動画マニュアルを作成する際の重要なポイント

小濵敬人
2025.05.02

昨今ではYouTubeをはじめとしたさまざまな媒体で動画コンテンツを目にする機会が増えるようになりました。
ビジネスへの応用も多岐にわたり、最近では動画マニュアルを活用する企業が増えているように感じます。
一方で動画マニュアルの作成や管理で困っている声もよく耳にします。
「どうやって作ったらいいかわからない」
「作ったはいいが、管理に手間がかかっている」
「どのくらいの頻度で更新すればいいかわからない」など、、、
ただ闇雲に着手してしまうと、動画作成に多くの時間を費やすことになってしまったり、管理工数が大きくなってしまいかねません。
視聴者にとってわかりやすいマニュアルを作成することはもちろんですが、効率的に作成することも重要な要素になってきます。
この記事では動画マニュアルを作成する際の重要なポイントについてご紹介します。
動画マニュアルとは?
動画マニュアルとは、ソフトウェアの操作方法、製品の組み立て方、業務の手順などを動画で解説するものです。従来のテキストや静止画によるマニュアルとは異なり、音声やテロップ、画面共有などを組み合わせることで、複雑な情報も視覚的に、かつ直感的に伝えることができます。
例えば、新しいWebサービスの使い方の説明や、社内システムの操作方法、機械の操作手順などを動画で作成することで、顧客や従業員がいつでもどこでも確認できるようになります。そのため、疑問点をすぐに解決できるようになり、業務効率化や顧客満足度向上に繋がります。
視覚的な情報と音声による説明を組み合わせることで、テキストだけでは伝わりにくいニュアンスや動きを正確に伝えることが可能なためさまざまな場面で活用されています。
作成する上で重要なポイント
動画マニュアルを作成する際の重要なポイントについて触れていきます。
動画マニュアルに限った話ではありませんが、動画マニュアルを作成する上で「事前準備」が大きなカギを握ると考えています。
ここから事前準備について紐解いていくとともに、以下の3つの要素について具体的に説明していきます。
「方針を明確にする」
「全体の構成を整理し、情報収集する」
「効率的な作成方法を検討する」
1.方針を明確にする
-ターゲット層を明確にする
ターゲット層を明確にすることで、動画の内容や表現方法を適切に調整でき、より効果的なマニュアルを作成することができます。年齢層、知識レベル、職種などを具体的に設定しましょう。
-目的を明確にする
目的を明確にすることは、内容の方向性を定める上で非常に重要です。何のために、誰に、何を伝えたいのかを具体的にすることで、無駄のない、効果的な動画マニュアルを作成できます。
目的を定めることで、内容の焦点が絞られ、視聴者にとって必要な情報だけを届けることができます。動画マニュアルを視聴した人がどのような状態になってほしいかを考えましょう。
2.全体の構成を整理し、情報収集する
-情報を整理する
情報の優先順位をつけ、伝えたいポイントを事前に整理することで動画作成をスムーズに行うことができるようになります。
複雑な情報は細分化し、ステップごとに解説することで、視聴者が内容を理解しやすくなります。また過去の問い合わせ内容やアンケート結果などを確認し、視聴者のニーズを把握しましょう。
-素材を準備する
動画マニュアルに必要な画像や動画素材、資料などを事前に準備することで、撮影や編集作業をスムーズに進めることができます。素材が不足していると、作業が中断したり、後から探し直したりする手間が発生し、効率が悪くなります。
事前に必要な素材を準備することで効率よく作成することに繋がります。
(既存のPDFマニュアルなどがあれば参考にし、文言や伝え方に齟齬がないようにしましょう)
-視聴者の知識レベルを把握する
視聴者の知識レベルを把握することは、動画マニュアル作成において非常に重要です。専門用語を多用しすぎると、初心者には理解が難しく、途中で視聴をやめてしまう可能性があります。
逆に、基本的な内容ばかりだと、熟練者には退屈で、時間の無駄に感じられてしまいます。そのため、ターゲット層の知識レベルを事前に把握し、解説の深さや専門用語の頻度を調整することが大切です。
-視聴者の環境を考慮する
視聴者が動画を視聴する環境(PC、スマートフォンなど)を考慮し、最適な形式で動画を作成することが重要です。
例えば、スマートフォンで視聴する人が多い場合は、画面サイズに合わせて文字を大きくしたり、縦型動画を作成したりするなどの工夫が必要です。また、音声が聞き取りにくい環境で視聴する人もいるため、字幕を入れるなども有効的です。
3.効率的な作成方法を検討する
-台本を作成する
撮影前に台本を作成することで、スムーズな撮影が可能になり、編集作業も効率化できます。
台本には、話す内容だけでなく、画面に表示する映像やテロップ、効果音なども具体的に記述しておくと、よりスムーズに作業を進められます。(台本作成段階で内容の不備や認識のズレがないこと事前に第三者に確認してもらうことで、動画着手後の修正の手間が軽減されます)
-視覚的な工夫を取り入れる
図やグラフ、アニメーションなどを活用し、情報を視覚的に表現することで、テキストだけでは伝わりにくい内容も分かりやすく解説できます。
ただし、アニメーションを入れることなどに凝ってしまうと、編集が大変になってしまったり、作成や管理に工数をとられてしまう可能性があります。シンプルでかつ、理解しやすい動画を作成することを心掛けましょう。(必要以上に凝る必要はありません)
-適度な長さにする
長すぎる動画は視聴者の集中力を低下させる可能性があります。
そのため、一つの動画は短くまとめ、情報を詰め込みすぎないようにすることが大切です。必要に応じて複数の動画に分割し、各動画の長さを適切に調整することで、視聴者は集中力を維持しやすくなります。
まとめ
上記のポイントを意識することで、視聴者にとって分かりやすく、かつ効率的に動画マニュアルを作成することができます。
主に事前準備について触れてきましたが、事前に方針や情報を整理することで無駄のない効率的な作成が可能になります。
事前準備を怠ってしまうと、後々の修正や手戻りが増え、余計な工数を割くことになってしまいます。可能であれば一人ですべて完結しようとせず、複数人を巻き込んで、念入りに作戦を立てたうえで動画を作成することを心掛けましょう。
動画マニュアルは、一度作成すれば長く活用できる資産となります。
ぜひこの記事を参考に、効果的な動画マニュアルを作成し、社内教育や顧客サポートに役立てていただけますと幸いです。

この記事を書いたライター
小濵敬人
前職はIT会社に勤務し、フィールドセールスを担当。現在はCSとして活動しています。