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メールサポートにおける「エスカレーション率」削減の取り組み

エスカレーションのデメリット

メールサポートにて自社で判断できかねるお問い合わせが受信した際、クライアントに対応を確認することを「エスカレーション」といいます。

 

ユーザーに誤った情報を伝えないためにも、サポート業務においてエスカレーションは必要不可欠です。

しかし、エスカレーションには以下のようなデメリットがあります。

 

  • クライアント側での確認/回答など、追加の工数が発生
     └エスカレーション率が高いほどクライアントの工数が増加
  • ユーザーへの回答に時間がかかる
     └お待たせすることでユーザーの温度感(不満や不安)が高まってしまうことも…

 

エスカレーション自体は決して悪いことではありませんが、「エスカレーション率を下げるに越したことはない」というのが私の考えです。

私が担当しているメールサポート案件では、エスカレーション率を一桁台まで削減することができました。

本記事では、そのために取り組んだ内容をご紹介します。

 

取り組んだこと

①お問い合わせのカテゴリー・エスカレーション理由の構築

メール対応時に使用しているツールやスプレッドシートに、選択必須項目として「お問い合わせカテゴリー」「エスカレーション理由」を追加。

私が構築したエスカレーション理由は以下の7つです。

  • 資料なしのため判断不可
  • 資料はあるが内容が不足していた
  • 資料はあるが判断に迷ってしまった
  • エスカレーション必須案件
  • 不具合(可能性含む)
  • 長期化・難航・温度感高
  • その他

 

②ピボットテーブルで可視化

上記の情報を元に、ピボットテーブルで以下を可視化。

  • カテゴリー毎のエスカレーション率
  • 理由毎のエスカレーション率


グラフ化することでどのカテゴリーが多かったのか、どんな理由でエスカレーションしていたのかが一目で分かるようになり、改善アクションに繋げやすくなります。

※ダミーデータを元に作成した画像です

 

③エスカレーション内容の分析

②で可視化したデータを元に、エスカレーションの背景や原因を分析します。

▼例:

  • 不具合発生によりエスカレーションが増加
  • 「課金関連 > ××エラー発生時」の対応資料が存在せずエスカレーションが多発
  • 「ログイン関連」は資料が充実しているが古い情報が混在しており対応に迷いを生じさせていた

 

④エスカレーション要否の確認

エスカレーションが妥当だったかどうかをチェックするスプレッドシートを作成し、1件ずつ確認します。

  • 可能な限り全件チェック
  • 件数が多い場合は、チェック対象の最低ラインを設けておくのが大切です

※ダミーデータを元に作成した画像です

 

⑤アクション(資料整理・クライアント連携)

③④の分析をもとに、エスカレーション削減に向けたアクションを実施します。

▼具体例:

  • 【資料がない】
      • 新規作成
  • 【資料はあるが内容が不足】
      • 内容をブラッシュアップ
  • 【資料はあるが判断に迷う】
      • 迷いの原因が「資料」か「オペレーター」か、またはその他の要因かを特定し、それに応じて対策
  • 【クライアントとの擦り合わせ】 
      • 資料や対応の改善ポイントを共有し、調整

 

⑥現場への周知

⑤で実施した改善アクションは、現場への展開・周知を行いました。
また、アクション後に「どの程度効果があったのか」をしっかり測定します。

効果が限定的であった場合は、更なる改善アクションに繋げることが大切です。

 

まとめ

エスカレーション率削減の取り組みは自社のみならず、クライアントの工数も削減できます。
業務の効率化に繋がるだけでなく、クライアントとの信頼関係を深めるきっかけにもなり得るでしょう。


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この記事は著作権を有する Custifyの許可を得て翻訳したものです。 Original article:https://www.custify.com/blog/the-difference-between-customer-success-and-customer-support/...
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