他者との連携を円滑にしつつチームを運営する方法

桑折 茉莉花
2025.02.28

円滑なコミュニケーションや他部署との連携は組織全体の生産性を高め、スムーズな業務遂行を可能にします。
しかし、実際には認識やニュアンスの違い等でコミュニケーションに齟齬が生じることは少なくありません。
本記事では、特に「言葉の意味合いの受け取り方の相違」に焦点を当てつつ、私自身が経験した失敗と改善の取り組みを通じて得た教訓を紹介いたします。
◇言葉の意味合いの受け取り方が相違する要因
言葉の意味合いが相違する要因はいくつかあります。
同じ言葉でも異なる解釈をしてしまう
例えば「明日までに提出してください」という連絡を、受け取り手は「明日いっぱい」と解釈しました。しかし、話し手は「(今日中に確認したいので)明日までに提出してください」と連絡しており、「明日まで」の解釈に齟齬が生じました。
このように、話し手と受け取り手で異なる解釈が発生してしまう状態を「ミスコミュニケーション」といいます。
ミスコミュニケーションとは?
情報を伝える側と受け取る側に、認識の相違が起こっている状態です。
「きちんと話したはずなのに正しく伝わっていなかった」「指示どおりに行動したはずなのに誤りだと言われた」というような場合は、ミスコミュニケーションが発生しています。
部署や会社ごとの専門用語の違い
弊社内のサービスとしてメールサポート業務と監視業務がそれぞれ別部門で行われています。それぞれ「エスカレーション」という言葉を使用しますが、部署によって意味合いも変化しています。
1つは他社の対応ビューに問い合わせを移動すると解釈しましたが、もう1つは直接クライアントに連絡して確認することだと捉えるケースがありました。
このように同じような用語であっても微妙にニュアンスが異なるケースがあります。
文脈による意味の変化と誤解のリスク
同じ言葉が使われていても、前後の文脈によって意味が異なって捉えられることがあります。
例えば、「対応しました」という言葉が「業務全てが完了した」という意味で捉えることもあれば、「業務行程3つのうち1つが完了した」という意味で受け取られることもあります。
このような誤解は、SNSやニュース記事でもよく見られます。
発言の一部だけが切り取られて拡散され、本来の意図とは異なる意味合いで炎上するケースがあります。
実際には前後の文脈を見れば問題ない発言であることも多いため、情報を受け取る際には文脈を考慮することが重要です。
ビジネスの現場でも会議の議事録やメールの一文だけが独り歩きし、本来の意図と異なる形で伝わることがあるため、慎重な対応が求められます。
このような違いが認識されずに進行すると、誤解やミスコミュニケーションが発生し、業務の遅延やトラブルにつながる可能性があります。
◇改善策
具体的な期日を明示する
「明日まで」ではなく「本日18時まで」と明確な期限を連絡するようにしましょう。
共通理解の促進
言葉の意味合いの相違を防ぐため、部署ごとの重要な用語や表現を学びましょう。
また、会議や依頼事項を明文化かつ各位に共有、確認するプロセスを導入することで認識の違いを最小限に抑えることができます。
会話内容は文章でも残すようにすることが大事です。
文脈を考慮した伝え方の工夫
「対応しました」とだけ伝えるのではなく、「〇〇の業務が完了しました」と詳細に伝え、誤解を防ぐようにしましょう。
相手が誤解しやすい点については補足説明を加えるなど一工夫を加え、解釈の相互理解を深めることが大切です。
定期的なコミュニケーションやフィードバックの場を設ける
関係者での定例ミーティングを実施し、お互いの認識やタスクの進捗状況を確認しあいましょう。
また、会議やメールのやり取りの中で相手の理解が合っているかを確認するため、要点の再確認を行う習慣をつけることが大事です。
「この認識で問題ないでしょうか?」と確認を取ることで、誤解を未然に防止できます。
これによりミスコミュニケーションを最低限に抑えつつお互いの進捗状況が可視化し、効率が向上します。
取り組めなかった課題
他部署で取り組んでいるプロジェクトを学ぶ
密なコミュニケーションをとっていても、知識が不足していると壁にぶつかってしまいます。他部署との連携時は、始めに知識を補完することが大事です。
部署ごとの用語リストの作成と標準化
個人間での認識に留まり資料化は実現できませんでした。
まとめ
他者との連携を円滑にしつつチームを運営するためには、相手の立場を理解し、双方向のコミュニケーションを意識すること、そしてチーム内で意識を共有することが重要です。
共通の言葉を定義し、明確なコミュニケーションを心がけることでミスコミュニケーションを防ぎ、業務の効率を高めることができます。
また、情報の発信や受け取りにおいても、一部だけを切り取るのではなく、文脈全体を考慮することが重要です。
SNSやメディアでの誤解の発生例を他山の石とし、日常の業務においても意図が正しく伝わるよう意識すれば、円滑な連携が可能になるでしょう。

この記事を書いたライター
桑折 茉莉花
カスタマーサポート歴8年。 アディッシュ入社後は前職の接客業で培ったお客様対応のスキルを活かしつつ、LDやASVとしてチーム運営にも携わったあとSVに。 視野の広さと細やかな気配りを強みとし、居心地のいいチーム作りを大切にしている。話しやすい雰囲気を意識したコミュニケーションを心がけ、より良いサポート環境や顧客との良好な関係性構築を意識しながら日々業務に取り組んでいる。