カスタマーサポートを効率化する方法16選!欠かせない視点と具体策

奥田結子
2026.05.07
カスタマーサポートのチャネルが多様化する中、現場の負担はかつてなく高まっています。手作業による管理体制では、対応漏れや二重対応といったミスが発生しやすく、担当者の疲弊や顧客満足度の低下を招きかねません。
本記事では、カスタマーサポートの効率化の方法をご紹介します。自社の体制に課題を感じている方は、ぜひ改善の参考にしてください。
なぜカスタマーサポートの効率化が必要なのか?
カスタマーサポートの効率化が急務とされている背景には、現場が抱える課題が潜んでいます。
業務の属人化が起きている
カスタマーサポートの現場では、ベテラン担当者しか対応手順を知らないといった属人化が起きがちです。個人的なスキルに依存してしまうと、担当者が休んだり退職したりした途端に業務が回らなくなってしまいます。
また、対応するスタッフによって対応品質にばらつきが生じてしまうと顧客が不信感を抱いてしまいます。
人手不足による担当者の負担増
労働人口の減少に伴い、カスタマーサポート部門でも慢性的な人手不足に悩む企業が増えています。限られた人数で、メール、チャット、SNSなどのチャネルを使用して対応しなければならず、一人あたりの業務負荷は上がる一方です。
担当者の疲弊やモチベーションの低下を引き起こし、さらなる離職を招くという悪循環に陥る危険性があるため、対処する必要があります。
対応遅れによる顧客満足度(CS)の低下
非効率な業務が続くと、問い合わせの確認漏れや解決スピードの低下を招いてしまいます。顧客はスピーディーな解決を求めているため、解決スピードが遅いとクレームへと発展しかねません。また、ネガティブな口コミの拡散などビジネス全体に深刻な悪影響を及ぼします。
カスタマーサポート効率化を進めるための正しい手順
業務効率化を成功させるためには、現在の状況把握と計画、行動が欠かせません。ここでは、カスタマーサポート効率化を進めるための正しい手順をご紹介します。
現状の業務フローと課題を可視化する
カスタマーサポートを効率化する第一歩は、現在の状況を正確に把握することです。まずは「誰が」「どのチャネル(電話・メール・チャットなど)から」「どのような手順で」問い合わせに対応しているのか、業務の棚卸しを行いましょう。
問い合わせの受付から回答完了までのフローを書き出して可視化することで、「過去の履歴を探すのに時間がかかっている」「他部署への確認作業で対応がストップしやすい」といった、隠れたボトルネックや無駄な工数が浮き彫りになります。
効率化する業務の優先順位を決める
課題が明確になったら、すべてを同時に解決しようとせず、優先順位をつけて解決していきましょう。「発生頻度が高く工数がかかっている業務」や「ミスが起きた際のリスクが大きい業務」から着手するのが鉄則です。少しずつ取り組むことでチーム全体のモチベーションを保ちながら効率化を進められます。
カスタマーサポートの効率化に欠かせない視点
またカスタマーサポートの業務を根本から見直し、業務効率化を図る上では5つの視点が欠かせません。
(1)情報の一元管理
顧客情報や対応履歴、各チャネルからの問い合わせを一つのシステムに集約し、確認の手間や対応漏れを防ぐ
(2)タスク管理
誰でも迷わず同じ手順で対応できる標準的な状態をつくる
(3)ナレッジ共有
過去の解決事例を蓄積し、チーム全体でいつでも検索・参照できる環境を整え、対応品質を均一化する
(4)ルールの徹底
優先順位や引き継ぎの基準を決めて、現場での判断の迷いを排除する
(5)問い合わせの削減
顧客の自己解決を促し、問い合わせ総量そのものを減らすことで、業務負荷を軽減する
【情報管理】カスタマーサポートを効率化する方法
ここからはカスタマーサポートを効率化する方法をご紹介します。カスタマーサポートの効率化の第一歩は、バラバラに散らばった情報を整理し、誰もがすぐにアクセスできる状態にすることです。具体的な方法を4つご紹介します。
問い合わせを一元管理する

出典:『Re:lation』
カスタマーサポートを効率化するためには、電話やメール、SNS、チャットツールなど多岐にわたる問い合わせを、1つのツールに集約させることが最優先事項です。
問い合わせが分散していると、各ツールを確認する手間が発生して業務が停滞しかねません。また、複数のツールを行き来することで、対応漏れや二重対応といった致命的なミスを誘発する恐れもあります。
チャネルを一本化すれば、ツール上で問い合わせを管理できるようになり、煩雑なツール操作から解放されます。
問い合わせの振り分けを自動化する

出典:『zendesk』
宛名や件名、メールアドレスなどを条件に問い合わせの振り分けを自動化するのもおすすめです。
問い合わせを手動で振り分けていると、レスポンスの遅延やヒューマンエラーによる振り分けミスを引き起こしてしまいかねません。問い合わせの振り分けを自動化すれば、これらのリスクを防ぐことができます。
メール内に解約という単語が含まれている場合は、契約関連の担当者へ振り分けられるように設定します。これにより、迅速かつ確実に対応できる体制が整います。
問い合わせ通知が届くように設定する

出典:『Mail Dealer』
新たな問い合わせが発生した際に、担当者へ通知が届くように設定しておけば素早く対応できるようになります。
通知が未設定のままでは、担当者がカスタマーサポートツールを開いて新着の問い合わせが届いていないかを目で確認しなければなりません。緊急性の高い案件への初動が遅れて、クレームを招くリスクも高まります。そのため、カスタマーサポートツールとコミュニケーションツールを連携させ、リアルタイムでアラートを受け取れるように設定しておくことをおすすめします。
顧客の基本情報と問い合わせを紐づける

出典:『zendesk』
品質が高いサポートを提供するためには、顧客の基本情報と問い合わせを紐づけることが欠かせません。
顧客情報と問い合わせ内容が分断されていると、問い合わせ対応する度に顧客情報を検索しなければなりません。
また、過去の問い合わせ内容を把握し切れずに同じ説明を求めてしまうなど、顧客満足度を著しく低下させてしまいます。顧客の基本情報と問い合わせを紐づけておけば、一人ひとりの背景に沿った的確なサポートを迅速に提供できるようになります。
【タスク管理】カスタマーサポートを効率化する方法
次に、タスク管理を最適化するための方法を3つご紹介します。
優先する問い合わせにラベルを付ける

出典:『Mail Dealer』
VIP顧客や至急案件、クレーム対応など、優先度の高い問い合わせに特定の『ラベル』を付与しましょう。一覧画面で視覚的に強調されるため、埋もれることなく最優先で着手でき、重大なトラブルの芽を早期に摘み取ることが可能です。
問い合わせ対応のステータス管理を行う

出典:『formrun』
滞りなくカスタマーサポートを運営するためには、各問い合わせのステータス管理を徹底することが不可欠です。
ステータスが不明な状態では、誰がどの問い合わせに対応しているか把握できません。その結果、長期間放置してしまう対応漏れや複数人が顧客に返信してしまう二重対応といった深刻なトラブルを招きかねません。
ツール上で「未対応」「対応中」「完了」といったステータスを問い合わせに付与し、リアルタイムで更新・共有できる状態にしましょう。
これにより、チーム全員が問い合わせの進捗を把握できるようになり、業務の重複を防ぐだけでなく、対応が滞っている問い合わせへのフォローアップができるようになります。
二重返信を防止する

出典:『Mail Dealer』
顧客への二重返信を確実に防止するために、誰かが問い合わせ対応している際にはロックがかかるツールを使用しましょう。
誰がどの問い合わせに対応しているか分からなければ、別の担当者が同じ問い合わせに対応してしまいかねません。こうした二重対応は、業務効率を低下させるだけでなく、顧客に混乱を与え、企業への信頼を損なう致命的なトラブルになります。
そのため、誰かが対応中の問い合わせにはロックがかかるカスタマーサポートツールを導入することをおすすめします。
【ナレッジ共有】カスタマーサポートを効率化する方法
次にナレッジを属人化させない2つの方法をご紹介します。
ナレッジを蓄積する

出典:『NotePM』
質の高いカスタマーサポートを提供するために過去の対応事例を蓄積しておきましょう。
問い合わせ対応が属人化した状態では、ベテランスタッフが不在の際に問い合わせ対応が滞ってしまいかねません。
また、過去に対応した類似案件であっても、毎回ゼロから調査する無駄な工数が発生してしまいます。
対応するスタッフによって案内にバラつきも発生してしまうことでしょう。そのため、カスタマーサポートツール上に過去の対応事例マニュアルを蓄積して、誰もがすぐに検索・参照できる状態にしておくことをおすすめします。
エージェントアシスタントを活用する

出典:『Mail Dealer』
オペレーターの業務を支援してくれるエージェントアシスタントの活用もおすすめです。
顧客からの長文の問い合わせを読み解き、適切な回答をするまでに膨大な時間と労力を消費します。
これを1件1件対応していれば、レスポンスの遅延を招くだけでなく、担当者の業務負荷が上がりミスを引き起こしかねません。エージェントアシスタントを活用すれば、問い合わせ内容を分析してくれて、どのように回答すべきかを教えてくれます。これにより、担当者は迅速にメール返信できるようになります。
【ルールの徹底】カスタマーサポートを効率化する方法
次に、一定の品質を保つためにルールを徹底する2つの方法をご紹介します。
返信テンプレートを作成する

出典:『yaritori』
よくある問い合わせに対する返信テンプレートをあらかじめ作成しておくと業務が捗ります。
毎回メールを作成していては、多大な時間と労力を消費し、業務を圧迫しかねません。また、スタッフのスキルや経験によってメールの質にばらつきが生じる恐れもあります。
しかし、問い合わせ内容別に返信テンプレートを登録しておけば、誰が対応しても迅速かつ正確なレスポンスができるようになります。(※最近ではAIで返信テンプレートを作成するのが主流です。)
ワークフローを決めておく

出典:『kickflow』
問い合わせの種類や緊急度に応じて、対応の手順やエスカレーションの基準を決めておきましょう。
ルールが曖昧な状態では、現場のオペレーターが「誰に確認すべきか」「どこまで自分で判断してよいか」と迷ってしまい、対応に遅れが生じます。
また、重大なクレームへの初動が遅れ、トラブルが拡大してしまうリスクも高まります。「返品・返金対応はこの手順で処理する」といったフローをあらかじめ整備しておけば、スピーディーな対応が実現できます。
【問い合わせ削減】カスタマーサポートを効率化する方法
次にカスタマーサポートの問い合わせを削減する方法を2つご紹介します。
AIチャットボットを導入する

出典:『PKSHA』
顧客の自己解決を促し、サポート部門の業務負担を軽減するためには、AIチャットボットの導入が有効です。
しかし、AIチャットボットの導入にあたっては、誤回答(ハルシネーション)してしまうリスクや、精度を上げるためにチューニングの手間がかかるといった懸念がつきまといます。
かえって顧客の混乱を招き、企業への信頼を損なう致命的なトラブルに直結しかねません。そのため、自社で登録したデータを情報源とし、誤回答リスクがなく安心して利用でき、メンテナンス負担も少ないAIチャットボットを選定しましょう。AIチャットボットを導入すれば、24時間体制のサポート体制を整えられます。
FAQサイトを公開する

出典:『ナレッジリング』
カスタマーサポートの問い合わせ件数を削減したい場合は、顧客がいつでも参照できるFAQサイトの公開がおすすめです。
よくある質問に対してオペレーターが個別に対応していては、サポート部門の業務を圧迫してしまいます。また顧客も、自己解決できそうなことに対して問い合わせして返信を待たなければなりません。このような状態は、顧客体験を損ねる要因となります。
そのため、わかりやすく体系化されたFAQサイトを公開し、問い合わせを削減することをおすすめします。
【チーム構築】カスタマーサポートを効率化する方法
最後に円滑に回るためのチームの作り方を3つご紹介します。
パフォーマンスをモニタリングする

出典:『zendesk』
カスタマーサポート力を向上させるためには、チーム全体および個人のパフォーマンスをモニタリングすることが不可欠です。
チーム全体および個人のパフォーマンスが把握できていない状態では、問い合わせにおけるボトルネックなど課題を見過ごしてしまいかねません。また、管理者の勘や経験に頼ったマネジメントでは、根拠が乏しく、長期的にはサポート品質の低下やスタッフの疲弊を招きかねません。
そのため、カスタマーサポートツールのレポート機能を活用し、対応件数や解決までの時間、顧客満足度といった重要指標をリアルタイムでモニタリングして、業務プロセスの改善やオペレーターへのフィードバックをすることでパフォーマンスが上がります。また、FAQやチャットボットの利用状況をモニタリングして改善することも大切です。
人員配置を最適化する
スタッフの業務負荷を適正に保つためには、データに基づいた人員配置(ワークフォースマネジメント)が欠かせません。管理者の勘に頼ったシフト作成では、問い合わせの増加時に人手が足りずレスポンスの遅延を招いたり、逆に閑散期に余剰人員を抱えて無駄なコストを発生させたりするリスクが伴います。
また、電話やチャット、メールといったチャネルごとの繁閑差を見落とすことで、特定の担当者に業務が偏ってしまう恐れもあります。
そのため、カスタマーサポートツールの分析機能を活用して、問い合わせ件数の推移、時間帯別の問い合わせ件数などをデータとして可視化して、将来の需要を予測しましょう。これにより、必要な人数のオペレーターを的確に配置できるようになり、顧客満足度を維持しながら、無駄のない効率的な組織運営が行えるようになります。
スタッフを育成する
高い水準のカスタマーサポートを維持するためには、新人からベテランまで育成することが大切です。
マニュアルを渡すだけや形式的な研修を行うだけの状態では、各オペレーターの対応品質に大きなばらつきが生じてしまいます。また、新しい商品やサービス、システムが導入されるたびに、知識のアップデートが追いつかず、誤案内や対応の遅れといった重大なインシデントを引き起こしかねません。
そのため、定期的にスタッフを育成する機会を設けることをおすすめします。カスタマーサポートツール上に蓄積された対応履歴や分析レポートを活用して事例に基づいた実践的なフィードバックを定期的に実施することで強いチームが作れるようになります。
この記事では、さまざまなカスタマーサポートツールを例にあげましたが、1つのツールで効率化することができます。自社に合うカスタマーサポートツールを探したい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『カスタマーサポートツールおすすめ18選!4つのタイプ別に紹介!』
まとめ
カスタマーサポートの効率化は、単なるコスト削減ではなく、スタッフを煩雑な手作業から解放し「人にしかできない付加価値の高い対応」に集中させるためにあります。
チャネルの一元化やAIの活用、データに基づく改善を積み重ねることで、ミスは減り、チーム全体の生産性は確実に向上します。自社の課題に応じた施策を段階的に取り入れ、スタッフの働きやすさと顧客満足度を両立させる理想的な体制を構築していきましょう。
アディッシュではツール導入支援から、AIチャットボットの構築、運用代行まで、貴社の課題に合わせた最適なソリューションをワンストップで提供します。「どこから効率化すべきかわからない」「リソースが足りない」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いたライター
奥田結子
アパレル副店長 、広告営業、営業事務を経験後アディッシュに入社。インサイドセールス担当としてカスタマーサクセスやモニタリングサービス関連商材を担当し、商談機会創出に携わる。
