1ヶ月で問い合わせ対応の約8割を任せられるCX体制へ──Frictioの成長を支える顧客対応基盤づくり【株式会社SYSLEA様】
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扇 凜音
2026.09.18
はじめに
株式会社SYSLEAは、AIネイティブCRM「Frictio(フリクシオ)」を開発・提供しています。
Frictioは、商談・電話・メールなど、顧客とのあらゆるコミュニケーションデータを集約し、次のアクションにつなげやすくするためのプラットフォームです。営業担当者が顧客との対話に集中しながら、組織として顧客対応の質を高めていくことを支援しています。
同社では事業成長に伴い、CX(カスタマーサポート)領域の体制強化が急務となっていました。一方で、プロダクト理解だけでなく、顧客の言葉の背景にある意図まで汲み取れる人材を採用することには難しさを感じていたといいます。
今回は、株式会社SYSLEA Customer Experience Div. Managerの藤井 亮佑様に、アディッシュへCX領域の支援を依頼した背景や導入後の変化、今後期待することについて伺いました。

株式会社SYSLEA
Customer Experience Div. Manager
藤井 亮佑様
事業成長に伴い、CX領域の体制強化が急務に
──まず、SYSLEAの事業内容と「Frictio」について教えてください。
藤井様:当社では、「Frictio」というAIネイティブCRMを提供しています。
Frictioは、オンライン・オフライン、電話など、顧客とのさまざまなコミュニケーションデータを一つのプラットフォーム上に集約し、次のアクションにつなげやすい形で活用できるサービスです。
顧客とのやり取りを単に記録するだけではなく、その後の営業活動や顧客対応に活かしやすいデータとして整理することで、チーム全体の営業活動や顧客対応を支援しています。
──続いて、藤井様のご経歴と現在のミッションについて教えてください。
藤井様:私は30歳頃からスタートアップに関わるようになり、直近ではSaaS企業でCS部門の立ち上げ責任者を複数社で経験してきました。SYSLEAには、正社員1人目のメンバーとしてCS立ち上げのタイミングで参画しています。現在は正社員メンバーが20名ほどまで増え、ビジネスサイドとテックサイドが連携しながら事業を進めています。
事業が成長する中で、私自身もCSを担当しながら営業を行い、加えてCX領域も見てきました。直近の個人の役割としては、CX領域をより強くしていくことがミッションになっています。
──現在の組織体制としては、どのような形なのでしょうか。
藤井様:ビジネスサイドは、大きく「Growth Partner Div.」と「Customer Experience Div.」の2つに分かれています。
今年4月の組織改編以前は、Sales・CS・CXがそれぞれ役割を担うThe Model型の体制でした。組織改編を機に、SalesとCSを一体化したGrowth Partner Div.が発足し、基本的には自分が受注した顧客をそのまま担当し、導入後の活用まで一貫して伴走する体制となっています。
私はGrowth Partner Div.の中でもCS領域に軸足を置いたマネージャーを務めながら、Customer Experience Div.のマネージャーも兼務しています。
求めていたのは、顧客の意図まで汲み取れるCX人材
──今回、アディッシュの支援を検討された背景には、どのような課題があったのでしょうか。
藤井様:今回アディッシュさんへ依頼した背景としては、CX領域で「いい人」「即戦力になる人」を正社員で採用することに、かなり難しさを感じていたことがあります。
実際に募集をかけて面接もしましたが、私が「一緒に働きたい」と思える人には出会えていなかったというのが、当時の状況です。
そうした中で、たまたまアディッシュさんが当社の顧客になっていただいたことをきっかけに、サービスをご紹介いただく機会がありました。
ただ、取引があるから人材紹介をお願いするという考えは全くなく、本当に私が納得できる人材をご紹介いただけるかどうかで判断しようと思っていました。
──藤井様にとって「即戦力になるCX人材」とは、どのような方なのでしょうか。
藤井様:前提として、当社のCX業務についてお話しします。CX業務のメインは、顧客からの問い合わせ対応です。当社にはSlackやFin(Intercom)経由で日々問い合わせが届いており、CXメンバーはそれに対して回答を提供します。
シンプルに言えば「問い合わせに回答する仕事」ですが、私は、その対応にはかなりレベル感があると思っています。
顧客が発する言葉を、そのまま受け取って返すだけでは不十分な場合があります。顧客自身の理解が間違っていたり、質問している内容とは別のアプローチが正解だったりすることもあるからです。だからこそCXメンバーには、顧客の言葉の背景まで確認し、顧客と目線が合った状態をつくったうえで回答することが求められます。
私が求めていたCXメンバーは、本当に顧客が何をしたいのかを理解し、そこに対して最短で解決策を提示できる人です。
表現として少し特徴的かもしれませんが、私の中では「母のような人材」というイメージが近いと思っています。
たとえば、顧客から質問を受けたとき、その内容に回答するだけで終わらない。「この回答で、顧客の課題は本当に解決しているのか」「顧客がやりたいことは、この情報で実現できるのか」まで考えられるかどうかが重要です。回答が足りているかではなく、顧客の課題が解決しているかが大事だと考えています。
専門知識やプロダクト理解は、本人の学習によって身につけることができます。一方で、顧客の状況を想像し、一歩踏み込んで確認できる姿勢は、その人自身の性質や顧客に対する向き合い方が表れる部分です。
だからこそ私は、そうした素地があり、なおかつ当社のドメインに関する知識を学ぶ意欲がある人。そして、顧客に必要な情報を正しく、分かりやすく伝えられる人を探していました。
──テキストだけで顧客の状態を想像し、適切に対応する力が必要なのですね。
藤井様:そうですね。CSの場合は、顧客との定例ミーティングや対面での接点があります。顧客がどういう状況なのかを一定理解したうえで、問い合わせに対応できます。
一方で、CXメンバーには、顧客との事前の接点がありません。相手がどのような人なのかを知らず、表情が見えない状態で、テキストだけを頼りに顧客の質問を受け取ります。その中で、顧客が何を考えているのか、どのような状況にあるのかを想像し、満足いただける対応をする必要があります。これは非常に難しい仕事だと感じています。
顧客が切羽詰まっている状態なのか、余裕がある中で情報を得ようとしているのかによっても、こちらの伝え方や言い回しは変わります。
限られた情報の中で顧客の背景を想像し、必要な情報を正しく届け切ること。その力を持った人材が必要だと考えていました。
AI一次対応後のフォローからナレッジ整備まで、CX業務を幅広く支援
──現在、アディッシュにはどのような業務を依頼されていますか。
藤井様:基本的には、Frictioをご利用いただいている顧客からの問い合わせや、不具合、機能に関する質問への対応をお願いしています。
当社ではヘルプセンターを整備しており、問い合わせに対してまずAIが一次対応する仕組みをつくっています。そのため、AIが正しく回答できるようにするためのマニュアルやナレッジ整備も重要です。アディッシュさんには、そのAI回答の元となる情報の整備も支援いただいています。
一方で、AIでは回答しきれない問題や、不具合のようにAIが対応するとリスクがあるものについては、人が介入して対応する必要があります。
そのため、AIで対応できなかった問い合わせへの一次対応、開発チームへの連携、そして解消までのデリバリー業務をお願いしています。
1ヶ月で、問い合わせ対応の約8割を安心して任せられる状態に
──支援前後で、どのような変化がありましたか。
藤井様:これまでは、全ての問い合わせに対して、私自身がすべて目を通していました。
しかし、アディッシュさんに入っていただいてから、1ヶ月ほどで約8割は私が目を通さなくても済む状態になりました。問い合わせは月に新規で200〜300件ほどありますが、その多くについて、私が意識を張らなくても適切な回答を顧客に返せる状態ができたことは、非常にわかりやすい成果です。
──AIが回答した内容を、人が裏側で確認・補完する体制ができたということでしょうか。
藤井様:そうです。厳密に言うと、まずAIが回答します。ただし、AIの回答がずれている可能性もあるため、以前は私が裏側で内容をすべてチェックしていました。
現在は、その後ろにアディッシュさんの担当者が入ってくれています。AIの回答にズレがあれば、人が介入し、正しい内容で顧客にフォローしてくれる。入っていただいてから1ヶ月ほどで、私自身が「任せても大丈夫だ」と安心できる状態になりました。
その結果、常に問い合わせ対応を気にかけている状態から解放され、私は組織戦略を考えたり、CSとして顧客に直接向き合ったりすることに時間を使えるようになっています。
わずか1時間のオンボーディングで、プロダクト理解を自走して深めてくれた
──アディッシュの支援で、特に印象に残っていることはありますか。
藤井様:非常に驚いたのは、こちらが求めていた要件を完璧に満たしてことに加えて、まともなオンボーディングをほとんどしていないにもかかわらず、1週間もかからずに当社のプロダクトを理解してくれたことです。
習熟のスピードは非常に速く、今では当社のCSメンバーを含めてもトップクラスにプロダクトを理解していると思います。
顧客からの問い合わせに対して、正しい知識をわかりやすい言葉で伝える力も高いですし、顧客の文面に潜んでいる背景情報を汲み取ったうえで、適切な提案や回答ができています。一つひとつの対応レベルが非常に高く、期待以上の役割と成果を出してくれています。
──オンボーディングには、どれくらい時間をかけられたのでしょうか。
藤井様:実際にオンボーディングとして設けたのは、本当に1時間だけだと思います。(ごめんなさい)顧客に実施するようなプロダクトのオンボーディングを1回行い、その中で質問も受けました。
もちろん、その1時間ですべてを伝えきれるわけではありません。ですが、その後はヘルプセンターの記事を見たり、デモ環境を触ったりしながら、顧客に説明するための理解を自走して深めてくれました。
分からないことがあればすぐに質問してくれますし、その質問のレベルも高い。基礎的な質問はほとんど来ません。最低限の情報を提供すれば、自分でインプットし、顧客が満足できるアウトプットのレベルまで消化してくれる。そこが非常にありがたかったです。
──顧客対応以外の部分で、印象に残っていることはありますか。
藤井様:顧客対応だけでなく、AIを前提とした運用へのキャッチアップが早いことも印象に残っています。
当社では、顧客から問い合わせがあった際に、まずAIが回答する仕組みを整えています。そのAIが適切に回答できるようにするためには、ヘルプセンターにどのような構成でナレッジを蓄積していくかが重要になります。いわゆるナレッジマネジメントの領域ですが、そこについても自らキャッチアップし、必要な情報を整理してくれています。
こちらが細かくレクチャーしなくても、自分で考え、紐解き、答えを出してくれる。その力は非常に高いと感じています。
──顧客対応の品質面では、どのような変化を感じていますか。
藤井様:サポートを通じて提供される顧客体験の面でも、非常に良いものがあります。顧客からお褒めの言葉をいただく機会もありますし、私と同じクオリティで顧客に対応してくれていると感じています。
AIの回答がずれる場合でも、すぐに人が介入し、顧客に対して正しい回答を届け切る。ホスピタリティがあり、かつプロフェッショナルな対応によって、顧客に満足いただけるケースが増えています。
AIネイティブな問い合わせ体制を、少人数でも安定して回せる仕組みへ
──今後、アディッシュに期待していることを教えてください。
藤井様:今お願いしている業務領域については、100%以上対応していただいていると感じています。つい先日、アディッシュさんには追加でもう1名、当社のCX支援に入っていただくことになりました。
今後については、新しい領域に広げるというよりも、現在取り組んでいる業務をこの新たな体制でさらに深掘りしていくことが重要だと思っています。
当社はAIネイティブな企業として、今後顧客が増えても、問い合わせ体制を少人数で安定して回し切ることを目指しています。そのためには、人の対応から得られた知見や判断をAIにも学習させながら、仕組みとして維持できる状態をつくる必要があります。
顧客数やユーザー数がさらに増えても、単純に人を増やすのではなく、体制として回し切れるようにしていく。その中で、今の仕組みのままでよいのか、何を改善すべきなのか、足りない部分があれば提案していただけると嬉しいです。
──今後は、日々の顧客対応だけでなく、CX組織や体制づくりの部分でも一緒に取り組んでいきたいということでしょうか。
藤井様:そうですね。今後、CX組織をより強くしていくためには、仕組み化や体制づくりが必要になります。
そのために、未来に向かうためにどのような能力が必要なのか、CX人材の要件をどのように定義するべきなのか、今後想定される課題にどう備えるべきなのか。そうしたことを一緒に対話できるパートナーになっていただけると嬉しいです。
現在お願いしている業務については、十分すぎるほど対応いただいています。だからこそ次の段階として、マネージャーである私が抱えている業務や組織課題に対しても示唆をいただきながら、一緒により良いCX体制をつくっていければと思っています。
──最後に、アディッシュの支援を検討している企業に向けて、伝えたいことはありますか。
藤井様:おすすめできるポイントの一つは、オンボーディングのコストがほとんどかからなかったことです。
当時は私自身もCSやCXを見ながら、複数の業務を抱えている状況でした。そのため、担当者に対して十分なレクチャー時間を確保することは難しかったのですが、それでも早い段階で業務を理解し、実際の顧客対応まで進めてくれました。
忙しい中でも、できるだけ早く良い人材に来てほしいと考えている企業にとっては、非常に心強い支援だと思います。
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この記事を書いたライター
扇 凜音
医療機器営業を経験後、アディッシュのカスタマーサクセスとしてクライアント先のオンボーディングを担当。趣味はバレーボールと御朱印集め。
