アセンド社のカスタマーサクセス平準化への取り組み ー【アディッシュ カスタマーサクセス常駐サービス導入事例】
今回、弊社のカスタマーサクセス支援サービスを導入いただいた物流業界にSaaSを提供されるアセンド様に、サービス導入前の背景から導入プロセス、そして導入後に得られた具体的な成果や今後の展望について、詳しくお伺いしました。属人化による業務の不均一性やオンボーディングの負荷といった課題に対し、現場に常駐する専門家が提供する実践的なサポートがどのように効果を発揮したのか。アセンド社の田中亨介様(以下、田中様)と篠崎有希様(以下、篠崎様)のお二人にお話をお伺いしました。
田中亨介様 カスタマーサクセス部 マネージャー
篠崎有希様 カスタマーサクセス部 顧客サポートチーム 担当者
事業と課題
── アセンド様の事業内容について簡単にご紹介いただけますか。
田中様:
弊社は、主に物流業界向けの受注、労務、原価を管理できる運送管理システム『ロジックス』を提供しております。さらに、同システムに連動するコンサルティング事業も行っており、運送会社様の業務効率化や経営判断をサポートするためのデータ活用、料金改定、人事制度の改定といった幅広い取り組みを実施しています。これらの事業は、物流という非常に競争が激しい業界の中で、お客様が一層効率的に業務を遂行できるよう支援するために欠かせない要素となっています。
── 貴社事業の拡大に伴い、どのような課題に直面されていたのでしょうか。
田中様:
弊社のシステムは非常に柔軟性が高い反面、各顧客の固有のデータ構造に合わせたカスタマイズ対応が必要です。そのため、担当者ごとに業務の進め方や対応方法が異なり、統一されたサポートが難しいという課題がありました。さらに、急速な事業拡大に伴い、新規のお客様を迎えるオンボーディングが非常に長期化するケースも見受けられ、場合によっては3ヶ月から半年にわたる導入期間が発生し、企業全体のオペレーションに大きな負担となり、リソース不足に陥っていました。今後の拡大を見据えた標準化及びリソース不足が課題でした。
アディッシュのサービス導入
──そのような状況下で、弊社のサービス導入を決断された背景について詳しく教えてください。
田中様:
決定的だったのは、弊社が従来利用していた人材派遣とは全く異なり、アディッシュはカスタマーサクセスにおける豊富な現場経験と実績に基づき、各企業の個別のニーズに合わせたカスタマーサクセスの知見も共有してくれることです。特にまだ弊社が経験していないフェーズに対するご提案をいただけることは非常にありがたい部分です。我々が直面していた『属人化』の問題に対して最適なソリューションだと確信しました。
また我々がまだ30人規模ぐらいの会社でして、オフラインコミュニケーションを重視しているのですが、そのような就労環境にも合わせていただけているというのもあります。
──サービス提供後に実施された取り組みと、その具体的な成果についてお聞かせいただけますか。
篠崎様:
安田さん(アディッシュから常駐しているカスタマーサクセス人材)にはスタート直後は、まずお客様からの問い合わせに対する基本的なサポート対応から始めていただきました。お問い合わせへ回答したり、その設定を代わりに対応したりなどです。その過程で慣れてきたところで、実際のお客様に訪問しカスタマーサクセスのフロント業務、例えばオンボーディング等を実施していただいております。
そうする中で、会社の体制や仕組みなどもわかっていたいてきたところから、仕組みづくりの部分にも着手してもらっています。例えば入社していただいた方に対する内部用のオンボーディングなどもコンテンツがありませんでした。そこで、自身が新規メンバーとして参加するという目線がある安田さんにどういったようなものがあれば早期に立ち上がれるかというとこを考えてもらい、スプレッドシートやNotionなどで、ロジックスの操作方法や細かな設定方法、また内部的に知っておくべきいろいろな情報を取りまとめてもらっています。
ロジックスは受注・労務・原価といった複数の領域を管理するSaaSなので、覚えること、理解しておくことが多岐にわたります。そのためお客様には有用なのですが、一方でサービス提供側としては難しい部分があり、そのあたりを整備してもらってる形になります。
今まではそういったコンテンツがなかったので、一人前になるまでの時間は人によってバラバラでした。2ヶ月くらいかなと思っていたのが、3,4ヶ月かかったりとかがありました。安田さんにコンテンツを整備していただいたことで、だいたい2ヶ月で立ち上がるようになってきました。
──安田さんについて、どう評価されていますか。
篠崎様:
私としては、すごくポジティブに評価させていただいています。お仕事をする中で、段々と主体的に動いていただける範囲もどんどんと増えてきています。安心して任せられる存在かなと思っています。
田中様:
私も同意見です。我々自身が日々、様々なタスクに振り回されているので、その中で自身で考えて動いていただける部分が多々あり感謝しています。また弊社にとって足りないものが何なのかというのを把握しながら、やるべき業務を探し見つけて実行してもらっているというのも非常にありがたいと思っています。
そしてももう1つなんですが、弊社は非常にカルチャーを重要視していまして、例えば月1回みんなで飲みに行ったりですとか、日々毎日ですね、みんなでご飯を作って食べるという習慣があるのですが、そこにも参加いただいていまして、業務として関わっているメンバー以外の方とも交流を図ってくれるところも嬉しく思います。
今後の展望
──今後の課題や展望についてお聞かせください。
田中様:
ここ1年ぐらいで顧客が急激に伸びてきておりまして、新規のお客様への対応というのが全てでした。今後は、既存のお客様に向けた対策、いわゆるチャーン対策を行っていく必要があります。ヘルススコアなど利用状況の可視化というところが非常に遅れている部分ではあります。またお客様に対するアップセルやお客様から他のお客様をご紹介いただくなど、そのようなあたりをKPIとして落とし込んでいき、既存のお客様に対する対応力を高めたいなと思っていまして、このあたりが今年のミッションではあります。
安田さん個人に対して期待していることは今まで通りですね。我々も手が届いていないところっていうのを、安田さんの立場から見つけていただいたり支援いただける点を見つけていただきたいと思っています。また安田さんには一つのお客様を最初から最後まで支援していきたいという思いがあるので、そこの部分もぜひ私としても実現していきたいと思います。活躍できる方には、我々としても支援し、できる範囲で協力させていただきながら、それぞれの成長を実現したいと考えています。
篠崎様:
田中と概ね同じ意見でして、この半年、ロジックスをインプットして問い合わせ対応を実行していき、さらにそれらインプットしたことを他の人へ知識として共有していただくということをしていただきました。つまり自身の学びを他の方の学びに還元していくことですね。その部分は大変ありがたいなと感じていますし、継続していただきたいですし、ブラッシュアップしてさらに良いコンテンツにアップデートしていってもらいたいなと思っております。
一方で、サクセスさせるっていうところ、つまりお客様のオンボーディングのその先に深くはまっていくところはまだやれていない部分ですのでそこをやっていっていただきたいです。また弊社は最近はカスタマーサクセス経験者も増えてきてはいるのですが、元々はあまりSaaS出身の人もしくは、カスタマーサクセス出身の人が少ない部分はありましたので、ぜひそういった部分は、安田さんやアディッシュさんのいろいろな知識をお貸しいただいて、今後の事業拡大に備えたいなと思っております。