顧客オンボーディングを成功させるために 〜アディッシュの価値提供会の活動報告〜
顧客オンボーディングを成功させたい!
この記事では、カスタマーサクセスの起点である「オンボーディング」をテーマに掲げています。オンボーディングは、顧客がサービスの価値を実感し、長期的な成功へとつながる最初の重要な一歩です。その設計と実行には、明確な手順と深い理解が欠かせません。
そこで今回は、「オンボーディングを成功させるための前提理解」を深めることを目的に、チームを分けて調査を進めました。
チームA:カスタマージャーニーマップの構築・活用方法を調査
チームB:オンボーディングの設計・運用に関するベストプラクティスを調査
それぞれで調査した結果を踏まえて、以下のプロセスでオンボーディングの雛形制作に取り掛かりました。
①サービスの特徴を理解する
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②関係者を整理する 体制&社内理解
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③カスタマージャーニーマップを描く
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④オンボーディングのゴールを定義する
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⑤現状と理想の状態を比較する
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⑥優先度を設定
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⑦施策を検討する
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⑧型化する
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⑨振り返り
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以降、必要に応じて⑤からサイクルを回します。
<価値提供会とは?>
アディッシュでは、企業のカスタマーサクセス支援(カスタマーサクセスコンサルティング、カスタマーサクセス業務委託・BPO)を行っています。私たちが目指しているのは、単なる支援ではなく、顧客の成功体験を共に設計し、リードしていく存在になることです。その実現に向けてアディッシュの社内で立ち上げたのが、「価値提供会」です。
「価値提供会」は、カスタマーサクセス領域の中でも特に価値が高く、かつニーズの多いテーマを取り上げ、アディッシュとして顧客をリードできる状態をつくることを目的としています。そのために、社内ではテーマごとにノウハウやベストプラクティスを体系的に蓄積し、「誰が担当しても一定の品質で価値提供できる状態」を目指しています。
活動を進める上で、次の4つの基準を大切にしています。
- テーマごとに、基本的な課題解決の手順を持っている
- 実際に活用できるアウトプット(提案資料や設計ドキュメントなど)のサンプルを持っている
- 複数社での参考ケースを整理し、汎用的な知見として活かせる
- フェーズごとにそれぞれで起こりやすい課題を理解している
これらの基準を通じて、顧客の成功を支える「再現性のある支援力」を高めています。
<個別調査>
各プロセスごとに思考をまとめ、より良いオンボーディングを作ることができるワークシートを作成しました。
ここからはどんなワークシートなのかを紹介していきます。
<プロセス①・②|常駐先企業や提供するサービスの特徴を知る>

アディッシュ株式会社は、お客様先へ常駐しながらカスタマーサクセス(CS)としての価値を提供していきます。
そのため、まずは参加する案件やプロジェクトごとに常駐先の企業について、例えば常駐先企業の基本情報から今回アディッシュに依頼してくれた理由、自分が所属する予定のチーム構成や、KPIといった項目をまとめていきます。
合わせて実際に担当するサービスがどのような製品なのか、ワークシートを使って理解を深めることで、そのサービスが抱えている課題を発見するきっかけを作れます。その課題をオンボーディングで解決していくことはもちろんですが、オンボーディング以外のCS活動、たとえばアップセル・クロスセル提案といったCS活動全体を見直すきっかけにもなるかもしれません。
一見、オンボーディング活動では関係ないように見える項目もあらかじめ確認しておくことが、オンボーディング成功への近道です。
自社製品を扱っている企業であれば、部署で掲げているKPIやKGIの確認を行いつつ、カスタマージャーニーマップを描くところから始めてみることをおすすめします。
<プロセス③|カスタマージャーニーマップを作る>

カスタマージャーニーマップとは「顧客が商品やサービスを認知してから購入し、その後の利用に至るまでの一連のプロセスを【旅】に例えて可視化したもの」のことです。
オンボーディングと直接関係がないように見えますが、このカスタマージャーニーマップを作ることで、顧客の行動や体験をより詳細に把握し、課題の特定やサービスの改善に役立てることができます 。
カスタマージャーニーマップを作成する際のポイントは、フェーズごとのエンドユーザーの行動や感情を記載し、CSがフェーズごとにどんなアクションを取るべきか整理できるようなワークシートにすることです。
<プロセス④|オンボーディングのゴールを定義する>

カスタマージャーニーマップを作り、エンドユーザーの行動や感情を理解できたら、実際にエンドユーザーが「利用できる状態」とはどんな状態なのかを明確にします。
サービスによって「利用できる状態」や「自走できている状態」の定義はさまざまです。必ず具体的に定義して、「オンボーディングのゴール」として設定していきます。
オンボーディングのゴールを明確に定義する場合は、「トライアル」「導入期」などいくつかのフェーズにわけて検討できるようにワークシートを作成するのがおすすめです。
<プロセス⑤~⑦|オンボーディングの理想と現状のギャップを埋めていく>
オンボーディングのゴールが定義できたら、「現状」と「理想」の状態を比較し、課題を整理します。施策の優先度を確認した上で、実行に移していきます。
- 理想と現状の比較(プロセス⑤): オンボーディングのゴールで設定したフェーズごとに、現状と理想を具体的にまとめ、そのギャップを明確化します。
- 施策の検討と優先順位付け(プロセス⑥): ギャップを解消するために必要な行動やタスクを具体的に洗い出し、効果や緊急性に基づき優先順位を設定します。
- 実行計画と行動管理(プロセス⑦): 施策は「検討」で終わらせず、「実行」と「改善」を最も重視します。決定した行動に対しては、必ず実行日を設定し、行動管理を徹底します。
<プロセス⑧⑨|施策ごとに振り返りを行う>

施策の実行後は、その学びを組織の資産として活かすため、施策を型化(標準化)し、客観的に振り返りを行うことが不可欠です。
- 型化する(プロセス⑧): 施策の結果や実行を通じて得られた知見を、再現性のある「型」として整理・体系化します。
- 振り返り(プロセス⑨):
- KPTフレームワークの活用: 「Keep(継続、よかったこと)」「Problem(課題)」「Try(挑戦)」の3要素を使って施策を客観的に評価します。
- 改善サイクルの確立: 実施した施策がどのような効果をもたらしたのかを正確に把握し、その学びを次のアクションに活かします。1週間に1回程度の定期的な機会を設け、課題の明確化から振り返りまでを継続的に行い、改善サイクルを回すことで「理想のオンボーディング」を形にしていきます。
この一連のプロセス(⑤~⑨)を通じて、理想のオンボーディングに向けた改善サイクルを継続的に回します。この振り返りの結果を活かし、必要に応じてプロセス⑤の「現状と理想の状態の比較」からサイクルを回していく必要があります。
<今後の価値提供会の動き>
今後の動き:作成した型を「使う」「育てる」「広げる」
今回作成した「顧客オンボーディングの型」は完成形ではなく、ここがスタートラインです。この型を現場で活用し、さらに価値あるものへと進化させていくことが、私たちのこれからのミッションです。
1. 使う
まずはCSチーム内で、各自が担当する案件にこの型を適用します。作成した型が実際の現場でどれだけフィットするか、使いにくい点や不足している項目はないかなど、「まずは使ってみる」ことで、その実用性を検証していきます。
2. 育てる
型を使ったメンバーからの生の声や所感を積極的に収集し、チーム全体で共有・分析します。
例えば、ゴール設定が円滑に進んだ成功事例の共有や、業界特性に応じた調整、実務上の改善点などを集約します。これらのフィードバックを定期的に型へ反映させ、より実践的で強力なものへとブラッシュアップしていきます。まさに、チーム全員で型を「育てる」フェーズです。
3. 広げる
型が一定のレベルまでブラッシュアップされたら、CSチーム内だけでなく、他部署へも展開します。例えば、新メンバーへの育成資料としての活用や、案件引き継ぎ時のナレッジ共有ツールとして使用可能です。最終的には、他部署にもこの型を展開し、会社全体としてのオンボーディングプロセスの「標準化」を進めていきます。
<まとめ>
今回の価値提供会では、「顧客オンボーディングの成功」という重要なテーマに対し、顧客を成功に導くための体系的な「型」の構築に取り組みました。
価値提供会は、案件や担当業務の異なるメンバー間での活発な意見交換を通じ、課題解決に取り組む有益な機会となりました。多様な視点から議論することで、個々の活動だけでは作成が困難だった「顧客オンボーディングの型」を、一定の成果として取りまとめることができたと考えています。
このプロセスを通じて、メンバーは多くの実践的な知見を得ることができました。具体的には、プロセスの体系的な見直し手法、属人化しがちな業務を標準化し再現性を高めるアプローチ、そしてカスタマージャーニーマップを活用した顧客視点での設計の重要性などです。また、顧客のスムーズなサービス利用開始に必要な要素を定義し、先回りして提供するというプロアクティブな業務姿勢の基盤も強化されました。
これらの成果と学びは、私たちが目指す「顧客に寄り添い、共に成長するカスタマーサクセスパートナー」の実現に向けた、重要な取り組みの一つです。
アディッシュでは、今後も継続的にテーマを設定し、現場のノウハウを組織の資産として蓄積・発展させる価値提供会の活動を推進してまいります。
また、本活動で得られた成果と知見を活かし、引き続きお客様の成功支援と価値提供に努めてまいります。

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