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カスタマーインサイドセールス(CIS)とは?仕事内容やスキル、導入方法を解説

スタートアップ企業を中心にカスタマーインサイドセールス部門の導入が始まっています。既存顧客への販路拡大を牽引するポジションとして期待されていますが、どのように立ち上げれば良いのでしょうか?

そこで、今回はカスタマーインサイドセールス(CIS)について解説します。仕事内容から導入方法までご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

カスタマーインサイドセールス(CIS)とは

カスタマーインサイドセールス(CIS)とは

カスタマーインサイドセールス(CIS)とは、顧客に対してオプション機能や上位プランを提案して商談を創出する内勤型の営業職です。

サービスのログイン状況や利用頻度、利用していない機能の有無などを確認して、課題を抱えている顧客をサポートするために提案を行います。

<提案例>

  • 上位プランを活用している顧客事例を紹介して、アップセルを検討してもらう

  • 顧客の課題を解決できる新機能を導入して、オプション機能の追加を促す

  • 顧客の事業を拡大させて、ユーザー上限を補うために上位プランへの切り替えを提案する

つまり、サービスに対する顧客満足度アップや売上拡大に貢献する仕事です。

カスタマーサクセスとの違い

カスタマーサクセスとは「目的」が異なります。

カスタマーサクセスは、顧客がサービスを利用して目的を達成できるように支援する仕事です。顧客に「自社にとって価値があるサービスだ」と継続して利用してもらうために支援します。

一方で、カスタマーインサイドセールスは、顧客に対してオプション機能や上位プランを提案して商談を創出する仕事です。顧客に「オプション機能を使ってみたい」と思わせる提案を行います。

企業によって捉え方は異なりますが、カスタマーサクセスが「守り」の役割なら、カスタマーインサイドセールスは「攻め」の役割を担います。

カスタマーサクセスについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

関連記事:『【完全版】カスタマーサクセス職を徹底解説!これさえ読めば7つの必須スキルや仕事内容・将来性等が分かる』

インサイドセールスとの違い

インサイドセールスとは「ターゲット」が異なります。

インサイドセールスとは、見込み顧客を育成し商談を創出する仕事です。見込み顧客に役立つ情報を提供して、サービスに興味を持ってもらいます。

一方で、カスタマーインサイドセールスは既存顧客を育成し商談を創出する仕事です。既存顧客のサービス利用状況などを把握し、役立つ情報を提供してオプション機能や上位プランに興味を持ってもらいます。

つまり、インサイドセールスは顧客数を増やすセールス、カスタマーインサイドセールスは顧客単価を上げるセールスと言えます。

インサイドセールスについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

関連記事:『インサイドセールスとは?役割やメリット・注意点、導入方法を解説』

カスタマーインサイドセールス(CIS)が注目される背景

カスタマーインサイドセールス(CIS)が注目される背景

カスタマーインサイドセールスが注目される背景には、以下のような環境の変化があります。

(1)新規顧客を獲得する難易度が上がっている
(2)サブスクリプション型ビジネスが普及している
(3)顧客のニーズが多様化している
(4)顧客との関係構築が重視され始めている

つまり、サービスの契約をゴールにするのではなく、アップセルやクロスセルをゴールに定める必要性が増してきました。このような背景により、カスタマーインサイドセールスが注目されています。

カスタマーインサイドセールスを導入するメリット

カスタマーインサイドセールスを導入するメリット

カスタマーインサイドセールスを導入するメリットは3つあります。

プロダクトの「勝ち筋」を発見できる

カスタマーインサイドセールスを導入すると、プロダクトの勝ち筋を発見できます。

なぜなら、既存顧客への提案活動を通じて、顧客の反応やフィードバックを収集できるためです。

例えば、オプション機能を提案すれば、どの業界でニーズが高いかを把握することができます。その業界に絞り込んだ提案資料や導入事例を作成すれば、受注率を伸ばすことができるでしょう。このように、顧客の反応やフィードバックを収集して勝ち筋を確立することができます。

他部門と連携してプロダクト改善できる

カスタマーインサイドセールスを導入すると、他部門と密に連携し、より質の高い提案ができるようになります。

なぜなら、カスタマーインサイドセールスは、既存顧客からオプション機能や上位モデルの反応を得るためです。顧客の反応を他部門に共有することで「顧客がどのような機能を求めているのか?」「上位モデルはなぜ売れないのか?」などの課題を把握できるようになります。

この課題を解決すれば、顧客に満足してもらえるプロダクトが作れるようになります。

LTV最大化を目指せる

カスタマーインサイドセールスを導入してアップセルやクロスセルを促進すれば、LTV最大化を目指せます。

新規顧客の獲得が難しく、獲得コストが高騰する中で既存顧客に対して追加提案を行う重要性が増してきました。

カスタマーインサイドセールスを導入して、既存顧客へオプション機能や上位モデルを提案すれば、1社あたりの年間売上を伸ばすことができます。また、事業の収益性を改善することもできます。

カスタマーインサイドセールス導入のデメリット

顧客対応力を向上させる具体的な方法

カスタマーインサイドセールスを導入するデメリットも3つあります。

役割の曖昧さにより混乱を招く

カスタマーインサイドセールスを導入する際に、役割分担を曖昧にすると混乱を招く恐れがあります。

カスタマーインサイドセールスとカスタマーサクセスは業務領域が似ているため、「誰が」「どのタイミングで」「どのようなアクションを取るべきか」を明確にしないと、顧客対応で重複してしまうトラブルが発生してしまいます。

また、顧客側も「どちらに相談すればよいかわからない」と混乱を招いてしまいかねません。そのため、カスタマーインサイドセールスを導入する際は役割や責任範囲を定義して体制を整えるようにしましょう。

新しい職種のため試行錯誤が必要になる

カスタマーインサイドセールスは新しい職種であるため、試行錯誤を繰り返す必要があります。

スタートアップ企業を中心に導入が始まっていますが、確立された職種ではありません。また企業規模や業界などでKPI指標も変わってきます。

そのため、導入初期は「どこまでを業務範囲とするのか?」「どのようなKPIを設定するのか?」など都度検証することになります。

例えば、カスタマーインサイドセールスがアップセル提案を推進しても顧客からの反応がよくないこともあるでしょう。

このような場合は、カスタマーサクセスと連携して、追加オプションや上位モデルが必要な顧客を引き継ぐなど連携すると受注率が伸びます。このように、試行錯誤が必要になります。

専門知識・スキルが求められる

カスタマーインサイドセールスは専門知識やスキルが求められます。サービスに関する知識をはじめ、顧客の理解、データ分析、課題解決の提案まで幅広いスキルが必要です。


これらのスキルを保有することで、オプション機能や上位モデルを活用して、どのような課題を解決できるか提案できるようになります。しかし、高度なスキルなので人材育成が必要になります。

 

カスタマーインサイドセールスの導入方法

カスタマーインサイドセールスは3STEPで導入できます。

  • 業務範囲とKPIを定める
  • チーム体制を整備する
  • ITツールを導入する

ここでは、各手順について詳しく解説します。

業務範囲とKPIを定める

まず、カスタマーインサイドセールスの役割とKPIを定めます。

その中でも、カスタマーサクセスとカスタマーインサイドセールスの役割分担を決めることが大切です。役割分担が曖昧だとタスクの重複や責任のなすり合いが発生しやすくなります。

また、KPIが不明確だと担当者のモチベーションが低下してしまいます。そのため「商談数」「アップセル/クロスセル受注金額」「顧客満足度」「顧客単価」などを目標に定めましょう。

業務範囲とKPIを定めることで、効率的な営業活動が行えるようになります。

チーム体制を整備する

次にカスタマーインサイドセールスを成功させるためにチーム体制を整備します。

カスタマーインサイドセールスが孤立すると、カスタマーサクセスやプロダクト開発との部門連携が難しくなるため、定期的に情報を共有する場を設ける、ITツール上で情報を共有するなどルールを決めておきましょう。

チーム体制を整備することで、顧客が求めているオプション機能の開発や効率的な営業活動を行えるようになります。

ITツールを導入する

カスタマーインサイドセールスを効率良く運営するためには、ITツールの導入が欠かせません。

サービスの利用状況やアクション履歴などタイムリーに情報を把握することで、より良い提案ができるようになります。また、部門間連携もしやすくなります。そのため、以下のようなITツールを導入しましょう。

ツールの種類 主な役割
CRM(顧客管理システム) 顧客情報、案件進捗、コミュニケーション履歴を一元管理する
カスタマーサクセスツール 顧客の利用状況やヘルススコアを可視化し、アクションタイミングを見極める
MAツール(マーケティングオートメーション) 既存顧客へのナーチャリング、スコアリング管理を行う
SFA(営業支援ツール) 商談状況の管理、レポート作成を効率化する
コミュニケーションツール 顧客・社内との連絡手段を統一・スムーズ化する
データ分析・BIツール 顧客データを分析し、提案戦略を立案する

カスタマーインサイドセールスで成果を出すコツ

カスタマーインサイドセールスで成果を出すコツ

カスタマーインサイドセールスで成果を出すコツも併せて押さえておきましょう。カスタマーインサイドセールスで成果を出すコツは3つあります。

仮説思考で「ニーズ」を先回りして提案する

カスタマーインサイドセールスで成果を上げるためには、顧客の潜在ニーズを先回りして提案する力が求められます。

顧客からの要望を待つのではなく、自ら仮説を立ててアプローチする姿勢が大切です。

たとえば「他社様ではこのような課題を抱えていますが、御社ではいかがでしょうか?」といった形で提起することが重要です。また「この業界ではこういった機能があれば、より便利に業務を進められるのではないか」という視点で提案を行うことも大切です。

このような仮説思考に基づいた提案型のコミュニケーションが、信頼構築と成果創出につながります。

社内連携を強化して顧客理解を深める

カスタマーインサイドセールスが成果を上げるためには、カスタマーサクセスやプロダクト開発との連携が欠かせません。

顧客がサービスを使えるように伴走支援しているカスタマーサクセスと連携したり、顧客の反応や声をプロダクトチームに伝えることで、より良い提案ができるようになります。

そのため、各部門で情報共有する会議を定期的に開いたり、サービス利用状況をリアルタイムで把握できる仕組みを整えましょう。社内連携を強化して、顧客理解を深めることで解像度の高い提案ができるようになります。

定量・定性の振り返りを仕組み化する

カスタマーインサイドセールスで成果を出すためには、定量・定性の両面で振り返りを行い、それを仕組み化することが重要です。

「商談数」「アップセル/クロスセル受注金額」「顧客満足度」「顧客単価」などの数値に加え、顧客の反応や声などの定性情報も併せて振り返りましょう。

「なぜうまくいったのか/いかなかったのか」を言語化するワークを取り入れると、より良い提案ができるようになり、商談数を増やせるようになります。

まとめ

カスタマーインサイドセールスは、既存顧客へのアップセル・クロスセルを通じて売上拡大の役割を担う内勤型営業です。既存顧客を育成して商談を創出を目指します。

新規顧客を獲得するための難易度が上がり、サブスクリプション型ビジネスが主流になったため、LTV最大化を目指すためにカスタマーインサイドセールスを導入する企業が増えています。

また、カスタマーインサイドセールスで成果を出すためには、

  • 仮説思考でニーズを先回りして提案すること
  • 社内連携を強化して顧客理解を深めること
  • 定量・定性の振り返りを仕組み化すること

が必要です。これからカスタマーインサイドセールスを立ち上げる方は、今回ご紹介した導入ステップを参考に、体制を整えてみてください。




 


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この記事は著作権を有する Custifyの許可を得て翻訳したものです。 Original article: https://www.custify.com/blog/product-adoption-guide/...
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