カスタマーサティスファクション(CS)とは?満足度調査方法まで徹底解説
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武田龍哉
2024.12.09
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「ビジネスで顧客満足度の向上させると、どのようなメリットがあるのか?」「顧客満足度はどのように測定するのか?」など気になっていませんか?
今回は顧客満足度を示すカスタマーサティスファクションについて解説します。
この記事では、カスタマーサティスファクションを向上させる方法まで詳しく解説しているため、顧客体験の見直しにお役立てください。
カスタマーサティスファクション(CS)とは
カスタマーサティスファクション(Customer Satisfaction)は顧客満足度と訳されて、顧客が自社の商品やサービスにどれだけ満足しているかを数値化した指標です。
世の中にモノが溢れて、企業は消費者の嗜好やニーズに基づいた、消費者視点の製品開発やサービス提供を行わなければならなくなりました。
消費者視点で製品開発、サービス提供を行えば「私たちのために開発されたサービス」「手厚いサービス」という特別な体験をさせられて顧客満足度を向上できます。
ビジネスで大切なことは顧客満足度を追求するだけでなく、企業競争力を上げることです。そのため、カスタマーサティスファクションについて正しく理解をしておきましょう。
カスタマーサティスファクション(CS)の指標
カスタマーサティスファクションの指標には「NPS」「CSI」「JCSI」「LTV」があります。
NPS(ネット・プロモーター・スコア)
NPS(Net Promoter Score)とは、顧客が家族や友人に自商品を推薦したいかどうかを測定するための指標です。正味推奨者比率といいます。
推奨度を0~10の11段階で評価してもらい「推奨者の割合―批判者の割合=NPSスコア」で顧客満足度を測定します。
NPSスコアはマイナスになることが多いため、業界の平均スコアと比較して数値が高いかどうかを測定するようにしましょう。
関連記事:『NPSとは?顧客満足度との違いや算出方法について解説』
CSI(カスタマーサティスファクションインデックス)
CSI(Customer Satisfaction Index)とは、顧客にサービスを評価してもらい品質向上するために用いる指標です。
自社商品と関連性が高い質問を行い、0~100点で評価してもらい、顧客ニーズを満たしている箇所、顧客ニーズを満たしていない箇所を把握します。
データ件数が多いほど精度が上がる画期的な調査方法として世界中の企業が活用しています。
関連記事:『顧客満足度指数CSIとは?調査方法や評価方法、ポイントまで解説』
JCSI(日本版顧客満足度指数)
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)は日本版のCSIです。公益財団法人日本生産性本部をはじめ、経済産業省・学識研究者・各企業の協力支援のもと研究が行われています。
顧客ニーズを満たしている箇所、顧客ニーズを満たしていない箇所を把握できるだけでなく、業界平均値より高いか低いかを測定できます。
関連記事:『顧客満足度指数のJCSIとは?レポート活用方法と指標の見方をご紹介』
LTV(ライフタイムバリュー)
LTVは、顧客が自社の商品やサービスを購入してから、リピート購入をやめるまでの期間で、どれだけの利益をもたらしてくれるかを示す指標です。
「LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 1年間の購入回数 × 継続年数」で計算できます。
LTVはCSと関係性があるため、高い数値の場合は顧客満足度が高いと判断できます。
カスタマーサティスファクション(CS)を向上させるメリット
カスタマーサティスファクションを向上させると4つのメリットが得られて、企業競争力が上がります。
リピーターが増加する
顧客が商品やサービスに満足できれば、リピーターとなる可能性が高まります。なぜなら、商品やサービスに対して「信頼できる」「素晴らしい」と思えば、他の商品を探さなくなるためです。
顧客のリピート率を上げれば、顧客生涯価値(LTV)が向上し、中長期で売り上げが確保できるようになり安定経営ができるようになります。
顧客ロイヤリティの強化
顧客満足度を向上させることができれば、顧客ロイヤリティが強化できます。
なぜなら「企業の商品、サービスは信頼できる」「好きなブランドだ」とポジティブな感情を醸成できるためです。
このようなポジティブな感情を抱いた顧客は「他の人に役に立ちたい」「感動を共有したい」という気持ちから、他の人に商品を推薦します。
また、SNSで良い口コミを投稿するようにもなるでしょう。このような行動により、企業イメージが向上し、新規顧客を獲得しやすくなります。
従業員満足度も向上する
顧客が商品やサービスに満足できれば、感謝される機会が増えます。
つまり、従業員は「自社はお客様の役に立つ商品を提供している」「人に感謝される仕事ができている」と感じるようになり、仕事へ誇りを抱くようになるのです。
自社への帰属意識が高まり、高いモチベーションで働けるようになるため、生産性が上がります。また、離職率低下や採用強化などの効果も期待できます。
企業イメージが向上する
顧客満足度を向上させると、ブランドロイヤリティが強化されて他の人に商品を推薦してもらえたり、SNSで良い口コミを投稿してもらえたりします。
このようなポジティブな意見が積み重なることで、企業イメージが良くなり信頼されるようになります。
また、顧客満足度は従業員満足度に紐づくと説明しました。従業員が能動的にイキイキと働くようになるため、対外的印象が良くなります。
カスタマーサティスファクション(CS)を向上させる手順
カスタマーサティスファクション3STEPで向上させられます。
現状の顧客満足度を把握する
まずは、顧客満足度を把握するために、顧客満足度調査を実施します。「期待したレベル」と「実際に感じたレベル」を分けて質問するとギャップを性格に把握できるようになります。
■顧客満足度の調査方法
アンケート調査 | 顧客満足度を調査できて、全体的な傾向を把握できる 回答に偏りが生じる可能性がある ※アンケート調査ツールを使用する |
商品レビュー | 自主的な投稿のため、顧客の本音を把握できる 顧客全体の満足度は反映されていない |
顧客データの分析 | 顧客の行動(リピート率など)で顧客満足度を把握できる 顧客の行動からの推測となる ※CRMやSFAを使用する |
お客様の要望や期待値を聞く
「期待したレベル」と「実際に感じたレベル」にギャップがある場合、どのように商品・サービスを改善すれば満足してもらえるのか、お客様の要望を聞きましょう。
■ヒアリング方法
インタビュー調査 | 顧客に伺いたいことを直接聞ける 対象顧客数が限られる |
SNS投稿の分析 | 自主的な投稿のため、顧客の本音を聞ける SNS投稿の分析に時間がかかる恐れがある |
問い合わせ内容の分析 | 顧客が抱える問題を把握できる 問い合わせのある顧客の意見のみ収集できる |
商品・サービスを改善する
お客様の要望をヒアリングできたら、整理し、共通点や頻出頻度を把握して優先順位を付けます。
要望を整理する際には「デザイン」「機能」「カスタマーサポート」「価格」とカテゴリを整理すると、改善しやすくなります。
優先順位は頻出頻度から影響が大きいもの、緊急性を伴うもので考えていき、社内で共有することが大切です。
そして、商品・サービスを改善して顧客の反応をモニタリングします。
カスタマーサティスファクション(CS)を向上させる方法
カスタマーサティスファクションを向上させるには、顧客が期待する以上の体験を提供することが大切です。
顧客が期待する以上の体験を提供する取り組みには、以下のようなものが挙げられます。
顧客の声から商品・サービスを改善する
顧客からの意見を参考にしながら、商品・サービスを改善すれば顧客満足度を向上できます。
なぜなら、企業が気づくことができなかった顧客ニーズに応えることができるためです。
顧客の声を参考にすれば、他社と差別化した商品、サービスが作れることもあります。
また、顧客は「営業担当者に伝えた要望は反映されている」と嬉しくなりファンになってもらえます。
製品のデザイン、耐久性、使い勝手など、顧客の意見はさまざまありますが、貴重な声として取り入れるようにしましょう。
カスタマーサポートを強化する
商品・サービスに関するお問い合わせをした後に、迅速に回答してもらえると、顧客は企業に安心感を抱きます。
そして、企業に対する信頼も高まります。このような効果が得られるため、顧客満足度を向上させるためにカスタマーサポートの強化が欠かせません。
チャットサポート、電話、メール、SNS、FAQなど、さまざまなチャネルを提供して、お問い合わせしやすくしたり、24時間対応のサポート体制を構築したりしましょう。
また、カスタマーサポート担当者の教育なども効果的です。
研修・教育が負担の場合は、カスタマーサポート代行業者を利用する選択肢もあります。
パーソナライズコミュニケーションを取る
顧客1人1人の好みやニーズを理解した上でコミュニケーションを取ると、顧客満足度を上げられます。
パーソナライズコミュニケーションを行うためには、CRMで顧客データを管理して、好みやニーズに合った情報提供が必要です。
おすすめの商品をレコメンテーションしたり、最適なプロモーションをしたりしましょう。
また、商品の購入頻度や購入金額により特典がつくロイヤルティプログラムも効果的です。
従業員の教育を行う
従業員に顧客視点の対応を指導すると、より良い顧客体験が提供できるようになります。
商品やサービスに関する知識やコミュニケーションスキルだけでなく、顧客対応マナーやクレーム対応、ホスピタリティ精神などを教育しましょう。
顧客対応例をもとにしたロールプイングがおすすめです。
カスタマーサティスファクション(CS)を向上させた支援事例
ゲシピ株式会社はeスポーツ英会話を提供する教育業界のスタートアップ企業です。
保護者がお子さまを入会させていますが、入会時には25%しかいなかった「英語が好き」という子供は、入会後に75%まで増えているそうです。
同社は子供にeスポーツ英会話を楽しんでもらうために、さまざまな施策を打ち出しています。
その中でも問い合わせをタイムリーに捌ききれず、お客さまをお待たせしてしまい、それが退会に繋がるということに悩んでいました。そのため、お客さまからの問い合わせの一次対応やヘルプページの更新などカスタマーサポートの強化を専門業者アディッシュへ代行を決めたのです。
ヘルプページに指示した内容を反映するだけでなく「こういった項目を追記したほうがいいかもしれません」と積極的に提案してくれる専門業者と伴走することで、カスタマーサポートの強化に成功しCS向上ができました。
関連記事:『一次対応やヘルプページ作成はもちろん、他社事例紹介も先回りしてくれて助かった。アディッシュのカスタマーサクセス支援事例【ゲシピ株式会社】』
まとめ
カスタマーサティスファクションは、顧客が自社の商品やサービスにどれだけ満足しているかを示す指標です。
カスタマーサティスファクションは「リピート数」「新規顧客数」「企業イメージ」などに関与しています。ビジネス競争力とも関連性のあるものです。そのため、カスタマーサティスファクションを向上させましょう。
この記事では、カスタマーサティスファクションを向上させる手順、方法をご紹介しました。ぜひ、これを機会に顧客体験を見直してみてください。
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この記事を書いたライター
武田龍哉
Web制作会社、広告代理店を経験後、アディッシュに入社。 マーケティング担当としてリード獲得やナーチャリングの施策立案、実行を担当した後、インサイドセールスチームへ参画。 インサイドセールスチームでは、主にカスタマーサクセスの関連商材を担当し、商談機会創出とチーム体制構築に携わる。