営業成功のカギ!BANTCフレームワークの全貌と活用ポイント
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武田龍哉
2025.01.21

営業活動で商談を成功させるためには「決裁者」「予算」「導入タイミング」などを理解して、適切なアプローチを行うことが大切です。
商談を成功させる要素を聞き出すためにフレームワーク「BANTC」を活用しましょう。
BANTCを上手く活用すれば、提案力が向上して契約が獲得できるようになります。
今回はフレームワークBANTCについて解説します。商談を成功させる要素を聞き出すテクニックまでご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
BANTCとは
BANTCとは、ヒアリングする際に用いるフレームワークです。5つの要素の頭文字を取っています。
- Budget(予算)
- Authority(決裁権)
- Needs(需要)
- Timeframe(導入時期)
- Competitor(競合)
5つの要素をヒアリングしておくことで「予算はどれぐらいあるのか?」「導入時期はいつ頃になるのか?」「受注確度はどれぐらいか?」を把握でき、適切なアプローチができるようになります。
BANTC項目とヒアリング例
BANTCは「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(需要)」「Timeframe(導入時期)」「Competitor(競合)」の頭文字です。5つの要素について「なぜ聞くべきなのか?」「どのようにヒアリングすべきなのか」を理解しておきましょう。
Budget(予算)
Budget(予算)をヒアリングする目的は、顧客の予算を把握して最適なサービスを提案することです。
予算を把握することができれば、無理のない範囲で導入できるサービスプランを提案できて、スムーズに契約につなげられるようになります。
ヒアリング例
- 「ご予算はどれぐらいをお考えですか?」と質問する
- 「予算内でサービスを購入する際に重視する点はどこですか?」と深堀りをする
- 顧客がどの程度の予算で課題を解決したのか事例を紹介して反応を見る
Authority(決裁権)
Authority(決裁権)をヒアリングする目的は、意思決定の権限を持つ人物が誰であるかを特定することです。
権限を持つ人物を特定して紹介してもらえれば、アプローチから契約までの期間を縮めることができます。
ヒアリング例
- 「サービス導入における意思決定者はどなたですか?」と尋ねる
- 「サービス導入検討に関与している部門やメンバーをお伺いしてもよいですか?」と聞く
Needs(需要)
Needs(需要)をヒアリングする目的は、顧客ニーズを理解して、どのような解決策を提案すべきか判断できるようにすることです。
相手に役立つ情報を提供することで信頼関係が築けるようになり、自社サービスを導入してもらえるようになります。
また、顧客ニーズに合うようにサービスをカスタマイズする際にも役立つ情報です。
ヒアリング例
- 「現在、業務上で最も課題に感じていることは何ですか?」と尋ねる
- 「業務に影響が出た例を教えて頂けますか?」と質問する
- 「現在、使用しているサービスに満足していますか?」と確認する
Timeframe(導入時期)
Timeframe(導入時期)をヒアリングする目的は、顧客のサービス導入予定時期を理解することです。
サービス導入予定時期を把握しておけば、再アプローチしやすくなります。また、契約を獲得しやすくなります。
ヒアリング例
- 「サービス導入をいつご予定ですか?」と聞く
- 「導入スケジュールについて、もう少し詳しく教えていただけますか?」と訪ねる
- 「過去に新サービスを導入する際、どのようなスケジュールでしたか?」と聞く
Competitor(競合)
Competitor(競合)をヒアリングする目的は、顧客が検討しているサービスがどのようなものかを把握することです。
検討しているサービスを知ることができれば、自社の価値を提案しやすくなります。
ヒアリング例
- 「現在、どのようなサービスを検討されていますか?」と聞く
- 「競合製品に対して、改善してほしい点はありますか?」と質問する
- 「過去に使用されたサービスについて教えてください。」と訪ねる
BANTCを活用するメリット
BANTCを活用するメリットは3つあります。
顧客理解が深まる
BANTCを活用すると、顧客を深く理解することができます。
なぜなら、BANTCの情報を収集することで、顧客が何を求め、どのようなことに価値を感じるのかを明らかにできるためです。
例えば、SaaS会社が顧客からBANTCをヒアリングできれば、顧客ニーズに合わせたプランが提案できるようになります。
そして「営業担当者は自社をよく理解してくれている」と信頼を寄せてくれて契約してもらいやすくなります。
営業活動を効率化できる
BANTCを活用すると、営業部門のリソースを効果的に利用できるようになります。
なぜなら、BANTCの情報を収集することで、受注確度の高い顧客なのか、受注確度の低い顧客なのか判別できるようになり、どこにリソースを割くべきか判断できるようになるためです。
例えば、営業部門で複数のリード管理している場合「受注確度」「予算」「決裁者」などの観点から優先順位を決められるようになります。
提案書の精度が上げられる
BANTCを活用することで、顧客ニーズに沿った提案書が作成できるようになり、成約率を上げられるようになります。
BANTCの情報を見れば、顧客が重要視していることがわかるため、それらを提案書に反映すれば成約率を上げられます。
例えば、顧客Aが「予算は200万円いない」「緊急性が高い」「意思決定者は部門長」である場合はコスト削減効果を簡潔にまとめたシンプルな提案書を作成し、競合製品と自社製品の差別化ポイントも添えておくと喜ばれるでしょう。
このように、提案書の精度を上げられることもメリットです。
BANTCを上手く活用するポイント
BANTCを上手く活用するポイントは3つあります。
BANTCの目的を理解する
BANTCで営業活動を効率化していきたい場合は、5つの要素「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(需要)」「Timeframe(導入時期)」Competitor(競合)」についてヒアリングする目的を理解しておくことが重要です。
これらを理解しておけば、顧客ニーズに合った最適なプランが提案できるようになります。
最適な質問の仕方を選ぶ
BANTCをヒアリングするために、最適な質問の仕方を選びましょう。質問の仕方には、次のようなものがあります。
質問の種類 | 使用する状況 | 例 |
オープンクエスチョン | 広範囲にわたる情報を引き出すため |
あなたの会社で直面している課題は何ですか? |
クローズドクエスチョン | 特定の情報を得るため | このプロジェクトは次の四半期に開始される予定ですか? |
掘り下げる質問 | 詳細情報を得るため | なぜ、その課題が重要だと感じますか? |
絞り込む質問 | 範囲を確認するため | 予算の範囲内はどれぐらいですか? |
付随的な質問 | 追加の情報を得るため | その課題に対してどのような解決策を試みましたか? |
BANTC情報は整理する
ヒアリングでBANTC情報を聞き出せたら、SFA/CRMに登録しておき、「受注見込み度」「予算」「導入タイミング」「競合の有無」などを踏まえて、どのような優先順位でアプローチしていくかを考えましょう。
BANTC情報を整理して営業活動の優先順位を決めると、営業活動を効率化いていきます。
BANTCがうまくヒアリングできない場合は
最初から5つの要素を全てヒアリングできる営業担当者はいません。そのため、BANTCは簡単に聞き出せるものではないと開き直った方が精神的に楽になるでしょう。
しかし、ヒアリング能力を磨くことで5つの要素を聞き出せるようになります。ここでは、ヒアリング能力の鍛え方をご紹介しますので参考にしてみてください。
商談の経験を積む
BANTCの5つの要素を全てヒアリングするために商談の経験を積みましょう。
商談の経験を積むことで、顧客の反応パターンに適切な質問、切り返しトークができるようになります。
また、顧客は本心を言葉にするとは限りません。商談の経験を積めば、顧客の顔の表情や反応から何を求めているかを察知できるようになります。
とても地道な努力ですが、積み重ねることでヒアリング力を高められます。
ヒアリングが上手いインサイドセールを真似する
営業成績が良い営業担当者のヒアリングを観察して真似るとヒアリング能力を磨けます。自分の営業手法にはない質問の仕方など気付けるでしょう。
自分も真似できると感じるテクニックがあれば積極的に取り入れてみてください。
また、営業成績が良い営業担当者の協力が得られるようなら、自分のヒアリングを見てもらいフィードバックをもらえればヒアリング能力を高められます。
営業トークを録音して振り返る
営業トークを録音しておき、1日の終わりに振り替えるとヒアリング力を高められます。
近頃はトーク解析AIが営業トークを採点してくれるツールも登場し始めました。
このようなツールを上手く活用すれば「話す速度」「ラリー回数」「被せ率」などを定量評価してもらえます。自分自身で営業の振り返りが難しい場合は、トーク解析AIを使用するようにしましょう。
まとめ
BANTCは、顧客理解が深めて受注を獲得するために役立つフレームワークです。
「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(需要)」「Timeframe(導入時期)」「Competitor(競合)」の5つの要素をヒアリングし、提案内容を考えることで契約が獲得しやすくなります。
一度に全ての要素を聞き出す必要はありません。
商談の経験を重ねることで、BANTCを聞き出せるようになります。そのため、これを機会にヒアリング力を磨いてBANTCを聞き出してみてください。
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この記事を書いたライター
武田龍哉
Web制作会社、広告代理店を経験後、アディッシュに入社。 マーケティング担当としてリード獲得やナーチャリングの施策立案、実行を担当した後、インサイドセールスチームへ参画。 インサイドセールスチームでは、主にカスタマーサクセスの関連商材を担当し、商談機会創出とチーム体制構築に携わる。