カスタマージャーニーとは?ジャーニーマップの作り方と注意点を徹底解説
武田龍哉
2024.06.21
自社の商品やサービスを顧客がどのように選択し、購入まで至ったのかを把握できていない企業がほとんどです。
逆にいえば、顧客の購入までのプロセスをしっかりと把握できていれば、もっと効率的に顧客へアプローチすることができます。
この顧客の購入までのプロセスのことをマーケティングでは「カスタマージャーニー」と呼んでいます。
カスタマージャーニーを理解することによって、より効率的なマーケティングと的確な商品開発をすることができるでしょう。
本記事では、カスタマージャーニーとカスタマージャーニーマップの作り方について詳しく解説していきます。
カスタマージャーニーとは?
カスタマージャーニーとは直訳すると「顧客の旅」です。
具体的には顧客が商品を購入するまでのプロセスのことを指します。
カスタマージャーニーを理解することによって顧客ひとりひとりへ適切なマーケティングができるようになります。
ペルソナの動きを時系列で見える化すること
カスタマージャーニーとはペルソナひとりひとりがどんなプロセスで購入まで至ったのかを見える化することです。
何に興味を持ったのか、SNSを経由したのか、テレビの広告を見たのか、自社サイトから購買したのかなど、顧客がどんな経緯で購入まで至ったのかを時系列で見える化することがカスタマージャーニーの役割の一つです。
ひとりひとりに対して個別に適切なマーケティングをすること
メディアが少なかった一昔前の時代であれば、テレビCMなどでしか顧客とのタッチポイントはありませんでした。
そのためテレビCMだけを強化しておけばよかったのかもしれません。
しかし、メディアや情報チャネルが多様化した現代においては、カスタマージャーニーが非常に重要です。
顧客とのタッチポイントが複数ある状況下では「どのペルソナにはどのタッチポイントが有効なのか」を知ることによって、顧客ひとりひとりに対してより効果的なマーケティングができるようになります。
カスタマージャーニーで分かること
カスタマージャーニーで分かることは次の3つです。
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顧客の行動をより深く理解できる
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顧客目線でマーケティングできる
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チーム内で顧客の行動を把握できる
顧客をより深く知ることができ、顧客との適切なタッチポイントが分かります。
顧客の行動をより深く理解できる
カスタマージャーニーでは、ペルソナの動きを時系列で見える化するため、顧客の行動が視覚的にイメージできます。それにより、顧客の行動をより深く理解できるようになります。
顧客の行動を深く理解することによってマーケティングや商品開発の精度が高まるでしょう。
顧客目線でマーケティングできる
カスタマージャーニーによって顧客の行動を視覚的にイメージすることで、より顧客目線のマーケティングが可能になります。
例えば、ペルソナが自社サイトに滞在している時間が短く、アフィリエイトサイトに滞在している時間が長いのであれば、自社サイトの離脱率を下げるように改良する必要があります。
逆にアフィリエイトを強化するなど、顧客との最適なタッチポイントを強化することも可能です。
チーム内で顧客の行動を把握できる
カスタマージャーニーによってチーム内で顧客の行動を把握し、顧客像を共有できるのもメリットです。
顧客の行動に対してチーム内で共通認識を持てるため、商品開発からマーケティングまでの立案がスムーズかつ的確になるでしょう。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーを視覚化したものをカスタマージャーニーマップといいます。
カスタマージャーニーマップからどのようなことが分かるのでしょうか?
顧客の購買までの体験を視覚化したもの
カスタマージャーニーマップとは顧客購買までの体験を視覚化したものです。
具体的には、顧客の思考から行動、タッチポイント、購入までの一連の流れを視覚化したものをカスタマージャーニーマップといいます。
カスタマージャーニーを視覚化することによって、より顧客の行動を視覚的にチーム全員でイメージすることが可能です。
カスタマージャーニーマップの作成方法
では実際にカスタマージャーニーマップの作成方法を紹介していきます。
カスタマージャーニーマップを作成する流れは次の通りです。
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ペルソナを明確にする
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ゴールを定める
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情報をマッピングするためのフレームを作成する
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さまざまな方法で情報を収集する
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フレームにマッピングする
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ストーリーを作成しカスタマージャーニーマップを作成する
①ペルソナを明確にする
まずはペルソナを明確にしましょう。
同じ商品を購入する人でもペルソナによって購入までのプロセスは大きく異なります。
ペルソナごとのタッチポイントを探り、最適なマーケティングをするためにまずはペルソナを明確にすることが重要です。
②ゴールを定める
次にゴールを定めます。
商品を購入するだけがゴールとは限りません。
例えば自社サイトへ流入が低いのであれば、自社サイトへのアクセスをゴールとするケースもあるでしょう。
目的に合わせたゴールを明確に定めることが重要です。
③情報をマッピングするためのフレームを作成する
収集した情報をマッピングするためのフレームを作成します。
一般的にはフレームの横軸に「認知」「興味・関心」「検討」「購入決定」などの購買プロセスを、縦軸にはタッチポイントや行動や思考などの購買プロセスに至るペルソナの思惑を落とし込んでいきます。
フレーム作成が難しければテンプレートなども存在するので、活用するとよいでしょう。
④さまざまな方法で情報を収集する
次に情報の収集を行います。
SNS、電話、アンケートなど商品やペルソナに合わせた方法で情報収集を行い、場合によっては専門業者へ依頼して市場調査を行いましょう。
⑤フレームにマッピングする
収集した情報をフレームへマッピングしていきます。
さまざまな部署から人を集め、ワークショップ形式で進めることによってより総合的な視点でカスタマージャーニーが見えてくるでしょう。
⑥ストーリーを作成しカスタマージャーニーマップを作成する
マッピングが終わったら、情報を整理し、チームのメンバーで話し合いながらストーリーを作成していきます。
どう思考して、どんな行動をして、ゴールに至るのか、ということをイラストなどを用いて作成すると、全てのメンバーがよりイメージしやすくなるでしょう。
カスタマージャーニーマップ作成時の3つの注意点
カスタマージャーニーマップを作成する際には次の3点に注意する必要があります。
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仮説検証のステップを踏む
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マップを細かく作りすぎない
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バージョンアップを怠らない
カスタマージャーニーマップは作ることが目的ではなく、作って終わりでもありません。
常にチェックと更新を繰り返し、分かりやすいものにしておくことが重要です。
仮説検証のステップを踏む
カスタマージャーニーマップを作る際には思い込みや、会社の「こうして欲しい」という希望的観測によって作成されてしまうことも珍しくありません。
作ったストーリーが本当に正しいものかどうか、しっかりと仮説検証することが重要です。
データに基づいたファクトでマップを作成したら、顧客が本当にそのようなストーリーでゴールに向かっているのかを検証しましょう。
マップを細かく作りすぎない
あまりにもこだわってマップを細かく作りすぎるのも問題です。
収集した情報が多くなり、すべての情報を入れようとするとマップが細かくなり、イメージを共有しにくくなると同時に一般的なストーリーでもなくなってしまいます。
情報を正しく取捨選択し、できる限り多くのペルソナに当てはまるようなシンプルで分かりやすいマップを作ることを心がけましょう。
バージョンアップを怠らない
メディアも顧客の行動も日々変化しています。
そのため一度作成したカスタマージャーニーマップは適宜更新していかなければすぐに実情と異なるものになってしまいます。
定期的にバージョンアップを行い、顧客の行動に合わせたマップを作成していきましょう。
まとめ
顧客が商品を購入するまでのプロセスをカスタマージャーニーといいます。
顧客の行動やメディアが多様化する中で、顧客とのタッチポイントも多様化しています。
ひとりひとりの顧客に合ったマーケティングを実現するためには、カスタマージャーニーを把握することが欠かせません。
また、チーム全員で顧客の行動のイメージを共有するためには、カスタマージャーニーを視覚化したカスタマージャーニーマップを作成することが重要です。
マップを作ることだけに満足せず、仮説検証とバージョンアップを忘れないようにしてください。
この記事を書いたライター
武田龍哉
Web制作会社、広告代理店を経験後、アディッシュに入社。 マーケティング担当としてリード獲得やナーチャリングの施策立案、実行を担当した後、インサイドセールスチームへ参画。 インサイドセールスチームでは、主にカスタマーサクセスの関連商材を担当し、商談機会創出とチーム体制構築に携わる。