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「ペルソナ=自分たち」の初心を忘れない。サービスそのものを成長させていくカスタマーサクセス基盤として、機能とサービスの充実を追求する【株式会社ユニリタ様】

今回取り上げさせていただくサービスは、株式会社ユニリタが展開するカスタマーサクセスプラットフォーム『Growwwing(グローウィング)』(https://www.growwwing.jp/index.html)です。『Growwwing』が取り組む、カスタマーサクセスの活動や重視していることについてサービスの開発者であり、現在事業統括を務めていらっしゃる尾上雄馬様にお話を伺います。
(聴き手:アディッシュ株式会社 武田)

 

Growwwing画像 (1)

 

CS業務立ち上げ時の課題解決の実体験をもとに生まれた『Growwwing』

ー『Growwwing』 が生まれた背景について教えてください

尾上様:私は2007年の入社以来、IT部門向けのヘルプデスクサービス『LMIS(エルミス)』事業に開発担当として携わっていました。立ち上げ当時は小さい組織だったので、開発のみならずお客様のサポートなどさまざまな現場業務を経験しました。そのうち解約率の高まりに危機感を抱き、カスタマーサクセス(CS)チームを立ち上げることになりました。

CSチームでは、顧客情報の分析やさまざまなアクションを試行し、解約率を3分の1以下にすることに成功しました。その際に直面した課題解決の経験や、業務を遂行する中で得たノウハウをもとに汎用的なサービスの形へ進化させたのがCSプラットフォーム『Growwwing』です。

そして2019年、社内で新規事業を公募するペンギンチャレンジ(https://www.unirita.co.jp/recruit/welfare.html#penguin)という制度にエントリーして、実用検証を行い事業計画の立案を経て採用されました。事業部として正式に活動を開始したのは2020年の10月からです。

 

ー具体的にはどのような課題があったのでしょう

尾上様:CSチームを立ち上げた時に、問い合わせを管理するツールはあったのですが、顧客情報が分散していたことでスムーズに業務を進められずに困っていました。具体的には、営業管理でセールスフォースを使っていたのですが、正式な契約情報の確認には別途Excelで管理されているデータを見る必要があったのです。ただExcelの契約情報だけでは導入背景が読み取れません。それで、一つのシステムにそれぞれのデータを統合して、一元管理できるようにしました。

そこにお客様ごとのご利用状況や、過去に解約された時の情報などもわかっている範囲で入力していきました。そうして解約理由、あるいは利用状況の変化から読み取れる傾向などを分析するため、ダッシュボードの機能を作成して……と、『LMIS』をベースに機能を拡充していきました。業務プロセスを管理しながらPDCAを回す基盤ができはじめ、ゴールに向かって進めると実感しましたね。

 

目的はCS業務のみならずサービス全体の改善。PDCAの回しやすさが強み

ー豊富な機能を持つ『Growwwing』ですが、強みはどのような点ですか

尾上様:『Growwwing』には、蓄積された顧客データに基づいた最適なアクションの実施をサポートする豊富な機能が揃っています。そして、もともと当社が強みとしていたISOやITIL®といった、プロセスマネジメント、サービスマネジメントのノウハウを入れ込み、CS業務の個別最適ではなくサービス全体を改善するという視点で設計されているため、PDCAを回しやすいのがユニークなポイントです。こうしたサービスマネジメントへの考え方に共感されたお客様から、カスタマーサクセス基盤構築のご相談をいただくことも増えています。

また、我々もそうであったように社内にデータが分散しており、最適な顧客接点を築けないという問題は往々にしてあります。それを解決するために、私たちは本来連携すべきデータを『Growwwing』に統合して必要な情報を可視化する環境を構築するノウハウや、それを実現するために専用のETLサービス『Growwwing Data Connect(グローウィング データ コネクト)』を提供しています。連携・分析対象となるデータが増えても、お客様自身でメンテナンスできるため、サービスの進化に速やかに追従することが可能です。こうした柔軟性や、地に足のついたデータマネジメントの実現性を評価いただき、採用の決定打となるケースが多いですね。

 

ー『Growwwing』らしい、ユニークな機能といえば?

尾上様:機能単位でユニークなのは、プレイブック機能でしょうか。『Growwwing』では、お客様がサービスをうまく使えているかどうか、NPS(顧客ロイヤルティー(企業やブランド、サービスなどに対する愛着や信頼)を数値化するための指標。)のデータを分析しながら『どんなフォローアップをすべきか』というタスクを自動生成するプレイブック機能を備えています。これによって、データドリブンでプロアクティブにお客様にアプローチすることが可能になります。

 

ーあるべきプロセスから丁寧に設計されているのですね。

 

CS担当者同士の繋がりが生まれるユーザー会など、お客様にご満足いただくためのさまざまな仕組み

ー現在CSチームはどのような構成になっているのですか

尾上様:『Growwwing』のCS組織は、オンボーディングとそれ以降のカスタマーサクセスとに担当が分かれています。経験者もいますが、ほとんどが社内の教育を受けながら現場で経験を積んできたメンバーです。当社は中期経営計画でCSへの注力を明示しており、事業部内で実施しているオンボーディングプログラムのほか、全社的に行われる新人向け研修の中にもCSの講義が入っています。

 

ーCSチームの取り組みについて教えてください

尾上様:定期的なミーティング以外に、いつでもお問い合わせ可能な窓口をウェブで開放しています。そのほかに「活用クリニック」というメニューもご用意しています。これは1回当たり2時間、マンツーマンのミーティングを無償で対応させていただくもので、月に2回までご利用可能となっています。内容によっては当社への作業依頼になるケースもあるため、その場合は有償メニューもご用意しています。

そして、今年度からは3ヶ月に1度のペースで『Growwwth Garden』という小規模なユーザ会をオンラインで開催し始めました。「オンボーディング」「人材育成」など毎回固有のテーマを設定し、参加者の方々に取り組みを発表していただくものです。『Growwwing』の活用方法や他社のCS活動の実践事例を、自社の取り組みのヒントにしていただけるような場としてご活用いただいています。CS担当者様同士がつながる機会にもなりますし、アンケートやその後のお声からも、非常に満足していただいている企画です。

 

ー活動の成果としてはどんなことが挙げられるでしょうか

尾上様:解約率の低下はもちろんですが、徐々にクロスセルの機会をいただくことも増えてきました。社内の別事業で、CS業務と親和性の高い『CommuRing(コミュリング)』というコミュニティタッチのサービスを紹介させていただいたり、カスタマーサポートの業務設計も一緒にというお客様には『LMIS』も連携して導入いただいたりとサービスプロセスの中でご支援できる範囲が広がっています。

また、オンボーディング終了時に行っているNPSの数字がかなり高いというのも、一つの成果と捉えています。過去にIT部門向けに色々なサービス提供してきて、大規模なプロジェクト管理の経験も豊富だったことが、導入・設計サポートの質の高さに繋がっていると自負しています。

 

サービス提供に関わる業務間をより柔軟に接続できるような機能の充実化、AIを活用したCS業務の省力化を目指す

ー市場としてのCSの現状を踏まえて今後の展望をお聞かせください

尾上様:CSという考え方、あるいは仕事は、いまやBtoBのSaaSビジネスでは一般化しつつあります。一方で積極的に取り組んでいなかった企業もあるわけですが、こうした企業の情報収集が始まっていますね。当社へのお問い合わせの傾向としても、以前はSaaSを提供するスタートアップが主流でしたが、エンタープライズ企業からのお話が増えてきています。

コニカミノルタ(株)様の事例などがあるように、初めて取り組むお客様のCSの組織設計やプロセスの最適化、つまり基盤設計の支援の需要はますます高まるでしょう。さまざまなお客様の取り組みに伴走し、培ってきた実績からそれに応えていきたいと考えています。


ーサービスとして力を入れていく部分、強化したい機能についてぜひお聞かせください

尾上様:『Growwwing』の事業コンセプトは、CSの改善を通じて、サービスそのものの成長サイクル(Service Growth Cycle)を回していくことにあります。ですからサービス提供に関わるさまざまな組織や役割、各業務の間をより柔軟に接続できるように機能の充実化を図っていきます。

例えばマーケティング・営業組織のMA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)、開発部門のプロジェクト管理ツールなどが連携先のイメージです。
『Growwwing』に蓄積されている情報をCS側から受け渡したりフィードバックを行えるような仕組みになれば、サービスの成長に大きく貢献できるでしょう。

もう一つは、AI活用です。うまく活用することでCS業務の中で属人化している部分を改善できます。例えば顧客対応のメールの作成や配信の自動化など、ちょっとしたことの積み重ねでもCS担当者の生産性の向上につながります。

このサービスを作った時からペルソナは自分たちですから、日々の業務での気づきをどんどん製品開発に盛り込み続けていきたいですね。

 

―尾上様、本日はありがとうございました。


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