売上管理とは?|目的や方法、ポイントを理解して適切な管理を実現
前田千波
2024.11.07
売上管理とは、売上情報を記録するだけでなく、現状を把握して目標達成のためにすべきことを考えるために行います。そのため、経営層や経理・会計担当者だけでなく、営業担当者などの売上に影響を及ぼす職種の担当者は理解しておくべきと言えます。
そこで本記事では、売上管理とはどのようなものか、といった概要から、売上管理の方法やポイントまでを詳しく解説します。
売上管理とは
売上管理とは、日々の売上情報を入力・集計して現状を整理し、売上目標とのギャップや進捗度を把握して、目標を達成するために管理していくことです。
「売上管理」とだけ聞くと、売上金額の入力や集計だけのようなイメージもありますが、現状の課題や目標に対する達成率などを明確にすることまで含まれます。売上目標を達成するために、適切な売上管理は欠かせません。
売上管理を行う目的
売上管理は、日々の売上を把握するだけでなく、経営上も大きなメリットのある業務です。売上管理を行う目的を3点紹介します。
自社の現状や傾向を把握する
売上情報を客観的に分析することで、自社の現状や傾向を把握できます。
たとえば、月による売上金額の変動や、前年と比較した際の売上の上がり・下がり、さらには部門や商材による売上金額の構成などが可視化されます。
また、売上管理では売上金額だけでなく原価なども分析するため、自社に入る利益も分析できます。どのくらいの利益を得られるのか把握したうえで、利益を向上させるためのネクストアクションを考案できるでしょう。
経営上のボトルネックを発見する
売上管理を行うと、自社のボトルネックの発見にもつながります。
売上や利益が低い場合、その要因を分析することで「原価が高い」「人件費が高い」「チームによって売上にばらつきがある」などの課題を発見できます。
数字という定量的な要素で分析すると、経験や勘などに頼らずに客観的に状況を見直すことができ、経営上のボトルネックとなっているポイントも洗い出せるでしょう。
売上アップのための戦略を立案できる
売上管理によるボトルネックの発見を通じて、売上アップのための戦略立案も可能です。
たとえば、月別、チーム別、商材別の売上を分析し、伸び悩んでいる要素があれば強化するための戦略を打ち出せます。また、コストがかかっている部分を把握することで、コストを削減して利益を向上させることもできるでしょう。
このように、客観的な視点での戦略立案にも、売上管理が有効です。
売上管理で管理すべき項目
売上管理では、どのような数字を見るべきなのでしょうか。主な指標は以下の通りです。- 売上金額
- 売上絵目標の達成率
- 前月や前年との比較
- 原価
それぞれ解説します。
売上金額
売上金額は、売上管理において重要な項目です。売上金額を記録する際には、以下の情報も必要です。- 売上が発生した年月日
- 顧客名
- 商材名
- 担当者名
金額だけでなく、売上に紐づいたさまざまな情報を記録しておくことで、後々の分析に役立ちます。
売上目標の達成率
売上金額を記録するだけでなく、売上目標に対して現状どのくらいの達成率か、というデータも可視化しましょう。定期的に達成度を分析することで、目標値とのギャップを把握でき、次に何をすべきか検討できます。
前月や前年との比較
自社の売上の傾向を把握するために、前月および前年との売上の比較も行います。前月比・前年比で売上が伸びている場合は、現在の施策の効果が出ていると言えます。
また、売上が減少している場合は、必ず要因を検証しましょう。受注が少なかったのか、そもそも目標値が妥当ではなかったのか、などの視点で検証することが重要です。
原価
売上金額だけでなく、自社にどのくらいの利益が入ったのか把握することも必要なので、原価も記録しましょう。
原価と聞くと、原材料費や仕入れ値などをイメージする人も多いかもしれませんが、それだけでなく、原価には人件費や外注費なども含まれます。
同じ売上金額でも、原価が高ければ当然ながら利益は少なくなり自社の経営に影響するため、原価がどのくらいかかっているのかも把握しましょう。
売上管理の方法
売上管理の方法は多岐にわたりますが、ここでは主な方法として「Excel」「会計ソフト」「SFA/CRM」の3つを紹介します。
Excel
Excelは表計算に特化したソフトのため、売上管理に適しています。自社に合ったフォーマットを作成でき、項目も柔軟に設定できます。
ただし、データを手入力しなければならないため、手間がかかるうえに入力や転記のミスが発生するリスクがあります。また、複雑な分析や集計をするためには関数を活用しなければなりませんが、関数のスキルがなければ扱いにくい点にも注意が必要です。
会計ソフト
会計ソフトは会計業務を効率化するための機能が充実しており、売上金額の集計や分析が自動でできるため、売上管理に適したツールです。請求書作成ツールなどと連携すると自動で売上金額が記録されていく会計ソフトもあるため、入力ミスのリスクも抑えられるでしょう。
ただし、オンプレミス型のソフトの場合は導入費用がかかりますし、SaaSでサブスクリプションモデルの会計ソフトの場合は毎月のランニングコストがかかります。運用の手軽さだけでなく、コストの負担も考慮しましょう。
SFA/CRM
SFAやCRMなどは、顧客情報や営業情報に紐づいた売上管理ができます。顧客の購買履歴や営業担当者の商談履歴などを確認しながら売上分析ができる点がメリットです。
ただし、会計ソフトと同様にコストがかかる点には注意しましょう。
売上管理のポイント
売上管理の精度を高めるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。売上管理のコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
フォーマットを作成して効率化する
売上管理で使用するフォーマットを作成し、入力する項目をあらかじめ決めておくことで、入力業務が効率化します。
社内で共通のフォーマットが決まっていないと、入力する担当者によってフォーマットや項目がバラバラになったり、入力項目が増えすぎて入力負荷がかかりすぎたりします。
そのため、事前にフォーマットを決めて社内に共有しておきましょう。
入力ルールを設定する
入力ルールもあらかじめ決めておくべきです。担当者によって入力の仕方が異なると、正確な分析ができません。- 数字やアルファベットは全角か、半角か
- 数字には「,(カンマ)」をつけるか
- 企業名は「株式会社」をつけるか
- 担当者名は苗字だけか、苗字と名前も必要か
このように、細かく入力ルールを決めておくことで、データの品質を均一化できます。
定期的に数値を振り返る
売上管理では、売上金額を入力することが目的なのではなく、その先にある「売上アップ」につなげることが大きな目的の一つです。そのため、データを入力しっぱなしではなく、定期的に数値を振り返って「このときに売上が下がった要因は何だろう」「目標は達成できるだろうか」といった視点で客観的に分析しましょう。
担当者別や商材別など多角的に分析する
売上金額を分析する際には、ぜひ担当者別や商材別などの指標で見てみてください。
「成果が出ている担当者は誰か」ということだけでなく「いまひとつ成果が出ていない担当者は誰か」を知ることで、適切な人材教育を行えます。また、売れ筋商品を強化したり、売れていない商品を扱わないようにしたりするなど、客観的な判断ができるようになるでしょう。
売上目標を達成するための戦略を立案する
前述の通り、売上管理は売上金額を入力することが目的ではありません。売上を向上させて売上目標を達成するためには何をすべきか把握するために行います。
売上管理では、現状と目標のギャップを算出し、そのギャップを埋めるために何をすべきか判断します。たとえば、売上が落ち込んでいる担当者がいれば、アドバイスをしたり同行したりすることで売上が向上するため、チーム内の目標達成にも近づきます。
最後に
売上管理は、売上目標を達成するために欠かせない業務です。経営層や経理・会計部門の業務のようなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、営業部門やマーケティング部門、カスタマーサクセス部門など、売上に影響力のある部門は理解しておくべきと言えるでしょう。
売上管理の方法は「Excel」「会計ソフト」「SFA/CRM」などがあるため、自社の運用方法や目的などに応じて適したツールを活用してください。
当社、アディッシュ株式会社は、今までに培ってきたカスタマーサクセス支援実績をもとに、売上目標を達成するための戦略立案や施策実行をサポートさせていただきます。適切な売上管理をしたい方は、ぜひアディッシュにご相談ください。
この記事を書いたライター
前田千波
前職のITベンチャーにてインサイドセールスの立ち上げに参画し、SDR・BDR共に経験。特にSNSを活用したアポ創出を行う。 アディッシュではインサイドセールスの新規開拓推進担当として、カスタマーサクセス商材を中心にアポ創出やチーム構築に携わる。大分県在住