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カスタマーサクセスにおけるヘルススコアの重要性│作り方の手順も解説

ヘルススコアは、顧客が自社の製品利用を継続するかどうかを測る重要な指標です。意味は理解していても、実際に使う場面をイメージできないこともあるかと思います。

 

  • ヘルススコアを導入するメリットは?
  • ヘルススコアの具体的な導入方法は?

 

本記事では、このようなお悩みを解決します。記事を読み終えたころには、ヘルススコアの導入方法を具体的にイメージできるでしょう。ヘルススコアについて詳しく知りたい方から、実際の導入を検討している方まで役立つ情報を解説するので、ぜひ参考にしてください。

カスタマーサクセスに欠かせないヘルススコアとは?

 

ヘルススコアとは、その名の通り顧客の健康状態を把握するためのスコアです。ヘルススコアを活用すると、顧客が自社のプロダクト利用を継続するかどうかを測れます。

 

私たちも健康診断を受けると、基準となる数値との差分で「体重がやや重い」、「コレステロール値が高い」といった診断結果が得られ、改善のために対策を講じるでしょう。

 

ヘルススコアも同様に、自社の基準を定めることで、製品の利用頻度や口コミ評価などから顧客の健康状態(継続するかどうか)を判断できるのです。

 

ヘルススコアは、カスタマーサクセスチームが顧客の状態を把握し、適切なアクションを実施するための重要な情報源であり、顧客満足度の向上やリテンションの改善につなげられる重要な指標といえます。

 

ヘルススコア導入によるカスタマーサクセスへのメリット3選

ヘルススコアを活用することで、以下3つのメリットが得られます。

 

  • 顧客ごとにアクションプランを明確にできる
  • 解約の兆候を察知して対策を検討できる
  • アップセルやクロスセルのタイミングを把握できる

 

各メリットを理解して、目的をもってヘルススコアを導入しましょう。

 

顧客ごとにアクションプランを明確にできる

ヘルススコアを導入すると、顧客の状況が可視化されるため、各顧客に応じたサポートを提供できます。

 

基準となるヘルススコアを定義することで、顧客をヘルススコアの良い層(基準より上)、ヘルススコアの悪い層(基準より下)といったセグメントに分けられます。

 

セグメントに分割することで、より具体的なアクションプランを検討できるでしょう。

 

例えば、ヘルススコアが基準より低い場合は、優先してコンタクトをとることで解約の防止につなげられます。ヘルススコアが基準より高い場合は、成功例として横展開することで更なる利用者の拡大につなげられるでしょう。

 

ここで紹介したセグメント分けはあくまで一例です。点数ごとのセグメント分けやアクションプランは、各社の製品やサービスに応じて検討してください。

 

解約の兆候を察知して対策を検討できる

ヘルススコアでは、各指標を設定します。設定した指標の数値を基にすることで、顧客が不満を抱えている状況を数値で可視化し、製品やサービスを離脱する兆候をいち早く察知できます。

 

例えば、ログイン回数に変化はないものの、ログインしてからの時間が減少した場合は、サービスの利用に飽き始めてきている可能性が推測されます。

 

原因を追及して、解約される前に先回りして対策を検討することで、離脱を防ぐことにつながるでしょう。

 

アップセルやクロスセルのタイミングを把握できる

上位サービスに乗り換えてもらう「アップセル」や、別サービス・オプションをセットで購入してもらう「クロスセル」は、顧客生涯価値の「LTV」を向上させるために必要な施策です。

 

ヘルススコアの数値を活用することで、アップセル・クロスセルが成功しやすい顧客の目途がつきます。ヘルススコアが高い顧客は、サービスに対するロイヤルティが高い状態だといえます。

 

追加の提案を受け入れてもらいやすい状況だと推測され、サービスのアップグレードニーズをもつ可能性があるでしょう。

 

もちろん最終的な提案は、ヘルススコアの指標だけでなくNPS(顧客ロイヤルティ指標)など他の要素も検討したうえで実施する必要があるものの、候補者を絞り込めるため営業の効率化につながります。

 

ヘルススコアの作り方│導入から運用までの手順

ここからは、ヘルススコアを実際に導入する際の手順を解説します。大きく以下5つのステップで検討していきます。

 

  1. 健康状態を定義する
  2. 判断の指標を定義する
  3. ヘルススコアの算出方法を決める
  4. 閾値と実行する施策を決める
  5. 運用と改善を繰り返す

 

それぞれ順番に見ていきましょう。

 

健康状態を定義する

まず「健康な顧客」について考えましょう。「厚生労働白書」には、以下のような記述があります。

 

健康とは、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることである。

 

私たち人間と同様、カスタマーサクセスにおけるヘルススコアも「健康な顧客とは何か」を定義する必要があります。定義は扱う製品やサービスによって変わります。

 

例えば、毎日業務で利用するサービスを扱っている場合は、毎日ログインされていなければ健康であるとは言えないでしょう。健康な顧客の定義を定めるアプローチとして、以下2つの方法もあります。ぜひ参考にしてください。

 

  1. 「不健康な顧客」とは何かを定義して逆接的に設定する
  2. 既存の顧客の利用データを分析して、サービスを上手に活用している状態をロールモデルとする

 

各社の状態に応じて、適切な定義を設定しましょう。

 

判断の指標を定義する

次に、ヘルススコアを判断するための指標を定義します。ヘルススコアの指標は、多岐に渡ります。大きく以下3つの項目に分けられるでしょう。指標は定量的で測定可能なデータであることが好ましいです。

項目名 指標例
顧客接点 契約期間・更新回数・イベント等への参加状況・アンケートの回答率
製品&サービス活用実態 ログイン回数/頻度・利用時間・レポート完了数・新サービスの利用状況
満足度 ネットプロモータースコア(NPS)・サポートチームへの問い合わせ回数

採用する指標の数が多すぎると、管理が煩雑になるため注意が必要です。ヘルススコアを導入する目的に照らし合わせて、その目的を達成できるか否か、といった観点から絞り込みをすると良いでしょう。

 

ヘルススコア算出方法を決める

指標が決まったら、スコアの算出方法を決めていきます。

 

スコアの算出方法に正解はありません。会社によってさまざまです。100点満点や10点満点などの得点制もあれば、パーセントで評価する制度や5段階評価の場合もあります。

 

運用のしやすさやわかりやすさを検討し、自社に適した算出方法を決定してください。それでは、具体例を見ていきましょう。

 

以下4つの指標を定義し、合計100点満点で算出するとします。

指標 得点配分
ログイン回数(1ヶ月) なし:0点
5回未満:10点
5~10回:20点
11回以上:30点
利用時間(1ヶ月平均) 0分:0点
1~60分未満:10点
60分~90分未満:20点
90分以上:30点
サービスのレポート完了数 0回:0点
5回:10点
6~9回:20点
10回以上:30点
NPS 0〜4未満:0点
5〜7:5点
8〜10:10点

上記の指標を基に、ある会社のヘルススコアを算出すると、下記のような結果が出ました。

 

  • ログイン回数:6回
  • 利用時間:60分
  • サービスのレポート完了数:5回
  • NPS:5

 

上記の場合、ヘルススコアは 55点/100点となります。ここで紹介した例はあくまで一例です。実際は、重みづけや契約人数等を考慮する必要があるため、もう少し複雑な計算になる点は注意してください。

 

閾値と実行する施策を決める

ヘルススコアの算出結果に意味をもたせる必要があります。

 

先ほどの55点という数値だけでは、健康的なのか、不健康なのか、判断が難しいです。判断の分かれ目になる「閾(しきい)値」を決めましょう。

 

カスタマーサクセスでは、LTVを軸に3段階に分ける方法がよく用いられます。以下3つの分類を活用することで、次に実施するべきアクションが明確になります。

分類名 概要
ハイタッチ 手厚いサポートを行う
ロータッチ 一つの集団と見てアプローチを行う
テックタッチ 広範囲に対してアプローチ

例えば以下のように閾値を定められるでしょう。

 

  • ハイタッチ:70点~100点
  • ロータッチ:40点~69点
  • テックタッチ:40点未満

上記の分け方も一例なので、閾値をどの値に設定するかは、社内で話し合って決めると良いでしょう。

 

運用と改善を繰り返す

ここまで準備できたらヘルススコアの運用を始めます。

 

PDCAサイクルを回すことが基本です。定期的にフィードバックのタイミングを設けて、設定した閾値を活用しながらヘルススコアの効果を検証しましょう。

 

場合によっては、定義から見直す必要が出るかもしれません。ヘルススコアに正解はありません。製品やサービス、自社の体制、環境の変化に応じて、都度改善を加えていく必要があるでしょう。

 

また、ヘルススコア数値の高さ=カスタマーサクセスではない点にも注意してください。あくまでカスタマーサクセスを実現するための指標です。

 

数値を高めた先に、どのような成功があるのかを常に意識しながら運用するようにしてください。

 

カスタマーサクセスへつながるヘルススコア導入のポイント

ヘルススコア導入の際に、意識しておくと良いポイントを3つまとめました。

 

  • ヘルススコア導入の目的を定める
  • 小さく始める(スモールスタート)
  • ツールを活用して効率よく測定する

 

それぞれ参考にしてください。

 

ヘルススコア導入の目的を定める 

ヘルススコアは、やみくもに定義しても意味はありません。

 

導入の前に、「目的」の設定を必ず行いましょう。ヘルススコアを測定して「何をするのか」「ビジネスにおいてどのような結果をもたらすつもりなのか」といった観点で吟味すると良いでしょう。

 

ここで定義した目的は、ヘルススコア運用中も行き先を見失わない重要な指針になります。

 

小さく始める(スモールスタート)

指標を多くすると、確認事項や分析内容が煩雑になり、PDCAを回しにくくなります。まずは指標を少ない数だけ定義することから始めましょう。

 

PDCAを通して、改善のループを回している中で、少しずつ必要な指標を追加していくのがおすすめです。目的に立ち返ることも忘れずに行いましょう。

 

ツールを活用して効率よく測定する

ヘルススコアの管理のために、カスタマーサクセスツールを活用することもおすすめです。

 

ツールを活用することで効率よくヘルススコアを測定・管理でき、カスタマーサクセスにつなげられるでしょう。おすすめのツールは、次の章で紹介するので参考にしてください。

 

カスタマーサクセスヘルススコアにおすすめのツール3選 

 

ここからは、ヘルススコアの把握・管理ができるカスタマーサクセスツールをご紹介します。

 

  • Growwwing(グローウィング)
  • pottos(ポトス)
  • HiCustomer(ハイカスタマー)

 

これらのツールは、ヘルススコアだけでなく、カスタマーサクセス全体で役立つ機能が盛り込まれているものばかりです。ぜひ検討の際の参考にしてください。

 

Growwwing(グローウィング)

Growwwingは、収益の最大化を支援するカスタマーサクセス管理ツールです。

概要 顧客情報の一元管理、データの可視化・分析、メンバーの活動管理など、カスタマーサクセスに必要な一連の機能を取り揃えるのはもちろん、低価格・カンタン導入ですばやく運用をはじめることが可能。
費用 ニーズに合わせた3つのプランを採用
Essentials:月額60,000円~
Advanced:月額100,000円~
Advanced+LMIS月額200,000円~
ヘルススコアについて データ連携の簡易性に優れている。Salesforceだけでは難しい、“Salesforce外”のデータも含めて連携自動化でき、ヘルススコア計算やGrowwwingとの相互連携も実現可能。
URL https://www.growwwing.jp/index.html

 

pottos(ポトス)

pottosは、株式会社ポトスが提供するカスタマーサクセス管理ツールです。

概要 BtoB SaaSプロダクトのカスタマーサクセス業務を支援するツール。
顧客の利用状況から実際のアプローチまで一通りの業務が実施可能。
費用 月額107,800円~(税込)
ヘルススコアについて ヘルススコアの悪化を検知し、CS担当者へ解約リスクの通知を送付可能。個別対応が必要な場合は、タスクの対応漏れのないようCS担当者にリマインドも行える。
URL https://pottos.jp/

 

HiCustomer(ハイカスタマー)

HiCustomerは、HiCustomer株式会社が提供するカスタマーサクセス管理ツールです。

概要 BIツール・CRM・チャットツールに点在している、利用状況、コミュニケーション履歴、売上、契約情報など顧客に関する情報を、HiCustomerで集約・可視化可能。
費用 公式サイトからお問い合わせで確認
ヘルススコアについて ヘルススコアのルールを柔軟に設定し、ライフサイクルごとの顧客全体の健康状態をレポート出力可能。ルールは柔軟に設定可能。独自で顧客の状態を定義できます。
URL https://hicustomer.jp/

 

ヘルススコアの導入で顧客のLTVを最大化させよう

ここまで、ヘルススコアのメリットや実際の導入方法を解説しました。

 

顧客を成功に導くために、ヘルススコアの導入は欠かせません。ただし、ヘルススコアを導入しただけで解約率がすぐに改善されるわけではありません。

 

運用しながら、観測・改善を続けていきましょう。それが、結果的に顧客のLTVを最大化させ、自社の収益UPにつながります。

 

ヘルススコアに関してのイメージが明確になってきましたでしょうか?下記お役立ち資料は無料でダウンロード可能なため、本記事の内容と合わせてより理解を深め、実際にヘルススコアを導入してみてください!


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