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チームに特化したミッションバリューを掲げることで目線が揃い、ゴールがブレないカスタマーサクセスチームを目指す。株式会社RevComm様

今回は、音声解析AI電話「MiiTel」等の音声技術とAIによって、インサイドセールス市場を中心に、営業やコールセンター業務におけるコミュニケーションの課題を解決する株式会社RevComm(https://www.revcomm.co.jp/) 、カスタマーサクセスチーム マネージャー 峰松 隆太郎様と同社カスタマーサクセスチームの古関 孝則様にお話を伺いました。

カスタマーサクセスチーム独自のミッションバリューを掲げるRevComm社。同社がカスタマーサクセス(以下、CS)市場で常に先進されている秘訣を、組織体制やCSとして大切にしているポイントなどを伺いながら紐解いていきます。

インタビュイー:
カスタマーサクセスチーム マネージャー 峰松 隆太郎 様

カスタマーサクセスチーム マネージャー_峰松 隆太郎 様

 

カスタマーサクセスチーム 古関 孝則 様

カスタマーサクセスチーム_古関 孝則 様

 

スーパーで魚を捌いていた小売業職からカスタマーサクセスにキャリアチェンジ

お二人のプロフィールを教えてください。まずは峰松様お願いします。

峰松様:新卒でSansan株式会社に入社しました。入社後はカスタマーサクセス部に配属となり、社会人キャリアのスタートから同職を経験しています。その後は、プロダクトマネージャーとしてプロダクトの改善とアップデートを目的にデザイナーと連携しながらサービスのUI/UX設計を行っていました。次の異動ではフィールドセールスを経験しました。初回商談から新規受注までを担い、約6年の在籍後にSansanを退職しました。

Sansan退職後、2020年7月にRevCommのCSとして入社し、現在は25名ほどが在籍するCSチームのマネージャーを担当しています。(カスタマーサポートチームは別にあります)

 

転職軸はカスタマーサクセスに絞っていましたか?

峰松様:どちらかというと職種よりも、「どんな事業に携わり、どんなミッションを達成するのか」という部分に重心を置いて転職活動をしていました。その中で、自分が会社に対して一番貢献できると思ったのがCSだったため、という順番になります。

 

ありがとうございます、古関様もお願いします。

古関様:私は複数社経験しており、RevCommは4社目になります。スーパーで魚を捌いたり、品出しをしたりするなど、ITとは全く無縁のキャリアから社会人をスタートしました。非常にハードワークであり、人に依存するビジネスモデルであったことに課題を感じ、2社目で法人営業へとキャリアチェンジしました。CSに触れたのは、3社目のメンタルヘルステック事業を取り扱う企業でした。最初は法人営業を担当していましたが、社内組織の改革が必要と感じ、カスタマーサクセスを1年ほどで立ち上げました。そしてCSとしてのキャリアアップを考え、RevCommに1年前に入社しました。

 

カスタマーサクセスチーム独自のミッションバリューを設定

次にRevComm社のCS組織体制について教えてください。

峰松様:弊社のCSは大きく分けるとEnterprise、SMB、TechTouch、の3チームに編成されています。主にハイタッチはEnterpriseとSMBチームが担当しており、Enterpriseチームでは2,000名以上の規模の企業様を、SMBチームでは2,000名未満の企業様を、というように、従業員規模で振り分けをしています。

CS側のEnterpriseチームではSales側のEnterpriseチームが受注したユーザー様の支援を担当し、CS側のSMBチームは、Sales側のSMB・GBチームが獲得したユーザー様を担当、そしてTechTouchチームでは中小規模のユーザー様の担当をしています。

Sales側のSMB・GBチームは、新規受注までが対応領域となるので、受注後についてはすべてCSのSMBチームで対応します。一方、Sales側のEnterpriseチームは受注後も、CSのEnterpriseチームと連携しながら顧客深耕を行っていくという違いがあります。

チームの人数比については、Enterprise、SMBチームが多く、それぞれ1人あたり約20-30社を担当しています。

 

ミッションバリューについて教えてください。

峰松様:私たちは会社としてのミッションバリューを掲げながら、CSとしてのミッションバリューも別途定義しています。

MiiTel_Misson_Value


1、信頼できるパートナーとして、顧客のミッション達成を支援する

やはりSaaSのプロダクトは導入した後に、成果を出していただけることが重要です。他の企業様でも同様のミッションをお持ちのところは多いかと思います。

2、エバンジェリストとして、より多くの方にMiiTelの価値を届ける

カスタマーサクセスの「カスタマー」を現在アカウントを持っている目の前のユーザー様だけではなく、BtoBなので取引先企業全体と捉えております。まだ弊社のサービスを導入していないが、価値貢献できるであろうという部門がある場合には、そこに対してしっかりとアプローチして当社ができる価値貢献を最大化させていくのがCSとして重要だと考えております。

3、顧客の声を開発側に届け、プロダクトの進化を促す

文字通りにはなりますが、より良いサービスの提供のために開発側とも連携し、ユーザー様の声を共有しあうということを行っています。

KPIとしては、1はチャーンレートに紐付いており、2ではアップセル/クロスセルなどを設け、いかに拡大できたかを設定軸にしています。

 

チームとしてミッションバリューを設定されているのは、とても興味深い取り組みですね。メンバーのみなさまはこの体制についてどのようなマインドをお持ちですか?

古関様:過去在籍していた企業にはこのようなチームとしてミッションバリューを設定しているところはなかったので、私も入社当時は非常に新鮮に感じました。

このミッションバリューは、CS業務にフォーカスした内容になっており目指すべき方向が明確になっているためポジティブに捉えています。また、この内容に違和感を覚えているメンバーもいません。むしろこの体制によってチームが崩れにくく、目指す方向性が整っていける一つの指標になっていると考えています。

 

ミッションバリューはCS立ち上げ当時から設定していたのですか?

峰松様:当時はありませんでした。設定したのは2021年7月頃ですね。CSは対応する業務の幅が多岐にわたることが多いため、重要視すべきところが人によってはぶれやすい部分があると思っています。またCSといっても企業ごとに守りと攻めの割合が異なるため、弊社がどのようなカラーをもって業務を遂行していくのか、ということを入社したメンバーに違和感なく理解いただきたいという背景もあり、チームとしてのミッションバリューを設定しました。

 

チームにミッションバリューを浸透させるために工夫された点を教えてください。

峰松様:まず、週次での定例をCS全体で実施しているのですが、それぞれが各ミッションとバリューを体現できたことを話してもらい、メンバーがどのように捉えているのかを確認しています。その他、どうしてもフルリモートでの業務体制のため、周りのメンバーの行動が見えづらいところがあるのでナレッジシェアの観点を意識しながら、他のメンバーがミッションバリューについてどう考えいているのかを共有し合うことを行っています。

CS全体の週次定例のほかにEnterprise、SMB、TechTouchの各3チームごとの定例や朝会、マネージャーとの個別1on1などを実施し、その他Slack上でのテキストコミュニケーションも活発に行っています。前述でお伝えしたようにフルリモート環境下なので対面コミュニケーションがない分、積極的にミーティングの場を設定するようにしています。

 

入社当時たった6名のチームから体制を拡大した2年半の成長期

峰松様が入社した当時と比べ、ミッションバリューも設定されるなどこの2年半で感じる変化はありましたか?

峰松様:私が入社した当時はCSも6名しかおらず、同期で入社した現在はEnterpriseチームマネージャーの中村と既存メンバー4人の組織でした。そのため現在のようにチーム分けもしておらず、組織としても形になっていなかったため、とにかく導入いただいたユーザー様へそれぞれが対応していくような感じだったかと思います。

ちょうど私が入社したのがお客様が増えたタイミングだったのですが、全ての顧客をハイタッチで対応していくことに限界が出ており、メンバーも疲弊しているような状況でした。そのため、まずは3チーム体制にしてTechTouchの仕組みも導入することで継続的に支援できる体制を目指し、現在のような構成に整えていきました。

 

25名体制となった現在、課題に感じていることはありますか?

峰松様:まずは、人数が増えていくことによって少しずつ組織が階層化しているためチーム内で関わりの少ないメンバーが出てきてしまうことが挙げられます。そのため前述させていただいたナレッジシェアの場をより積極的に設けるなどコミュニケーションの機会を増やしたり、他メンバーのことを知る機会を設けています。

 

最も重視することは「NRRの最大化」

KPIの設定ポイントを教えてください。

峰松様:「NRRの最大化」を重要視しており、それを分解して「チャーンレートを下げる」こと、そして「アップセル/クロスセルを獲得していき、既存の契約を大きくしていく」、という2点をKPIとして設定しています。どちらも重要なのですが、後者のアップセル/クロスセルを獲得し、施策をめぐらせていくことに、より重心を置いています。

理由としては、有難いことにチャーンレートが現状低い数字で安定しているということ、また弊社サービスMiiTelは単月、1 IDから申し込めるようになっており、入り口の敷居を低くして提供をしていることが挙げられます。お試しで始められる企業様も多いため、導入後にいかに契約を最大化していけるかがビジネスモデル上、重要な要素となっております。

一方でアップセルの獲得だけではなく、現導入部門に対し活用支援を実施しながら伴走し、成果を出していくというのも大事にしており、こちらに関わる部分についてもお話させていただきます。

直近もアップデートしているのですが、弊社では顧客の活用フェーズをレベル0からレベル5まで6段階で設定をしています。

各レベルの定義等は画像の通りですが、特徴的なところとしてレベル2を「活用にTryしているが課題と紐づいていない」と定義しています。弊社サービスは比較的ユーザー様がファンとなって導入いただくケースが多いため、HOWである機能面ばかりにフォーカスを当ててご提案をしてしまうと、結局「MiiTelの活用にはTryして変化は出たものの、取り組みが組織として優先度の高い課題を紐付いておらず、工数をかけたものの本質的な課題解決には繋がらない」というお互いにとって不幸な事態が発生してしまいます。

そのためCSチームでは、各企業の課題解決に重心をおいてレベル3で設定している「組織課題と活用が紐づいている」ことを目指し、課題を洗い出すことを大切にしています。Valueに挙げている「顧客の一番の理解者であり、最良の相談相手になる」もそういった想いがあるからこそ大事にしている点となります。

そうすることでレベル4「KPIの改善に繋がる」ところから、レベル5の「キーパーソンとROIの合意」フェーズに繋がるご提案がよりスムーズとなるのではないかと考えています。

フェーズ詳細


KPIと各フェーズを実現するためにどのような取り組みをしているのかを教えてください。

峰松様:まず鍵になるのは「顧客のビジネスへの理解があること」です。その前提の上で、アカウントプランをしっかり作ることが大切です。その企業がどのような組織構成で、どのようなプロダクトをもち、該当する市場の市況感がどうなっているか、成長しているのか緩やかに衰退している市場なのか、その中で競合がどこで、その企業の強みはなにか、それらを踏まえた上で今後事業成長していくためにはなにが必要なのかという仮説を立てます。作成したアカウントプランに対し、各チームリーダーがテストを行うことで質を担保しているのと、それを踏まえた上でアクションプランを決め、フェーズを上げていくための行動をしていくという取り組みを1年ほど前から行っています。

 

古関様:現在、私は特にアカウントプランを重視しています。峰松からのフィードバックでもこのプラン設定が弱いと指摘を受けることもありますが、「MiiTelを使いましょう」ではなく、「MiiTelでなにをしたいのか」を噛み砕くことを日々気をつけて行っています。

 

峰松様:加えて、先程のミッションバリューの「MiiTel を深く理解し、さらなる可能性を引き出す」に該当する話になりますが、今ある勝ちパターンだけを基に提案を行っていくと、今後の伸び代が限定的になり将来苦戦することになると考えています。そのため、まだ成功事例が無いものでも、「こんな活用も成果に繋がりそう」と思ったことは積極的に試して企業としての引き出しを増やしていくことにも取り組んでいます。

また、勝ちパターンを増やしていく際に、今あるプロダクトでは叶わないこともあるため、ミッションに掲げる「顧客の声を開発側に届け、プロダクトの進化を促す」のように、プロダクト側と密に接続しながら進めていくという点も大切にしています。

 

CSのやりがいは「ファンをいかに増やせるか」を考えながらユーザー様とコミュニケーションを取ること

次にキャリアについて伺います。現在、CSをされていて感じるやりがいについて教えてください。

古関様:私のチームはエンタープライズの担当となるので、同じ企業の中でも異なる部門で異なる課題をお持ちの方々とやりとりしていく事が多く、その中で「ファンをいかに増やせるか」という点を大事にしています。複数の関係者の中でファンを増やし、どうしたらうまくお客様のビジネス成長へ貢献していくことができるのかというのは日々大変なことではありますが、楽しく学んでいます。

 

峰松様:BtoBにおいては、プロダクトを渡しただけで使いこなしてもらうということはこれまでの経験含めて、ハードルが高いことだと思っています。もちろんCSが関与することなくサービスをうまく活用いただけるのが理想ではありますが、それが難しいのは、各社ごとにそれぞれの業務フローや制約事項があります。そのため、カスタマーサクセスの役割はBtoB SaaSのビジネスにおいて特に重要性が高いと考えています。

また、導入したからといってすぐに数字に繋がるのかというのはお約束ができない部分ではありますが、弊社CSチームは営業コンサルティング的な要素も担っており、色々なデータを見ながら各施策をご提案しています。そこからユーザー企業様が実際にKPIを改善されたとなると、もちろんプロダクトの力でもありますが、各CSの提案による結果でもあると思っています。その点は、かなりCSとしてのやりがいではないかと考えます。

そして弊社は守りだけでなく攻めにも注力しているため、顧客だけではなく自社の事業成長にもダイレクトに貢献することができるのは魅力的なポイントだと思っています。

 

古関様は他業種からCSを担当されていますが、現在の職種で活かされていることはありますか?

古関様:魚を捌いていた経験は正直あまり繋がりがないですが(笑)、法人営業経験は現在もかなり活かされていると思います。やはりお客様といかに対等にコミュニケーションをとっていくのかという点が大切なので、経験してきてよかったなと。

 

CS未経験でも向いている人の特徴や必要なスキルについて教えてください。

峰松様:「顧客理解」と「分析力」、そして「プロダクトへの興味関心」が大切だと思います。ただサービスに詳しいだけでは付加価値に繋がらないので、ユーザー様の課題を理解しつつ、適切な分析、提案をできる人は強いかなと思います。また対人コミュニケーション能力も大切なスキルですね。

 

RevComm様のCSメンバーにも未経験者の方がいますか?

峰松様:ほとんどがCS未経験でのスタートですが、法人営業経験は必要要件としています。

弊社のサービスがセールスを科学するためのものになるため、営業経験がCSとしての活用支援にも活きるのと、既にお話の通り当社CSは守りだけでなく攻めの要素も持っており顧客のビジネス理解を重要視しているためです。

 

事業課題にフォーカスするのはハードルが高いかと思いますが、法人営業を経験している方はそのスキルをお持ちの方が多いというイメージでしょうか?

峰松様:そうですね。単に法人営業をやってきたというだけではなく、面接の中でKPIの数字だけでなく、達成するために先行指標なども含めて数字を分解し、ロジカルに分析することができるかという点を重視して見ていたりします。

 

今後CS業界はどうなっていくと思いますか?

古関様:二極化していくと思います。一つは営業コンサルティングとして、もう一つはチャーン抑止していくためのサポート側になっていくのかなと推測しています。

 

「世の中にいかにインパクトを与えられるか」を考えながら、「まだ無い当たり前」を作りたい

最後に、今後のキャリアについて教えてください。

古関様:今後もCSとしてのキャリアを描いていきたいと考えています。ですが、10年後にどうなりたいかについては正直まだ見えていないなという感じです。というのもCS自体が日本に浸透し始めてまだ3、4年くらいのため今後がどうなるのかが読めないためですね。ですがビジネススキルとしてはCSは、顧客折衝やアップセル/クロスセル獲得、チャーン抑止など必要な要素が多いため、今後もそれらのスキルを磨いていきたいと思います。

 

峰松様:私はCSという職種に強いこだわりがあるというよりも「世の中にいかにインパクトを与えることができるのか」を重要視しています。個人的には「世の中を変える」のはテクノロジーであり、プロダクトだと思っており、「まだない当たり前を作っていく」ために、そこに近い領域で自分ができる最大限のことをやっていきたいです。

前述したようにプロダクトのみではユーザー様にご満足いただくことは難しいケースもあり、CSはそこに伴走することで一緒に勝ちパターンを作り上げていくことができるという点で非常に魅力を感じています。

そのため、今後もよいプロダクトに携わりながら、ユーザー様に価値提供をしていきたいと思います。

 

CSとして日々顧客価値の最大化に向き合っておられる株式会社RevComm様にお話を伺いました。ありがとうございました。


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