カスタマーサクセスを成功させるテックタッチの重要性とは?SQLを活用した具体例4選をご紹介!
山田理絵
2024.10.24
カスタマーサクセスをおこなう際にテックタッチを取り入れれば、最小限のリソースで最大限の効果を発揮できます。さらにSQLをテックタッチに活用すれば、より精度の高いカスタマーサクセスが期待できるためおすすめです。しかし、テックタッチやSQLに関する知識がなければ、カスタマーサクセスへ応用することができません。カスタマーサクセスを成功させるために、テックタッチとSQLの重要性と活用方法を理解しておきましょう。
今回はカスタマーサクセスを成功させるためのテックタッチについて、SQLの具体的な活用方法を交えて解説します。最後まで読んでカスタマーサクセスを効率化させて、業務効率・顧客満足度を向上させましょう。
カスタマーサクセスにおけるタッチモデルについて
カスタマーサクセスを成功させるためには、タッチモデルの種類について理解しておかなければなりません。タッチモデルとは、顧客を顧客生涯価値を意味するLTV(Life Time Value)やポテンシャルでセグメントし、対応方法やアプローチ方法を分配する手法です。カスタマーサクセスにおけるタッチモデルは、主に次の3種類に分かれます。
- ハイタッチ
- ロータッチ
- テックタッチ
それぞれのタッチモデルについて詳しく解説しますので、カスタマーサクセスを行う際の参考にしてください。
ハイタッチ
ハイタッチとは、専任担当者が1対1で対応するタッチモデルです。顧客の購入単価によっては複数の担当者がサービスをサポートし、タッチモデルの中でも最も手厚い支援をおこなう手法です。対応には多くのリソースが必要なため、一般的には以下の顧客に実施します。
- LTVが高い顧客
- 大口顧客
- 事例的価値がある顧客
- サービスへのリテラシーが低い顧客
ハイタッチをおこなう対象顧客が、より充実してサービスを利用できるよう、サポートだけでなくコンサルティングもおこない、積極的にエンゲージメントを高める施策を実行します。
ロータッチ
ロータッチは、ハイタッチと同様、人を介した対応を行いますが、1対複数でコミニュケーションを取ります。例えば、セミナーやワークショップなどが挙げられます。1人の担当者が複数の顧客を相手に支援をおこなうケースが多く、オンボーディング支援やアップセル・クロスセルをおこない顧客定着率の向上を目指します。オンボーディング完了後もセミナーなどによる支援をおこない、LTVを高めるカスタマーサクセスを実施するタッチモデルです。
テックタッチ
テックタッチは、人を介さずテクノロジーを活用して支援するタッチモデルです。例えば、メールやコンテンツを配信し、サービスに関する情報を伝えたり、顧客が抱える課題を解消します。テックタッチは、原則的に人を介さない点がハイタッチやロータッチと異なります。特に、利用が簡単なサービスや低価格なサービスでは、テクノロジーを活用して支援するケースが増えています。
カスタマーサクセスにテックタッチが必要な理由
カスタマーサクセスにおけるタッチモデルの中で「なぜテックタッチが必要なのか」を理解しておくことが大切です。テックタッチを実施すれば、次のような効果が期待できます。
- 最小限のリソースで最大限の効果を発揮できる
- 顧客満足度の向上が期待できる
- 均一化されたサポートを提供できる
それぞれを順番に詳しくご説明します。
最小限のリソースで最大限の効果を発揮できる
テックタッチを実施すれば、最小限のリソースで最大限の効果を発揮できます。カスタマーサクセスにおいて、すべての顧客に対して均一の対応・支援をおこなっていれば、人的リソースが不足してしまいます。テックタッチを実施して、自動対応・事前対策ができれば、少ないリソースでカスタマーサクセスを実現できます。効率化して空いたリソースをハイタッチやロータッチなど、LTVが高い顧客層へ回せば、企業の業績向上へつなげられます。テックタッチによって支援をそれほど必要としない顧客の対応をテクノロジーに任せ、支援を必要とする顧客へ注力できればカスタマーサクセスにおいて高い効果が発揮できます。
顧客満足度の向上が期待できる
テックタッチを実施すれば、企業の業務効率を向上させるだけでなく、顧客満足度の向上が期待できます。なぜなら、テックタッチによってヘルプデスクやチャットボットなど、24時間365日顧客対応ができる環境を整えておけば、いつでも疑問や問題を解決できるからです。仮に、顧客が疑問や問題を解消するために問い合わせた際、コールセンターが混雑し長時間待たされれば不満に思う方もいるでしょう。その点、テックタッチによって顧客対応を自動化しておけば、利用者は疑問や問題を即座に解消できるため、不満を感じづらくなります。カスタマーサクセスにおいてテックタッチは、企業の人的リソースを軽減して業務を効率化する上に顧客満足度の向上が期待できる手法となります。
均一化されたサポートを提供できる
テックタッチを実施すれば、カスタマーサクセスの水準を均一化できます。顧客からすると、担当者によってサポートに差が生じるサービスは不満や不信感につながりやすいです。人的リソースで顧客対応をおこなっていると、どうしても担当者ごとにサポートの質が変わってしまいます。担当者の熟練度によってサポートの質が変化すれば、カスタマーサポートに当たり外れが生じてしまうでしょう。さらに人事異動やベテラン社員の退職など、サポート熟練者が減少した際にはカスタマーサクセスの質が一気に下がってしまいます。質の低いカスタマーサクセスは顧客離れやクレームなど、トラブルへ発展するリスクがあるため危険です。テックタッチによるヘルプデスクやチャットボットなど機会的なカスタマーサクセスをおこなえば、均一化したサポートを提供できます。顧客対応からのトラブルやクレームを防止するために、テックタッチによる均一化したサポートを提供しましょう。
テックタッチに活用できるSQLとは?
SQLは「Structured Query Language」の略称で、テックタッチに活用できるデータベース言語です。SQLは「シークェル」もしくは「シーケル」と呼び、データベースにデータを格納したりデータを引き出したりと、ユーザーやシステムからの命令を受けてデータベースを書き換えます。数多くあるデータベース言語の中で、SQLはISO(国際標準化機構)で規格化されており、1つのデータベースでSQLを習熟すれば他データベースでも活用できます。例えば、Oracle社の「Oracle Database」やMicrosoft社の「Microsoft SQL Server」・「Access」、オープンソースの「MySQL」や「PostgreSQL」などは、すべてSQLで操作可能です。さまざまなデータベースのデータを操作できるSQLを活用して、テックタッチを効率化しましょう。
データベース言語とプログラミング言語の違い
SQLはデータベースを操作できるデータベース言語であり、プログラミング言語ではありません。プログラミング言語はシステムやアプリケーションを操作するための言語で、データベース言語と混合されやすいです。どちらもコンピューター上の操作をするための言語ですが、データベース言語とプログラミング言語では目的や用途が異なります。テックタッチにSQLを活用するために、データベース言語とプログラミング言語の違いを理解しておきましょう。
データベース言語
データベース言語とは、集めたデータを整理して操作するコードです。プログラミング言語と異なりデータベース上でのみ使用でき、データ同士のつながりをテーブルで表現します。SQLはデータベースで「このような操作がしたい」とコードを打ち込めば、命令が実行される方式です。また、連続した操作や複雑な操作は、他のプログラミング言語の中にコードを埋め込んで操作を実行します。データベース言語はデータベース上でのみ限られた操作ができる言語なので、プログラミング言語ほどの汎用性はありません。
プログラミング言語
プログラミング言語は、アプリケーションを操作できるコードでプログラムを造る際に使われます。プログラミング言語の種類は、C言語・Java・PHP・Pythonと幅広く、プログラムをおこなう手順や操作方法をコードで記載して、コンピューターを操作することが可能です。データベース言語はデータベース上のデータのみを操作できますが、プログラミング言語はWebサービスやアプリケーションを操作・開発・製造することができます。プログラミング言語は条件分岐やループなど複雑な操作まで実行できるため、データベース言語より汎用性が高いです。
SQLの種類
SQLは大きく分けて3種類の言語で構成されます。
- データ定義言語
- データ操作言語
- データ制御言語
それぞれの特徴を解説していきます。
データ定義言語
データ定義言語はDDLと称されるSQLの言語です。主にテーブルを作成・削除したり設定を書き換えたりする効果があります。データ定義言語で利用される命令は、次の通りです。
- CREATE/新しいデータベースやテーブルを作成する
- JOIN/テーブルを結合する
- DROP/テーブルを削除する
- ALTER/テーブルの設定を変更する
- TRUNCATE/データをすべて削除する
SQLを利用するため、データ定義言語を正しく覚えておく必要があります。カスタマーサクセスにおけるテックタッチを効率化する際に、データ定義言語を理解してSQLをフル活用しましょう。
データ操作言語
データ操作言語はDMLと称されるSQLの言語です。データベースにおいて、データの検索・追加・更新・削除をおこなうために使用します。データ操作言語で利用される命令は、次の通りです。
- SELECT/データベースを検索する
- INSERT/データを挿入する
- DELETE/データを削除する
- UPDATE/データを更新する
SQLの中でもデータ操作言語は最も利用頻度が多くなるため、操作方法を覚えておきましょう。
データ制御言語
データ制御言語は、DCLと称されるSQLの言語です。主にDMLやDDLの利用を制御する効果を発揮します。データ制御言語の命令は、主に次の通りです。
- GRANT/ユーザーに権限を付与する
- REVOKE/ユーザーの権限を削除する
- BEGIN/トランザクションを始める
- COMMIT/トランザクションを確定する
- ROLLBACK/トランザクションを削除する
テックタッチをおこなうデータベース管理者は、データ制御言語を覚えておくとチーム内の操作を制御できて便利です。テックタッチをおこなう際にトラブルが起きないよう、データ制御言語を活用して適切なカスタマーサクセスを実施しましょう。
SQLの基本的な書き方
SQLでデータベースを操作するには、基本的なコードの書き方を理解しておかなければなりません。SQLの基本的な書き方を紹介しますので、テックタッチを効率化するため覚えておきましょう。
WHERE句:条件の絞り込み
SQLは「WHERE句」を記入すれば、条件を絞り込めます。絞り込みたい条件をWHEREの後に記入して、データベース上から該当するデータを検索します。例えば、「住所が東京に該当するデータを絞り込みたい」場合に記入するSQLコードは、以下の通りです。
「WHERE City = 'Tokyo'」
WHERE句を上手く活用して、テックタッチを効率化させましょう。
GROUP BY句:データの並び替え
GROUP BY句は、データを並び替えられるSQLコードです。GROUP BY句は、主にデータを並び替えてグループ化する際に使用します。例えば、GROUP BY句を活用すれば「売上の記録」というテーブルがある際に、「日付ごとの売上」にデータを並び替えることが可能です。
ORDER BY句:検索結果の並び替え
ORDER BY句は、検索結果を並び替えるSQLコードです。ORDER BY句を使用すれば、金額順や評価順・日付順にデータベース内のデータを整理できます。ORDER BYの後に並び替えたい項目を記入すれば、指定したテーブル内のデータを項目順に並び替えることが可能です。
カスタマーサクセスでSQLを活用したテックタッチの具体例4選
SQLを活用してテックタッチをおこなえば、カスタマーサクセスを効率化できます。SQLを活用して効率化できるテックタッチの具体例は、次の4つです。
- コンテンツ配信
- ヘルプデスク
- チュートリアル
- 自動対応BOT
それぞれのテックタッチの手法を実践して、顧客満足度を向上させましょう。
コンテンツ配信
SQLを活用してテックタッチでコンテンツ配信をおこなえば、LTV向上につなげられます。顧客の特性にあった媒体でコンテンツ配信をして、アップセル・クロスセルをおこなってください。メール配信やチャット配信・アンケート実施やオンラインセミナーなど、顧客に届く媒体でコンテンツを配信することが大切です。不特定多数の潜在顧客にささるコンテンツ配信を実践して、売上向上へつなげましょう。
ヘルプデスク
SQLを活用してヘルプデスクを作成しておけば、人的リソースを使わずに顧客の疑問や課題を解消できます。顧客が問い合わせなくても、自分で検索して課題解決ができるヘルプデスクは、顧客満足度を向上させられるカスタマーサクセスです。また、ヘルプデスクを作成しておけば顧客対応にかかる時間や労力を軽減して、他の業務へ手を回せます。
チュートリアル
SQLを活用してチュートリアルを設定しておけば、オンボーディング完了率を向上させられます。人的リソースを使わずにSQLで自動的にチュートリアルが始まるよう設定しておけば、新規顧客がサービスを利用しやすいです。新規顧客であってもチュートリアルを実践しオンボーディングを完了すれば、自社のサービスに定着してLTV向上が期待できます。さらに、アップセル・クロスセルをおこなう際にもチュートリアルがあれば、スムーズに新サービスを使ってもらえるためカスタマーサクセスの効果が高いです。
自動対応BOT
自動対応BOTをSQLで設定しておけば、顧客対応にかかる時間や労力を大幅に軽減できます。空いた時間を他の業務へ回せるため、企業の生産性向上が期待できるテックタッチの手法です。また、顧客からしてもサポートセンターへ問い合わせて長時間待つ必要がなく、BOTで自動対応してくれた方が利用しやすいと感じるでしょう。SQLで自動対応BOTを作成して、人的リソースの削減と顧客満足度を向上させましょう。
SQLを活用したテックタッチでカスタマーサクセスを成功させよう!
SQLを活用したテックタッチを実践すれば、業務を効率化したり、顧客満足度を向上させられたりします。顧客対応にかかる人的リソースを軽減して他業務へ空いた手を回せるため、企業の生産性向上が可能です。また、テックタッチを実施することでサービスに関する疑問や問題が生じた際に、電話回線が混んで待ち時間が発生する心配やサポートの質が担当者によって変わってしまうということも無くなります。
SQLを活用する際には基本的なコードの書き方を理解して、どのようなテックタッチの手法を実践すべきか社内で協議してください。SQLを活用してテックタッチをおこなえば、カスタマーサクセス業務を効率化できます。最小限のリソースで最大限の効果を得るため、SQLを活用したテックタッチを実践しましょう。
この記事を書いたライター
山田理絵
不動産営業を経験後、アディッシュにて、カスタマーサクセス関連商材のインサイドセールスを担当し、初期接点から課題の顕在化をし機会創出を行う。 趣味はポールダンスと料理。