BPRを導入する5つのメリット|BPR導入までの流れを解説
山田理絵
2024.10.15
「会社の業務が非効率だな」「もっと利益を追求できる組織を作りたい」このような時には組織や業務そのものを抜本的に見直すことによって生産性が向上し収益力が高まる可能性があります。
業務プロセスを根本的に見直すのがBPRです。
BPRには効率化だけでなく他にもさまざまなメリットがあります。
本記事では、BPRのメリットと進め方や注意点について詳しく解説していきます。
BPRとは
BPRとはBusiness Process Re-engineeringの略称で、直訳すると業務プロセスの再構築という意味になります。
業務改善と異なりプロセスそのものを根本的に見直すのが大きなポイントです。
BPRと業務改善との違い
私たちがよく耳にする業務改善とは業務のプロセスを残したままその一部を改善することです。
例えば、稟議書の回覧方法を紙ベースから電子ベースへと変えることなどは業務改善に該当するでしょう。
他方、BPRは業務のプロセスそのものを根本的に見直すことであり、例えば稟議書の回覧を
担当者→課長→部長→役員
となっていたものを、一定の案件に関しては決済なしでできるようにするなどのプロセスそのものの改善を図ることを指しています。
BPRは業務プロセスを根本的に見直すこと
このようにBPRは業務プロセスそのものを根本的に見直すことです。
社内のあらゆる業務を徹底的に見直して顧客や企業の利益になっていない部分を根本的に改善します。
既存のプロセスを維持し、一部分だけ改善する業務改善とBPRは根本的に異なる考え方だと理解しておきましょう。
BPRの5つのメリット
BPRには以下の5つのメリットがあります。
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業務を可視化できる
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効率化・生産性の向上が進む
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目標達成のための組織づくりができる
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顧客満足度が向上し業績アップ
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社員のモチベーションがアップする
業務プロセスを再構築することによって生産性や業績の向上が期待できるだけでなく、従業員のモチベーションアップも期待できるのが大きなポイントです。
BPRの5つのメリットについて詳しく解説していきます。
業務を可視化できる
BPRはまず既存の業務を見直すことから始まります。
既存の業務プロセスを知ることで、業務を可視化することが可能です。
「これまでの業務の流れ」「改善すべきプロセス」などを可視化することによって、これまでは目の前の仕事しか見えていなかったものが、全体を見ることができるようになります。
効率化・生産性の向上が進む
BPRによって非効率なプロセスを改善することで業務の効率化を図ることができます。
BPRは「企業の効率化のためにどのように業務プロセスを見直すべきか」という観点にのみ基づいて行うので、正しく実行すれば確実に効率化と生産性の向上を図ることができるでしょう。
目標達成のための組織づくりができる
BPRは非効率なプロセスを徹底的に見直す改革です。
そのため、目標を最短ルートで達成できるような効率的な組織を作ることができます。
非効率な組織は「上司に怒られないためにはどうすべきか」など、目標達成や収益とはほど遠い価値観で業務が進められていることも多いですが、BPRを実施することによって目標達成のための筋肉質な組織を確実に作ることができるでしょう。
顧客満足度が向上し業績アップ
BPRは顧客の価値を引き上げるための組織改革ですので、顧客満足度の向上も期待できます。
顧客の満足度が上昇すれば、その顧客はさらに優良顧客となり、他の顧客を連れてきてくれるロイヤルカスタマーまで成長する可能性があり、飛躍的に業績が向上する可能性もあるでしょう。
社員のモチベーションがアップする
BPRは社内の非効率なプロセスを徹底的に見直すことです。
社員にとっては行動が利益や顧客満足に直結するため、以前よりも働きがいは増すでしょう。
社員のモチベーションがアップすれば、さらに収益力が高くなる好循環を生み出すことが可能です。
BPRを進める流れ
では、実際にBPRを進める流れについて解説します。
BPRは大まかに次のような流れで進めましょう。
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目標と対象の業務範囲を設定する
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現状を分析し課題を洗い出す
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ビジネスプロセスを設計する
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BPRを実行する
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評価・分析を行う
BPRの進め方について詳しく解説していきます。
目標と対象の業務範囲を設定する
BPRの見直しによって「どんな組織を作りたいのか」を明確にしましょう。
また、どの部署の業務プロセスを見直すのかの設定も重要です。
BPRは大きな社内改革ですので一度に全ての部署を見直すのではなく、対象を絞って少しずつ行っていきましょう。
現状を分析し課題を洗い出す
対象の部署が決まったら現状をしっかりと確認します。
部署のどんなプロセスが非効率なのか、それによって時間や予算や資源をどの程度浪費しているのかをしっかりと確認しましょう。
ビジネスプロセスを設計する
現状の認識と課題を洗い出したら、当該部署で最大限の効率化と収益力を確保するために「どんなビジネスプロセスが必要なのか」を設計しましょう。
BPRを実行する
設計したビジネスプロセスを基にBPRを実行します。
社員にとっては非常に大きな変化ですので、ひとりひとりに丁寧に説明するとともに、効率的に業務ができるよう、何度もシミュレーションを実施しましょう。
評価・分析を行う
BPRが正しく機能しているか、社内の効率化を図ることができているかを確認するため、評価と分析を行いましょう。
効果が表れていないのであれば、さらなるBPRを行うことも検討する必要があります。
BPR導入時の注意点
BPRを会社に導入する際には、入念な準備を進めるとともに顧客目線で行うことが重要です。
BPRを進める上で注意すべき2つのポイントについて詳しく解説していきます。
事前の入念な分析と準備が必須
BPRはいきなり行うのではなく事前の入念な分析と準備が必要です。
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分析:社内のどこが非効率でどうすれば改善できるのか
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準備:BPR実施のための社員への周知、新しい業務プロセスの設計
この分析と準備に時間をかけ、分析と準備が正しいものであればあとは進めるだけになります。
いきなり進めるのではなく、まずは入念に分析と準備を行いましょう。
会社目線ではなく顧客目線で
BPRは「顧客にとっての企業価値を高めるための業務プロセスの改善」であることが基本です。
企業にとっては「非効率だから切りたい」と考えている分野でも、顧客にとって価値があるのであれば切るべきではありません。
経費節減のための会社目線の改革ではなく、顧客満足度をさらに高めるための改善という目線を決して忘れないようにしてください。
この記事を書いたライター
山田理絵
不動産営業を経験後、アディッシュにて、カスタマーサクセス関連商材のインサイドセールスを担当し、初期接点から課題の顕在化をし機会創出を行う。 趣味はポールダンスと料理。