サブスク解約率を下げるカスタマーサクセス戦略【2026年版】
サブスクリプションの解約率を下げるには、解約直前の顧客を引き止めるのではなく、契約から継続利用までの顧客体験を改善することが重要です。そのため、次の6つに取り組みましょう。
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戦略 |
目的 |
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1. 契約前に成功条件を合意する |
契約後の期待値のずれを防ぐ |
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2. 最初の成果までの時間を短縮する |
サービスの価値を早期に実感してもらう |
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3. サービスの利用を習慣化する |
日常業務にサービスを定着させる |
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4. 解約の予兆を早期に把握する |
利用低下などに先回りして対応する |
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5. 顧客が感じる手間を減らす |
サービス利用時の負担を軽減する |
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6. 顧客の声を改善につなげる |
解約原因そのものを減らす |
今回はサブスク解約率を下げるカスタマーサクセス戦略をご紹介します。この記事では、90日間で取り組むためのロードマップも公開しているため、ぜひ参考にしてください。
サブスクのカスタマーサクセスとは?
サブスクのカスタマーサクセスとは、顧客がサービスを利用して目的を達成できるように能動的に支援する取り組みです。サービス利用状況や顧客とのやり取りなどから課題を予測し、問題が大きくなる前に働きかけます。
ただし、頻繁なログインや機能活用を「顧客の成功」と考えてはいけません。
例えば、業務効率化ツールであれば、毎週ログインしていることではなく、
- 月末の集計作業が10時間短縮された
- 1日に処理できる案件数が20件から30件に増えた
- 承認時間が10分短くなった
といった顧客の業務上の変化を成功として定義します。
サブスクの解約率(チャーンレート)とは?
サブスクの解約率(チャーンレート)とは、一定期間内にどの程度の顧客が解約したかを示す指標です。
一般的に次の式で算出します。
顧客チャーンレート=一定期間中に解約した顧客数÷期初の顧客数×100
例えば、月初に100社の契約があり、その月に3社が解約した場合、チャーンレートは3%です。
ただし、解約率だけを見ても「なぜ解約したのか」は分かりません。解約率は、それ以前に発生した問題が最終的な結果として表れた指標だからです。
したがって、解約率と併せて解約の前兆となる指標も確認することをおすすめします。
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指標 |
分かること |
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価値が得られるまでの日数 |
導入初期につまずいていないか |
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オンボーディング完了率 |
自力で利用できる状態になったか |
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主要機能の利用状況 |
主要機能を利用しているか |
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利用頻度の変化 |
利用が停滞していないか |
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未解決課題の件数 |
業務上の問題が残っていないか |
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キーパーソンとの接点 |
契約判断者が価値を理解しているか |
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契約更新意向 |
継続してもらえそうか |
サブスクの解約率が下がらない原因とは?
解約率が下がらない主な原因は、顧客がサービスの価値を実感するまでのどこかに問題が残っていることです。代表的な原因は5つあります。
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解約につながる原因 |
対策方法 |
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契約時の期待と実際の差があった |
契約前に成功条件を合意する |
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導入に時間がかかる |
最初の成果までの時間を短縮する |
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サービス利用が続かない |
日常業務に利用を組み込む |
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解約の兆候を把握できない |
ヘルススコアで予兆を把握する |
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同じ問題が繰り返される |
VOCを改善へつなげる |
アディッシュの支援事例である、三菱電機株式会社様の多言語対話ソリューション「MelBridge」でも、導入後のフォローが受動的なサポート中心だった時期には、初回ログイン後にサービスを利用してもらえないケースが発生していました。そこで、ヘルススコアをモニタリングし解約の兆候が見える顧客をフォローすることにしました。また、オンボーディングを見直し、期待と実際の差を埋めるなど工夫した結果、週3日以上、3週連続で利用するユーザーが90%増加しました。
解約率を下げるカスタマーサクセスの6つの戦略
ここからは、解約率を下げる6つの戦略を具体的に解説します。
1.契約前に成功条件を合意する
契約後の期待値を防ぐために、契約前に「何を達成できれば成功なのか」といったゴールを顧客と合意しましょう。業務効率化だけではなく「月末の集計作業を10時間減らす」まで具体化することが大切です。
なぜなら、顧客の期待とCSが目指すゴールが異なると、適切な支援ができなくなり期待と実際の差が広がってしまうためです。そのため、少なくとも5つの項目は確認しておきましょう。
- 顧客が求める成果
- 成果を判断する数値
- 最初に取り組む業務
- 顧客側の担当者・責任者
- 30日後・60日後・90日後の目標
2.最初の成果が出るまでの時間を短縮する
顧客にサービスを利用し続けてもらうためにも、最初の成果が出るまでの時間を短縮しましょう。オンボーディングを通じて「最初のレポートを作成できた」「月次集計を1回完了できた」など、顧客が自力で業務を完了できる状態になるように速やかにサポートすることが大切です。
例えば、
- 最初に利用する機能を1〜2個に絞る
- 顧客が実際に利用する機能を中心に操作方法を案内する
- 導入後7日、14日、30日に進捗を確認する
といった方法があります。
3.サービスの利用を習慣化する
顧客にサービスを継続して利用してもらうためにも、日常業務の中にサービス利用を組み込みましょう。特定の業務が発生したらサービスを使うという状態をつくることが大切です。
例えば、
- 週次会議の前にレポートを作成する
- 月末処理のためにサービスへデータを登録する
- 新規案件の開始時にテンプレートを利用する
といった特定の業務が発生したらサービスを使うという状態をつくります。
4.ヘルススコアで解約の予兆を早期に把握する
顧客の解約を防ぐためにも、ヘルススコアを活用して予兆を早期に把握しましょう。継続している顧客や成果を得ている顧客の状態を基準にした上で、各顧客の利用状況を確認することが大切です。
そのうえで、
- 主要機能の利用状況
- 利用頻度
- オンボーディングの進捗度合い
- 未解決課題の件数
- キーパーソンとの接点の有無
などスコアを確認します。大切なのは、スコアを確認して終わらないことです。
例えば、
- 赤:2営業日以内に担当者が状況を確認
- 黄:活用方法を案内し、1週間後に再確認
- 緑:成果拡大や追加活用を提案
のように、誰が・いつまでに・何をするかまで決めておくことで、ヘルススコアを実際の解約防止につなげられます。
5.顧客がサービスを利用する手間を減らす
顧客が営業やCSに同じ内容を何度も説明したり、問い合わせのたびに別の窓口に行ったりしなければならない場合は大きな負担になります。そのため、顧客が不満を抱かないように、サービス利用時の手間を減らすことが大切です。
- CRMで情報共有する
- 一度聞いた内容を再度質問しないなどルールを設ける
- 回答時に次に起こりやすい疑問も案内しておく
- 顧客には、なるべくまとめて質問する
6.顧客の声をサービス改善へつなげる
より良いサービスを提供するためにも、問い合わせや解約理由を記録するだけで終わらせず、サービス改善につなげましょう。顧客の声を整理し、同じ問題が繰り返し発生しない状態をつくることが大切です。
問い合わせを、
- 種類
- 発生原因
- 顧客属性
- 利用フェーズ
- 解決時間
- 再発率
などに分類し重要性の高いものから、FAQ、営業説明、オンボーディング、プロダクト改善へ反映します。
解約率改善ではどのKPIを追うべき?
解約率改善のKPIは、「経営」「顧客成果」「利用」「運用品質」の4階層で設計すると整理しやすくなります。
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階層 |
KPI |
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経営KPI |
顧客チャーンレート、売上チャーンレート、契約更新率、LTVなど |
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顧客成果KPI |
業務時間削減、処理件数増加、ミス削減、利用部門拡大など |
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利用KPI |
初回価値到達までの日数、オンボーディング完了率、主要機能利用率など |
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運用品質KPI |
初回応答時間、平均解決時間、未解決件数、CESなど |
※KPIを設定する目的は数字を増やすことではなく、どこに問題があり、次に何を改善するべきか判断できる状態をつくることだと理解しておきましょう。
90日で実行する!解約率を下げるカスタマーサクセス戦略
解約率の改善は、最初から全顧客を対象にせず、90日程度で対象を絞って検証する方法がおすすめです。ここでは90日間の実践方法をご紹介します。
1〜30日目:解約の原因を把握する
最初の30日間は、どのような顧客が、どの段階で解約につながっているのかを整理します。そのためにも、直近半年〜1年程度の顧客データを確認しましょう。
- 解約理由
- 利用ログ
- オンボーディングにかかった期間
- 問い合わせ履歴
- 未解決課題
- 契約更新時のやり取り
これらを確認すると、「オンボーディングが完了していない顧客は解約しやすい」「主要機能の利用が減った後に解約している」といった傾向が見えてきます。
そのうえで、オンボーディングが長期化している顧客や主要機能の利用頻度が低下している顧客など、優先して改善する顧客層を一つに絞りましょう。
31〜60日目:解約防止の施策を試す
次の30日間は、選んだ顧客層に対して具体的な施策を実施します。
例えば、次のような仕組みを作ります。
- オンボーディングの完了条件
- 3〜5項目程度のヘルススコア
- 顧客の状態に応じた対応プレイブック
例えば、主要機能を14日間利用していない顧客には、CS担当者が活用状況を確認するといったように、顧客の状態と対応方法をセットで決めておきます。
まずは10〜30社程度を対象に試し、利用状況やオンボーディング完了率などに変化があったかを確認しましょう。
このとき、顧客への効果だけでなく、CS担当者にどの程度の工数がかかったかも確認することが大切です。効果が高くても、1社ごとに多くの時間が必要な施策では、対象顧客を増やしたときに運用できなくなる可能性があります。
61〜90日目:効果が出た方法を標準化する
最後の30日間は、実施した施策の効果を検証します。例えば、施策の実施前後で次の指標を比較します。
- 初回価値到達までの日数
- オンボーディング完了率
- 主要機能の利用状況
- 未解決課題の件数
- 契約更新意向
- CS担当者の対応時間
改善が見られた施策は、担当者個人のやり方で終わらせず、マニュアルやテンプレート、プレイブックとして標準化しましょう。
その後、対象となる顧客を少しずつ増やし、同じ方法で成果を出せるかを確認します。
このように、90日間で「原因を把握する→施策を試す→効果を検証して標準化する」という流れをつくることで、解約率改善を継続的に進めやすくなります。
サブスクの解約率を下げるカスタマーサクセス戦略に関するよくある質問
最後にサブスクの解約率を下げるカスタマーサクセス戦略に関してよくある質問をご紹介します。
Q.サブスクリプションの解約率は何%ならよいですか?
サブスクリプションの理想の解約率は、月間ARPA(1アカウントの平均売上)で異なります。一般的に優良企業は解約率2%未満(上位25%の水準)を目標にすべきと言われています。
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月額ARPA |
中央値の月次解約率 |
上位25%の水準 |
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約4,000円未満 |
6.1% |
4.0%以下 |
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約4,000〜15,900円 |
4.2% |
2.8%以下 |
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約15,900〜39,800円 |
3.1% |
1.9%以下 |
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約39,800〜79,600円 |
3.0% |
1.9%以下 |
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約79,600〜159,200円 |
2.2% |
1.4%以下 |
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約159,200円以上 |
1.8% |
1.1%以下 |
Q.ヘルススコアは何項目くらい必要ですか?
最初は3〜5項目程度から始めると運用しやすくなります。重要なのは項目数ではなく、スコアが下がったときに誰が何をするか決まっていることです。
Q.解約防止には顧客との接点を増やすべきですか?
必ずしも接点を増やす必要はありません。顧客に必要のない会議やメールを増やすと、かえって負担になる場合があります。接点の回数ではなく、「問題を解決できたか」「次の成果へ進めたか」「顧客にどの程度の手間がかかったか」で評価しましょう。
Q.解約を申し出た顧客を引き止めればよいですか?
解約直前の引き止めだけでは十分ではありません。申し出の時点では、すでに他社サービスへの移行などを決定している場合があります。利用頻度の低下やオンボーディング停滞などを早めに検知し、解約を決断する前に原因を取り除くことが重要です。
まとめ
サブスクリプションの解約率を下げるには、
- 契約前に成功条件を合意する
- 最初の成果までの時間を短縮する
- サービスの利用を習慣化する
- 解約の予兆を早期に把握する
- 顧客が感じる手間を減らす
- 顧客の声をサービス改善へ反映する
という6つを一つの流れとして運用することが大切です。ご紹介した90日で実行する!解約率を下げるカスタマーサクセス戦略もぜひ試してみてください。


