カスタマーフィードバックとは?収集方法やチーム強化に役立てるコツまで紹介
武田龍哉
2024.11.18
カスタマーフィードバックが重要であることは知っているけれど「フィードバックの収集方法はどうすればよいのだろうか?」「ネガティブなフィードバックへの対応はどうすべきなのか?」とお悩みを抱えていませんか?
カスタマーサクセスは多岐の業務をこなさなければいけないため、フィードバックの収集・分析まで手が回らないケースも多く見受けられます。
そこで、今回はカスタマーフィードバックの収集・分析・対応方法について詳しく解説します。ぜひ、カスタマーサクセスの強化にお役立てください。
カスタマーフィードバックとは
カスタマーフィードバックとは、自社の製品(またはサービス)を使用している顧客の意見(または反応)を指します。
カスタマーサクセスの役割は顧客が目指す目標の達成をサポートして、自社の製品を継続して利用してもらいLTVを最大化することです。そのために、顧客が求めているサポートが必要となります。
カスタマーサクセスバックを収集・分析することで「顧客はどのようなサポートを求めているのか?」「支援内容に満足してもらえているか?」を把握して、適切な支援が行えるようになります。つまり、カスタマーサクセスの強化に欠かせないものです。
カスタマーフィードバックが重要な理由
顧客を支援する上でカスタマーフィードバックが重要な理由は、サポートを適切に行えているかどうかを確認するためです。カスタマーフィードバックを得なければ「顧客は満足してくれているか?」「自社の製品をより良くするためにどこを改善すべきか?」を把握できません。
サポートを適切に行えなければ解約や流出が起きてしまいます。つまり、顧客離れを阻止するために信頼関係を築く必要があります。そのため、カスタマーフィードバックの収集・分析を積極的に行い、カスタマーサクセス支援に役立てることが大切です。
カスタマーフィードバックを活用する方法
カスタマーフィードバックを活用する方法は4STEPです。
- 目的を決める
- カスタマーフィードバックの調査対象者を決める
- カスタマーフィードバックを収集・分析する
- カスタマーサクセスに役立てる
ここでは、それぞれの手順について解説します。
1.目的を決める
まずは、カスタマーフィードバックを収集、分析する目的を決めます。
なぜなら、目的を決めなければ「いつ」「誰に」「どのような情報を収集すべきか」などの判断ができなくなるためです。そのため、カスタマーフィードバックを収集、分析する目的を決めてみてください。
■カスタマーフィードバックの目的(参考例)
ビジネスの意思決定 | 新しいサービス開発を行う |
顧客エンゲージメントの強化 | 顧客が満足する体験づくりのために何をすべきか特定する |
サービス改善 | 製品(またはサービス)の改善ポイントを特定する |
コンテンツ改善 | 顧客に見てもらえるコンテンツを制作する |
イネーブルメント(人材育成) | カスタマーサクセススキルで何を磨くべきかを考える |
2.カスタマーフィードバックの調査対象者を決める
次に、誰にカスタマーフィードバックの調査を依頼するかを決めます。
顧客からフィードバックを求めるとき「新規顧客」「既存顧客」「解約間際の顧客」などのステージや、製品の利用頻度により得られるフィードバック内容が変わります。
また、業種や会社規模でもフィードバック内容が変わるため、誰を対象に調査するかは慎重に検討しましょう。
3.カスタマーフィードバックを収集・分析する
次に、調査対象者からカスタマーフィードバックを収集して分析を行います。
どのようなフィードバックを得たいかを考慮した上で、最適な収集方法を選びましょう。
例えば、製品(またはサービス)に対する満足度や率直な意見が聞きたい場合は、匿名性アンケートもしくはSNSがおすすめです。
■フィードバックの収集方法
ヒアリング | ・対話することでニーズを具体的に聞ける ・顧客との信頼関係が強化できる ・多くの顧客からフィードバックを得るには時間がかかる |
アンケート | ・多くの顧客からフィードバックを収集できて統計分析が行える ・匿名性を保てるため率直な意見が得られる ・アンケート結果の理由がわからない場合がある |
SNS | ・顧客が自然に発信するものが多い ・ポジティブ・ネガティブな意見の広がりをモニタリングできる ・断片的な情報が多くて、分析が難しい場合がある |
サービスの利用ログ | ・顧客の実際の行動に基づいたデータを取得できる ・製品(またはサービス)の利用パターンを把握できる ・大量のデータを自動で収集できる |
Web行動履歴 | ・Web行動の流れを分析してUXを強化できる ・大量のデータを自動で収集できる ・Web行動の背景が把握できる |
eメールを活用してアンケート調査できます。しかし、フィードバックを効率的に収集・分析する場合はカスタマーサクセスプラットフォーム、アンケートツールを活用することをおすすめします。
4.カスタマーサクセスに役立てる
カスタマーフィードバックを参考にしながら、カスタマーサクセス支援内容や支援体制を見直していきまう。
例えば、顧客から製品の要望を頂いた場合は、反映すると満足してもらえるでしょう。製品を改善した場合は「お客様からの貴重なご意見を参考にさせていただき、製品を改善しました」と伝えると、顧客と良好な関係を築けて、要望を言ってもらいやすくなります。
カスタマーフィードバックの収集方法について、より詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『【翻訳】カスタマーフィードバックループ:継続的改善のためのインサイト収集』
カスタマーフィードバックを上手く活用するポイント
カスタマーフィードバックを上手く活用するポイントは5つあります。
フィードバック収集のタイミングを見極める
フィードバック収集のタイミングを見極めることも大切です。
例えば、顧客が最初にプロダクトを利用した際の意見を収集すれば「顧客がどのような場面でサポートを必要としているのか」「プロダクトで操作が難しい箇所はどこか」を特定できます。
また、契約更新者の意見を収集すれば「自社製品が選ばれる理由はどこなのか」を把握することが可能です。このように、フィードバック収集のタイミングにより得られるものが異なるため、よく見極めるようにしましょう。
複数のフィードバック収集方法を活用する
カスタマーサクセスに役立てるために顧客の意見を収集する際には、複数の方法を併用することが大切です。
例えば、アンケート調査で顧客全体の傾向を把握した上で、インタビューで具体的な改善点を把握するなど工夫することにより良い判断ができるようになります。
そのため、カスタマーフィードバックの収集方法を1つに絞り込まずに、複数の方法を併用するようにしましょう。
アクションに優先順位をつける
カスタマーサクセスは、多くの顧客を支援しているため業務が逼迫しやすいです。そのため、カスタマーフィードバックの1件1件に対応するのは現実的でありません。
カスタマーフィードバックのデータ分析結果、ダッシュボードを見ながら「多くの顧客が求めていることは何だろうか」と考えてインパクトの大きいものから優先的に取り組むようにしましょう。
チーム全体でフィードバックを共有する
カスタマーフィードバックはチーム全体で共有しましょう。テキストベースの顧客の意見を共有しても、全てに目を通すことはできません。
したがって、カスタマーサクセスプラットフォームやアンケートツールにあるダッシュボードを使用して、フィードバック傾向が掴めるようにしておくことをおすすめします。
社内全体で「どこに課題があるのか」「どのように改善すべきか」の共通認識が持てるようになり、より良いサービスが提供できるようになります。
フィードバックを継続的に収集する
フィードバックは一度集めて終わりではなく、継続的に収集することが大切です。なぜなら、市場や顧客ニーズの変化によりフィードバックの内容が変わるためです。
例えば、オンラインビジネス普及前は「近くの場所に店舗を展開して欲しい」と要望があったけれど、オンラインビジネス普及後は「オンライン上のサポートを強化してほしい」と要望が増えたというようなケースもあります。
このように、市場や顧客ニーズの変化によりフィードバックの内容は変わるため、フィードバックを継続的に収集するようにしましょう。
カスタマーフィードバックの活用事例
カスタマーフィードバックを上手く活用している企業は、どのように顧客の意見を収集して反映しているのでしょうか?ここでは、カスタマーフィードバック活用事例をご紹介します。
Salesforce
出典元:『Salesforce』
Salesforce社は、CRMツール「Salesforce」を提供している企業です。CRMツール「Salesforce」を継続的に使用してもらうためにカスタマーサクセスを強化しています。
Salesforceは「IdeaExchange」と呼ばれるフィードバック受付専用のプラットフォームを設けています。
出典元:『IdeaExchange』
顧客はプラットフォーム上でSalesforceに搭載して欲しい機能を伝えられて、多くの投票が得られればサービス改善に採用しているのです。
このような仕組みで、フィードバックを基にサービス改善を行い、世界中の企業にとって不可欠なCRMツールを開発しています。
HubSpot
出典元:『HubSpot』
HubSpotは、マーケティング、セールス、カスタマーサービスを統合したプラットフォーム「HubSpot」を提供する企業です。HubSpotは顧客から寄せられる意見を真摯に受け止めています。
例えば、HubSpotの操作方法がわからない方に対しては学習サイト「HubSpotコミュニティ」を提供しており、UIに関する意見があればすぐに反映しています。
出典元:『HubSpotコミュニティ』
カスタマーフィードバックを取り入れてHubSpotを改善することで、中小企業も利用しやすいマーケティングプラットフォームとしての地位を確立することができました。
Dropbox
出典元:『Dropbox』
Dropboxは、クラウドベースのファイル共有およびストレージサービス「Dropbox」を提供する企業です。同社は、顧客からのフィードバックを積極的に取り入れてストレージサービス「Dropbox」を開発してきました。
ストレージサービス「Dropbox」を提供し始めた頃に「チームでファイル共有や編集作業を行いたい」という要望が多く寄せられ、それを受けてチームコラボレーション機能を開発しました。
コラボレーションツールとしての機能が大幅に拡充され、ビジネス利用に最適なプラットフォームと注目を浴び、個人ユーザーだけでなく、企業ユーザーにも広く利用されるサービスへと成長を遂げました。
カスタマーサクセスのフィードバック収集なら「アディッシュ」
株式会社アディッシュは、カスタマーフィードバックの収集・分析を得意とする会社です。
カスタマーフィードバック傾向を分析できるツールも提供しています。SNSやウェブのユーザーの投稿をリアルタイムでモニタリングし、感情分析、トレンド分析を通じて適切な対応策講じることができます。
カスタマーフィードバックの収集・分析の質を高めるだけでなく、業務効率化にも役立つツールです。
株式会社アディッシュはカスタマーサクセス代行サービスも提供しているため、カスタマーサクセス業務に課題を感じている方はお気軽にご相談ください。
>>アディッシュのサービス詳細情報はこちら
まとめ
カスタマーフィードバックとは、自社の製品を使用している顧客の意見(または反応)を指します。フィードバックは顧客へ適切なサポートを行えているかどうかを確認するために重要です。
しかし、単純に顧客の意見を収集すれば課題を特定できるわけではありません。フィードバックを収集して、「いつ」「誰に」「どのような情報を収集・分析するか」の判断することが大切です。
株式会社アディッシュは、カスタマーサクセスのフィードバックの収集・分析を得意とする会社です。そのため、カスタマーフィードバックの収集、分析をしてみたいとお考えの方はお気軽にご相談ください。
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この記事を書いたライター
武田龍哉
Web制作会社、広告代理店を経験後、アディッシュに入社。 マーケティング担当としてリード獲得やナーチャリングの施策立案、実行を担当した後、インサイドセールスチームへ参画。 インサイドセールスチームでは、主にカスタマーサクセスの関連商材を担当し、商談機会創出とチーム体制構築に携わる。