「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」それぞれの発言量はどうなっているか調べてみた
カスタマーサクセス職の広がり
最近、メディアにおいても「カスタマーサクセス」という役割、職種が取り上げられるようになってきました。先日もNikkei Styleにて下記のような記事が公開されています。
営業の新しい花形「カスタマーサクセス」 サブスクのカギを握る新職種 |NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXMZO75098710V20C21A8000000/
そしてこの記事内では下記のように記載されています。
「似た名前の職種に『カスタマーサポート』がありますが、カスタマーサクセスは能動的・主体的にコミュニケーションをとって顧客の満足度を高めていくのに対し、カスタマーサポートは顧客から問い合わせがあって初めて仕事が生まれます。受動的な姿勢がしみついてしまっていると、すぐに活躍するのは難しいかもしれません。名前は似ていても、真逆の働き方になります」
カスタマーサクセスを知るにあたって、既に一般化されているカスタマーサポートとの比較です。よくよく出てくる内容かなと思います。
ここでちょっと気になったのは、どの程度、カスタマーサクセスとカスタマーサポートのキーワードが利用されているのか、です。そこでちょっと調べてみました。
GoogleTrendsで「カスタマーサクセス」を調べてみた
こちらはGoogleTrendsにて、カスタマーサクセス、カスタマーサポート、カスタマーサービス、3つのキーワードを過去5年間で見てみました。カスタマーサクセスに関しては、2018年くらいから伸び始め、2020年あたりから横ばいです。カスタマーサポートとカスタマーサービスはやや右肩あがりです。
キーワード間でいうと、まだまだカスタマーサクセスは弱く、カスタマーサポートとカスタマーサービスの1/3ほどとなっています。
ちなみにこちらのグラフは期間を2004年から現在までを見たものです。途中でGoogleTrendsの仕様が変わっているため、そのまま受け取るのは適切ではないですが、やはり全体的に右肩上がりで2018年より急にカスタマーサクセスが使われるようになってきたと見て取れます。
ではカスタマーサクセスが飛び出したセールスフォースのお膝元のアメリカはどうだろうと気になって調べたのがこちらです。なんとカスタマーサービスが伸びまくっているのに対し、カスタマーサクセスはほぼ底辺です。
そこで、カスタマーサクセスとカスタマーサポートにしてみたのがこちらです。やはりカスタマーサポートに対しても大きな差があるようです。
このように大きな差が出てしまっている背景は、カスタマーサービスやカスタマーサポートというキーワードを一般消費者が利用するためだと考えられるでしょう。「○○の商品が動かなくなってしまったので、カスタマーサービスに連絡をしよう」ということで「○○ カスタマーサービス」と検索しているのではないでしょうか。問い合わせ窓口としてカスタマーサポートやカスタマーサービスが認識されていると。一方でカスタマーサクセスは一般消費者が利用するキーワードとはならないのでしょう。
Twitterでの「カスタマーサクセス」投稿はどうなっているか
では、ということでTwitterでのカスタマーサクセスのキーワード状況を見てみました。調査にあたってはBuzzSpreaderを利用しています。10%でのサンプリングをしているので実数ではないことにご注意ください。あくまで傾向としてとなります。
期間は2020/9/9〜2021/9/9までの1年間です。
これを見るとGoogleTrendsと傾向は同じく、
1.カスタマーサービス
2.カスタマーサポート
3.カスタマーサクセス
という順番となっています。
そしてこちらがツイートの内容の比較なんですが、カスタマーサクセスはオーガニックツイートが多く、カスタマーサービスはメンションが多いのが目立ちます。
このメンションがカスタマーサービスで多いのは下記のようにamazonの公式アカウントがamazon利用者で課題を抱えた投稿をしている方に対してアクティブサポートをしているからでした。
そのあたりを加味すると、実はカスタマーサービスの投稿数は他のワードに対して際立って多いわけではないように考えられます。
そしてこちらはそれぞれのワードに対して、一緒に利用されていたキーワードで出現率が高いワードをランキング化させたものです。ちょっと小さいので画像はクリックして拡大してみてもらえたらと思うのですが、やはりカスタマーサポートとカスタマーサービスは購入者側が利用していると思われるキーワードが多く、カスタマーサクセスはよりビジネス的な内容で投稿されていることがわかりました。そのため、単純にそれぞれのワードを数で比較するのは意味が薄いですが、一般消費者が利用するキーワードに対して、ビジネスでのワードであるカスタマーサクセスが肉薄してきていることはカスタマーサクセスの拡大がされてきていると認識してもよいのかもしれません。
ちなみにBuzzSpreaderで出ている他の内容もちょっと面白いので公開します。
男女比
まず男女比ですが、カスタマーサクセスは圧倒的に男性の投稿が多く、カスタマーサービスは女性が他に比べて大きくなっています。
評判比
評判比ではカスタマーサービスにて悪いが多い結果となりました。先程のアマゾンのアクティブサポートと関連するかと思われます。
地域比
そしてこちらは地域差です。やはりカスタマーサクセスは関東が圧倒的に多いですね。カスタマーサービスが九州沖縄で多いのは九州が通販王国だからでしょうか。
年代比
年代比ではカスタマーサクセスにて40代が圧倒的に多い結果に!カスタマーサクセス業界のイメージは割と若いかと思っていたんですが40代が多いのでしょうか。
職業比
職業比は以外と差が出ない結果となりました。上記の流れ的には会社員がカスタマーサクセスでもっと多いのではと思ったのですが。
引用ランキング
URLの引用ランキングなるものもあります。
カスタマーサクセスで1位はamazonリンクでこちら。
売上の8割を占める 優良顧客を逃さない方法 利益を伸ばすリテンションマーケティング入門 | 大坂 祐希枝 |本 | 通販 | Amazon https://www.amazon.co.jp/gp/product/4478103666/ref=as_li_qf_asin_il_tl
青本赤本ではなく、こちらでした。
カスタマーサービスで1位はリンク先がもうなく、2位はこちらでした。炎上系ですね。
こちらのLINEスタンプに、私のイラストが無断使用されてしまいました…。
— れれれ@LINEスタンプあるよ (@chima2chan) December 4, 2020
LINEカスタマーサポートに問い合わせ中です。購入しないようお願いします😭
また、お時間ある方お手数おかけしますが、通報のご協力お願いします🙇♂️https://t.co/g1p4J6kslt pic.twitter.com/vnzmfig6xk
カスタマーサービスでの1位はこちら。バズった系でした。
amazonのマケプレでPS5予約したんだけど、よく見たら35万で草生えた。注文履歴からはキャンセル不可になってたが、カスタマーサービスのチャットで「間違えたのでキャンセルして欲しい」て伝えたら秒で対応してくれた。みんなはちゃんと確認して、悪徳業者に気をつけるんだぞ。 pic.twitter.com/HLwaSnnmD2
— よこやま (@YOKO_vermillion) September 18, 2020
まとめ
というわけで、何かしら大きな発見はなかったわけですが、なんとなくカスタマーサクセスがネット上でどう調べられているのか、カスタマーサポートやカスタマーサービスといったワードと比較してどのように利用されているのかは、少し見えたのかなと思います。