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コンフリクトマネジメントとは?メリットや手順や成功事例まで解説!

職場での意見の対立、ちょっとした口論。職場ではさまざまな「衝突」が発生します。これらの衝突を解決し、良好な人間関係を築くためのスキルが「コンフリクトマネジメント」です。

コンフリクトマネジメントを学ぶことで、生産性向上や人間関係の悩みを解決できるようになります。

この記事では、コンフリクトマネジメントの取り組み方をご紹介しているため、組織マネジメントのお役に立てれば幸いです。

コンフリクトマネジメントとは

コンフリクトマネジメントとは

まずは、コンフリクトとコンフリクトマネジメントの概要について解説します。

コンフリクトとは

コンフリクト(conflict)とは、意見や感情、利害の衝突を意味します。

組織は性別・人種・役割が異なる人で構成されているため、思考や価値観の違いから、さまざまな衝突が起きます。1対1で衝突するケースもあれば、グループが衝突するケースもあるでしょう。

衝突がエスカレートすると、人間関係が悪化するなど深刻な事態を引き起こす恐れもあるため、第三者を含めて対話して相互理解の場を設けることが大切です。

一般的に衝突は悪いことだと捉えがちですが、異なる意見に触れて成長を得る機会となります。

コンフリクトマネジメントとは

コンフリクトマネジメントとは、個人やグループの衝突を建設的に解決するマネジメント手法です。

当事者同士が話し合い、お互いがWin-Winの関係になれる合意点を見つけます。つまり、組織内で衝突が起きた場合に放置せず話し合い、関係性を改善する取り組みです。

関係性の改善のほか、チームワークの強化やアイデアの創出などの効果も期待できます。

コンフリクトマネジメントが注目される背景

コンフリクトマネジメントが注目される背景

コンフリクトマネジメントが注目される背景には「働き方の多様化」と「個の意識の高まり」があります。

正社員やパート・アルバイト、業務委託などの雇用形態、時短勤務やリモートワーク勤務などの働き方などにより、従業員間で就労規則が異なります。

また、個の意識の高まりにより、仕事における価値観も多様化してきました。このように働き方が多様化したため、合意形成を取るのが難しく衝突が起きやすくなってきたのです。そのため、コンフリクトマネジメントが重要だと注目されるようになりました。

コンフリクトが発生する原因

コンフリクトが発生する原因

企業組織内でコンフリクトが発生する原因は「条件」「認知」「感情」の対立です。

条件の対立

条件の対立とは、立場の違いによる衝突です。代表的な例を2つご紹介します。

1つ目が上司と部下の対立です。組織全体の目標を優先する上司と、キャリア形成を優先する部下は衝突してしまいます。

2つ目は部門間対立です。製品の製造コストを抑えたい製造部門と製品の品質を確保したい品質管理部門は衝突してしまいがちです。このように、立場の違いによる衝突を条件の対立といいます。

認知の対立

認知の対立とは、経験値や価値観の違いによる衝突です。

例えば、挑戦的なAさんと現実的なBさんが事業の方向性について話し合うときを想定してみましょう。

Aさんは「業界を牽引する革新的な技術を導入すべきだ」と主張する一方で、Bさんは「既存サービスを浸透させて顧客と信頼関係を築くのが大切だ」と主張し、意見が対立してしまいます。このような経験や価値観による衝突を認知の対立といいます。

感情の対立

感情の対立とは、負の感情を持つ人同士による衝突です。

例えば、新しい挑戦が好きなAさんとリスクヘッジが好きなBさんが同じ部署で働いているときを想定してみましょう。

Aさんはアイデアを提案しますが、Bさんは慎重な性格をしているため失敗を恐れて賛同しません。その結果、Aさんのアイデアが承認されず不満が蓄積されていき衝突が起こります。このような経験や価値観による衝突を感情の対立といいます。

コンフリクトの反応による態度

コンフリクトの反応による態度

コンフリクトが生じた際の態度は5つに分類できます。どのような態度を取るかは、性格や経験、状況により異なります。

強制

強制とは、相手の気持ちを尊重せずに特定の行動を強要することをいいます。

強制は規律ある職場環境を維持、組織目標の達成などができますが、個人の自由を制限するためストレスや不満を与えてしまう恐れがあります。社員の不満が蓄積されると退職につながるため、強制と尊重のバランスを取りましょう。

妥協

妥協とは相手と衝突した際に、お互いが納得できる妥協点を見つけることをいいます。自分の主張を通すのではなく、相手の主張も受け入れた上で双方が納得できる合意点を見つけます。

和を重んじた大人な振る舞いです。譲歩することで、職場の人間関係の悪化を防げます。
しかし、一時的な解決策となるため、根本的な問題を解決することはできません。再び、同じような衝突が発生する可能性があります。

服従

服従とは、自分の意見を曲げて相手の要求に従うことをいいます。対立した相手が上司など権力がある人の場合は無条件で服従してしまいがちです。

相手との関係が悪化することを恐れて服従してしまうこともあります。相手の要求に従うため争いは避けられますが、服従者は自己肯定感が低下してしまいかねません。自分の意見が通らない環境にいると、不満が蓄積されていき、爆発する可能性があります。

回避

回避とは相手と衝突した際に、問題から目を背けることをいいます。相手と距離を取るようになったり、別のことで気を紛らわせたりするケースが多いです。

問題から目を背けることで、感情が落ち着き冷静さを保てるようになり、ストレスも軽減されます。しかし、問題から目を背けるだけでは、問題は解決されません。

また、問題から逃げ続けると自信が失われてしまいます。

協調

協調とは対立が生じた際に、相手との共通点を見つけ出してWin-Winの関係を築くことをいいます。お互いの意見を尊重して、問題を解決していきます。双方の意見を尊重することで、より良い解決策を生み出すことが可能です。

また、お互いを理解しあうことでチームワークを強化できます。コンフリクトの反応による態度の中でも、理想的な態度です。

コンフリクトマネジメントに取り組むメリット

コンフリクトマネジメントに取り組むメリット

コンフリクトマネジメントに取り組むと3つのメリットを得られます。

風通しの良い職場が作れる

意見交換の場を設けることで、多様な考えを受け入れる土壌を育めるようになり、風通しの良い職場が作れます。

例えば、チーム内で意見が対立した場合、冷静に話し合う場を設けて共通目標を立てれば協力し合う関係を作れます。日常的に話し合う場を設ければ、社員は意見を率直に言えるようになり、さまざまな意見が飛び交う議論が行えるようになります。

新しいアイデアが生まれる

多様な視点からの意見が飛び交い、創造性を刺激するため新しいアイデアが生まれやすくなります。

例えば、新プロジェクトのアイデアを出し合う際に、異なる意見が出てくることもあるでしょう。このような場面でコンクリフトマネジメントを用いれば、各メンバーの意見を尊重しながら建設的な議論が行えるようになります。

異なる視点からの意見を集めることで、より良いアイデアが生まれるようになります。

離職率低下を防止できる

職場の人間関係を改善できるため離職率を低下できます。

例えば、チーム内で衝突が起きた際に、コンクリフトマネジメントを用いることで、お互いの意見を尊重しながら解決策を見つけられるようになります。

社員に対して「自分の意見を尊重してもらえる」という実感を与えることで、企業への帰属意識を高められるのです。企業への帰属意識を高められれば、離職率低下を防止できます。

コンフリクトマネジメントの手順

コンフリクトマネジメントの手順
コンフリクトマネジメントは4STEPで取り組みます。

1.事前準備

まずは、管理職にメンバーの衝突をポジティブに捉えてもらう必要があります。

衝突は悪いものではなく、お互いの意見を出し合い、成長の機会となることを理解してもらうことが大切です。

コンフリクトに関してポジティブに捉えた上で対応マニュアルを作成します。対応マニュアルには「誰に相談すればよいのか」「どのような場で話し合うべきか」などルールを決めておきます。マニュアルが完成したら、社員に周知しましょう。

※相談者にはコンフリクトマネジメント研修を受講させておくと、より建設的な話し合いができるようになります。

2.話し合いの場を設ける

企業組織内で衝突が起きた場合は、対応マニュアルに沿って話し合いの場を設けます。

状況次第で話し合いに参加すべきメンバーは異なりますが、基本的に当事者同士で話し合ってもらいます。

当事者同士の話し合いが難しい場合は、上司や人事担当者など中立的な立場の人を招きましょう。また、外部の専門家を招いて話し合うケースもあります。

話し合いでは、相手のことを考えながらも、自分の意見を伝えることが大切です。対立の原因や解決策を見つけるためにも、相手に配慮しすぎて意見を内に秘めないようにしましょう。

3.コンフリクトの原因を発見する

当事者から意見を聞き出したら、対立の原因を特定します。企業組織内でコンフリクトが発生する原因は「条件」「認知」「感情」の対立がありますが、どれに該当するかを考えましょう。

例えば、部門間対立はコミュニケーヨン不足が原因で起きがちです。また、上司や部下の衝突は責任範囲や権限の不明確が原因で起きます。

コンフリクトの原因は正確に把握することが大切です。そのため、当事者間から意見を聞くだけでなく、必要に応じて関係者にヒアリングしたり、証拠を集めたりしましょう。

4.解決案の提示・協力

お互いの意見を聞いた上で、どのような状態を望むかを聞いて解決案を見つけます。解決案はいくつ提示しても問題ありません。

さまざまな解決案を提示した上で、メリットやデメリット、実現可能性などの観点から最適な案を選択します。そして、双方に合意いてもらい合意内容に基づいて行動してもらいます。

コンフリクトマネジメントの活用事例

コンフリクトマネジメントの活用事例

コンフリクトマネジメントの取り組み方をご紹介しましたが、事例も確認しておきましょう。

チームメンバーの意見の衝突

新規プロジェクトの進め方について、チームメンバーで意見の衝突がありました。

大胆なアイデアを採用したいチームと、慎重に物事を進めたいチームとで意見が対立してしまったのです。そのため、話し合いの場を設けて「どうしてそのように考えるのか?」と相手を理解する場を設けました。

その上で、プロジェクトの最終目標は何であるかを共有し、両者の意見を折衷できるような、新たな選択肢を見つけました。

最初は対立していた両者の意見が徐々に近づき、最終的にはチーム全体で納得できる結論を出すことができました。

上司とのコミュニケーションのギャップ

部下のAさんは、上司の指示が曖昧で仕事が進められない状況に陥りました。上司に何度か質問したものの明確な回答は得られず、ストレスを感じてしまったのです。

そこで、Aさんは「この作業の優先順位はどれぐらいですか?」「納期日はいつですか?」と5W2Hで質問し、回答してもらうように努めました。また、上司の表情を見ることで、忙しくて返事がままらない状態だと理解できるようにもなりました。

その結果、上司とのコミュニケーションが改善され、仕事に対する理解が深まりました。結果として、仕事効率が上がり、上司からの評価されるようになりました。

まとめ

コンフリクトマネジメントとは、個人やグループの衝突を建設的に解決するマネジメント手法です。働き方の多様化により、合意形成を取るのが難しく衝突が起きやすくなっています。

しかし、対立を恐れずに話し合いの場を設けることで、人間関係が良くなり、異なる視点を得られ新たなアイデアを生み出せるなどの効果が得られます。

コンフリクトマネジメントは組織力向上に重要な取り組みのため、これを機会に取り組んでみてください。



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