職を検討している方は、参考にしてください。
外資系企業で働くメリット
外資系企業で働くメリットは、以下の3つです。
- 給与水準が高い
- 労働環境が整っている
- 語学力を高められる
外資系企業は、一般的に日系企業より給与が高い傾向にあります。また、日系企業のような年功序列形式はほとんどなく、実力で判断される世界です。そのため、結果さえ出せれば若くして高収入を目指すことも難しくありません。
次に、労働環境が整っている企業が多い点も、外資系企業の魅力です。フレックス制度やリモートワーク、休暇の取りやすさなど、働き方に柔軟性があります。定期的な長期休暇も比較的取得しやすいです。
外資系企業では、社内・社外問わず外国語でコミュニケーションをとる機会が少なからずあります。日常的に外国語を使用する状況にいるため、語学力が自然と高まっていきます。
ただし、社内は日本語、本社とのやり取りは英語といったパターンも多いので、外国語の使用状況を前もって確認しておくと良いでしょう。
外資系企業で働くデメリット
メリットだけでなく、デメリットもいくつかあります。外資系企業で働くデメリットは、以下の3つです。
- 人材の流動性が高い
- 福利厚生が少ない
- 給与が低いこともある
外資系企業は、長期雇用を前提としていないため、人の入れ替わりが激しい傾向にあります。成果に対する評価も厳しいため、常に高い成果を出すといったマインドがないと、居心地の悪い空間になってしまうことが懸念されます。
また、外資系企業は、給与が高い分、福利厚生が整っていないことが多いです。日系企業でよく見られる家賃手当や退職金制度などは、外資系企業ではないことが多いです。
先ほど給与水準の高さをメリットとして挙げました。しかし、全ての外資系企業の給与が高いわけではありません。日系企業に近い事業形態の外資系企業の給与水準は、ほとんど日系企業と変わりません。外資系企業の転職先を検討する際は、事業の形態や評価水準にも着目すると良いでしょう。
外資系カスタマーサクセスの求人例
実際の求人をいくつかご紹介します。どのような募集があるのか、参考にしてください。
※2023年4月時点の情報です。詳しい情報は各求人サイトをご確認ください。
株式会社コンカー
米国で1993年に設立、2010年に日本法人が生まれました。コンカーの提供する「Concur Travel&Expense」は、 世界5,610万人に利用されています。
社名 | 株式会社コンカー |
年収 | 500〜1,100万円(経験・スキルに応じて変動) |
募集条件 |
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業務内容 | 既存顧客の生涯価値(LTV)の最大化のために、解約の減少とアップセルの増加によりビジネスのスケールアップを狙うためのマーケティング施策の企画・実行を担当 |
ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社
ヘイズ(本社:英国)は、グローバルな人材サービスを提供するスペシャリストの人材紹介会社です。
社名 | ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社 |
年収 |
450〜550 万円(経験・スキルに応じて変動) |
募集条件 |
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業務内容 |
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ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社
ロバート・ウォルターズ は、1985年に英国ロンドンで設立されたスペシャリストに特化した人材紹介会社です。
社名 | ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社 |
年収 | 600〜1,600万円(経験・スキルに応じて変動) |
募集条件 |
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業務内容 |
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外資系カスタマーサクセスの年収まとめ
日系・外資系カスタマーサクセスの年収レンジは、以下の通りです。
日系カスタマーサクセス | 300万円~900万円 |
外資系カスタマーサクセス | 500万円~1,000万円 |
外資系カスタマーサクセスは、日系に比べて比較的年収が高い傾向にあります。高いスキルや専門性が求められるもの、外資系カスタマーサクセスに就職できれば、年収1,000万円も夢ではないでしょう。外資系のメリット・デメリットを理解して、自分にあった企業を選びましょう。