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解約数ゼロを達成!ポイントは未来を描くオンボーディングの成功とプロダクト成長の推進力【株式会社Leaner Technologies様】

今回ご紹介するのは、「調達のスタンダードを刷新し続ける」をミッションに掲げ、企業の調達活動のDXを推進するサービス『Leaner見積』『Leaner購買』を開発・販売する株式会社Leaner Technologies(https://leaner.co.jp/)です。同社のカスタマーサクセスの活動や重視していることについて、同社Customer Success本部 責任者 兼 Account Executiveである織茂 尚之様にお話を伺います。
(聴き手:アディッシュ株式会社 武田)

 

Leaner_サービスイメージ画像

 

プロダクト進化の方向性を見極めるため、カスタマーサクセス(CS)チームを組織

ー『Leaner見積』『Leaner購買』とはどのようなサービスですか

織茂様:『Leaner(リーナー)見積』とはエンタープライズ企業の調達・購買部向けの「ソーシングDXクラウド」です。調達業務における見積依頼から価格や条件の比較、承認に至るまで仕入先選定のプロセスを一元管理できるサービスです。現在(2023年11月取材時)、6000社を超える企業でLeaner見積が活用されています。
『Leaner購買』は多様な取引先や拠点、部門単位で分断されがちな購買活動の窓口をひとつにすることで、購買プロセスを一元管理できるプラットフォームです。購買プロセスをデジタル化し、商品選定を容易にすることで、複数の購買サイトに散在していたIDや購買データの統合管理を可能にし、ガバナンスの強化においても価値を発揮します。

多くの企業では発注システムや基幹システムなどはあっても、メールやExcel、検索しづらいフォルダで属人的に管理されていることが多いんです。そのため情報が散在して最適な取引ができていなかったり、付加価値の高い活動に集中できないという問題を抱えています。そこで属人的でアナログな業務から脱却し、調達力を強化、収益性向上を実現するサービスとしてご導入いただいています。

 

ー CSチームは織茂様が立ち上げられたのですか?

織茂様:はい、そうです。ただ実は当社には3つプロダクトがあり、最初は1つ目のプロダクトの営業としてジョインしました。そのプロダクトは、企業の支出診断を行いコスト削減の提案を行うもので、経営層や経営企画の方々の共感は得られるものの、「サクセス」という観点でいくと難しかった。というのも、削減予測をしたところで実際にそれを行い刈り取っていくのはコスト管理を担う総務・調達部門の方々です。日頃からコスト削減意識を徹底している中で横から提案を受けても、すんなりとは受け入れ難いものがあるでしょう。

2つ目の製品である『Leaner見積』の提供に本腰を入れるタイミングで、今のお客様へ自分たちがどのように価値を提供できるのか、どのように製品を進化させていくと事業拡大につながるのか見極める必要がありました。そこでお客様のニーズを汲み上げたり、プロダクトの進化の方向性を企画していくため、一旦営業から離れ、カスタマーサクセス(CS)チームを作って活動し始めたのです。

そうして見えてきたのは、「調達担当部門の方々のミッション実現に直接影響を与え、業務を回す上で欠かせないサービスを提供する必要があるということでした。いわば調達部門の生産性と企業の収益性向上を実現するサービスですね。『Leaner見積・購買』は、1つ目のプロダクトでの学びによって、現在の形になっているんです。

 

一人ひとりが事業にどう貢献するか、主体的に動ける組織

ーCSチームの業務範囲について教えていただけますか

織茂様:現在のCSチームのメインミッションは、チーム全体でNRR120%の達成です。活動内容はハイタッチで、既存顧客に対するセールスのような動き方をしています。トライアルでも本契約でも、新たにお客様との窓口が開いたら私たちCSチームのメンバーが担当につき、8週間程度のオンボーディングの後、サクセス期間まで一気通貫で伴走させていただきます。もちろん契約更新の手続きもクロスセル、アップセルのご相談も全て、私たちの業務範囲です。

現在、CSを担当する5名のメンバーにはセールスの営業経験者が多いのですが、エンタープライズのCS経験者や前職ではPdMだった者もいます。それぞれが自身の経験や強みをいかして活動を行っています。

 

ーマネージャーとしてはどんなことを意識されているのでしょう

織茂様:お客様へ提供できるビジネス成果が最大化する領域はどこで、お客様のためにも、事業成長に必要なポイントはどこがホットなのかを軸に、追うべき目標や優先順位を明確にし、柔軟に意思決定することを心がけていますね。

そして目標はできるだけシンプルにするようにしています。制度上は四半期に一度、定量・定性両面での評価を行っています。ただ、定量的なKPIでみているのはNRRだけです。逆に定性面では、メンバーそれぞれがその期間、何に注力するかを言語化し、チーム内で合意しています。これを期待合わせ会と名付けていて、事業のおおまかな方向性や方針を共有した上で、一人ひとりが事業にどう貢献するかを決めるんです。

もう2年くらい続けていますが、これを行うことで事業への帰属意識も生まれますし、事業成長の手触り感も得られます。「次はこういう貢献がしたい」と自分の強みを伸ばす機会を積極的に作っていく、プラスのサイクルが回っていますね。

オンボーディング成功を重視した活動。CSチーム立ち上げ後の解約は0件

ーCSチームの活動の成果としてどのようなことが挙げられますか

織茂様:成果として言えるのは、正式に『Leaner見積』『Leaner購買』をリリースしてから、解約がないことです。

例えば、直近でもトヨタ自動車様に継続利用を決めていただけました。調達は、企業活動を支えている非常に大事な業務です。より良い品質のものを調達できれば、より良い製品を作れます。また、コストを抑えられれば次の投資に、そして売り上げの貢献につながります。このように、企業の調達力が強化されることで日本のGDPにも影響がおよぶと言っても過言ではありません。先進事例がないと新しいサービス利用に踏み込めないという企業は多いものです。そんな中、エンタープライズのお客様の変化は、業界にとどまらず日本経済全体に影響を与え、変革を牽引してくれる大きな出来事だと考えています。

もう一つの成果は、オンボーディング期間を短縮化できたことです。私たちの定義では、オンボーディングは、見積もり・購買業務をLeaner上で完結できている状態を指します。もちろんメールやFAXなど従来の手段はゼロです。お客様によっては関係者の数もかなりの人数になりますが、これができていれば「定着」と言えるでしょう。当初は20週間ほどかけていたものを8週間まで短縮し、お客様が早々に効果を実感できる状態にすることができました。

Leaner見積は、定着すれば長く使っていただきやすいサービスです。初めの10社、15社のオンボーディングを短期間で進め、お客様に早く効果を実感してもらうことに集中しました。製品のアップデートも頻繁ですし、お客様の業種業態もさまざまですから、CS業務の型化に取り組んだのはむしろ最後ですね。今の形になったのはCSチームに4人目、5人目が入ってきたころだったでしょうか。

 

ーオンボーディングを成功させるためどんな工夫をされているのでしょう

織茂様:具体的にはオンボーディングを4つのステップに分けて実施しています。

ステップ1では、顧客カルテのすり合わせ、つまりお客様がどんな世界を実現したいのか、ゴールイメージの確立を行います。大事なのは、役員・部長・担当とそれぞれの方に対面で実施することです。「1年後にはどこに到達したいのか、何ができれば次年度も継続利用して頂けるか」という問い対して、参加者の役割/レイヤーごとに、、必然性や優先順位が違うことは往々にしてあるので、役員の方にも必ずご参加いただきます。

ステップ2は、初期設定です。アカウントの設定やサプライヤーの登録、見積もりのテンプレートの設定など、普段の業務をLeaner見積で行うための準備を行います。

ステップ3では、各種説明会を実施します。Leaner見積の場合、お客様だけでなく、サプライヤー側も使えるようにならないとオンボーディングの完了には到達できないので、ここはしっかり実施しています。

最後のステップ4も大事です。所定の期間が経過した後、お客様にプロダクト提供価値は提供できているのか、ビジネス成果は創出できているのか振り返りを行います。Leaner見積の活用率が100%でなかった場合、「何が理由で100%にならなかったのか」「何があれば100%になるのか」をヒアリングします。原因はプロダクトの機能なのか運用なのか、ギャップを明確にし、埋めていくのです。

 

ーお客様ごとの業務課題を深く理解し、どう解決するか明確にする期間なのですね

織茂様:そうですね。一般に製品が未成熟だと運用で解決しがちですが、そうすると本来の生産性向上につながらない可能性があります。お客様とのオンボーディングで発見したギャップの解消には、CSがハブとなって営業や開発も巻き込んでいくべきです。CSがしっかりと状況を伝えることで、開発ロードマップが最適化され製品を強化できると考えています。

実は、先ほど例に挙げたトヨタ自動車様も、ステップ4の段階では機能面でのギャップがあり100%には至っていなかったのですが、お客様の目指す姿を伺いプロダクトに反映させることを、全社一丸となってとにかく続けました。役員陣、部長、推進者、皆様と伴走することで、時代のアップデートに追随できるよう製品を成長させられたと実感しています。開発チームとかなり近い距離で、一緒にプロダクトを育て、お客様への提供価値を増幅していけるのもSaaSカスタマーサクセスの醍醐味ですね。

織茂 尚之様

調達の領域から日本企業と市場を力強く変えていく

ー今後のキャリアの展望やサービスとして目指す未来についてお聞かせください

織茂様:営業やCSがお客様とどのように合意形成しているかは、お客様の課題の解決や、成果を出すために本当に重要です。定めたゴールを軸に事業成長を目指し、顧客とともに自社の事業成長も叶えられる職種ですよね。さらに、CSは最もお客様の課題や目指した姿に触れ続けることができ、お客様の目指すべき姿を引き上げ、顧客と業界のスタンダードを刷新する責務があると思っています。

ただ、私自身はお客様に関わっていられれば職種にはこだわりません。スタートアップなので、事業全体の中で補完すべき場所があれば、そこに強い人間がカバーして進めばいいという考え方です。ですから役割のレッテルなどは度外視して、必要なことには全力を尽くしていきます。

現にCSの責任者という立場にはありますが、製品開発や新規営業にも関わっています。CSとしてはお客様と相対する中でも、新しいターゲットを開拓したり、製品の新しい事業展開を企画したり、多様な取り組み方が可能です。今後も事業の成長を加速させるポジションで力を発揮し続けていきたいですね。

この「調達」という領域が変わることのインパクトはとても大きいものです。現在、当社のお客様は、製造業や小売業、旅行宿泊業など、購買活動が経営課題に直結する一定規模以上の企業です。こうしたエンタープライズ企業の変革を成功させることは、多くの企業の変化のきっかけになるでしょう。今後も質の高いサービスが生まれ、当たり前に選ばれる市場を創造できるようチャレンジしていきます。

それに業界問わず、アナログかつ事務的な業務に時間を割くことは、仕事を進めるための仕事を増やし、モチベーションの低下や、事業に対する貢献感を減らしてしまうと思うんです。だからこそ調達部門で働く人たちの仕事を幸せなものにする手助けができたら嬉しいです。


ーどんな人だったら一緒にお仕事をしたいと思われますか?CSというキャリアに興味のある方へ、ぜひメッセージをお願いします。

織茂様:顧客の成長を軸に職能の枠を超えて働きたいという人が向いているし、一緒に働きたいと思います。良いプロダクトづくりを加速させ、顧客と業界のスタンダードを刷新することがCSの責務であり値です。その点、組織などの枠組みや制約の厳しい中でなんとかするというのは苦しいですよね。CSとしてお客様に触れる中で得たものを、どうセールスに還元するか、プロダクトに還元するか。お客様がどうしたらもう一段階成長できるのかなど大きな視点で考え、動ける人であればきっと活躍できます。

 

ー織茂様、本日はありがとうございました。


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