「うまくいかなかった」を「うまくいく」に変えた私のプロセス ― 壁を越えて見えたオンボーディングの本質 ―
はじめに
日々の業務の中では、想定外のトラブルや、自分の力だけでは解決できない課題に直面することも少なくありません。私自身も常駐先で、いろんな壁にぶつかり、試行錯誤してきました。
本記事では、私が常駐先で業務を進める中で直面した課題や「壁」、そしてそれをどのように乗り越えてきたのかについてご紹介します。
この記事を通じて、皆さんが日々の業務で感じる難しさに対して少しでも前向きに取り組むきっかけやヒントをお伝えできれば嬉しく思います。
独り立ち直後に直面した顧客対応の課題
顧客対応が思うように進まなかった日々
顧客対応を担当し始めた頃は、私は想像以上に難しさを感じていました。お客様の質問にすぐ答えられなかったり、意図をうまく汲み取れなかったり。何をどうすれば良いのか分からず、「数か月後には先輩方のようにスムーズに対応できるようになるのか... 」 焦りと不安でいっぱいの日々でした。実際に顧客対応を行う中で以下のような課題に直面しました。
- メールの書き方に時間がかかる
- 顧客対応を始めたばかりの頃、いちばん悩んだのはメールの文章作成でした。
まず、どんな表現が適切か、どこまで丁寧に書くべきか分からず、一文書くたびに手が止まり、言葉を消しては打ち直しての繰り返しでした。特に、文末の表現ひとつを取っても「〜です」なのか「〜いたします」なのかで迷い、何度も書き直しては時間だけが過ぎていく。
気づけば、たった1通のメールを送るのに30分以上もかかっていました。
- 仕様理解が追い付かず、質問の意図をつかめない
- 仕様を十分に理解できていなかったため、お客様からの質問の意図を正確に読み取ることが難しい状況でした。「何を聞きたいのか」が曖昧で、私だけでは判断できないケースも多くありました。そのため、返信前には必ずチームメンバーに共有し、回答内容が正しいかどうか確認しながら返信するようにしていました。
- 電話対応への苦手意識
- 電話がかかってくると、私はまず一呼吸置いてから応答するようにしていました。
電話対応は、その場で即座に回答しなければならないので、「質問の意図をうまく理解できなかったらどうしよう」「想定外の内容が来たらどうしよう」と常にひやひやしながら対応していました。一度の電話で正確に答えられなければお客様に迷惑をかけてしまうという思いもあり、緊張しながら対応していました。
苦戦の背景
なぜこんなにも上手くいかないのだろう...
日々の対応の中で、そう感じることが何度もありました。
自分なりに振り返って、少しずつ整理していくうちに、上手くいかなかった要因は大きく分けて3つあるのではないかと気づきました。
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顧客からの質問が多く、内容も複雑だった
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システム知識が浅い中で回答を求められるプレッシャーがあった
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リモート環境下で、周囲にすぐ確認・相談しづらい状況だった
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乗り越えるために取り組んだこと
上手くいかない要因を整理したうえで、「今の自分にできることは何か」と改めて考えました。
そのときに意識したのは、“自分の中で再現性を作ること”と“チームの力を活かすこと”でした。
日々の対応で迷わないように、自分なりのルーティンやマイルールを決めたり、周囲のチームメンバーの対応方法を参考にしたりして少しずつ行動を変えていきました。そして何より、せっかくチームで常駐しているのだから「一人で抱え込まず、頼るときは素直に頼る」ことを大切にしようと決めました。
私は早速、次のような取り組みを始めることにしました。
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- チームから学ぶ姿勢
- チームメンバーのメール文面を参考にし、伝え方のパターンを吸収する
- 他メンバーの案件に同席して、対応の進め方・質問の聞き方を学ぶ
- 分からないことは抱え込まず、早めに共有し相談する
- チームから学ぶ姿勢
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- 効率化と自分ルールの確立
- FAQ・Slack・過去履歴を活用し、調べても不明な点はすぐ質問する
- “確認中”の時間を有効活用し、他の対応を並行して進める
- 朝の段階で1日の流れをイメージし、優先順位を整理しておく
- 効率化と自分ルールの確立
キックオフミーティングでの失敗
独り立ちして間もない頃、キックオフミーティングのメインスピーカーを担当することになりました。
人前で話したり、限られた時間の中で要点を整理して説明することに苦手意識があったため、任されたときは正直不安な気持ちでいっぱいでした。
「うまく説明できるだろうか」「質問を受けたら答えられるかな」と考えるうちに、ミーティングの1週間前から少しずつ焦りと緊張が高まっていきました。
キックオフミーティングで起きたこと
キックオフミーティング当日、案の定うまく説明できず、クライアントから次々と指摘を受けてしまいました。
そのたびに焦りと不安が募り、途中からは自信を失ってしまいました。私の様子を察したサポートの方が代わりに回答してくださり、なんとかその場を乗り切ることができましたが、ミーティングを終えた後は「お客様に不安を与えてしまったかもしれない」「頼りない担当だと思われたのではないか」と落ち込む日々が続きました。
「もっと知識があって、きちんと答えられていたら…」「自分が担当するお客様を本当に支援できるのか」、等、当時は前向きな未来を思い描くことができないほど落ち込んでいました。
振り返って気づいたこと
ミーティング後、振り返りを行う中で、うまくいかなかった要因の一つが「情報共有不足」だったことに気づきました。
実は、事前に営業担当とお客様の間でキックオフミーティング当日の進め方について話し合いがされていたようなのですが、その内容が共有されていなかったのです。
本来であれば、
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営業担当からの引き継ぎミーティングでお客様とのやり取りや要望を把握
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当日の流れなどをしっかり把握
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お客様の特性やこれまでのコミュニケーションを理解する
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という準備をしておくべきでした。
また、キックオフミーティングの録画を見返してみると、自分自身の話し方が主語が抜けていたり、説明が長くなってしまったりして、話し方にも改善するべき点が多くあることに気づきました。
改善策として取り組んだこと
それ以来、引継ぎミーティングやキックオフミーティングでは、下記2点を意識して対応しています。
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事前の引継ぎミーティングでお客様の特性やキックオフミーティングの流れについても営業と擦り合わせる
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主語を明確にしたうえで、相手に伝わりやすい話し方を意識する
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お客様との関係性構築について
キックオフミーティング後は、「当日うまくいかなかった分、稼働までのサポートで信頼を取り戻そう」と心に決めていました。
一度ついた印象をすぐに変えることは簡単ではありません。だからこそ日々の対応を通して少しずつ信頼を積み重ねていくことを意識して取り組みました。
最初に直面した課題
キックオフミーティングの翌日から、早速シートに膨大な数の質問が届き始めました。 質問に回答すると、すぐに追加の質問が来る... その繰り返しが日常となり、対応に追われる毎日が続きました。 さらに、メールだけでなく電話もほぼ毎日かかってくる状況で、一息つく暇もない日々でした。
そのような状況でも、私は自分の中で決めたマイルールを必ず守るように意識しました。
特に、次の3点はどんな状況でも欠かさず守ることを心がけていました。
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できる限り早いレスポンスを意識すること
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複雑な質問ほど「共感の一言+丁寧な説明」を心がけること
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迷ったときは必ず社内で確認し、正確性を優先すること
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現在のお客様との関係性
そのような日々を重ねるうちに、以前のように電話が鳴るたびに緊張することも少なくなり、落ち着いて対応できるようになりました。今ではお客様ともラフに会話ができる関係性が築けており、電話でのやり取りの中で自然と笑顔が生まれることもあります。
また、日々の対応を通じて「いつも丁寧にありがとうございます」「すぐに対応いただけて助かりました」といった感謝の言葉をいただく機会も増えました。
そうした瞬間に、これまでの努力が少しずつ実を結び、“信頼”という形でお客様との関係に現れているのだと実感しています。
失敗から学んだ「お客様との関係性構築」
キックオフミーティングでのつまずきから始まった関係であっても、その後の行動次第で信頼を取り戻し、印象を好転させることができる!
今回の経験を通して、そのことを強く実感しました。
お客様と良い関係性を築き上げるためには、次のような姿勢が大切だと感じています。
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レスポンスは“スピード×正確さ”の両立を意識する
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お客様の性格や特性に合わせてコミュニケーションを変える
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適度な距離感を保ち、安心して話せる関係をつくる
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まとめ
仕事をしていると、誰しも思うようにいかないと感じる場面があるものです。
私自身も同じように壁にぶつかりましたが、振り返りを重ね、行動を見直すことで、お客様との関係をより良い方向へ導くことができると実感しました。
上手くいかない経験こそ、自身を成長させる大きなきっかけになるのだと思います。
これからオンボーディング支援に挑戦する方も、きっとうまくいかずに落ち込む場面があるはずです。そんなときこそ、「自分が改善できることは何か」を見つめなおし、行動を振り返ることが大切です。
経験したことは必ず自分の力になります。
失敗を恐れすぎず、前向きにより良い方向へ進んでいく姿勢を大事にしていただければと思います。


