BPOサービスを利用する5つのメリット|業務を効率化させるポイントとは?
「社内の生産性をあげたい」「コア業務に集中したい」「業務の効率化を図りたい」このように、社内業務プロセスの改善を希望している企業も多いのではないでしょうか。
業務プロセス改善のための有効な方法の1つがBPOです。
BPOを導入することによって業務プロセスが改善し、収益力の強化につながるでしょう。
BPOのメリットとBPOを効果的に活用する方法について、詳しく解説していきます。
BPOとは
BPOとは「ビジネスプロセスアウトソーシング」の略称です。
その名の通り、企業の業務プロセスをアウトソーシングする方法で、企業の業務プロセスの一部分を外部企業に委託することによって、自社業務の効率化を図ることができます。
業務プロセスのアウトソーシング
BPOとは、企業の業務プロセスを外部企業にアウトソーシングすることです。
外部委託する業務は次のような間接業務が一般的です。
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総務
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経理
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人事
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カスタマーサポート
また、人材育成やマーケティング業務についてもBPOを導入する企業も増えています。
自社はコア業務に注力できる
BPOによって間接業務やバックオフィス業務を外部委託することで、自社のリソースをコア業務に集中させることができます。
外部に任せられることは委託すれば、自社はコア業務において競争力の強化や優位性の確立が可能です。
他社に委託しても問題のない間接業務にBPOを導入することで、収益力の強化を期待できます。
委託することで業務精度が向上する
またBPOを導入することによって、外部委託した業務プロセスそのものの精度向上も期待できます。
外部委託する企業はプロですので、自社よりもその領域のノウハウを蓄積し、専門性の高い人材を抱えています。
「間接業務の精度をさらに向上させたい」という目的に対しても、BPOは活用できるでしょう。
BPOサービスを利用する3つのメリットとは?
BPOサービスを利用することは、企業にとって次の3つのメリットがあります。
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コア業務に集中し収益拡大を図ることができる
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コストを削減できる
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間接業務の専門性が高くなる
BPOが企業にもたらす3つのメリットについて、詳しく解説していきます。
コア業務に集中し収益拡大を図ることができる
BPOでは間接業務を外部委託するため、これまで間接業務に従事していた人材をコア業務に回すことができます。
企業のリソースをコア業務に集中できるため、商品開発・営業などに注力することができ、さらなる収益拡大が期待できるでしょう。
コストを削減できる
BPOを導入することによって、コスト削減が期待できるでしょう。
企業は間接業務を維持するために、専門性が高く賃金が高い人材を抱えなければなりません。
また、決算時などにはさらなるコストをかけて外部の専門家に依頼しなければならない場面もあります。。
間接業務の維持には高いコストがかかりますが、BPOであれば専門性が高い人材に対して一定範囲の料金で委託することができます。
間接業務維持のための固定費をBPO導入によって削減できるでしょう。
間接業務の専門性が高くなる
外部委託する企業は、その分野の専門家です。
経理であれば経理のスペシャリストが集まっている企業のため、自前の間接業務の部署よりも非常に高い専門性を持っています。
社内の部署ごとの連携ができていないことによる非効率もBPOであれば解決できるため、間接業務の精度や速度の向上が期待できるでしょう。
BPOとアウトソーシングの3つの違い
外部委託というと「アウトソーシング」を連想する人も多いのではないでしょうか?
業務を外部に委託するという点は共通していますが、BPOとアウトソーシングでは以下の3つの点で異なります。
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プロセスごと外部委託するか否か
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経営改革か否か
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一時的か継続的か
BPOとアウトソーシングの違いについて解説していきます。
プロセスごと外部委託するか否か
BPOはプロセスそのものを外部に委託するため、業務の運用そのものが受託企業に委ねられることになります。
一方、アウトソーシングは自社が運用する中で不足する部分のみ外部に委託するイメージです。
例えば経理部署の請求業務だけを外部委託するなど、あくまでもプロセスそのものの運用は自社が行うため、BPOと異なりアウトソーシングは業務の一部のみを補完するものだと理解しておきましょう。
経営改革か否か
BPOは選択と集中のために社内体制を再構築する経営改革です。
一方、アウトソーシングはあくまでも既存の業務体制を円滑に回すための補完にすぎません。
BPOが他社に勝つための組織力強化改革であるのに対して、アウトソーシングは既存業務の円滑化だと言えます。
一時的か継続的か
BPOは継続的に業務プロセスを外部企業に委託することです。
自社の間接業務を手放してリソースをコア業務に集中させるため、継続的に導入します。
一方、アウトソーシングは人手不足や繁忙期のみ利用することも多く、一時的に利用されるものです。
BPOは継続的利用、アウトソーシングは一時的利用という違いがあります。
BPOの効果を最大化するポイント
BPOの効果を最大限に高めるには、次の3つのポイントを押さえて社内体制を再構築することが重要です。
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社内にBPOの目的を周知する
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外部に任せる仕事を慎重に選定する
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BPOによって空いたリソースをコア業務に回す準備をする
社内にBPOの目的を周知する
まずは「なぜ間接業務をBPO化するのか」という点を周知しましょう。
例えば「急に経理部署がなくなる」となれば社内は動揺し「リストラがはじまるのでは」「経営状態が危ないのでは」など、ネガティブに捉えられる可能性があります。
「企業の経営力強化のため」とか「コア業務にリソースを集中させるため」など、BPOの目的を明確化し周知することに努めましょう。
外部に任せる仕事を慎重に選定する
BPOによって外部に任せる仕事を慎重に選定しましょう。
自社にしかできない仕事はBPO化すべきではありません。
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自社でなくてもできる仕事
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自社の専門性が低い仕事
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ミスやエラーが多い仕事
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高コストになっている仕事
上記のように、BPO化した方が効率的な業務は何かを、検討委員会などを作って慎重に選定しましょう。
BPOによって空いたリソースをコア業務に回す準備をする
BPO導入によって「何人の従業員が空くのか」「資金はいくら浮くのか」を明確にし、そのリソースをコア業務のどの分野に回すのか経営計画を策定しましょう。
ただBPOだけを進めても、空いたリソースの活用方法が決まっていなければ意味がありません。
BPOによって空いたリソースの活用方法まで含めてBPOを進めましょう。
BPOの導入による成功例
・Sansan株式会社
クラウド名刺管理サービスなどを行う同社は、経理と労務部門をBPO化し、効率化に成功しています。
同社は従業員の増加に伴い、給与計算や社会保険手続き業務が煩雑化していました。
給与計算・社会保険手続きなど、さまざまな企業にアウトソーシングを依頼していたものの、それぞれのチェック業務は自社で行っていたため、業務が煩雑化し、チェックミスも少なくなかったのです。
そこでBPOを導入し、給与計算・社会保険業務・給与データをもとに経理部門の仕訳データの提供などを一元的に委託しました。
それによって、人事部門および経理部門の業務効率化に成功した事例です。
・月桂冠株式会社
大手酒造会社である同社は、退職等の人材流出により、受注業務の安定的な継続に課題を抱えていました。
そこで受注部門をBPO化し、安定した受注部門の運用に成功しています。
大手人材派遣会社のパソナへBPOを依頼し、受注業務の標準化およびマニュアルを整備。
FAX主流の注文から、EDI割合を大幅に向上し業務効率化を実現しました。
自社社員を物流企画・マーケティング、リテールサポート等のコア業務にシフトさせ、受注業務はパソナの派遣社員で運用することができています。
まとめ
BPOとは、企業の間接業務のプロセスを丸ごと外部に委託することです。
コア業務とは無関係な間接業務を専門性の高い企業に委託することによって、間接業務の精度向上やコスト削減につながります。
また、自社のリソースをコア業務に注力できるため、競争力や収益力の強化につながるでしょう。
まずは「自社のどの分野をBPO化するか」「空いたリソースはどのようにコア業務に充てるのか」を明確にし、BPOを活用した経営改革を検討してみましょう。