Notionを使った社外FAQ作成のポイントとメリット・デメリット

柴田帆奈美
2025.03.04

自社サービスなどの社外向けFAQを作成する際、どのツールを使えばよいのか迷うことがあるかもしれません。
市場にはさまざまなFAQツールがありますが、その中でもNotionは、初めてFAQを作成する人にもおすすめで、スタートアップや大企業など幅広いユーザーに選ばれているツールです。
この記事では、Notionを活用してFAQを作成する基本的な方法や効果的な活用方法について、具体例を交えながら解説します。また、実際に運用して感じたメリットや、注意すべきデメリットについてもご紹介します。
FAQの作成方法
NotionでのFAQ作成方法は、まず土台となるページを作成し、そこにFAQを追加していきます。
Notionでは箇条書き、トグルリストなど様々なブロックを使用してFAQのテキストを記入していくことができますが、ベースにはデータベースを使用することをおすすめします。
テーブルビューを使用して作成していき、プロパティにカテゴリや更新日、作成者などの情報を追加していくと、検索や管理に便利です。
FAQページをデザインする際にはギャラリービューを作成してカテゴリごとのページを作成し、その中にカテゴリごとのFAQを作ると、閲覧者にとって見たい項目が探しやすくなります。
作成が済んだら、ページの公開設定を行い、社外の閲覧者がアクセスできるところにURLを設置します。
Notion FAQのメリット
自由なデザインが簡単に作成できる
Notionは初心者でも簡単に操作でき、直感的に編集を行えるのが特徴です。
Notionには豊富なブロックが用意されており、クリックで簡単に追加できるので、テキスト、画像、テーブル、リスト、動画埋め込みなど、さまざまなコンテンツを組み合わせてページを作成できます。
例えば、FAQの中にサービスのスクリーンショットや説明動画を埋め込むことで、視覚的にわかりやすいコンテンツを公開できます。
業務でGoogleWorkspaceを使用している場合は、ドライブので作成した資料を簡単に埋め込むことが可能です。
複雑なカテゴリがある場合でも、ページを階層状にすることですっきりと整理することができます。
また、見やすさや検索性を高めるためにギャラリービューやテーブルビューなど様々なビューを使用できます。
テンプレートを活用
FAQ作成のためのテンプレートを使えば、ゼロから作る手間を省きつつ、デザイン性の高いページを手軽に作ることもできます。
Notion公式やコミュニティが豊富なテンプレートを公開しているので、好みのものを見つけ、アレンジすることが可能です。
Notionを活用して作成した企業サイトの事例集が公開されています。FAQなどのヘルプページもまとめられていますので、実際のページをいくつか見て、どのように作成すれば使いやすいのかを閲覧者視点で参考にすることもおすすめです。
外部公開の設定も簡単
Notionの公開設定機能を活用すれば、一部のページだけを外部公開し、他は社内専用として管理することができます。
すでに、ナレッジや議事録などにNotionを使用している企業も、それらのページは非公開にして、外部用FAQだけを公開できるので、複数のツールを用意することなく一元管理でき、効率的かつコスパのよい運用が可能です。
すでにNotionに慣れている場合は、新たに異なるツールの操作を覚える必要もないというメリットもあります。
アクセス分析が可能
FAQ運用において重要なのは、それぞれのFAQがどれだけ閲覧者に活用されているかを定量的に把握することです。
Notionでは、プランによってページごとの閲覧数や閲覧者の傾向を簡単に確認できるため、運用の改善に役立てることができます。
Notion FAQのデメリット
検索性や操作性の低下
ページをどんどん増やしていくと、閲覧者にとっては検索性が低下して見たい情報にアクセスしづらくなったり、作成者としては操作が重くなり更新作業が億劫になったりしました。
なんでもかんでも情報を増やしていくのではなく、適切な情報量を考えていく必要があると感じました。
閲覧者にとっての操作性
Notionは直感的な操作性が強みである反面、UIに慣れていない閲覧者には探したいものを探しにくいと感じることがあるかもしれません。
せっかくFAQを公開しても、閲覧者が知りたい情報を見つけることができなければ結局問い合わせが必要となってしまうので、ページ設計の際には誰にでも何がどこにあるかわかりやすいことを意識する必要があります。
実際に運用して感じたこと
作成・更新作業がとにかく手軽
FAQは作成して終わりではなく、継続的にメンテナンスを行うことが必要となりますが、Notionは操作がシンプルなので作業を億劫に感じることが少なかったです。
項目の追加や並び替え、内容の修正などの更新作業が手間なく行えるため、情報更新が頻繁に発生する場合でもおすすめです。特に、スタートアップ企業など、サービスの改良速度が非常に速い場合にも適していると感じました。
データ量が増えると動作が重い
どんどんFAQを追加し、データが膨大になるとNotionの動作が遅く感じたり、多くの項目を追加していくと作成に手間取ることがありました。データの量が増えると、Notion単独での管理に限界を感じるケースもあるかと思います。
Googleスプレッドシートとの連携で解決
Google Workspaceを日常的に使用している企業では、GoogleスプレッドシートとNotionを連携させることで、FAQ運用を効率化できます。
連携させることにより、スプレッドシートで作成・更新した内容がNotionのFAQページに同期されるようになります。スプレッドシートは大量の情報を扱ったり編集作業をするのが得意なので、先述したデメリットを解消することができます。
連携方法は主に以下の4種類の方法があります。
- ZapierやMakeを活用 自動化ツールを使うことで、スプレッドシート上の更新内容をNotionに反映させる運用が可能です。
- CSVファイルの手動インポート/エクスポート 手間はかかりますが、簡単なデータ移行には有効です。
- Google Apps Scriptでのカスタム連携 高度なスクリプトを利用することで、自社専用の自動化フローを構築できます。
- Notion APIの利用 開発リソースがある場合、APIを使った高度な連携も可能です。
これにより、情報の編集はスプレッドシートで効率的に行い、NotionのFAQページは閲覧者に取ってのデザイン性や見やすさに特化して作成するといった使い分けができ、効率的な運用を行うことができるようになります。
まとめ
Notionは、初めてFAQを作成する方にとっても気軽に始めることができますし、経験者にとっても自由なデザインを実現することのできるツールです。
手軽で便利な一方で、大規模な運用には不便を感じることもあるかと思います。あらかじめ用意されている豊富な機能を活用し、閲覧者にとって見やすいページであることを意識して作成したり、Googleスプレッドシートとの連携などを活用することで管理をしやすくしたりすることなどが重要です。
ご自身の関わるサービスや閲覧者のニーズに合った方法で、Notionを活用したFAQ作成をぜひ試してみてください!

この記事を書いたライター
柴田帆奈美
前職では、保育園向けSaaSの再販代理店にて既存営業として勤務し、導入から契約後のフォローおよびアップセルや契約更新などを担当。その後、アディッシュに入社し、カスタマーサポート、サクセスの業務を経験。