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顧客満足度(CS)を測定する重要な指標5選|調査方法や向上させるポイントも紹介

顧客満足度調査をしたいと思っても、どのような指標を調査すべきなのか、どのような方法で調査するのかわからない、といった人も少なくありません。

そこで本記事では、顧客満足度調査における重要な指標を5選紹介します。また、調査方法や顧客満足度を向上させるポイントも解説しています。

 

顧客満足度(CS)とは?

まずは、顧客満足度とはどのようなものなのか解説します。

顧客満足度の定義

顧客満足度とは、自社の商品・サービスに対して顧客がどの程度満足しているか、数値化した指標です。英訳の「Customer Satisfaction」から「CS」と略されることもあります。

人は、商品・サービスを購入する際に、程度の差はあれども期待値を持って購入します。たとえば「この商品は口コミが良いから期待できる」「このサービスや安いから、相応のクオリティだろう」といった感情です。

そして実際に商品・サービスを購入してから使用してみるという一連のCX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)が、期待値を上回っていたら満足度が高くなり、期待値を下回っていたら満足度は低くなります。

顧客満足度調査の必要性

顧客満足度を把握するためには、調査を実施する必要があります。

顧客満足度調査は、自社の商品・サービスがどのくらい顧客を満足させられているのか、どのくらい市場に受け入れられているか、といった内容を把握するために重要です。

また、調査では顧客満足度を測る設問だけでなく、「満足している点」や「改善してほしい点」などの設問を設けることもできます。顧客がどのような点に満足しているのか、一方で顧客がどのような点に不満を感じているのか、を理解できれば、自社商品・サービスの改良やサポート体制の強化に役立てられます。

顧客満足度を高めるべき理由

顧客満足度の数値は、高いに越したことはありません。それでは、なぜ顧客満足度を高めるべきなのでしょうか。その理由を解説します。

チャーンレートを改善させる

顧客満足度を高めることで、チャーンレート(解約率)の改善につながります。

サブスクリプション型のSaaSビジネスでは、いかに解約を抑えて利用を継続してもらうかがビジネス成長のカギになります。しかし、顧客がサービスに満足していないと、解約が多くなりビジネスを維持することが難しくなるでしょう。

そのため、顧客満足度の高いサービスを提供し続けることで解約を防ぎ、チャーンレートの改善につながります。

アップセル・クロスセルができる

顧客満足度が高いと、アップセルやクロスセルにつながり、売上の最大化が期待できます。

満足度が高い顧客は「もっとサービスを活用したい」という気持ちになります。したがって、現在のプランからアップグレードするアップセルや、関連商品やオプションも購入するクロスセルなどにつながりやすくなるのです。

新規顧客獲得につながる

顧客満足度を向上させると、新規顧客の獲得も見込めます。

満足度が高い顧客は、ポジティブな口コミを発信してくれるようになります。SNSやレビューサイトなどで良い口コミを見たユーザーが自社商品・サービスに興味を持ち、問い合わせや資料請求などを行い、新規顧客となってくれる可能性があります。

顧客が自発的に良い口コミを発信してくれることで、企業は膨大な広告費をかけなくても多くのユーザーにリーチでき、新規顧客獲得の可能性が高まるのです。

顧客満足度を分析できる主な指標

顧客満足度調査は、数値で測定する「定量調査」と、数値化できない「定性調査」があります。どちらも重要ですが、定量調査は満足度を数値化できるため、継続的にモニタリングしていくことで顧客満足度の動きや傾向を把握できます。

そこで、ここでは顧客満足度を分析できる主な指標を5つ紹介します。

CSAT(Customer Satisfaction)

CSAT(Customer Satisfaction)は、顧客満足度を調査する際の極めて一般的な指標です。

顧客には「この商品・サービスにどのくらい満足していますか」という質問を投げかけます。そして顧客は、以下の5つから該当するものを選択します。

  • 非常に満足
  • 満足
  • どちらでもない
  • 不満
  • 非常に不満


そして、各回答の数から割合を算出して顧客満足度を測定します。

一般的には、CSATは「非常に満足」と「満足」に回答した数から、数値を算出します。たとえば以下のような結果だった場合、このような計算になります。

(N=1000)

  • 非常に満足:100人
  • 満足:200人
  • どちらでもない:300人
  • 不満:150人
  • 非常に不満:150人


CSAT=(100+200)÷1000×100=30%

今回は5つの項目の中から回答を選ぶ方法を紹介しましたが、その回答を選択した理由を問う設問を付け加えたり、顧客の回答の手間を削減するために非常にシンプルに「満足」「不満」だけの回答項目にしたりする場合もあります。

NPS(Net Promoter Score)

NPSは、顧客満足度とは少々異なる意味合いをもつ指標ですが、顧客満足度調査の代わりに用いられることの多い指標です。

NPS(Net Promoter Score)は、顧客が自社の商品・サービスを他者に勧めたい度合いを示します。具体的には、顧客に対して「あなたは、この商品・サービスをどのくらい家族や友人に勧めたいですか」という質問を行い、顧客は0~10の11段階で回答します。そして、回答結果から3つのグループに分類します。

  • 0~6点:批判者
  • 7、8点:中立者
  • 9、10点:推奨者


そして、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSとなります。

たとえば以下のような結果だった場合、このような計算になります。

(N=1000)

  • 批判者:200人
  • 中立者:400人
  • 推奨者:400人


NPS=40%-20%=20

なお、批判者の割合が推奨者の割合を上回ると、NPSがマイナスの数値になります。

NPSは「他者に勧める」という将来的な行動に基づいて回答するため、過去の期待値との差を比較するCSATとは少々性質が異なります。しかしながら、顧客が商品・サービスに満足していなければ他者に勧めるという行動にもつながらないため、顧客満足度を測る指標としても用いられることがあります。

CSI(Customer Satisfaction Index)

CSI(Customer Satisfaction Index)は世界規模で活用されている顧客満足度調査の指標です。

商品・サービスに関連する以下の質問を投げかけます。

  • 顧客期待値
  • 顧客不満度
  • 顧客忠実度
  • 知覚品質(商品に対する顧客の主観的な評価)
  • 知覚値(価格に対する満足度)


これらの質問に顧客が0~100点で回答し、回答した点数の平均値がCSIとなります。

JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)

JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)は、CSIを日本版にカスタマイズした指標です。

日本最大級の顧客満足度調査とも言われ、サービス産業生産性協議会がサービス産業の約30種類の業種を対象にして毎年調査を行い、スコア上位企業を公表しています。

JCSIでは、以下の6項目についてアンケートを実施します。

  • 顧客期待
  • 知覚品質
  • 知覚価値
  • 顧客満足
  • 推奨意向
  • ロイヤルティ


1項目につき3~4つの質問を行って得点を計算し、100点満点で指数化します。複数の項目で質問を行うため、顧客満足度を多角的に分析できる点がメリットと言えるでしょう。

LTV(Life time Value)

LTV(Life time Value)とは「顧客生涯価値」と訳され、顧客と取引を開始してから終了するまでに自社にもたらした収益を指します。

商品の場合は初回購入から購入を継続した期間で算出し、サービスの場合は契約してから解約するまでの期間で算出します。

LTVの計算式はさまざまあるのですが、よく使われているものは以下の計算式です。

LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

LTVが高いということは、顧客の平均単価・購買頻度・継続期間のいずれも高い数値であるという意味になります。いずれの項目も満足度が高くなければ向上しない数値のため、LTVは顧客満足度を測る際に用いられています。

顧客満足度を調査する方法

顧客満足度の調査方法は、主に以下の3通りです。

アンケート調査

顧客満足度調査では、アンケート調査が多く活用されています。オンラインで回答できるアンケートフォームを作成したり、アンケート用紙を作成して郵送したりする方法などがあります。

アンケートは、多くのサンプル数を集めたいときに適しています。アンケート用紙の場合は記入や郵送などの手間があるため、より手軽に答えてもらいたい場合はオンラインを活用しましょう。

インタビュー調査

インタビュー調査は、対象者に直接質問を投げかけて、会話形式で顧客満足度を調査していく手法です。電話を活用したり、会場を手配して対面で進めたりすることもあります。

アンケート調査では入力の手間がかかるためフリーテキスト欄は空欄の場合も少なくありませんが、インタビュー調査では対象者に直接話を聞けるため、理由や要望などを聞き出しやすい点がメリットです。

モニタリング調査

モニタリング調査は「覆面調査」とも言われ、実際に店舗に行って接客態度や店内環境を調査したり、顧客の行動や態度を確認したりして、顧客満足度を推定する手法です。自社で行うと主観的な視点が入りやすいため、モニターを募集したり調査会社に依頼したりすることが一般的です。

顧客満足度を高める方法

顧客満足度調査を行った結果、「予想よりも低かった」「以前の調査よりも低下している」といったことがあります。そうしたとき、顧客満足度を改善させる方法として、以下の方法が挙げられます。

ただし、いずれもすぐに成果が出るわけではなく、長期的な取り組みによって顧客満足度が向上していくという点には注意が必要です。

自社の商品・サービスをブラッシュアップさせる

商品・サービスのブラッシュアップは、自社の商品・サービスに対して不満を抱いている層に対して有効です。「使い方がわかりにくい」「故障しやすい」などの不満や不便を解消できるように改良できれば、顧客満足度向上につながりやすくなるでしょう。

また、顧客満足度調査で「こんな機能がほしい」「もっとこうしてほしい」といった改善要望をもらった場合も、そうした意見を商品・サービスに反映させることが重要です。顧客のニーズにマッチした商品・サービスを提供できれば、さらなる顧客満足度向上につながるでしょう。

必要な人に必要なタイミングで情報を提供する

従来のような、不特定多数に対する画一的・一方的な情報発信は成果が出にくくなっています。なぜなら、インターネットの進歩によってユーザーは自ら情報を収集できるようになり、自分にとって必要な情報の取捨選択が容易になっているためです。

そのため、一人ひとりのタイミングやニーズに合わせた情報提供が求められています。

たとえば、サービスを導入してすぐの顧客は、「導入がうまく進まない」「社内での活用を定着させたいが何をしたら良いのだろう」という状況に陥ります。そのタイミングで、導入サポートの案内や活用ノウハウ資料の送付などを行うことで、顧客は「自分にとって有益な情報を得られた」と感じ満足度が向上するでしょう。

対応スピードを意識する

店舗スタッフや問い合わせ窓口は顧客と直接関わり合うため、「企業の顔」と言われることもある重要な存在です。そんな店舗スタッフや問い合わせ窓口などの対応スピードを改善することでも、顧客満足度向上につながる場合があります。

たとえば顧客が急いで知りたいことがあって窓口に問い合わせても、なかなか返答がもらえないと不満を感じ、「あの会社はだめだ」といったイメージを持ってしまうのです。

対応スピードを意識して接客品質を向上させることで、顧客満足度の改善につながるでしょう。

カスタマーサクセスが手厚くサポートする

顧客満足度の向上には、カスタマーサクセスの活躍も欠かせません。

カスタマーサクセスとは、従来のカスタマーサポートのような顧客からの問い合わせ対応を行う職種とは違い、顧客の「事業成長」や「売上向上」などの成功体験のために伴走する職種です。

カスタマーサクセスは、顧客の導入支援や活用促進、コミュニティ運営などを行います。こうした取組みを通じて手厚くサポートすることで、顧客満足度の向上につながるでしょう。

実際、カスタマーサクセスの評価指標として顧客満足度が用いられることも少なくありません。

まとめ

顧客満足度調査では、以下のような指標があります。

  • CSAT(Customer Satisfaction)
  • NPS(Net Promoter Score)
  • CSI(Customer Satisfaction Index)
  • JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)
  • LTV(Life time Value)


いずれの指標も調査方法や算出方法、調査によってわかることなどが異なります。そのため、各指標の特徴を理解し、自社のビジネスに合っている指標を用いることが重要です。

また、顧客満足度を向上させるためには、商品・サービスのブラッシュアップやカスタマーサクセスの活躍などがポイントになります。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、顧客満足度改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。


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