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カスタマーサクセスBPOサービス提供チームにおけるマネジメント― チーム型常駐で支援品質を高める取り組み

私たちアディッシュでは、カスタマーサクセスBPOの支援において、「チーム型常駐」というスタイルで業務に取り組んでいます。チーム型常駐とは、複数名のメンバーで同一の現場に入り、互いに連携しながら業務を推進していく働き方を指します。

この体制では、メンバーの追加やスイッチングが発生するタイミングにおいて、社内での研修実施やフォロー体制の整備が欠かせません。新たに参画するメンバーがスムーズに業務を開始できるよう、日々の業務と並行して、研修内容の整備やブラッシュアップといった取り組みも求められます。

そのため、単なる業務遂行にとどまらず、「どのようにチームとして支援の質を維持・向上させていくか」という観点での取り組みが重要になります。

本記事では、このようなチーム型常駐の環境において、顧客を成功に導くためにどのようなチーム連携やマネジメントを行っているのかについてご紹介します。

1. カスタマーサクセスBPOで発生する課題

カスタマーサクセスBPOにおいては、オンボーディング支援、運用サポート、問い合わせ対応などを通じて、顧客がプロダクトを継続的に活用できる状態を支援する役割を担っています。
しかし、チームで顧客支援を行う環境では次のような課題が発生しやすいです。

  • 担当者ごとに対応内容や回答スピードに差が生まれる
  • 業務が属人化し、特定メンバーが不在になると顧客対応が滞る
  • 顧客からの問い合わせが増え、カスタマーサクセス側の対応負荷が高まる

 

このような状態では、顧客がプロダクトを安定して活用しにくくなり、結果として顧客体験の低下や活用停滞につながる可能性があります。

カスタマーサクセスの役割は、単に問い合わせ対応を行うことではなく、顧客がプロダクトを継続的に活用し、成果を出せる状態をつくることです。

そのためには、個人のスキルに依存した支援ではなく、チーム全体で顧客課題を共有しながら支援できる体制を構築することが重要だと考えています。

2. カスタマーサクセスにおける「顧客価値が最大化された状態」

カスタマーサクセスBPOにおいて、顧客価値が最大化された状態とは、

顧客がプロダクトを安定的に運用でき、カスタマーサクセスに依存することなく自走できていることだと考えています。

具体的には、以下のような状態を指します。

 

① 顧客がプロダクトを日常業務の中で自然に活用できている

② 顧客からの問い合わせが減少し、自己解決が可能になっている

③ カスタマーサクセスBPO側が、問い合わせ対応にとどまらず、改善提案や活用促進に時間を使えている

 

まず①の状態を実現するためには、顧客がプロダクトを「使いこなせている」と感じられることが重要です。そのためには、操作へのハードルを下げ、継続的に利用していただくことが前提となります。

そこで重要になるのが②の状態です。問い合わせに対してスムーズかつ分かりやすく回答することで、顧客の理解を促進し、プロダクト活用への心理的ハードルを下げることができます。単に回答するだけでなく、背景や前後の文脈も含めて「点と点がつながる」ように説明することが効果的です。

さらに③の状態では、日々の問い合わせ対応に追われるフェーズから一歩進み、顧客の目標達成に向けた提案や活用支援へと役割をシフトしていくことが求められます。稼働が安定してきたタイミングで顧客の次の目標をヒアリングし、その実現に向けたサポートを行うことが重要です。

このように、カスタマーサクセスにおいては、各フェーズごとに顧客の状態を段階的に引き上げていく視点が欠かせません。

現状維持にとどまるのではなく、より良い状態へと導き続けることこそが、私たちカスタマーサクセスの役割です。

3. 顧客価値を最大化するためのチームマネジメント

カスタマーサクセスBPOにおいて顧客価値を最大化するためには、個々のスキルに依存するのではなく、チームとして安定した支援を提供できる体制を構築することが重要です。
その実現に向けて、特に重要だと考えているのが以下の3つの要素です。

 

  • 顧客支援の品質をチームで担保すること
  • メンバー全員が顧客課題に主体的に向き合うこと
  • 属人化を防ぎ、継続的に顧客支援できる体制を構築すること

 

これらを実現するために、私たちは日々の業務の中でさまざまな取り組みを行っています。

① チームメンバーの役割分担による支援品質の安定化

カスタマーサクセスの業務には、オンボーディング支援、運用サポート、問い合わせ対応、活用改善の提案など、複数の役割が存在します。

これらを個人任せにするのではなく、チーム全体で整理し、メンバーそれぞれの強みや経験に応じて役割を明確にすることで、支援の質を安定させることができます。

 

また、特定のメンバーに業務が集中してしまうと、対応の遅れや品質のばらつきにつながるリスクがあります。そのため、チーム全体で業務状況を可視化し、互いにフォローし合える体制を整えることを意識しています。

このように、役割分担と情報共有を組み合わせることで、「誰が対応しても一定品質を保てる」チーム体制を構築し、顧客に対して安定した価値提供を実現しています。

 

② 顧客課題を自分事として捉える主体性の醸成

カスタマーサクセスにおいては、顧客の課題を自分事として捉え、主体的に行動する姿勢が重要です。

一方で、チームで業務を進めていると、「誰かが対応するだろう」といった意識が生まれやすいのも事実です。

そのため、ミーティングでは顧客課題をチーム全体で共有し、メンバー全員が意見を出し合う機会を意図的に設けています。

これにより、特定のメンバーだけに業務や判断が集中することを防ぎ、チーム全体で顧客課題に向き合える環境づくりを行っています。

また、発言の機会を設けることで、次回以降は積極的に意見を出してもらえるケースが増えてきました。

こうした変化からも、リーダーがメンバーにとって発言しやすい環境を整えることの重要性を実感しています。

 

③ ナレッジ蓄積による対応力の向上

カスタマーサクセス業務では、顧客ごとに運用方法や抱えている課題が異なるため、ナレッジの蓄積が非常に重要です。

そのため、チーム内で知見を共有・活用できるよう、以下の取り組みを行っています。

 

まず、「引継ぎMTG表」の作成です。

引継ぎミーティングで確認すべき項目を一覧化することで、確認漏れや引継ぎ漏れを防ぐ仕組みを整えています。これにより、将来的にはクライアントの同席がなくても、チーム内だけで引継ぎを完結できる体制の構築を目指しています。

 

次に、「ナレッジ蓄積シート」の運用です。

日々の業務で得た知識や対応内容をシートに記録し、朝礼の場で共有することで、チーム全体の対応力向上につなげています。

 

これらの取り組みにより、以下のような効果が生まれています。

 

  • 同様の問い合わせに対する対応スピードの向上
  • クライアントへの確認回数の減少
  • チーム内での自己解決の増加

 

④メンバーが代わっても顧客支援が止まらない体制づくり           

カスタマーサクセスBPOでは、担当メンバーが代わった場合でも、顧客に提供する支援の品質を維持することが非常に重要です。

特定の担当者に依存した体制では、メンバーの入れ替わりや不在時に対応品質が低下してしまい、顧客に不安やストレスを与えてしまう可能性があります。

そのため、誰が対応しても一定の品質で顧客支援を行える体制づくりを意識し、継続的な改善に取り組んでいます。

 

具体的には、まず業務マニュアルの定期的な更新を行っています。
日々の運用の中で得られた知見や変更点を反映させることで、常に最新かつ実務に即した内容を維持し、どのメンバーでも迷わず対応できる状態を整えています。

また、研修内容についても定期的に見直しを行い、現場で実際に起きている課題やよくある問い合わせを踏まえた実践的な内容へとブラッシュアップしています。これにより、新しく参画したメンバーでも、早期にキャッチアップできる環境を整えています。

さらに、既存メンバーによるサポート体制も重要な役割を果たしています。
不明点や判断に迷うケースが発生した際には、すぐに相談・確認できる環境を整えることで、個人に負担をかけすぎることなく、チームとして最適な対応ができるようにしています。

 

このような取り組みを継続することで、メンバーのスキル差や担当変更による影響を最小限に抑え、常に安定した品質で顧客支援を提供できる体制づくりを実現しています。

5. チーム体制の改善によって生まれた変化

これまでご紹介してきた取り組みを継続することで、チーム内および顧客支援の在り方にいくつかの変化が生まれました。

① 顧客対応の可視化による属人化の解消

チーム内で顧客対応状況を共有できる体制が整ったことで、個々の対応が可視化され、属人化の解消につながりました。

これにより、特定のメンバーに依存することなく、チーム全体で顧客対応を支えられる状態が実現しています。

② ナレッジ共有の浸透による自己解決力の向上

ナレッジの蓄積と共有が進んだことで、これまで都度クライアントへ確認していた内容についても、チーム内で解決できるケースが増えてきました。

その結果、クライアントへの確認回数が減少し、よりスムーズな対応が可能になっています。

 

③ 対応スピードと品質の安定化

チーム内での自己解決力が高まったことで、対応スピードの向上につながり、顧客へのレスポンス品質も安定してきました。

これにより、顧客にとってストレスの少ない支援体制を実現できています。

 

これらの変化の積み重ねにより、クライアント側の運用負担を軽減することができ、本来注力すべきコア業務に時間を割ける環境づくりへとつながっています。

結果として、単なる業務支援にとどまらず、顧客の価値創出を後押しできる状態に近づいていると感じています。

まとめ

チーム型常駐におけるカスタマーサクセスBPOでは、個人のスキルに依存するのではなく、「誰が対応しても一定品質を保てる体制」を構築することが重要です。そのために、役割分担の明確化による業務の偏り防止、顧客課題の共有による主体性の醸成、ナレッジ蓄積や引継ぎの仕組み化に取り組んできました。これにより、顧客対応の属人化が解消され、チーム内で解決できる範囲が拡大しました。

 

また、対応スピードや品質が安定し、クライアントへの確認回数の削減にもつながっています。結果として、顧客はプロダクトを日常業務の中で活用できるようになり、問い合わせに依存しない「自走状態」へと近づいています。同時に、カスタマーサクセス側も改善提案や活用促進といった、より付加価値の高い支援に注力できるようになりました。

 

今後もチームとしての支援体制を磨き続け、顧客が継続的に成果を出し続けられる状態を支えていきます。


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