BtoC企業が取り組むべきカスタマーサクセスの重要性
小原良太郎
2024.12.20
BtoC企業におけるカスタマーサクセスの重要性とその具体的な実践方法について解説します。競争の激化する市場で顧客満足度を向上させるための戦略を学びましょう。
BtoCでもカスタマーサクセスが求められる理由
カスタマーサクセスはこれまでBtoB企業を中心に注目されてきましたが、最近ではBtoC企業でもその重要性が高まっています。特に、サブスクリプション型のビジネスモデルを採用する企業では、顧客維持のためにカスタマーサクセスの概念がすでに浸透しています。しかし、ここ数年では非サブスク型のBtoC企業でも、この取り組みを始める動きが見られます。
この背景にはいくつかの要因があります。一つは市場の競争激化です。消費者は多くの選択肢を持ち、顧客体験の質が購入決定に大きな影響を与える時代となっています。さらに、SNSや口コミが広がりやすい環境では、顧客満足度がブランドの評判に直結します。そのため、BtoC企業でも、単なる製品販売に留まらず、顧客が製品やサービスを通じて「成功」を感じられる体験を提供することが求められています。
BtoCにおけるカスタマーサクセスの定義とその違い
BtoCにおけるカスタマーサクセスの核は、「顧客が求める成果を達成する手助けをすること」です。この考え方はBtoBと変わりませんが、アプローチ方法には違いがあります。
たとえば、BtoBでは担当者が個別に顧客の課題をヒアリングし、解決策を提案する「ハイタッチ」型が一般的です。一方、BtoCでは、一人ひとりの顧客に直接対応するのはコスト的に難しいため、1対多数(1:N)やセルフサービス型の取り組みが主流となります。
カスタマーサクセスがもたらす具体的なメリット
BtoC企業がカスタマーサクセスに取り組む最大のメリットは、顧客のロイヤルティを向上させられる点にあります。具体的には以下のような成果が期待されます。
・リピート率の向上
顧客が製品やサービスの価値を実感すれば、自然と継続利用が増えます。たとえば、コーヒーのサブスクリプションサービスでは、適切な飲み方や活用方法を共有することで、契約の延長や追加購入につながります。サブスクでなくても、再購入されることになります。
・紹介や口コミの増加
顧客がポジティブな体験を得ると、友人や家族にサービスを勧めたり、SNSで共有したりする可能性が高まります。口コミは信頼性が高く、広告に比べて費用対効果も優れています。
BtoCのカスタマーサクセスにおける課題
しかし、BtoCのカスタマーサクセスには独特の課題があります。
・ハイタッチの実現が難しい
膨大な数の顧客一人ひとりに専属のサポートを提供するのは現実的ではありません。そのため、スケーラブルな方法が求められます。
・どの部門が対応するのか
マーケティング部門とカスタマーサポート部門の間に位置するような役割になります。カスタマーサクセスは、顧客を獲得するマーケティングと、顧客をサポートするサポート部門の間に位置します。そのため、責任範囲が曖昧になりがちです。
・1:Nの取り組みが重要
コスト効率を保ちながら、顧客に価値を届ける方法を模索しなければなりません。これには、デジタルツールや自動化の活用が不可欠です。
・データ取得
カスタマーサクセスではプロアクティブな対応がキーですが、そのためには顧客の状況を把握する必要がありますが、売り切りの製品の販売などは購入後の利用者の状況が把握できません。その場合、適切なカスタマーサクセス施策が実現しづらくなります。
カスタマーサクセス施策はどうしたらいいのか
BtoC企業がカスタマーサクセスを成功させるためにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは顧客の成功の定義をしっかりと定めることです。顧客が購入後、どういった状態になっているのが適切な状態になるのか考えられているか見てみましょう。またその状態は1つではありません。
上記を考える際にポイントになるのはマーケティング施策においてどのような価値提案をしていたかです。価値提案に対してその価値が実現できているのか、できていないのであればどのような支援があれば実現できるのかを考えていくことになります。
基本的には価値を実現できるようにするための補助コンテンツを用意していくことになるでしょう。FAQはもちろんですが、動画や記事などで支援していくことが可能です。
またそれらのコンテンツをどう顧客に送り届けていくかも考える必要があります。顧客のメールアドレスなどを取得していなければコンテンツを送り届けるのは簡易ではありません。LINE公式アカウントなど、何らかのチャネルを用意しましょう。またマーケティング部門でも近しいチャネルを抑えていたりするかと思いますので、そのあたりをマーケティング部門と連動しながら活用させてもらいましょう。
その他にはコミュニティを運営することも考えられます。製品やサービスに興味を持つ顧客同士が交流できる場を提供し企業が直接関与せずとも、顧客間でサポートや情報共有が行われる仕組みを作れます。
このように様々なことが考えられますが、販売している商品によって大きく変わってくるはずです。まずは顧客にどういう状態になってもらいたいか、その上で顧客がそうなるためには足りないところをどう補助していくか、と考えていくことをおすすめします。
この記事を書いたライター
小原良太郎
アディッシュの執行役員経営戦略本部長。経営戦略やマーケティングなどを担当。前職ではMarTech SaaSでマーケからカスタマーサクセスまでマネジメント。